「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」の策定について

2021 年 6 月 23 日
各 位
会社名 株式会社大和証券グループ本社
代表者名 執行役社長 中田 誠司
(コード番号 8601 東証・名証(第 1 部)



「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」の策定について

大和証券グループ(以下、当社グループ)は、2021 年 5 月に公表の通り、SDGs を
中核に据えた経営ビジョン「2030Vision」を策定し、脱炭素社会への移行とレジリエ
ントな社会の実現に向けた取組みを推進しています。


こうした中、環境や社会に関するリスクの管理体制を強化するため、「環境・社会
関連ポリシーフレームワーク」を策定しました。
本フレームワークの適用は 2021 年 8 月 1 日を予定しております。


当社グループは、今後も資金循環の仕組みづくりを通じた SDGs の実現を目指すと
ともに、サステナブルで豊かな社会の創造に向けて貢献してまいります。


以 上


(ご参考)大和証券グループの SDGs に関する取組み:
https://www.daiwa-grp.jp/sdgs/?cid=ad_eir_sdgspress
大和証券グループ「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」




1.はじめに
国内外において気候変動や人権問題等をはじめとする環境・社会への課題認識が一層
高まる中、大和証券グループ(以下、
「当社グループ」)は、総合証券グループとしての社会
的使命とステークホルダーの皆様からの要請に応えるべく、サステナブルで豊かな社会の
実現に貢献していきたいと考えています。
当社グループは、2012 年に「環境ビジョン」を掲げ、同時に公表した「環境理念」
および「環境基本方針」のもと、事業活動を通じた環境課題の解決と継続的な環境負荷の
低減に取り組んできました。さらに 2021 年 5 月には、SDGs の実現を中核に据えた経営
ビジョン“2030Vision”を策定し、脱炭素社会への移行の促進とレジリエントな社会の実現に
向けて積極的に取り組む姿勢を明確にしています。
こうした中、当社グループは、地球環境/生物多様性の保全や人権の保護など、環境・
社会リスクの管理体制を強化するため、
「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」
(以下、
「本フレームワーク」)を策定しました。環境や社会に対して多大な負の影響を与える可能
性がある事業に対してリスクを認識し、エンゲージメント等を通じて適切な対応を行う
ことで、ステークホルダーの皆様と共により良い社会を創造していきたいと考えています。
なお、当社グループは、カーボンニュートラルの実現に繋がるイノベーションや技術への
取組みを積極的に支持し、その支援のために、トランジション・ファイナンスを含む多様な
金融ソリューションの提供に注力してまいります。


2.本フレームワークに関するガバナンス
当社グループは、環境・社会に関する SDGs や ESG の課題について、代表執行役社長
(CEO)を委員長とする SDGs 推進委員会にて議論を行っています。これらの議論の結果
を取締役会に適宜報告する、また重要な事項は取締役会の決議を経ることにより、取締役会
による監督を行う体制を強化しています。本フレームワークは、SDGs 推進委員会での議論
を経て、取締役会にて承認されました。
本フレームワークは、運用状況や外部環境等の変化を踏まえながらより厳格な運用を
目指し、定期的に見直しを行います。


3.適用対象となる商品・サービス
本フレームワークは、大和証券グループ本社およびその主要なグループ会社が実施する
新規の投融資を対象とします。




4.適用対象となる事業
(1) 投融資を禁止する事業
・ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業
・ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業
・ワシントン条約に違反する事業
・児童労働、強制労働など人権侵害に繋がる事業


(2) 投融資の際に留意する事業
①先住民族の地域社会へ影響を与える事業
当該事業への投融資に際しては、先住民族の地域社会に対して文化的、社会的、経済的
に深刻な被害を与えないか、またそれらに対する適切な対策が講じられているか等に
留意し、環境・社会リスク評価を含む ESG デュー・デリジェンス(以下、
「ESG デュー・
デリジェンス」
)を実施の上、その判断に活用します。


②非自発的住民移転に繋がる土地収用を伴う事業
当該事業への投融資に際しては、住民が望まない移転を強いられるような土地収用が
発生しないか、またそれらに対する適切な対策が講じられているか等に留意し、ESG
デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。


③石炭火力発電の新規建設事業
当該事業を資金使途とする投融資を禁止します。


④大量破壊兵器/非人道的兵器の製造事業
当該事業を資金使途とする投融資を禁止します。大量破壊兵器としては核兵器、化学
兵器、生物兵器など、非人道的兵器としてはクラスター爆弾、対人地雷などが該当します。


⑤パーム油農園開発事業
当該事業への投融資に際しては、乱開発により野生生物の生息地が失われることで
生物多様性の喪失に繋がっていないか、地元住民との土地紛争や児童労働、強制労働など
人権侵害が起きていないか、またそれらに対する適切な対策が講じられているか等に
留意し、ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。
なお、投融資を実施する場合、当該事業者に対しては、パーム油の国際的な認証制度で
ある RSPO (Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)
の取得状況を確認し、未取得の場合には取得を推奨します。





⑥森林破壊を伴う事業
当該事業への投融資に際しては、生態系の破壊による環境への負の影響が生じない
よう適切な対策が講じられているか、また違法な伐採が行われていないか等に留意し、
ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。
なお、投融資を実施する場合、当該事業者に対しては、国際的な森林認証制度である
FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)の取得や、NDPE(No Deforestation,
No Peat and No Exploitation:森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)等の環境・
人権方針の策定を推奨します。


⑦炭鉱採掘事業
当該事業への投融資に際しては、落盤事故、出水事故、ガス爆発や、違法労働等の人権
侵害が発生しないよう、労働安全や衛生環境の確保に関して適切な対策が講じられて
いるか、また、山頂除去採掘(Mountain Top Removal)方式となっていないか等に留意
し、ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。


⑧大規模な水力発電の建設事業
当該事業への投融資に際しては、ダム建設に伴う環境や生態系の破壊および地域住民
への負の影響に対して適切な対策が講じられているか等に留意し、ESG デュー・デリ
ジェンスを実施の上、その判断に活用します。


⑨石油・ガス開発事業
当該事業への投融資に際しては、環境や生態系および地域社会への影響に対して適切
な対策が講じられているか等に留意し、ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その
判断に活用します。


5.評価のプロセス
上記事業への投融資に際しては、対象となる案件に対して初期的な ESG デュー・デリ
ジェンスを実施します。当該評価の結果、追加的な確認が必要と判断した場合には、強化
ESG デュー・デリジェンスを実施し、投融資の可否を判断します。当該案件の実施が当社
グループの企業価値を大きく毀損する可能性がある場合には、さらに経営陣による追加
協議を行い、最終的な投融資の可否を判断します。


2021 年 6 月 23 日





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