液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの高性能化のためのインセル用偏光子の開発

ニュースリリース



2019年5月8日
株式会社ポラテクノ
代表取締役社長 崎玉克彦

液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの高性能化のためのインセル用偏光子の開発

株式会社ポラテクノ(代表取締役社長:崎玉克彦、本社:新潟県上越市)は、薄型で耐熱性に優れ
たインセル用偏光子の開発に成功しました。

インセルとは偏光子をディスプレイの内部に配置することをいい、ディスプレイの高性能化、さま
ざまな機能付与が可能になります。従来の偏光板は、染色したPVA(ポリビニルアルコール)フィ
ルムをTAC(トリアセチルセルロース)フィルムなどの支持体で挟んだものに接着剤を塗布した構
造で、厚みも165μmと厚いものでした(図1)。開発したインセル用偏光子は染色したPVAと
接着層のみから構成されていて厚さは15μmと非常に薄くなっています(図2)。また150℃の
高温に30分耐えることができ、液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディス
プレイへのインセル化が可能になります
図3は液晶ディスプレイへの応用の一例で、量子ドットカラ
ーフィルーターの液晶層側にインセル偏光子を配置したもの
です。この構成により屋外視認性に優れ、消費電力が小さく色
再現性に優れた液晶ディスプレイの実現が可能になります[1]
[2]。図4は有機ELディスプレイへの応用の一例で、カバ
ーフィルムと有機EL素子の間にインセル用偏光子を配置し
た構造になっており、有機ELディスプレイの薄型化、フレキ
シブル化に寄与します。
2019年6月からサンプル出荷を開始し、2020年9月
には量産を開始する予定です。
なお、この製品は5月14~16日にサンノゼで開催される
国際シンポジウムSID2019併設の展示会に出展予定で
す。




参考文献
[1] N. Koma, et al., IDW2017, FMC2-5 (2017)
[2] N. Koma, et al., SID2018, P120 (2017)

本件に関するお問い合わせ先
株式会社ポラテクノ 経営企画部
電話:0255-78-4700
以上

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