AIレビューツール「KIBIT Automator」に新アルゴリズム実装 人間に近い感性を持ち、精度と判定根拠の説明性の高さを両立

2023 年 6 月 6 日
報道資料
株式会社 FRONTEO



AI レビューツール「KIBIT Automator」に新アルゴリズム実装
人間に近い感性を持ち、精度と判定根拠の説明性の高さを両立
人間の優れた直観的判断能力から着想を得たコア技術を AI に搭載


株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)
は、自社開発のAIレビューツール「KIBIT Automator(読み:キビットオートメーター)」に、
人間が色合いを一目で認知する際の優れた直感的判断能力から着想を得た新アルゴリズム(特許
申請中)を実装したことをお知らせいたします。


近年、デジタル社会の急速な発展によりIT活用が日常化されたことで、企業の管理する電子
データ量は増加の一途をたどっています。国際訴訟でのeディスカバリ(電子証拠開示)やデジ
タルフォレンジックにおいて、こうした膨大なデータから証拠に関連する文書を探し出すレビュ
ーは、限られた日数の中でスピードと品質の両方の担保が求められる難しい作業であり、レビュ
アーのスキルによる品質のばらつきや、データ量に伴い増加する作業時間と膨大なコストが大き
な課題となっています。


KIBIT Automatorは、レビュー作業の大幅な効率化と質の向上に貢献するAIツールです。本製
品には、これまで、文書内のワードの証拠への関連性を「重み」(ワードの証拠に関連する度合
い)として算出する機能を持つアルゴリズムと、証拠に関連する文書の発見精度が相対的に高
く、発見精度をレビュー前に正確に予測する機能を持つアルゴリズムの2種類のアルゴリズムが
搭載されていました。これらの機能は、訴訟に関わる企業や弁護士の膨大なレビュー業務に対
し、品質の均一化や効率化、作業時間・コストの大幅な削減などの効果をもたらしてきました。


今回、実装された新アルゴリズムは、従来の2つのアルゴリズムの長所を併せ持ち、さらによ
り高精度かつ判定根拠への高い説明性を備えるものです。人間には、文書をレビューする際に、
証拠への関連性の有無を素早く正確に判断する能力があります。これが、検知したいものだけを
高速かつ無意識に認識する視覚直感性の「カラーバス効果」などに類似していることにインスピ
レーションを受け、「人間は文書中の単語を色彩、文書全体のニュアンス(ワード出現の多寡や
組み合わせ)を色合いのように捉えている」という認知モデルを着想し、そうした人間の直観的
判断に近い判定を行えるアルゴリズムとして開発されました。





新アルゴリズムの搭載により、KIBIT Automatorは、ワードの重みの評価として、これまでの
「正」に加え、「負」の関連度合いも示すことができるようになりました。さらに、文書全体の
スコア(証拠への関連度合い)だけでなく、文書内のスコア分布を算出し、高スコア領域を同
定・ハイライトする機能が搭載されました。これらの機能は、一般に特定が難しいとされるAIの
判断理由について、AIがなぜその文書を高スコアと判断したかの説明性を高めることに寄与しま
す。また、すでに本アルゴリズムを搭載している平時監査ツール「KIBIT Eye(読み:キビット
アイ)」を用いた自社検証では、監査対象となるデータの抽出割合(発見精度)を閲覧率20%時
で比較した際、従来のシステムでは82.5%だったのに対し、KIBIT Eyeでは99.5%と大幅に解析
精度が向上したことが確認されました。なお、新アルゴリズムは汎用性が高いため、今後、
FRONTEOの多様な製品に展開させ、それらの性能や機能の向上を図ることができると考えてい
ます。





FRONTEOは、新アルゴリズムを搭載したKIBIT Automatorにより、複雑かつ多様化する企業
の訴訟や調査対応における作業負担軽減、効率化へのソリューションの開発・改良と高品質のサ
ービス提供に努めてまいります。




本件単独による当社の当期業績への影響は軽微です。




■KIBIT Automatorについて URL: https://legal.fronteo.com/products/kibit-automator/
「KIBIT Automator(読み:キビットオートメーター)」は、米国民事訴訟の公判手続きで必要
となる証拠開示(ディスカバリ)の中で、電子証拠開示(eディスカバリ)における文書レビュ
ーを支援するAIツールです。AIを活用して証拠資料である大容量の電子メールや電子ファイルを
審査・分析し、作業効率の向上、作業担当者の負荷軽減、費用削減に貢献します。


■FRONTEO について URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEO は、自社開発 AI エンジン「KIBIT(読み:キビット)
」を用いた多様な AI ソリューシ
ョンとサービスを提供するデータ解析企業です。
「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さない
ソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」ことを理念とし、膨大な量のテキ
ストデータや複雑なネットワークの中から意味のある重要な情報を抽出して、専門家の高度な判
断を支援する自然言語処理ならびにネットワーク解析技術を強みとしています。リーガルテック
AI、ビジネスインテリジェンス、ライフサイエンス AI、経済安全保障の各領域で事業を展開し、
さまざまな企業の課題や社会課題の解決に貢献しています。2003 年 8 月創業、2007 年 6 月 26 日
東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器
製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金 3,042,317 千円(2023 年 3 月 31 日時点)


※FRONTEO、KIBIT、KIBIT AutomatorはFRONTEOの日本における登録商標です。



<報道関係者のお問い合わせ先>
株式会社 FRONTEO 広報担当
Email: pr_contact@fronteo.com

<リーガルテック AI 事業に関するお問い合わせ先>
株式会社 FRONTEO リーガルテック AI 事業本部
https://legal.fronteo.com/contact/





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