血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤(開発番号:JR-141)第I/II相臨床試験結果の論文掲載(Molecular Therapy)についてのお知らせ

2018年12月21日
各 位




会 社 名 J C R フ ァ ー マ 株 式 会 社
代表者名 代表取締役会長兼社長 芦 田 信
(東証1部 コード番号4552)
問合せ先 執行役員経営企画本部長 本 多 裕
(TEL 0797-32-8591)


血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤(開発番号:JR-141)
第I/II相臨床試験結果の論文掲載(Molecular Therapy)についてのお知らせ

当社は、血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用したハンター症候群治療酵素製剤
〔開発番号:JR-141(血液脳関門通過型遺伝子組換えイズロン酸2スルファターゼ)〕につ
いて、この度、日本国内で実施した第I/II相臨床試験結果の報告が、米国遺伝子細胞治療学
会The American Society of Gene & Cell Therapy(ASGCT)の機関誌Molecular Therapy
電子版に学術論文として掲載されましたので、お知らせいたします。 本論文の概要は以下
の通りです。

◆論文タイトル:
Iduronate-2-sulfatase with anti-human transferrin receptor antibody for neuropathic
mucopolysaccharidosis II: a phase 1/2 trial

◆DOI(Digital Object Identifier:デジタルオブジェクト識別子):
https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2018.12.005

◆論文概要:
遺伝子組換えIDS酵素製剤(イデュルスルファーゼ)を継続投与している日本人ムコ多糖症
II型(ハンター症候群)患者14名を対象に、JR-141を週1回、全4回点滴静注して、安全性、
薬物動態ならびに探索的有効性を評価した。


・ 安全性:投与中止に至った事象や生命を脅かすような事象は認められず、週当たり最大
2.0 mg/kg投与の忍容性が確認された。
・ 薬物動態:投与量に依存した血中濃度-時間曲線下面積(AUC)並びに最高血中濃度
(Cmax)の上昇が認められた。また、投与開始21時間後までに血清中における薬物の
消失が確認された。
・ 探索的有効性:バイオマーカーのデータならびに2名の被験者における認知及び運動機
能の改善傾向から、中枢神経系症状の改善と、イデュルスルファーゼに劣らない全身症
状への効果が示唆された。
[中枢神経系症状のバイオマーカー]
JR-141を1.0 mg/kg/週又は2.0 mg/kg/週、3週間点滴静注した後、全被験者で脳脊髄液中の
ヘパラン硫酸(HS)の減少が認められた。
[全身症状のバイオマーカー]
イデュルスルファーゼから、 mg/kg/週又は2.0 mg/kg/週のJR-141投与に切り替えた被験
1.0
者において、血清中及び尿中のHS及びデルマタン硫酸(DS)、尿中のグリコサミノグリカ
ンについては、イデュルスルファーゼ投与時に比較し顕著な変動は認められなかった。



以 上

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