黒大豆ポリフェノールの抗疲労効果を確認

神戸市中央区港島中町 6-13-4 フジッコ株式会社 東証第一部コード番号 2908 2021 年 6月 29 日



-日本栄養食糧学会 2021 年度大会で発表予定-
黒大豆ポリフェノールの抗疲労効果を確認


フジッコ株式会社(本社神戸市:代表取締役社長執行役員 福井正一)は、総合医科学研究
所(本社大阪府豊中市:代表取締役社長 杉野友啓)と共に実施した、黒大豆ポリフェノール
の抗疲労効果に関する研究成果について、2021 年 7 月 3 日~4 日に開催される日本栄養食糧学
会 2021 年度大会において発表いたします。本成果は、医学雑誌「薬理と治療」
(2021 年 6 月号)
に論文掲載されました。また、抗疲労効果の作用機序を、理化学研究所(生命機能科学研究セ
ンター生体機能動態イメージング研究チーム)との共同研究により検証しました。


【研究背景と目的】
黒大豆は古くから日本で食べられているおせち料理の定番です。黒い色は邪気を払うと考え
られて、「一年間の厄を払って、今年一年を元気に働けますように」という願いが込められて
います。本年度(2021 年)の NHK 大河ドラマ「青天を衝け」の第一話でも、黒大豆の健康効果
について取り上げられています。「毎朝黒豆を 100 粒食べて牛乳を飲む」という健康法は、水
戸藩主の徳川斉昭公が、息子である江戸幕府十五代目将軍の徳川慶喜公に勧めていたという記
録があります。徳川慶喜公は江戸時代最も長生きした将軍です。昔の人々も経験的に黒大豆の
健康効果を感じていたようです。


我々は、黒大豆の種皮より抽出した黒大豆ポリフェノール『クロノケア®』を開発し、これま
『クロノケア®』は低分子のプロシアニジンを豊富に含
で様々な機能性研究を行ってきました。
『クロノケア®』の抗酸化作用
み、非常に高い抗酸化作用を示します。これまでの研究により、
は体内の酸化ストレスを低減し、血管内皮機能やメタボリックシンドロームの改善等の機能性
効果を発揮することが明らかになっています。


体内の酸化ストレスは、現代人の悩みである疲労とも深い関連性があります。近年の研究に
より、疲労の原因は過活動状態の継続により生じる酸化ストレスであることが分かってきてい
ます。体内の酸化ストレスにより細胞が傷つけられることで疲労を感じます。また、酸化スト
レスは、自律神経の乱れを引き起こします。自律神経が乱れて副交感神経の働きが悪くなると、
休息時においても十分な回復ができなくなり、疲労が蓄積します。


そこで、本研究では『クロノケア®』の抗酸化力に着目し、疲労に対する効果と作用機序解明
のための試験を実施しました。





【研究内容】
『クロノケア®』100mg 入りのカプセル、もしくは
疲労感を自覚している男女 24 名を対象に、
プラセボ(『クロノケア®』を含まない)カプセルを4週間摂取いただきました。精神作業負荷
(ディスプレイ作業)により疲労を負荷する検査を実施し、疲労感に対する『クロノケア®』の
効果を評価しました。


【結果】
『クロノケア®』を摂取することで、疲労感を改善できることが確認できました(図 1)
。メ
カニズムとして、抗酸化作用による酸化ストレスの低減と、自律神経調節機能により疲労と疲
労に伴う症状を改善することが示されました(図 2)。


【まとめ】
以上の研究により、黒大豆ポリフェノール『クロノケア®』は抗疲労作用を有することが示さ
れました。本結果を用いて、黒大豆ポリフェノールの疲労感軽減効果での機能性表示食品への
届出を行う予定です。




図 1:
『クロノケア 』100mg を4週間摂取した後の疲労感の変化
摂取4週間後検査値 実測値 t.test *p<0.05 bars represent SD




図 2:
『クロノケア 』100mg を4週間摂取した後の自律神経調節機能の変化
摂取4週間後 来院時からの変化の摂取前後差 t.test *p<0.05 bars represent SD





■ 発表学会情報
【大 会 名】 日本栄養食糧学会 2021 年度大会
【 会 期 】 2021 年 7 月 3 日(土)~4 日(日)
【一般講演会場】 オンライン開催
【発 表 演 題】 黒大豆ポリフェノール『クロノケア 』の抗疲労効果の検証
【発 表 番 号】 ポスター発表 C-28
【発 表 日 時】 2021 年 7 月 4 日(日)13:20-13:50(30 分)


【研究の概要】学会要旨より抜粋
(目的)黒大豆種皮より抽出した黒大豆ポリフェノール『クロノケア®』
(以下 BE)はプロシア
ニジンを豊富に含み、高い抗酸化作用を示す。我々はこれまで BE の抗酸化作用に着目して血
管内皮機能やメタボリックシンドロームの改善効果等の機能性研究を行ってきた。体内の酸化
ストレスは、現代人の悩みである疲労と深い関連性がある。そこで、本研究では BE の疲労に
対する機能性と作用機序解明のための試験を実施した。
(方法)日常疲労を感じている男女 24 名を対象にクロスオーバー試験を行った。BE (100mg)
もしくはデキストリン含有カプセルを1日 1 粒、4 週間摂取させ、摂取期間前後に検査を実施
した。検査日は 2 時間の PC 作業により疲労を与え、その後 2 時間の休憩(回復期)を設けた。
VAS・自覚症しらべにより疲労感・眠気・眼の疲れ、CogEvoRi により認知機能、加速度脈波計
により自律神経機能を評価した。
(結果)BE は疲労感、眠気、眼の疲れを軽減し、疲労により低下する認知機能を改善した。ま
た、作業負荷前(活動期)では交感神経優位、負荷後と回復期においては副交感神経優位な状
態にする効果が示された。以上の結果から、BE は抗酸化作用と自律神経調節機能により疲労と
疲労に伴う症状を改善することが示された。


【用語説明】
・プロシアニジン:黒大豆ポリフェノールの主成分。フラボノイド類のフラバン-3-オールに
属し、エピカテキンあるいはカテキンの縮合体として存在する。
・VAS アンケート:Visual Analogue Scale(視覚的アナログ尺度)によるアンケート。疼痛の
ような特定の感覚や感情の強度を評価する際に用いられる方法。
・CogEvo Ri :8 つのタスクで構成された認知機能の計測ツール。
・プラセボ :
『クロノケア 』対照として使用する。
『クロノケア 』の代わりにデキスト
リンが入っているカプセル。




<お問い合わせ先> フジッコ株式会社
担当者:研究開発部 赤木 良太
責任者:研究開発部長 鈴木 利雄
TEL:078-303-5385 FAX:078-303-5944
ホームページアドレス:https://www.fujicco.co.jp





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