2023年3月期第2四半期決算説明会質疑応答について

News Release
2022 年 12 月 1 日


各位
株式会社イオレ
代表取締役社長 冨塚 優
(コード番号:2334)



2023 年 3 月期第 2 四半期 決算説明会 質疑応答について



当社は、下記の通り、機関投資家・アナリスト向けに 2023 年 3 月期第 2 四半期決算説明会を開催いたしまし

た。当日の質疑応答をご参照ください。





1.公開日時 2022 年 11 月 17 日(木) 15 時 30 分~16 時 10 分
2.開催方法 オンライン配信(質疑応答含む)
3.対象 機関投資家、アナリスト、報道関係者
4.説明者 代表取締役社長 冨塚 優
5.質疑応答 次ページ以降の「機関投資家向け決算説明会質疑応答」をご参照ください。


以 上




本件に関するお問い合わせ
株式会社イオレ 経営管理部 Mail: ir-enquiry@eole.co.jp
機関投資家向け決算説明会 質疑応答

① 今回発表した新規事業を含めた、今後の事業戦略について詳しく教えてください。


冨塚 [A]:既存事業につきましては、現在の体制のまま業績を向上していく形で進めていきたいと
思っております。
HRデータ事業の求人検索エンジン運用に関しては、従来から運用力が強いというご評価をいた
だいておりますが、今後も効果をお客様にお返ししていくことで取引額を増やしてまいります。リ
ピート率は非常に高い数値で推移をしており96%を維持しております。高い水準での継続率を維持
しながら、1社当たりの取引額を拡大していく。中途採用の取引であれば新卒採用を、新卒採用の
取引であれば中途採用をといった風に、違う領域に関しても取引を拡大させていきたいと考えてお
ります。リピードだけを狙うわけではなく、新たな新規顧客の獲得に関しても、各営業が目標を持
って新規開拓を強化していこうとしており、特に新卒の領域に関しましては、営業力を強化してい
る最中です。
また、「HRアドプラットフォーム」については、マッチングの総量を拡大していきたいと考え
ております。連携メディアの進捗において、現状第一四半期の26から増加しておりませんが、こち
らの理由に関しては、何度も申し上げて恐縮ですが先方の開発リソースの問題等が課題となってお
ります。昨今はエンジニアの採用がなかなか難しい部分があること、またコロナ禍で色々なサービ
スの開発が止まっていた中、メディア各社のサービス開発において優先順位がついており、その順
番待ちをしているという状況です。また、簡単に接続することができるメディアに関しては既に接
続が完了しており、いまだ未接続のメディアにおいては接続の難易度や連携における要望が高くな
ってきている、という理由もございます。当社エンジニアの問題だけではなく、先方の開発難易度
が高くなっているために時間がかかっている、という状況です。
当社としてはメディアの接続数が増加していないという現状において、ただ開発が進むのを待っ
ているだけではなく、今のうちにできることを進めていこうと考えております。具体的には、HR
アドプラットフォームの収益を上げること、つまりマッチングの総数をいかに増やすことができる
かに尽きます。そのためにまずクライアントを増やすことに注力します。クライアントが増えると
求人のバリエーションがおのずと増え、今までにない求人が数多く集まるようになり、連携できる
メディアも増やしやすくなります。事実、過去アプローチしたメディア先から「もう少しこの職種
の求人のバリエーションが増えればうちとの連携が可能になるかもしれない」というようなことを
三、四社から言われています。また、クライアントを増やすことでHRアドプラットフォームの領
域サービス以外の、求人検索エンジンや新卒領域といった他事業・サービスに展開して売上も増や
すことができると思っております。
開発面で申し上げれば、今のこの時期を利用して、クライアントの利便性向上のための開発を進
行していこうとチャレンジしております。具体的には、求人原稿の作成時の自動分割機能、NG表
現の自動検知機能、求人市場相場の明示、おすすめの単価表示というような機能を登載していくこ
とで利便性を高めて、クライアントの獲得につなげていきたいと思っております。
以上が既存事業についての話となります。


続いて新規事業についてですが、こちらは決算補足説明資料にもご記載の通り、当社の強みはや
はりマッチング力であり、いかにデータを集めてくるか、この集めたデータを使ってどのような事
業サービス作りをしていくかが重要であると考えております。当社は「らくらく連絡網」において
自社のサービスを宣伝広告することなく、口コミのみで700万人のデータを集めてきた実績があ
り、コストをかけずデータを収集できる仕組みを持っていることが強みのひとつになっています。
その一方で、集めたデータをいかに換金化できる事業にしていくのか。これは新たに開発をしてい
く、新たなサービスを作るということであると考えております。今回発表させていただきましたペ
ットメディアに関しては、そのファーストステップとなります。ペットを人と置き換えたペット系
総合メディアにより、プレイヤーとユーザーの間にわれわれがメディアとして入り、両方を結ぶこ
とでマッチング課金による収益を上げていきたいと考えております。
資料に記載のある通り、旅、観光、アクティビティといった領域においては、私が9年間担当し
ていた前職リクルートでのじゃらんの事業――旅、観光、アクティビティを取り扱うメディアです
が、私が担当し始めた2000年前半はまだまだ旅行代理店が市場のメインになっていました。そんな
中、楽天トラベルに続いてじゃらんnetというメディアが出てまいりました。その際はまだマーケ
ットサイズは全マーケットの中の0.2~0.3%程度のものでしたが、5年後にはオンライントラベルエ
ージェント(以降OTA)のマーケットが30%を超えるほどの成長を遂げました。
OTAのマーケットは、現在2兆9,000億円と言われています。ペットを飼っている方のマーケット
サイズをここに掛け合わせると、ペットに限った旅、観光、アクティビティというマーケットは
3,770億円程度のマーケットがあると捉えております。では、国内では楽天、じゃらん、一休、海
外のメディアではBooking.comやExpediaなどOTAは数多く存在するなかで、ペットのマーケット
に特化しているプレイヤーはどれだけあるのかというと、実はほとんどなく、大手は全く参入して
ございません。私はじゃらんnetで「ペットとお出かけ」というコーナーを作った張本人でござい
ますが、これはフォーマットの中にクライアントに記入した商品だけが表示される仕組みになって
おります。実際に探してみるとおわかりだと思いますが、実際にペットを飼っている方が検索をか
けてみると、細かくワードを打ち込んで見ていかなければ宿泊できるかどうかがわからない。ペッ
ト市場におけるOTAは現状そんなようになっていて、この市場において、細かなところまで提示が
され、予約ができるメディアはありません。この需要を埋めるメディアを作っていこうというのが
今回の取り組みでございます。
先ほど、旅行とアクティビティの話をしましたが、食事、美容院、といった他領域においても、
今後ペットと一緒に行ける美容院や、ペットのメモリアルに写真撮影するスタジオ、ベッドにかわ
いい服を着せて一緒にお出かけする、こういったニーズがどんどん出てくるだろうと予想しており
ます。リクルートにおけるホットペッパービューティーやグルメのようなサービスを、犬とペット
と一緒に行動ができる、予約までできるようなメディアを作っていきたいと考えております。
長くなりましたが、新規事業戦略について補足のご説明を差し上げました。
② HRアドプラットフォームの9月末時点での求人企業数と求人原稿数を教えてください。


冨塚 [A]:9月末時点でのHRアドプラットフォームの求人原稿数は9万8,075件、そして求人企業数
は468社になります。ちなみに6月末時点では、7万9,296件と429社でございましたので、どちらも
順調に増加しています。




③ 既存の事業が黒字体制になっていない中で、新規事業に対する投資をどのように行っていく予
定でしょうか。また、新規事業のリリース時期について教えてください。


冨塚 [A]:正直ここが難しいところだと私自身も感じております。
前職のときは資金的には豊富でございましたので、投資をかけて一旦潜って、どれぐらいでリクー
プしていくのか絵を描きながら進めていました。ですが当社においては、2期連続赤字の中、今期
は何があっても黒字を目指す中で、黒字化の達成を見据えやりくりをしながら新たな事業に投資し
ていく必要があります。
現状、黒字化していないのはご指摘の通りですが、今期に関しては求人事業が回復してきている
中、既存事業は予定よりも多く利益を出すことができています。ご存じの方も多いと思いますが、
当社は下半期の売上・利益の方が上半期に比べ数値が高く、凡そ4対6の比率になっておりますので
もちろん予断が許されない部分はあります。ただ現時点で第3四半期の数字を申し上げることはで
きませんが、上期の流れを組んでいるとお考えいただければと思います。そのような中で利益コン
トロールをしながら、状況を見て新規事業にスイッチを入れています。ですので、黒字体制におい
ては、新規事業を考慮しなければ現在は十分に体制として整ってきていると私は認識しておりま
す。
かつ、新規事業への投資に関しましても、膨大な投資をかけて大きくリターンを生むのではな
く、スモールスタートでスモールリターンという進め方で、伸びどころが見えたときにそこに勝負
を掛けていく、といった形を考えているところでございます。したがって今期、PL的に大きなイン
パクトがあるような新規の投資をすることは現在考えておりません。投資が発生した場合は営業キ
ャッシュフローによる手元資金を優先して対応していきますが、必要に応じて取引金融機関へ交渉
を行っていきたいと考えております。
リリース時期に関してのお話がございましたが、ペット事業はサービスを今期中にローンチして
いく予定で進めております。メタバースに関しては、こちらは今後数年かけてかなり大きなマーケ
ットになると捉えております。何も手をつけないでいくと、情報から、そしてマーケットから大き
く取り残されてしまうという思いが非常に強いです。ですから、何かすぐにサービスを立ち上げて
ここで一気に回収することを現状考えているわけではなく、クライアント、研究機関と一緒に研究
開発をしていく、フィジビリティをしていくことを考えております。こちらの投資もスモールスタ
ートで、伸びどころを見つけるための時間を費やしているとお考えいただければと思います。
また、メタバース事業に限らずWeb3.0領域においては、新しく収益が上がるような形を試行し
ております。こちらに関しましては、スタートできるタイミングがきましたら適時開示をさせてい
ただく予定でございます。




④ HRデータ事業に関して今後どのようにして成長を持続させる予定でしょうか。収益性の低い
HR領域の資源投下を抑え、他のビジネス領域や新規事業に事業の柱をシフトさせていく予定で
しょうか。


冨塚 [A]:冒頭にご質問いただいた既存事業、新規事業の成長戦略についての回答で既にお答えを
している部分がございますので、重複してしまうところがあるかと思いますが、どのようにして成
長を持続させるのかに関しては先ほどのお答えの通りでございます。
収益性の低いHR領域への資源投資を抑え、とご質問をいただいておりますが、求人検索エンジ
ンはマージンをいただく形で商売が成り立っておりますので、求人検索エンジン事業が伸びれば伸
びるほど原価が上がりマージン率は悪化していく、どうしてもこういう構造にあります。ですの
で、この領域においては、利益率ではなく利益額をどれだけ獲得することができるかという点を私
は注目して考えております。収益性が低いから資源投下をしないということはなく、すべきことは
営業強化とクライアントの開拓です。営業強化に力を入れ、他の取引も増やしていく。またHRア
ドプラットフォームに関しても、先ほど申し上げた通りでございますが、今はできることを粛々と
進め、今後クライアントを増やしていくことを考えております。
そして、今後新規事業にシフトしていくのかという点ですが、そもそもなぜ新規事業に注力する
のかというところをお話させていただければと思います。
当社はこの2年間、特に2020年はコロナによって2億7,600万円という大きな赤字になってしまい
ました。その部分に関しては、やはりHR領域の求人意欲がぱったり止まった影響が大きかったわ
けです。私の前職においてもリーマンショックや3.11といった外部環境の変化にかなり影響を受け
た経験がございます。ただ、リクルートは販売促進領域、求人領域で様々な分野の事業をしており
ます。例えばリーマンショックでHR領域が厳しくなったとき、私が担当したじゃらんは引き続き2
桁成長をずっと続けていました。というのもあればマッチング課金で、宿に人が泊まれば泊まるほ
ど売り上げが上がるというビジネスモデルであるためです。
イオレにおいて、現状の事業はHRデータ事業が7割を占め、大きな柱になっております。です
から、HRデータ事業以外にも、販売促進の領域でもう1本柱を作っていきたい。そうすることで、
HRと販売促進、どちらの領域においても外部の影響に対応できるような強い企業体質にしていき
たいと思っております。そういったベースの考えのもと、既存事業と新規事業に取り組んでまいり
ます。



⑤ ペット事業において、ベンチマークとする競合他社や、他社の事業と差別化できるポイントを
教えてください。
冨塚 [A]:ペット事業の立ち上げにおいて、もちろんいろいろな事業やサービス、市場を調査して
おります。近年ペットの家族化、「ペットは子供同然だ」というご家庭が増えている中で、専門的
なサービスが多くできていると認識しております。その収益のモデルもどちらかというと、広告課
金でビジネスをされているプレイヤーが多いと思っております。
そんな中、私どもは個別のサービスではなく、ここにくるとペットのあらゆる情報が取れる、そ
して情報が取れるだけではなくて、実際にそこで予約ができる、購入ができる、というようなとこ
ろまで一気通貫したサービスを提供できるようにしていきたいと考えており、そのようなサービス
を調べていくと、同じような形でサービスをされているプレイヤーはほとんどありません。ですの
で、具体的なベンチマークはどこかと言われると特にはございません。個別のサービスにおいて
は、意識していく部分はもちろんあると思っております。
差別化という面においては、サービスを提供する上で多くの企業が、どれだけのユーザーを獲得
するのかに当然ご苦労されているわけです。われわれはファーストパーティである「らくらく連絡
網」の700万件のデータがございますので、こちらの会員に対してアプローチをかけていくことが
できます。「らくらく連絡網」ユーザーにおいては20%弱程度の方が犬を飼っているとアンケート
の結果が出ておりますが、日本のマーケット全体においては出典にもよりますが13~15%が犬を飼
っていると言われておりので、それと比べると若干高いと思っております。そういった意味で、ユ
ーザー獲得に対してのコストが他のプレイヤーよりかからない強みがあります。
また、マッチングモデルで収益を上げようと考える中で、私は過去からマッチングモデルに長く
親しんでおりますので、その部分のノウハウが強みになるのではないかと思っております。

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