血液脳関門通過型ハーラー症候群治療酵素製剤(開発番号:JR-171)について15th Annual WORLDSymposium 2019で発表

2019年2月12日
各 位




会 社 名 J C R フ ァ ー マ 株 式 会 社
代表者名 代表取締役会長兼社長 芦 田 信
(東証1部 コード番号4552)
問合せ先 執行役員経営企画本部長 本 多 裕
(TEL 0797-32-8591)


血液脳関門通過型ハーラー症候群治療酵素製剤(開発番号:JR-171)について
15th Annual WORLDSymposiumTM 2019で発表

当社は、2019年2月4日から8日にフロリダ州オーランドで開催された15th Annual
WORLDSymposiumTM 2019*において、血液脳関門通過技術「J-Brain CargoⓇ」を適応し
たハーラー症候群治療酵素製剤〔開発番号:JR-171(血液脳関門通過型遺伝子組換えα-L-
イズロニダーゼ)〕の非臨床試験データについて、ポスター発表を行いましたのでお知ら
せいたします。
本発表の概要は以下の通りです。


ライソゾーム病の一種であるハーラー症候群(ムコ多糖症 I 型)は先天的な α-L-イズロ
ニダーゼ(IDUA)遺伝子の変異等によって α-L-イズロニダーゼ活性が欠損または低下し、
基質であるヘパラン硫酸(HS)及びデルマタン硫酸(DS)が全身に蓄積することによって
発症する疾患である。通常の酵素補充療法では酵素が血液脳関門を通過できないため、中
枢神経症状に対する効果は限定的である。そこで当社は J-Brain Cargo®を適応することで
血液脳関門通過型 IDUA である JR-171 を作製し、中枢神経症状に対しても有効な酵素製
剤の開発を進めている。

サルを用いて JR-171 及び IDUA を静脈内投与し、脳内分布を比較した。 その結果、JR-171
投与個体では IDUA と比較して高いシグナルが脳内に検出され、 JR-171 の脳移行性が認め
られた。
また、ハーラー症候群病態モデルマウスに JR-171 を投与し、基質減少効果を評価した。
その結果、JR-171 投与群では脳中の HS 及び DS 濃度が著しく減少しただけでなく、末梢
組織においても既存酵素製剤投与群と同等の基質減少が認められた。
以上より、JR-171 は非臨床試験において脳移行性を示し、中枢神経症状に対する改善効
果が示唆された。



* WORLDSymposiumTM
このシンポジウムは、ライソゾーム病の基礎研究から臨床応用をテーマとして毎年米国で
行われる国際学会です。(http://www.worldsymposia.org/)
以上

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