サーバイビンぺプチド特許成立及びサービスの開始

各位
平成 30 年 3 月 8 日
テラ株式会社


がん免疫療法の効果を高める新規がん抗原ペプチドに係る特許がインドで成立。
日本、欧州、カナダ、韓国、シンガポール、オーストラリアに次いで7か国目。


テラ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長CEO:矢﨑 雄一郎)が保有する新規がん抗原ペプ
チドに係る特許が、このたびインドで成立いたしました。インドでは新たにがんを発症する患者が毎年70
万人おり、大きな市場であるとともに、既に前立腺がん、卵巣がん、大腸がん、肺がんで、がんワクチン
が承認されている世界有数の免疫療法の先進国であります。
この新規がん抗原ペプチドは、当社が保有するがん抗原ペプチドに係る特許「MHC クラス II 分子に提
示されるサーバイビン(Survivin)の部分ペプチドとその利用法」を用いた、MHC クラス I+MHC クラス
II 拘束性のハイブリッドロングペプチド(以下、サーバイビンペプチド)になります。
本サーバイビンペプチドは、がん抗原特異的ヘルパーT細胞※1を活性化することができる部位を持つ
新規に開発されたペプチド(MHCクラスII拘束性ペプチド)です。本サーバイビンペプチドは、キラーT
細胞(細胞傷害性T細胞)※2のみを活性化するこれまでのがん抗原ペプチド(MHCクラスI拘束性ペプチ
ド)とは異なり、ヘルパーT細胞を効率よく活性化することで、がん特異的キラーT細胞を増強すること
ができます。がんに対する免疫をこれまで以上に活性化することができる次世代のがん抗原ペプチドと
して、メラノーマ、大腸がん、乳がん、肺がん等多くのがん種を対象とした樹状細胞ワクチンへの臨床
応用が期待されています。
今後は、サーバイビンペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法の臨床データを集積していくとともに、
がん抗原に関する研究開発及び知的財産の獲得を推進し、多くのがん患者のみなさまに新たな治療の選
択肢を提供できるよう努めてまいります。



【※1】ヘルパーT細胞
ヘルパーT細胞は、主にTh1細胞及びTh2細胞に分類されます。インターフェロンγやインターロイキン
等の様々なサイトカインを産生し、他の免疫細胞の活性化や機能補助を行います。Th1細胞は抗原提示
細胞やキラーT細胞に作用して、細胞性免疫を活性化させます。Th2細胞は抗原提示細胞やB細胞に作用
して、抗体産生を促進します。また、最近ではヘルパーT細胞にも細胞傷害活性があることが報告され
ています。


【※2】キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)
キラーT細胞は、樹状細胞等の抗原提示細胞から提示された異物(ウイルス感染細胞やがん細胞)を認
識し、活性化することで異物を攻撃することのできる細胞です。抗原提示細胞により提示される抗原
ペプチドを認識するとともに、Th1細胞等からの刺激により活性化され、抗原を提示している細胞へ
特異的な攻撃を行います。


【※3】MHCクラスI+MHCクラスII拘束性のハイブリッドロングペプチド
MHCとは自己と非自己の細胞を区別する目印であり、主にクラスⅠとクラスⅡに分けられます。
クラスⅠはキラーT細胞、クラスⅡはヘルパーT細胞の分化、増殖、活性化に関与します。MHCクラスⅠ+
MHCクラスⅡ拘束性ペプチドは、ヘルパーT細胞とキラーT細胞を活性化できるそれぞれのペプチドの配
列を含んでいるハイブリッドロングペプチドで、サーバイビンペプチドは、MHCクラスⅠ+ MHCクラスⅡ
拘束性ペプチドを人工的に結合させたアミノ酸40個からなる人工がんペプチドです。すでに本サーバイ
ビンペプチドをがん患者に直接投与して安全性、免疫調節効果を調べる第I相探索的自主臨床研究(ペ
プチドワクチン療法)が終了しています。本臨床研究では、適格基準を満たした8例に対し、本サーバ
イビンペプチドによるワクチン治療を実施し、免疫応答の評価可能対象6例のうち全例において、がん
特異的なヘルパーT細胞やキラーT細胞の増加、またがん抗原特異的抗体の産生誘導が観察されました。
なお、臨床効果判定可能な5例のがん患者のうち1例の患者でCR(腫瘍が完全に消失した状態)、2例の
患者でSD(腫瘍の大きさが変化しない状態)という結果が観察されました。




【テラ株式会社について】
■社 名 テラ株式会社 [英名]tella, Inc. [証券コード]東京証券取引所JASDAQ 2191
■住 所 東京都新宿区西新宿7丁目22-36 三井花桐ビル1階
■電 話 (代表) 03-5937-2111
■設 立 平成16年6月
■資 本 金 2,084百万円(平成29年12月末)
■代 表 者 代表取締役社長CEO 矢﨑 雄一郎
■従業員数 17名(平成29年12月末)
■事業内容 医療機関に対する樹状細胞ワクチン療法等、細胞医療に関する技術・運用ノウハウ
の提供
樹状細胞ワクチン療法等、再生・細胞医療に関する研究開発
■U R L http://www.tella.jp/


【本リリースに関するお問い合わせ先】
テラ株式会社 経営企画室 吉田 TEL:03-5937-2111

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