「ウシ ミルク由来エクソソーム」発売のお知らせ

平成 29 年 8 月 29 日
各 位
会 社 名 コスモ・バイオ株式会社
代表者名 代表取締役社長 櫻井 治久
(コード3386)
問合せ先
役職・氏名 取締役総務部長 柴山 法彦
電 話 03-5632-9600



「ウシ ミルク由来エクソソーム」発売のお知らせ

~DDSツール開発をサポートします~


このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、「ウシ ミルク由来エクソソーム」を
発売することといたしましたのでお知らせいたします。


1.「ウシ ミルク由来エクソソーム」の概要および用途
エクソソームは、細胞から放出される脂質二重膜で形成される直径 50~150 ナノメートル(1
ナノメートルは 1 ミリメートルの百万分の一)程の小胞で、多くの生物では主に唾液や血液、
尿、羊水、母乳等の体液中に存在しています。このエクソソームの中にはさまざまな種類のタ
ンパク質やRNAが含まれており、なかでもエクソソームに含まれるマイクロRNA注1)
は近年、
病気の診断を簡単かつ高感度で行える新たなバイオマーカー注2)として注目を浴び、日本のみな
らず世界中で活発に研究が行われています。
また、最近の研究では、エクソソームが遠く離れた別の細胞にまで到達し取り込まれること
によって、細胞間の情報伝達を行うことが示唆されています。この細胞間の情報伝達の媒介役
を担うというエクソソームの特徴を、また、脂質の膜がさまざまな分子を取り込める性状であ
るという特徴を利用して、エクソソームの中に治療用の薬剤を搭載し、標的細胞や臓器に薬剤
を届けるDDS(ドラッグデリバリーシステム)ツールとしての研究も行われております。


このたび当社が発売する研究用「ウシ ミルク由来エクソソーム」は、国立がん研究センター
研究所において得られた研究成果※を応用して当社が開発した製品で、健康なウシから採取した
生乳から超遠心分離法によって調製したエクソソームです。in vitro 注3)から in vivo 注4)まで
幅広い実験にご利用いただけます。

事業名:日本医療研究開発機構(AMED) 革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発事業
課題名:エクソソーム改変技術を用いた新規ドラッグデリバリーシステムの開発
研究代表者:国立がん研究センター研究所 分子細胞治療分野 吉岡 祐亮 氏


当社は、平成 28 年 7 月 25 日のプレスリリースにてお知らせいたしましたように、ヒトエク
ソソーム検出用モノクローナル抗体(抗 CD9、抗 CD63 及び抗 CD81)に関する特許権譲受契約を



塩野義製薬株式会社と締結しており、これら抗体を含め、近年急速に拡大しているエクソソー
ム研究に必要な新規試薬の開発を積極的に行っております。今回発売する「ウシ ミルク由来エ
クソソーム」もラインアップに加え、これらの製品を国内の学術研究向けばかりではなく、製
薬会社、臨床検査薬開発会社などの民間企業をはじめ、世界に向けて販売してまいります。


2.製品の販売開始日および希望販売価格
販 売 開 始 日:平成 29 年 8 月 30 日
希望販売価格:100μLx10 本 30,000 円(税別)
1mLx10 本 100,000 円(税別)


3.業績見通しに与える影響
当社グループの収益基盤の拡大に繋がるものと考えておりますが、当社グループ全体の当面
の業績に大きな影響はありません。
以上




《用語解説》

注1) マイクロRNA

生体内に存在する 21-25 塩基長の短いRNA。遺伝子発現を調節していることが知られており、ヒトには約

2,500 種類のマイクロRNAが存在している。

注2) バイオマーカー

さまざまな疾患の進行度、存在を示す指標となる生体分子等。

注3) in vitro
「試験管内の」という意味で、試験管や培養器などの中で体内と同様の環境を人工的に作り、ヒトや動物の被

検物質と薬物等の反応を検出する試験のことを指す。

注4) in vivo
「生体内での」という意味で、マウスなどの実験動物を用い、生体内に直接被験物質を投与し、生体内や細胞

内での薬物等の反応を検出する試験のことを指す。





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