夜間等の河川変化を検知する技術を開発

News Release
日本工営株式会社
2018 年 12 月 3 日

日本工営 夜間等の河川変化を検知する技術を開発
~監視カメラ映像から輝度・色情報で解析 悪条件下でも判読可能に~

日本工営株式会社(本社:東京都千代田区、社長:有元龍一、以下「日本工営」)は、監視カメラで
撮影した映像情報を使い、夜間や悪天候時など視認性の悪い状況においても河川(渓流)の土砂移動現
象や渓流の水位・濁りの変化を検知する技術に取り組んでいます。


日本国内では、近年河川の監視カメラ設置が増強され、水位や流量、水流の勢いを常時確認し河川
管理を行う中、夜間や大雨・降雪・雲霧などの悪条件下では監視カメラ映像の視認性が低くなり、既
存の画像解析技術では水位や水の濁りといった河川の状況変化を捉えることが困難でした。
日本工営ではこの課題を解決するため、国立研究開発法人土木研究所(茨城県つくば市)と株式会
社ブレインズ(東京都世田谷区)の 3 者で、斜面の土砂移動現象や渓流の流況変化(水位や濁りの変
化)を検知する技術開発の共同研究を行い、昼夜間映像における動体追跡技術や高精度距離検出、画
像鮮明化処理技術などを用いて、夜間・悪天候時における不鮮明な状況でも河川の状況を把握する技
術を開発しています。


この技術は、国土交通省中部地方整備局沼津河川国道事務所の協力のもと、静岡県の伊豆半島を流
れる狩野川の直轄砂防流域に設置している監視カメラのデータを使って検証を行いました。
濁りの検知には、狩野川に設置されている定点観測用カメラで撮影した濁水発生時の映像(2017 年
4 月 17~18 日分)を活用しました。画素ごとの色を構成する RGB 値(赤、緑、青の色を指定する値)
を、オープンソースの画像解析ライブラリーで抽出し、色情報から濁水発生を特定する手法により、
濁水は茶系の R 値(赤を指定する値)が相対的に大きく、次いで G 値(緑を指定する値)
、B 値(青
を指定する値)となることから、これら値の差異を濁水検知の指標にする技術を開発しています。
また、水位の判読には画素の輝度情報(明るさを表す数値)に着目し、水位標部分を抽出して画像
処理ソフトでトリミングした画像の輝度分布の分析を行い、画像から自動で水位判読する手法を開発
しました。画像の輝度情報の度数分布を示すヒストグラムを平滑化処理することにより、夜間降雨時
の画像を鮮明化し、その鮮明化した画像と水位判読技術とを組み合わせ、夜間降雨時の画像において
水位判読することが可能となりました。
今後、画像解析による流況変化検知の精度検証とあわせて、リアルタイムでの運用と実用化を目指
してシステム構築及びその実証検証を行います。


日本工営は、これからも技術と知見を活用した社会インフラの整備や維持を行い、安全・安心な生
活へと貢献してまいります。




―お問合せ先―
日本工営株式会社 経営企画部 コーポレートコミュニケーション室
TEL :03-5276-2454 Email: info@n-koei.co.jp ホームページ:http://www.n-koei.co.jp/
水面の画素情報(RGB 値)を解析した濁り検知の結果

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