「第51回日本頭痛学会総会」における糸魚川総合病院との共同研究成果発表について -メディカルビッグデータ「REZULT」を活用した分析結果-

2023 年 12 月7日
各 位
会 社 名 日本システム技術株式会社
代 表 者 の
代表取締役社長 平林 武昭
役 職 氏 名
(コード番号 4323 東証プライム市場)

問い合わせ先 取締役執行役員 平林 卓

( T E L 06-4560-1000)



「第 51 回日本頭痛学会総会」における糸魚川総合病院との共同研究成果発表について
~メディカルビッグデータ「REZULT」を活用した分析結果~

当社は、糸魚川総合病院(新潟県糸魚川市)との間において実施中の「片頭痛と、片頭痛医薬品およ
び薬物乱用頭痛の関連性」に関する共同研究の成果について、第51回日本頭痛学会総会にて発表いたし
ましたので別紙のとおりお知らせいたします。
なお、本件が2024年3月期の連結業績に与える影響は、2023年5月12日発表の業績予想に含まれます。
今後の進展によって公表すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。


以上
NEWS RELEASE



報道関係者各位
2023 年 12 月7日
日本システム技術株式会社




「第 51 回日本頭痛学会総会」における糸魚川総合病院との共同研究成果発表について
~メディカルビッグデータ「REZULT」を活用した分析結果~



当社と勝木 将人先生(糸魚川総合病院、諏訪赤十字病院 脳神経外科・頭痛外来)との間において実施
中の「片頭痛と、片頭痛医薬品および薬物乱用頭痛の関連性」に関する共同研究の成果について、第 51
回日本頭痛学会総会にて発表いたしました。




■ 背景
頭痛は日本人の4人に1人が保有していると言われ、長期間にわたって医療費が伴う疾病となっており
ます。その中でも片頭痛は日本人全体での有病率は 8.4%とされており、多くの人が悩まされています。
一方で、近年では片頭痛の特効薬となる急性期治療薬や予防治療薬の開発も進んでいますが、急性期治療
薬の過剰摂取による薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の発生等において問題視されるケースも
ございます。
この状況に際して、当社は勝木 将人先生協力のもと、当社メディカルビッグデータを活用した、「片頭
痛と、片頭痛医薬品および薬物乱用頭痛の関連性」に関する共同研究を 2022 年 10 月より実施しておりま
す。
(https://www.jast.jp/cms/wp-content/uploads/2022/10/ir_notice20221018.pdf 参照)
NEWS RELEASE



■ 学会概要
名称 :第 51 回日本頭痛学会総会
テーマ :革新的進歩がもたらす最新の頭痛医療を患者さんのもとへ
会期 :2023 年 12 月1日(金)~2日(土)
会場 :パシフィコ横浜 会議センター(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
プログラム:http://jhs51.umin.jp/program.html


■ 発表概要
演題 :「医療レセプトデータ REZULT に基づく医原性薬剤の使用過多による頭痛の現状解析」
発表日時 :2023 年 12 月2日(土)14:20~15:20 「一般演題 25 頭痛一般2」


■ 研究内容
本研究では、頭痛患者に対する処方パターンについて、横断的研究と、経時的変化を観察した縦断的研
究の2つを行いました。医原性薬物乱用頭痛が否定できない処方(以下、過剰処方)はトリプタンと複合
鎮痛薬(30 錠/90 日以上)
、鎮痛薬単剤(45 錠/90 日以上)としました。
横断的研究では、2020 年のレセプトデータから、急性期治療薬の処方粒数が最大となる 90 日間を抽出
し、過剰処方の割合を検討しました。急性期治療薬が処方されていた 15,524 名の患者のうち、1,992 例
(12.8%)に過剰処方が認められました。
縦断的研究では、2010 年から 2022 年までのレセプトデータを用いて、初診時から2年間の処方パター
ンを追跡しました。頭痛初診から2年間追跡できた 545,021 名の患者のうち、2年間で過剰処方を1度で
も経験した患者は 40,082 例(10.1%)でした。


■ 今後の展望
本研究により、頭痛に対して処方がされている患者のうち、過剰処方が 12.8%に認められました。また
頭痛の病名がついてから2年以内に 10.1%が過剰処方を経験していることがわかりました。今後患者も医
療者も薬物乱用頭痛のリスクを正しく知り、適切な急性期治療薬の使用と処方が望まれます。今後、医原
性薬物乱用頭痛を啓発するために、保険者と患者や医療機関に向けた疾患啓発の取り組みを検討する予定
です。


■ 一般社団法人日本頭痛学会の詳細は以下をご参照ください。
https://www.jhsnet.net/


■ メディカルビッグデータ「REZULT」の詳細は以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/rezult_data/
NEWS RELEASE



■ 未来共創Labについて
未来共創Labは医療ビッグデータ事業として、医療現場や各種保険者様が抱える課題の解決へ向け
て、メディカルビッグデータ(レセプトデータ(※)、健康診断データ等)を利用した医療 DX を推進して
おります。データの価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も引き続き本
研究における分析を進めてまいります。
また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉
を」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増
進を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しております。




■ 共同研究者について
勝木 将人(糸魚川総合病院脳神経外科、諏訪赤十字病院 脳神経外科・頭痛外来)
<略歴>
2016 年 東北大学医学部医学科卒業
2021 年 糸魚川総合病院脳神経外科 医長
2023 年 諏訪赤十字病院 脳神経外科・頭痛外来
日本頭痛学会、日本脳神経外科学会、日本メディカル AI 学会等に所属。脳卒中や頭痛診療の傍ら、日本の
経済復興・医療過疎地域に関する問題を解決するため、公衆衛生活動や医療 AI の研究に尽力している。




※レセプトデータについて
レセプトとは、患者が受けた保険診療について、医療機関が保険者(市町村や健康保険組合)に請求す
る医療報酬の明細書のことです。医科・歯科の場合には診療報酬明細書、保険薬局における調剤の場合に
は調剤報酬明細書、訪問看護の場合には訪問看護診療費明細書とも言います。1患者、1か月、1医療機
関あたりで1件のレセプトにまとめられており、患者が医療機関を受診した原因となる疾病情報や、医療
費を支払っている情報等を保持しています。当社ではこれらの各種情報をデータベース化して保持してい
ます。


【本件に関するお問い合わせ先】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせはこちら ※別窓で外部サイトへ遷移します。
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/




以上

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