パナマ病撲滅調査団の派遣について

2023 年 11 月 30 日


各 位


会 社 名 株式会社創建エース
代表者名 代表取締役社長 西 山 由 之



パナマ病撲滅調査団の派遣について


当社は、新規事業として事業化を目指している農薬を使用しない新パナマ病(TR4)撲滅のため
の土壌改良剤「有機ヤマゲンバイオ液」の開発について、フィリピンに調査団を派遣し実地調査
を開始したことについてお知らせいたします。



1. 調査の目的
①.開発中の土壌改良剤「有機ヤマゲンバイオ液」の新パナマ病(TR4)に対する有効性の調
査及び実証の為のエビデンス取得。
②.フィリピン ダバオ地区現地企業との調査データ共有等の協力体制の確立。


2.調査の概要
実施日 2023 年 11 月 20 日~12 月2日(現地時間)
派遣先 フィリピン ダバオ
調査団の構成 団長 創建エース専務取締役 鈴木一好
顧問 愛媛大学農学部名誉教授 山岡直人
団員 創建エース商品開発室マネージャー 山崎満
創建エース商品開発室副長 宮辺崇之
調査内容 フィリピン ダバオ地区内の農場2箇所並びに研究施設1箇所にて新パ
ナマ病(TR4)・モコ病・シガトカ病に侵されている 10~15 エリアを選
定した中で土壌改良剤散布調査を実施、今後 8 か月間かけて経過観察を
予定。今後、調査結果等でご報告すべき事項があった場合、すみやかに
お知らせいたします。
※詳細は以下別紙レポートをご確認ください。


3.パナマ病とは
バナナを枯死させる真菌の一種であり、1900 年頃中南米パナマで農業に甚大な被害を及ぼした
ことにより、俗に「パナマ病」と呼ばれています。この時に流行したパナマ病(TR1)とは異なる新
パナマ病(TR4)の被害が現在拡大中であり、今後世界のバナナ生産を脅かすのではと懸念されてい
ます。
【現地レポート① プロジェクトスタート】


今回、パナマ病撲滅の第一歩の地として選んだのはフィリピン・ダバオのヤンガー地区に位置す
る標高 900m の JUINIO 農場。
本日、RONALD..JUINIO オーナー、農園スタッフと向こう 8 ヶ月間のプロジェクト内容を共有し、
新パナマ病(TR4)による被害状況を視察。高地栽培の農園では比較的被害は少ないとの事です
が、平地エリアの被害状況は 40%と深刻な状況との事。
2 エリアの検地区域を決定し、新パナマ病(TR4)に侵されているであろう木から検体を採取、治
療、予防措置を施し初日を終了。
① 2 個所のみ選定して、手順等をオーナー及び関係者に指導しモニター検定を実施。
② 11/23 低地でのモニター調査に関しては可能な限りエビデンス取得の為、サンプルを多く作る
目的で実施予定。
途中、亜熱帯特有の Squall に遭いずぶ濡れの中の作業だったが、その分、農園スタッフとの距離
間は一気に縮まり、明日以降、平地のエリアにて 6 エリアを選定し管理していきます。
【現地レポート② フィリピン調査団、現地法人との輸出入協力体制構築】


現地企業 AKTV MULTI TRADING CO.PHILS.,INC を訪問。
ミンダナオ島に 22 箇所の支店を持ち、
自ら実験農場を要する研究施設やオリジナル資材の製造工場、倉庫をもつ政府機関からも信頼され
ている商社。実験農場でも新パナマ病(TR4)やモコ病、シガトカ病による被害は確認されているの
で弊社の取り組みに是非とも協力させて欲しいとの申し出あり。
来週以降 現地視察し、弊社プログラムに従って検地確定し、観察して頂く事で合意。
また、結果が良好であれば政府からのライセンス並びに輸出入についても手続きして頂けるとの事。
【現地レポート③ パナマ病検出試験開始】


11 月 21 日の高地(ハイランド)エリアでの治験スタートに次いで、低地(ローランド:標高 280m)
エリアでの治験をスタート。この農園は 10ha(30,000 坪:3 町歩)のうち 5ha(1500 坪:1 町 5 反歩)
が TR4(新パナマ病)に感染しており、農園として機能不全状態。今回は天候にも恵まれ、ヤマゲン
バイオ液の散布エリア 10 箇所、並びにヤマゲン散布なしエリア 10 箇所を選定し前回同様、比較
実験をスタート。
同農園内には、モコ病、シガトカ病に感染された木も確認できた為、サンプル採取を行い、山岡
名誉教授にて検証実験を同時にスタートしております。
現地スタッフ(農園管理者含む)も友好かつ、協力的で、今後の継続散布についてもしっかりと
理解、納得していただいた上で現地での経過観察、並びに弊社とのデータ共有を行う事で合意。
【現地レポート④ 外務省通達 Level4 のエリアに潜入、視察】


-SK LIGUASAN Oil and Gas Corp.
=(農業 WEEK in 幕張メッセ)で出会った石油・ガス商社
-ALMUZAFAR AGRIVENTURE INC.
= (バナナ商社 バナナ園地 11 箇所 1,800ha 保有。品種:キャベンディッシュ、パートナー:デル
モンテ/ユニフルーティー) 計:2 社 4 名


両社の会長(オーナー)は、フィリピンのスルタン・クダラット州出身の元政治家。
2007 年から 2016 年/2019 年から 2022 年まで同州知事を務めていた方でフィリピン政府との繋が
りも問題ないとのこと。
宿泊先ホテルにて、ヤマゲンバイオ液の効能、実績、並びにダバオで実施しているモニタリング
状況や世界各国からの反響などを説明。
治験結果として本当に農薬を使わずに病害を抑えられるのなら自社農園でも使用したいし、販売
もしていきたいとのこと。
一度、自社農園を視察いただきたいということで、後日 AM 7:00~片道 3 時間かけてスルタン・ク
ダラット州に訪問。彼らの社用車で事務所、園地に移動し視察することに。
【現地レポート④―2】


-ALMUZAFAR AGRIVENTURE INC の自社農園を視察。
この園地は平地にあり、週 1 回すべてのバナナ(キャベンディッシュ)の状態を、また 2 カ月に 1
回空中からドローンによる確認を行っているが、現在 10%から 15%/ha が新パナマ病(TR4)に侵
されているとのこと。感染木、並びに周辺の木々については週 1 回農薬散布を徹底し拡大を避け
ている。
元フィリピンのスルタン・クダラット州知事と血縁関係にある Deceree さんのお姉さんが群馬県
伊勢崎市で日本人の旦那さんとフィリピンレストランを経営していることから本人も 4 年間住ん
でいて大の親日家。今後は、経過観察の状況を随時共有し、何かあれば全面協力を約束してくれ
ました。


以上

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