ヒト臨床試験により、ミドリムシの継続摂取が 脳の状態に効果的に寄与することを確認しました

2019 年 5 月 28 日

健康寿命を支えるスッキリや機敏さ、いきいきへ!
ヒト臨床試験により、ミドリムシの継続摂取が
脳の状態に効果的に寄与することを確認しました
~脳由来神経栄養因子(BDNF)の上昇や認知機能速度・運動速度の向上、
心の健康スコアの改善などを確認~
株式会社ユーグレナ


株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、ヒト臨床試験にて、微
細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下ユーグレナ)粉末を継続的に摂取するこ
とにより、脳の神経細胞の増加に不可欠なたんぱく質である脳由来神経栄養因子(以
下 BDNF)の上昇、脳からの指令で身体が動く速度(認知機能速度*1・運動速度*2)の
向上、心の健康スコアの改善を示す研究結果を確認しました。
なお、今回の研究結果は、5 月 17 日~19 日に行われた第 73 回日本食糧栄養学会
※ユーグレナ粉末入り
にて発表しました。
ドリンクイメージ


~リリースのポイント~
ユーグレナ粉末の継続摂取により、


① 脳細胞の増加に不可欠なたんぱく質・BDNF の上昇を確認。
→BDNF は、アルツハイマー型認知症やうつ病患者では
量が減少することが知られている。


② 脳における認知機能速度および運動速度の測定でスコアの
向上を確認。
→想定外の危険を回避すること(例:障害物による転倒)や、
より機敏に身体を動かすことができやすくなる可能性が
示された。


③ 日常生活での心理的な健康感に関するスコアの改善を確認。
→イキイキ楽しく穏やかな気持ちでいることをサポートで
きる可能性が示された。


*1 認知機能速度:脳と身体が情報や物ごとを理解して反応する速さを表し、運動量とともに、身体活動量に相関する。
*2 運動速度:運動速度が低下すると、体の運動機能が低下している可能性がある。



■研究の目的、実施方法
寿命と健康寿命の差異、すなわち健康上不具合を抱えながら生活する期間は、日本では男性が約 9
年、女性が約 12 年あるとされています(図 1)。また、脳は、運動、知覚など神経を介する情報伝
達において最も重要な組織であるとともに、感情、情緒、理性などの精神活動においても重要な役割
を果たします。
資料:厚生労働省 平成 30 年「第 11 回健康日本 21(第二次)推進専門委員会」【資料1-1】①1.健
康寿命の延伸と健康格差の縮小(p5)にて作成された資料をもとに作成

図 1:健康寿命と平均寿命の差


今回の臨床試験では、ユーグレナ粉末の継続摂取が脳の状態とそれに由来する健康課題にどのよ
うに影響するかを確認すべく、年齢が 50 歳以上 70 歳未満の健康上問題のない閉経後の女性 62 人を
対象に、朝昼夕食後の 1 日 3 回 1 g ずつ、ユーグレナ粉末もしくはユーグレナの含まれていないプラ
セボ粉末を 24 週間継続摂取してもらい、摂取前および摂取開始後 24 週目までの期間中に、①血液
検査、②脳と身体の動き(認知機能)に関するテスト、③心理的な健康状態等に関する質疑を行いま
した。なお、試験は二重盲検プラセボ対照比較試験*3 で実施しました。
*3 二重盲検プラセボ対照比較試験:試験を行う評価者(医師・スタッフ)と被験者の双方が、それぞれのグループがどの試験食を
食べているのかわからない状態にして行う試験。より信頼性が高い結果が得られるとされている。



■結果
ユーグレナ粉末を継続摂取することで、以下の結果が示されました。
① 脳細胞の増加に不可欠なたんぱく質である血中の BDNF の上昇
② 脳からの指令で身体が動く速度(認知機能速度・運動速度)の向上
③ 健康関連 QOL(生活の質)としての心の健康スコアの改善
試験内容の詳細は以下のとおりです。


①血中 BDNF 値の上昇
血中の脳由来神経栄養因子(BDNF)量を測定したところ、プラセボ粉末を摂取したグループに比
べ、24 週目の血中の BDNF の変化量が有意に上昇しました。

血中BDNF値
開始前からの変化量[pg/mL]




3000 +
+


*




-1500
6週間 12週間 24週間
開始前 6週間 12週間 24週間
プラセボ摂取群 29993.55 29854.84 30241.94 29335.48
(n=31) ±1193.65 ±1221.07 ±1199.65 ±1210.04

ユーグレナ摂取群 27649.03 28933.87 29335.48 28622.58
(n=31) 1172.32± ±1438.15 ±1141.22 # ±1154.29

*p<0.05、+p<0.1 vs プラセボ摂取群
#p<0.1 vs開始前
②脳機能における認知機能速度と運動速度の向上
言語、視覚、情報処理能力など 7 項目のテスト*4 で、脳機能における認知機能速度および運動速
度に関する測定を行った結果、認知機能速度は 12 週目でユーグレナ摂取群のスコアの変化量がプラ
セボ摂取群に比べて有意に上昇しました。また、運動速度に関しては、ユーグレナ摂取群において 12
週目、24 週目のスコアの変化量が有意に上昇していることを確認しました。
*4 Cognitrax(コグニトラックス)というパソコンを用いた認知機能検査で測定している。




認知機能速度 運動速度





開始前からの変化量
開始前からの変化量




10 * 10 *** *




-5
-10 -5

-15 -10
12週間 24週間 12週間 24週間
開始前 12週間 24週間 開始前 12週間 24週間
プラセボ摂取群 162.81 159.03 167.87 プラセボ摂取群 108.35 104.35 110.61
(n=31) ±5.11 ±4.97 ±3.31 (n=31) ±4.23 ±4.34 ±2.17

ユーグレナ摂取群 154.45 158.06 163.35 ユーグレナ摂取群 100.13 102.97 106.29
(n=31) ±5.62 ±4.96 ±3.79 # (n=31) ±4.25 ±3.70 ±2.16

*p<0.05、vs プラセボ摂取群 ***p<0.001、*p<0.05 vs プラセボ摂取群
#p<0.1 vs開始前




③心の健康スコアの改善
過去 1 か月の健康状態や普段の活動について質問を行い、主観的に感じる日常生活での心理的な
健康感のスコアを算出*5 しました。その結果、ユーグレナ摂取群における 6 週目、12 週目、24 週目
の心の健康スコアの変化量が、プラセボ摂取群に比べて有意に改善しました。
*5 SF-36 にて測定。SF-36 とは、36 項目の質問から構成される健康関連 QOL(生活の質)の測定方法のこと。心の健康について
は、スコアが高ければ「落ち着いていて、楽しく、おだやかな気分になること」を、スコアが低ければ「いつも神経質でゆうう
つな気分であったこと」を表す。

心の健康

10 ** *** *
開始前からの変化量








-5

-10
6週間 12週間 24週間
開始前 6週間 12週間 24週間
プラセボ摂取群 80.48 77.42 77.26 79.68
(n=31) ±13.93 ±14.83 ±12.30 ±14.55

ユーグレナ摂取群 74.19 80.32 79.35 79.35
(n=31) ±13.67 ±8.94 § ±15.10 § ±10.93 §


***p<0.001、**p<0.01.*p<0.05 vs プラセボ摂取群
§p<0.05 vs 開始前
<微細藻類ユーグレナについて>
微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)は、植物と動物の両方の特徴を持ち、ビタミン類やミ
ネラルなど豊富な種類の栄養素をバランス良く含む藻の一種です。2005 年に株式会社ユーグレナが
世界で初めて食用屋外大量培養に成功しました。
以上

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