L8020乳酸菌発酵物含有タブレットの継続摂取により口腔内の状態が改善することを証明

神戸市中央区港島中町 6-13-4 フジッコ株式会社 東証第一部コード番号 2908 2021 年 9月 16 日


-日本歯科衛生学会 第 16 回学術大会で発表予定-
L8020 乳酸菌発酵物含有タブレットの継続摂取により
口腔内の状態が改善することを証明

フジッコ株式会社(本社:神戸市中央区/代表取締役社長執行役員:福井正一)は、広島大学大学
院 医系科学研究科 教授 二川浩樹先生との共同研究により、L8020乳酸菌発酵物含有タブレット
の継続摂取により口腔内の状態が改善することを明らかにしました。この研究成果は、日本歯科衛生
学会 第16回学術大会(会期:2021年9月18日(土)~30日(木)、Web開催)にて発表いたします。


L8020乳酸菌(正式名称:Lactocaseibacillus rhamnosus KO3、ラクトカゼイバチルス ラムノー
サス ケーオースリー)は、二川先生により虫歯のない健康な子どもから発見されたヒト由来の乳酸
菌です。フジッコでは、このL8020乳酸菌の発酵物を含有するタブレットの製品開発を行っています。
以前の研究で、このL8020乳酸菌発酵物含有タブレットを摂取した直後に口内の虫歯菌や歯周病菌が
減少すること、唾液を使った簡易検査(SMT検査、ライオン社)により口腔内状態が改善することを
明らかにしました。
今回の試験では、この臨床的意義を精査するため、健康なボランティアの方にL8020乳酸菌発酵物
含有タブレットを4週間継続して摂取していただき、その効果を調べました。


その結果、L8020乳酸菌発酵物含有タブレットの継続摂取により、歯科臨床検査項目の一つであるBOP
(Bleeding On Probing)が改善し、歯ぐきの状態が改善することが明らかになりました(図1)。また、
口腔内の状態をVAS(Visual Analogue Scale)によって主観評価してもらったところ、L8020乳酸菌発酵
物含有タブレットの摂取により、口臭や口の中のねばつきが低減することが分かりました(図2)。さら
に、L8020乳酸菌発酵物含有タブレットを摂取したグループでのみ、口臭原因物質のひとつであるメチル
メルカプタンが減少することが分かりました。
よって、L8020乳酸菌発酵物含有タブレットの継続的な摂取により歯ぐきの状態が改善し、さらに口腔
内状態の改善が体感として得られることが明らかにされました。なお、本研究内容は2022年2月発行の日
本歯科衛生学会雑誌 Vol.16 No.2に原著論文として掲載予定です。


口腔内の状態は全身の健康に影響することが解明されてきており、口腔内を良い状態に保つことが健
やかな毎日を過ごすことに重要とされています。本研究で用いた L8020 乳酸菌発酵物含有タブレットに
は口腔内の状態を改善する作用がある事から、歯みがきなどの普段のオーラルケアに加えていただくこ
とで、人々の健康づくりに貢献できるものと期待されます。





図 1. L8020 乳酸菌発酵物含有タブレットの摂取による歯科臨床検査項目の改善
被験食群は L8020 乳酸菌発酵物含有タブレットを摂取したグループ(n=12)
、プラセボ群は L8020
乳酸菌発酵物を含まないタブレットを摂取したグループ(n=10)
。試験参加者には 4 週間、昼食後
に毎日タブレットを摂取してもらい、歯科臨床検査項目である BOP※1 の変化を調べた。 ** p < 0.01、

対応のある t 検定により摂取前との有意差あり)
※1
BOP(Bleeding On Probing):プロービング※2 時の出血。指定の 6 本の歯の 6 部位をプロ
ービングした際の出血部位の割合を求めた。
※2
プロービング :歯と歯茎の間にプローブと呼ばれる器具を挿入すること。




図 2. L8020 乳酸菌発酵物含有タブレットの摂取による口腔内状態の体感改善
VAS(Visual Analogue Scale)検査により、口腔内状態の主観評価を実施した。
口臭、ねばつき、乾燥は「0:非常に気になる――100:全く気にならない」
、スッキリ感は「0:全く
感じないー-100:非常に感じる」を評価尺度とした。100 mm の直線の左端を 0、右端 100 として直線
(** p < 0.01、*** p < 0.001、対応の
上に縦線で印をつけてもらい,左端からの距離を記録した。
ある t 検定により摂取前との有意差あり)





■発表の詳細
「Lacticaseibacillus rhamnosus L8020 含有タブレットの継続摂取による影響」
日本歯科衛生学会 第 16 回学術大会(https://jsdhm.jdha.or.jp/16th/、Web 開催)
会 期 : 会期:2021 年 9 月 18 日(土)~30 日(木)
演 題 番 号: O-18(口頭発表)




【目的】
Lacticaseibacillus rhamnosus L8020(L8020 乳酸菌)はう蝕罹患歴のない健常者の唾液から分離され、
単回摂取によって口腔内のう蝕原因菌数や歯周病原因菌数、口臭成分を減少させることが明らかとなって
いる。そこで本研究では、L8020 乳酸菌発酵物含有タブレットの継続摂取が臨床症状や体感に与える影響
について明らかにすることを目的とした。
【対象および方法】
33~61 歳の健常者 23 名を対象に、プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。L8020 乳酸菌発酵物含
有タブレット(被験食)またはプラセボタブレット(プラセボ食)を 4 週間摂取させ、試験食摂取前後で
の臨床症状や OralChroma を用いた口臭成分の変化、および Visual Analogue Scale による体感効果を検
証した。
【結果および考察】
臨床症状については、被験食群では Gingival Index(GI)および Breeding of Probing(BOP)で、プ
ラセボ食群では Probing Pocket Depth および BOP で改善効果が見られた。また GI は摂取前後の変化量に
おいて群間で改善傾向が見られた。口臭成分については、被験食群では硫化水素およびメチルメルカプタ
ンで、プラセボ食群では硫化水素のみで改善効果が見られた。さらに体感効果については、被験食群では
口臭およびねばつきの項目で改善効果が見られ、ねばつきの項目については摂取前後の変化量において群
間で有意な改善効果が見られた。このように、プラセボ群と比較して有意な効果が見られていることから、
それらの効果は L8020 乳酸菌発酵物によるものであることが示唆された。
【結論】
L8020 乳酸菌発酵物含有タブレットの継続的な摂取により、臨床症状や体感を含めた口内環境の改善が
期待できることが明らかとなった。




<お問い合わせ先> フジッコ株式会社
担当者:研究開発部 機能性研究チーム 田畑 祥之
責任者:研究開発部 部長 鈴木 利雄
TEL:078-303-5385 FAX:078-303-5944
ホームページアドレス:https://www.fujicco.co.jp





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