米飯状の大豆たんぱく質強化食品が筋力トレーニングとの併用により筋力を増強させることを証明

神戸市中央区港島中町 6-13-4 フジッコ株式会社 東証第一部コード番号 2908 2021年 9月 16日


-第 76 回日本体力医学会大会で発表予定-
米飯状の大豆たんぱく質強化食品が筋力トレーニング
との併用により筋力を増強させることを証明


フジッコ株式会社(本社:神戸市中央区/代表取締役社長執行役員:福井正一)は、近畿大学 生物
理工学部 准教授 谷本道哉先生との共同研究により、米飯状に成型した大豆たんぱく質強化食品の摂
取が筋力トレーニングとの併用により効果的に筋力を増強させる効果がある事を明らかにしました。こ
の研究成果は、第 76 回日本体力医学会大会(ライブ配信:2021 年 9 月 17 日(金)~19 日(日)、オン
デマンド配信:9 月 17 日(金)~30 日(木)
)において発表します。


厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」では、成人男性では 1 日 60g、成人女性では 1
日 50g のたんぱく質摂取を推奨しています。しかし、近年の過度なダイエットや偏食傾向によりたんぱ
く質摂取量は減少しており、推奨量を摂取出来ていない人も増えています。また、身体活動量の不足も
必要エネルギー量を減少させることから、たんぱく質摂取不足を招く一因であり、コロナ自粛によりさ
らに助長されている恐れがあります。
フジッコは創業以来、大豆の栄養価に注目した商品開発を行ってきました。今回の試験では、米飯状
の大豆たんぱく質強化食品を使用しました(図 1)
。大豆たんぱく質強化食品の栄養機能を明らかにする
ため、健康な女性ボランティアの方にこの食品を朝食の代わりに摂取頂くとともに、オンライン式筋力
トレーニングを 12 週間継続して頂き、その効果を調べました。


その結果、米飯状の大豆たんぱく質強化食品の摂取により血中の LDL-コレステロールと総コレステロ
ールが低下することが明らかになりました。また、自記式のアンケート調査により食事内容の調査を行
い、大豆たんぱく質強化食品を摂取したグループでは、食塩摂取量が減少したことが分かりました。
さらに、大豆たんぱく質強化食品の摂取と筋力トレーニングを組み合わせて実施することで、椅子か
らの立ち上がりや、腕立て伏せの動作の速さを測定した筋力テスト結果が改善し(図 2a)
、筋厚(筋肉の
厚み)が肥大することが明らかになりました(図 2b)

よって、米飯状の大豆たんぱく質強化食品の摂取は食生活の改善による健康効果をもたらし、さらに
筋力トレーニングの併用により効果的に筋力を向上させることが出来ると考えられました。


前述の通り、現代においてはたんぱく質摂取量の低下が指摘されています。本研究で用いた米飯状の
大豆原料食品を使用することで、主食の代替として無理なくたんぱく質摂取量を増やすことが可能とな
ります。今後もフジッコでは人々の生活の変容に合わせ、大豆を用いた新たな食の提案によりお客様の
健康づくりに貢献できるよう努めてまいります。





図 1. 米飯状の大豆たんぱく質強化食品のイメージ図




図 2. 米飯状の大豆たんぱく質強化食品の摂取による筋力の増強
12 週間の介入試験を実施し、介入前後の筋力変化を調べた。
対照は通常通りの生活をしたグループ(n=16)、食事+運動は米飯状の大豆たんぱく質強化食品の摂取と、
筋力トレーニングを実施したグループ(n=18)。
(a) 筋力テストでは椅子からの立ち上がり動作の速さ、膝つき腕立て伏せの速さを測定した。各動作を 5
回繰り返し、5 回の所要時間を測定した。図では介入前に比べ介入後に何%速くなったかを示した。
(b) 筋厚は超音波測定器を用いて、上腕後部、大腿前部、腹部の 3 か所を測定した。図では介入前に
比べ介入後に何%増加したかを示した。





■発表の詳細
「健常成人女性におけるオンライン指導による自重負荷筋力トレーニングと大豆食品摂取による
筋機能等に与える影響」
第 76 回日本体力医学会大会(https://www.right-stuff.biz/jspfsm76/、オンライン開催)
会 期:ライブ配信 2021 年 9 月 17 日(金)~19 日(日)
オンデマンド配信 2021 年 9 月 17 日(金)~30 日(木)
演題番号:K3-09(本発表はオンデマンドで配信されます)



【目的】
運動不足によるメタボリックシンドローム、フレイル等の健康への悪影響は以前から指摘されている。
昨今のコロナ禍での自粛生活により、その問題の顕在化が懸念される。オンライン指導式の自重負荷筋力
トレーニングと大豆たんぱく質強化食品の摂取による筋機能等に与える影響を、成人女性において検証し
た。
【方法】
健常成人女性を対象に、筋力トレーニング(オンライン指導週 1 回+動画視聴自主運動週 2 回)と、大
豆たんぱく質強化食品摂取による介入を 12 週間行い、筋厚・皮脂厚、筋力、血中マーカー、食事摂取状
況の変化を検証した。運動・食事介入群(n=18)
、食事介入群(n=16)
、非介入対照群(n=16)の 3 群を設
定し、無作為抽出により被験者を割り付けた。食事介入は米の形状に加工した大豆たんぱく質強化食品(糖
質 6g、脂質 3g、たんぱく質 17g、食物繊維 4g、大豆イソフラボン 48 ㎎)を朝食の主食の代替として 5 日
/週以上の摂取とした。得られたデータは介入の種類と試験実施前後の 2 要因による二元配置分散分析を
用いて、各要因の効果の交互作用を検定した。また、各試験区における介入前後の比較を対応のある t 検
定により実施した。
【結果】
食事介入群では、対照群との交互作用は無かったが LDL-コレステロールと総コレステロールが介入前後
で有意に減少した。また食事調査の結果、食塩摂取量に対照群との交互作用が認められ、介入前後で有意
に減少した。
運動・食事介入群では大腿前部、上腕後部、腹部の筋厚に対照群との交互作用が認められ、試験前後で
有意に増大した。椅子立ち上がり・膝つき腕立て伏せの 5 回所要時間は 3 群とも有意に減少したが、運動・
食事群で他 2 群より減少の程度が有意に大きく、対照群との交互作用が認められた。また、対照群との交
互作用は認められなかったが、運動・食事介入群では体脂肪率が有意に減少した。
【結論】
これらの結果から、大豆たんぱく質強化食品の摂取は食生活の改善による健康効果をもたらし、さらに
筋力トレーニングの併用により効果的に筋力を向上させることが出来ると考えられた。



<お問い合わせ先> フジッコ株式会社
担当者:研究開発部 機能性研究チーム 後藤 弥生
責任者:研究開発部 部長 鈴木 利雄
TEL:078-303-5385 FAX:078-303-5944
ホームページアドレス:https://www.fujicco.co.jp




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