水素透過膜論文掲載のお知らせ

2023 年 3 月 24 日

各 位

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株 式 会 社 山 王
代 表 取 締 役 社 長 三 浦 尚
(コード番号:3441)

問い合せ先 取 締 役 浜 口 和 雄

電 話 番 号 0 4 5 ( 5 4 2 ) 8 2 4 1


水素透過膜論文掲載のお知らせ

国立研究開発法人産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所のご支援をいた
だき開発を進めております水素透過膜について、この度パラジウム水素透過膜の以下の 2
点の論文が、国際学術誌「Inorganics」並びに日本材料科学会の「材料の科学と工学」に
掲載されましたのでお知らせします。



①題名 Collectable Single Pure-Pd Metal Membrane with High Strength and
Flexibility Prepared through Electroplating for Hydrogen Purification
(邦題 水素精製のための高い強度と柔軟性を備えた回収可能な電気めっきによる純パラ
ジウム単膜の成膜)

カーボンニュートラルの世界的な潮流の中で水素の重要性が益々高まっています。多く
の水素は改質反応から製造されるため、付加価値の高い純水素を得るためには精製プロセ
スが必要です。金属系水素分離膜を用いた水素精製は 1 段プロセスで 100%純水素が得ら
れるため、その実用化が期待されています。
私たちは既に電気めっきによる Pd-Cu 合金水素透過膜のワンステップ成膜技術により
低コスト化が図れることを報告してきました。電気めっき法は大量生産に向いており、膜
厚制御が容易、高純度な成膜が可能、といったメリットを有しています。
一方、純 Pd めっき膜は最も典型的な水素透過膜である一方、成膜過程で発生する水素
が吸蔵し、硬くて脆くなり単体の平膜として回収することが困難という課題がありました。
私たちは Pd-Cu 合金水素透過膜のワンステップ成膜で培ったノウハウを純 Pd めっき水
素透過膜の成膜に応用し、純 Pd 膜単層膜の回収に成功しました。得られた結果は電気め
っきによる Pd 系水素透過膜の開発で欠かせない知見となり、 低コストな純 Pd めっき水素
透過膜の実用化に寄与するものと期待されます。

掲載 URL https://www.mdpi.com/2304-6740/11/3/111
「Inorganics」 2023, 11, 111
②題名 ウエットプロセスによる薄膜水素透過膜の開発

これまで水素透過膜として利用されているパラジウムは高価で価格変動も激しいなどの
大きな欠点がありました。そこで、当社はコア技術である貴金属電気めっき技術を用いて
合金化と薄膜化により、パラジウム使用量を大幅に削減できる薄膜パラジウム-銅合金水素
透過膜の開発に成功しました。
本稿では、パラジウム系膜での水素透過の原理や、パラジウム-銅合金膜の作成プロセス、
パラジウム-銅合金膜の水素透過度、薄膜化によるパラジウム使用量削減の評価などをはじ
め、ウエットプロセスによる水素透過膜の開発事例を紹介しております。

日本材料科学会「材料の科学と工学」Vol.60 No.1 2023 年 2 月 20 日発行

尚、本件による 2023 年 7 月期の業績への影響はありません。
以上

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