当社アナリストレポート掲載のお知らせ

2021 年5月 13 日

各 位




会 社 名 株式会社ジーネクスト
代表者名 代表取締役 横治 祐介
(コード番号:4179 東証マザーズ)
問合せ先 取締役 CFO 三ヶ尻 秀樹
(TEL.03-5962-5170 )


当社アナリストレポート掲載のお知らせ

一般社団法人証券リサーチセンターより当社のアナリストレポートが掲載されましたのでお知
らせいたします。詳細内容は別添よりご確認ください。


アナリストレポートはこちらからもご覧頂けます。
https://holistic-r.org/report/4179/



以 上
ホリスティック企業レポート
ジーネクスト
4179 東証マザーズ
新規上場会社紹介レポート
2021年3月30日発行




一般社団法人 証券リサーチセンター

証券リサーチセンター
審査委員会審査済 20210329




Copyright© 2012 Stock Research Center. All Rights Reserved. 本レポートの権利は一般社団法人 証券リサーチセンターに属します。いかなる形でも無断での複写・転載・
利用を禁じます
新規上場会社紹介レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

ジーネクスト (4179 東証マザーズ) 発行日:2021/3/30

顧客対応業務を一元管理するデジタルプラットフォームの開発・提供を行う
特に食品業界において多くの実績とノウハウを有する
アナリスト:阪東 広太郎 +81(0)3-6812-2521
レポートについてのお問い合わせはこちら info@stock-r.org
【 4179 ジーネクスト 業種:情報・通信業 】
売上高 前期比 営業利益 前期比 経常利益 前期比 純利益 前期比 EPS BPS 配当金
決算期
(百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%) (円) (円) (円)

2019/3 505 - -104 - -109 - -110 - -46.4 -99.7 0.0
2020/3 531 5.1 -178 - -183 - -184 - -63.5 -30.1 0.0
2021/3 予 863 62.6 183 - 165 - 180 - 48.9 - 0.0
(注) 1. 連結ベース
2. 2021/3期の予想は会社予想
3. 普通株式について、2019年3月29日に付で1:40、2020年12月22日付で1:50の株式分割を実施。1株当たり指標は遡って修正

【 株式情報 】 【 会社基本情報 】 【 その他 】
株価 2,187円(2021年3月29日) 本店所在地 東京都千代田区 【主幹事証券会社】
発行済株式総数 4,082,200株 設立年月日 2001年7月12日 SMBC日興証券
時価総額 8,928百万円 代表者 横治 祐介 【監査人】
上場初値 2,851円(2021年3月25日) 従業員数 41人(2021年1月末) 東邦監査法人
公募・売出価格 1,230円 事業年度 4月1日~翌年3月31日
1単元の株式数 100株 定時株主総会 事業年度末日から3カ月以内


> 事業内容 ◆ 顧客対応 DX プラットフォーム事業を展開
ジーネクスト(以下、同社)グループは、顧客対応を DX 注1
化するプラットフ
ォーム「Discoveriez」を開発し、様々な規模・業界の顧客に提供している。同
注1)DX 社グループは、「顧客対応 DX プラットフォーム事業」の単一セグメントである
Digital Transformationの略称。企業 が、売上高は「クラウド事業」と「オンプレ事業」、「その他」の 3 つのサービス
がビジネス環境の激しい変化に対
に区分される。21/3 期第 3 四半期累計期間における売上構成比は、クラウド
応し、データとデジタル技術を活
用して、顧客や社会のニーズを基 事業 75.5%、オンプレ事業 18.7%、その他 5.8%である(図表 1)。
に、製品やサービスモデル、業務
を変革し、競争上の優位性を確立 【 図表 1 】サービス別売上構成
すること
2021/3期
2020/3期
サービス区分 第3四半期累計期間
販売高 構成比 前期比 販売高 構成比
(千円) (%) (%) (千円) (%)
クラウド事業 246,904 46.5 64.2 416,297 75.5
オンプレ事業 185,556 34.9 -4.9 103,067 18.7
その他 98,791 18.6 -38.1 31,692 5.8
合計 531,252 100.0 5.1 551,058 100.0

(出所)届出目論見書より証券リサーチセンター作成



なお、同社グループは、顧客対応業務を、コンタクトセンターやお客様相談
窓口など企業と顧客を繋ぐ窓口に寄せられる、問い合わせやクレームなど
に対応する業務としている。顧客と実際に対面する場合もあるが、基本的に
は電話やメール、チャットで対応するものを同社グループでは想定してい
る。
新規上場会社紹介レポート 2/10
本レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥
当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。
一般社団法人 証券リサーチセンターは、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したことによる直接・間接の損失や逸失
利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切の責任は閲覧した投資家にあり
ます。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。
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◆ 顧客対応 DX プラットフォーム「Discoveriez」
「Discoveriez」は、コールセンターやメール、チャットといった様々な窓口に
顧客から寄せられた問い合わせやクレームの内容を一元化し、社内の各部
署・社外のステークホルダーとの情報共有、業務フローに基づく対応の承認
や記録、リスクマネジメント、品質管理・新商品開発に活用できるソフトウェア
である。


同社グループによると、消費者を顧客とする多くの企業では、顧客からの問
い合わせやクレームの受付の窓口が、コールセンターやメール、チャットな
ど複数あり、別々のシステムで管理されているケースが多い。そのため、顧
客情報を横断的に検索できず、顧客対応の質・スピードが低下する、インシ
デントの発見が遅れる、業務改善に繋げにくいといった課題に直面している。
「Discoveriez」は上記のような課題に対して、顧客からの問い合わせ情報を
一元化し、検索や共有を可能にし、リスクを早期に察知し、関係者にアラー
トを出し素早くアクションに繋げたり、窓口横断での顧客ニーズの分析など
を可能にしている。


同社グループは、03 年 4 月に、お客様相談室に特化した業務サポートシス
テム「CRMotion」の提供を開始した。その後、音声認識サービス「BizVoice」
や顧客管理サービス「BizCRM」といった、顧客相談業務に関連したサービ
スを拡充してきた。19 年 11 月に、これらのサービスを統合して顧客対応 DX
プラットフォーム「Discoveriez」へとリニューアルした。


(1) クラウド事業
クラウド事業では、従来のオンプレミス型顧客対応窓口向けサービスで培っ
たノウハウをクラウド型サービスにした「Discoveriez」を提供している。これま
での実績から得た知見を活かした業界ごとのテンプレートを用意しているた
め、顧客は導入決定から 3 カ月程度で運用を開始できる。


同社グループの収益は、顧客から受け取る導入料とライセンス利用料で構
成されている。導入料は顧客が「Discoveriez」を導入する際に必要となる業
務フロー改善などに関するコンサルティング料や既存システムからのデータ
移管料、顧客の基幹システムとの連携に関連する開発費用で構成される。
ライセンス利用料は、基本利用料とオプション利用料で構成される。基本利
用料は導入 ID 数で決まり、1ID 当りの利用料は 1.5 万円/月である。オプシ
ョン利用料は特定のオプション機能の利用量に応じた従量課金制である。


(2) オンプレ事業
オンプレ事業では、BCP 対策や情報資産管理の観点から自社サーバーで
の顧客対応窓口システムの構築・運用を求める顧客向けに、「Discoveriez」
をオンプレミス型で提供している。各ユーザー企業の業務フローに合わせた
システムをカスタマイズで構築している。
新規上場会社紹介レポート 3/10
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当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。
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同社グループは、システム導入時に顧客から導入料を受け取り、導入後は
システム稼働期間にわたってメンテナンス・保守費用を受け取っている。導
入料およびメンテナンス・保守費用は、顧客ごとに相対で決めている。

◆ その他の事業
その他の事業として、同社グループは一定期間において最低限の仕事量
を保障するラボ型開発、コンサルティング業務等を行っている。同社グルー
プは、「Discoveriez」に経営資源を集中するため、20/3 期にラボ型開発から
の撤退を決定した。現在、同社グループは新規案件の受注は受けておらず、
過去に受託した案件のみを手掛けている。コンサルティング業務としては、
「next 相談室」という名称で、同社グループが蓄積している顧客対応に関す
る知見を活かして、顧客対応に関する戦略・運営方法を提案している。


◆ 顧客構成
「Discoveriez」の累積導入件数は、20 年 12 月末時点で 87 件である。顧客
企業の業種は食品メーカーが約 4 割、日用品メーカーが約 2 割、外食が約
1 割となっている。消費者が日々消費しており、製品の安全性などにセンシ
ティブな業界で導入が進んでいるようである。顧客の売上規模は約 9 割が
100 億円以上であり、大企業が大半を占めている。


同社グループの売上高は顧客分散が進みつつある。21/3 期第 3 四半期累
計期間において、売上高の 10%を超える顧客は存在しない(図表 2)。19/3
期および 20/3 期に売上高の 10%以上を占めたポーターズ(東京都港区)と
19/3 期に売上高の 12.7%を占めたパイプドビッツ(東京都港区)は、その他
の事業のラボ型開発によるものである。


【 図表 2 】主要相手先別販売高
2021/3期
2019/3期 2020/3期
相手先 第3四半期累計期間
販売高 構成比 販売高 構成比 販売高 構成比
(千円) (%) (千円) (%) (千円) (%)
サッポログループマネジメント - - 80,994 15.2 8,497 1.5
ポーターズ 53,104 10.5 63,192 11.9 18,668 3.4
パイプドビッツ 64,022 12.7 26,940 5.1 4,487 0.8
エスビー食品 51,683 10.2 8,231 1.5 6,565 1.2
(出所)届出目論見書より証券リサーチセンター作成



◆ 顧客の獲得経路
「Discoveriez」の顧客獲得経路は、顧客からの問い合わせが大半を占め、
一部がシステムインテグレーターからの問い合わせである。既存のオンプレ
ミス型の顧客相談窓口システムの入れ替えを検討する際に、同社グループ
新規上場会社紹介レポート 4/10
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新規上場会社紹介レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

ジーネクスト (4179 東証マザーズ) 発行日:2021/3/30


に問い合わせを行う顧客が多い。


同社グループは、消費者関連専門家会議や外食相談研究会、日本菓子
BB 協会といった食品業界や外食業界におけるお客様相談窓口に関連した
業界団体に加盟している。業界団体内で、同社グループの評判が口コミで
広がり、問合せに繋がっているようである。


21/3 期第 3 四半期累計期間より、既存システムのオンプレミスからクラウドへ
の移行に加えて、DX を目的とした問い合わせが拡大しているようである。


顧客が同社グループに問い合わせをしてから、システム導入の意思決定をす
るまでの期間は、顧客毎によって異なるが、半年程度のようである。


> 特色・強み ◆ 多様なニーズにカスタマイズ無く対応可能なソフトウェア
21/3 期第 3 四半期累計期間の売上高の 75.5%を占めるクラウド事業の内訳は、
フロー売上(導入料など)83.6%、ストック売上(ライセンス利用料)16.4%とフロ
ー売上が大半を占めており、事業は拡大段階にあると推察される。また、同社
グループのクラウド事業の解約件数は、20/3 期は 0 件、21/3 期第 3 四半期累
計期間は 1 件である。


順調な新規顧客の獲得、及び低い解約率の要因として、カスタマイズ開発を
行わなくても多様なニーズに対応可能、かつ誰にとっても使いやすいソフトウ
ェアであることが挙げられる。


同社グループが顧客対象とする食品や日用品の大手メーカーでは、相談窓
口に関して独自の業務フローやそれに基づくオンプレミスのシステムを持って
いる場合が大半である。システムの入れ替えに際して、導入・運用コストを低
減するためクラウドを希望するものの、既存システムが持つ機能の維持を望む
ケースが多い。同社グループのソフトウェアは、多数の機能・パラメーターが
標準装備されており、プログラムを書き換えることなく、パラメーターの調整に
よって顧客の要望に対応できるため、導入コスト・期間を低減できることが顧
客から選ばれる要因となっている。


同社グループは、多数の顧客相談窓口システムを手掛けた経験から効率的
注2)UI な業務フローなどに関する知見を持ち、導入時のコンサルティングの際に、顧
User Interfaceの略称。ユーザーが 客独自の業務フローに非効率な部分がある場合は、効率化の助言を行い、
PCやスマートフォン等のデバイス その結果同社グループの標準的な業務フローに変更するケースもあるようで
とやりとりする際の入力や表示方
ある。
法などの仕組み


注3)UX 「Discoveriez」は、相談窓口のオペレーターにとって使いやすい UI 注 2/UX 注 3
User Experienceの略称。サービス等 を持つため、システム教育のコストが低く、業務の効率化に繋がっている点が
によって得られるユーザー体験
顧客から評価されている。具体的には、1 画面で収まる画面構成、次に何を
新規上場会社紹介レポート 5/10
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ジーネクスト (4179 東証マザーズ) 発行日:2021/3/30


やればいいのかといったサジェスト表示やクリック数の少ない仕様設計などが
評価されているようである。


同社グループは、顧客対応窓口に関連した業界団体における定期的な意見
交換会や、顧客からの要望に基づき、「Discoveriez」の機能改良・開発を行っ
ている。


21/3 期第 3 四半期末時点での同社グループの人員構成は、約 70%がエンジ
ニア、約 15%が営業、約 15%がコーポレートであり、「Discoveriez」の機能強
化・改良を重視した体制を取っている。


> 事業環境 ◆ 顧客相談窓口システム市場の事業環境
顧客が顧客相談窓口システムを検討する際に、同社グループと比較検討す
る先としては、Salesforce と Zendesk が多い様である。Salesforce は「Service
Cloud」、Zendesk は「Zendesk Sunshine」という顧客ニーズに応じて、細かくカ
スタマイズできるソフトウェアを持つことから比較対象先として挙げられるようで
ある。


システムインテグレーターの多くは、以前は顧客相談窓口に関するパッケー
ジ ソ フ ト を 保 有 し て い た が、 効 率 化 を 優 先 す る 中 で 撤 退 し て い る た め 、
「Discoveriez」及び上記競合先からクラウドベンダーを選択している。


同社グループによると、同社グループの「Discoveriez」は顧客ごとのカスタマ
イズ開発なくクラウド型で提供することが可能であり、知名度では劣るものの、
導入コストの低さや導入期間の短さが上記競合先に対する優位性となってい
る。


> 業績 ◆ 過去の業績
届出目論見書には、16/3 期からの単体業績及び、19/3 期以降の連結業績
が記載されている(図表 3)。16/3 期から 18/3 期にかけては、「Discoveriez」
の前身である「CRMotion」の導入が進んだことで、売上高が 259 百万円から
464 百万円まで拡大した。18/3 期以降は、「Discoveriez」の導入が進む一方
で、その他事業のラボ型開発を縮小した事で売上成長が鈍化した。


18/3 期から 20/3 期にかけては、クラウド事業における個別案件ごとのカスタ
マイズ開発に伴う外注費の増加や、「Discoveriez」の基盤開発並びに機能
強化に伴う研究開発費が増加したことで経常損失が続いた。21/3 期第 3 四
半期累計期間においては、「Discoveriez」の機能開発が一巡した事によっ
て、これまで個別案件毎に発生していた開発工数が削減され、粗利率が改
善したことで、65 百万円の経常黒字を計上している。



新規上場会社紹介レポート 6/10
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ジーネクスト (4179 東証マザーズ) 発行日:2021/3/30



【 図表 3 】業績推移

(百万円)

600 売上高 経常利益 531 551













-100 -35
-200 -109
-183
-300 -231
16/3期 17/3期 18/3期 19/3期 20/3期 21/3期
3Q累計

(注) 18/3 期までは単体ベース、19/3 期以降は連結ベース
(出所)届出目論見書より証券リサーチセンター作成




◆ 21 年 3 月期会社計画
21/3 期の会社計画は、売上高 863 百万円(前期比 62.6%増)、営業利益 183
百万円(前期は 178 百万円の損失)、経常利益 165 百万円(同 183 百万円の
損失)、親会社株主に帰属する当期純利益 180 百万円(同 184 百万円の損失)
である。同社グループの 21/3 期計画は、20 年 4 月から 10 月までの実績に 11
月以降の予測値を加算したものである。


21/3 期第 3 四半期累計期間の業績は、売上高 551 百万円、営業利益 65 百
万円、経常利益 65 百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益 56 百万円
であり、通期計画に対する進捗率は売上高 63.8%、営業利益 35.5%、経常利
益 39.4%、親会社株主に対する四半期純利益 31.1%となっている。同社によ
ると、同社グループの顧客は 3 月決算の大手企業が多く、第 4 四半期に売上
が偏る傾向にあるとしている。


売上高は、「Discoveriez」の新規顧客の獲得が進んだことや、既存顧客にお
ける ID 数の増加によるストック収益の増加などによって、前期比 62.6%増の
863 百万円を計画している。


主に開発部門の人件費、外注費、クラウドサービス用のサーバーの通信費で
構成される売上原価は、「Discoveriez」の基盤開発がひと段落したことからカ
スタマイズが不要になったことに伴う外注費の減少などによって、前期比
18.9%減の 321 百万円が見込まれている。


新規上場会社紹介レポート 7/10
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ジーネクスト (4179 東証マザーズ) 発行日:2021/3/30



販売費及び一般管理費(以下、販管費)は、主に人件費(役員報酬、営業部
門と管理部門の給与手当等)で構成される。事業拡大に伴う人員数の増加や、
スマホ対応や音声認識などの要素技術に関する研究開発費用等によって、
前期比 14.7%増の 358 百万円が見込まれている。以上の結果、営業利益は
183 百万円(前期は 178 百万円の損失)を計画している。


営業外収支が 18 百万円のマイナスになるのは、支払利息と株式上場関連費
用が主たる要因である。特別損益については、見込んでいない。


◆ 成長戦略
同社グループは、「Discoveriez」について、1)新規契約件数の拡大、2)契約
単価の向上、3)利用シーンの拡大を中期の成長戦略としている。


新規契約件数の拡大については、食品以外の業界や中堅企業への導入拡
大を目指すとしている。食品以外の業界への導入拡大に向けては、食品や
外食以外の業界における顧客相談窓口に関する業界団体に加盟し、認知度
を高めていく方針である。中堅企業については、手離れの良いクラウドを中心
にプロモーションによって認知度を高め、販売代理店を通して拡販してゆきた
いとしている。


契約単価の向上に向けては、大企業向けを中心に追加オプション機能を充
実させる方針である。同社は、リスク情報アラート機能の強化や顧客対応業務
の FAQ サポート機能、顧客対応方法のサジェスト機能といったオプションを今
後リリースする予定である。


利用シーンの拡大については、株主対応や病院の入院患者管理といった分
野への適用を目指している。同社によると、株主対応については 21 年中にサ
ービスをリリース予定であり、入院患者管理については 21 年 3 月から病院で
の効果検証が行われている。


同社グループは、成長戦略の実現に向けて、事業拡大に伴い増加する人件
費や採用活動費及び「Discoveriez」の更なる機能強化のための開発費用等
に調達資金を充当していく考えである。


◆ 事業環境について
>経営課題/リスク
同社グループは、顧客対応窓口に特化したインシデント/クレーム情報を活用
する「顧客対応 DX プラットフォーム」の開発・提供を主力事業としている。事
業の持続的な発展のためには、社会的ニーズや関連市場の拡大が必要とな
る。しかしながら、同社グループが事業環境の変化に適切に対応できなかっ
た場合、または、新たな法規制の導入等の予期せぬ原因により関連市場の
成長が鈍化した場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
新規上場会社紹介レポート 8/10
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◆ 競合について
「顧客対応窓口の業務システム」に関するシステム開発・運営について、今後
既存企業との競争の激化や新たな企業の参入も予想される。過度な価格競
争等を含む競争の激化が生じた場合や、同社グループが十分な差別化を図
れず競争力が低下した場合には、同社グループの経営成績及び財政状態
に影響を及ぼす可能性がある。


◆ 配当政策
同社グループは、株主に対する利益還元も経営の重要な経営課題と認識し
ている。しかし、財務体質の強化と事業展開を優先し、創業以来無配としてい
る。現時点においては配当実施の可能性及びその時期などについては未定
としている。




新規上場会社紹介レポート 9/10
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ジーネクスト (4179 東証マザーズ) 発行日:2021/3/30


【 図表 4 】 財務諸表
2019/3 2020/3 2021/3 3Q累計
損益計算書
(百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%)
売上高 505 100.0 531 100.0 551 100.0
売上原価 364 72.2 396 74.7 216 39.2
売上総利益 140 27.8 134 25.3 335 60.8
販売費及び一般管理費 245 48.5 312 58.9 269 48.9
営業利益 -104 -20.7 -178 -33.6 65 11.9
営業外収益 0 - 0 - 7 -
営業外費用 5 - 5 - 6 -
経常利益 -109 -21.8 -183 -34.5 65 12.0
税引前当期(四半期)純利益 -109 -21.8 -184 -34.7 65 12.0
親会社株主に帰属する当期(四半期)純利益 -110 -21.8 -184 -34.7 56 10.3

2019/3 2020/3 2021/3 3Q
貸借対照表
(百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%)
流動資産 179 95.7 238 98.3 623 98.6
現金及び預金 26 13.9 139 57.4 450 71.2
売上債権 75 40.4 45 18.9 139 22.0
棚卸資産 56 29.9 36 15.2 13 2.2
固定資産 8 4.3 4 1.7 9 1.4
有形固定資産 2 1.3 0 0.2 0 0.0
無形固定資産 - - - - 5 0.9
投資その他の資産 5 3.0 3 1.6 2 0.5
総資産 187 100.0 242 100.0 632 100.0
流動負債 197 105.0 195 80.5 155 24.5
買入債務 64 34.1 41 17.1 16 2.7
短期借入金 - - 1 0.5 - -
1年内返済予定長期借入金 90 48.1 85 35.4 47 7.6
前受収益 12 6.5 17 7.2 11 1.8
固定負債 229 122.1 143 59.2 252 39.8
長期借入金 227 120.9 141 58.2 248 39.3
純資産 -238 -127.2 -96 -39.7 225 35.7
自己資本 -239 -127.6 -96 -39.9 225 35.6


キャッシュ・フロー計算書
(百万円) (百万円)
営業キャッシュ・フロー -137 -119
減価償却費 7 1

投資キャッシュ・フロー -2 -2

財務キャッシュ・フロー 123 233
配当金の支払額 - -
現金及び現金同等物の増減額 -16 111
現金及び現金同等物の期末残高 14 125
(出所)届出目論見書より証券リサーチセンター作成


新規上場会社紹介レポート 10/10
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