「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」の改定について

2021 年 12 月 24 日
各 位
会社名 株式会社大和証券グループ本社
代表者名 執行役社長 中田 誠司
(コード番号 8601 東証・名証(第 1 部)



「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」の改定について

大和証券グループ(以下、当社グループ)は、環境・社会に関するリスク管理の一層
の徹底を図るため、本年 6 月に公表した「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」の
改定を行います。本改定では、適用対象を新規の投融資に加えて「債券/株式発行にか
かる引受」にも拡大いたします。
高まる気候変動リスクや人権問題等への対応はさらに重要性を増しており、当社グル
ープは今後も継続的に取組みを強化し、脱炭素社会の実現に向けて積極的に貢献してま
いります。


1.「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」の改定内容
(1) 適用対象となる商品・サービス
今回新たに「債券/株式発行にかかる引受」を適用対象に追加いたします。なお、改
定後は本文中において、これらを合わせて「投融資等」と総称します。


(「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」より抜粋)
改定前 改定後
本フレームワークは、大和証券グルー 本フレームワークは、大和証券グルー
プ本社およびその主要なグループ会社が プ本社およびその主要なグループ会社が
実施する新規の投融資を対象とします。 実施する新規の投融資と債券/株式発行
にかかる引受(以下、投融資等)を対象と
します。




(2) 石炭火力発電の新規建設事業
今回新たに当該事業への「債券/株式発行にかかる引受」についても禁止することと
しました。ただし、これについては下記の通り個別に検討する場合があります。
(「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」より抜粋)
改定前 改定後
当該事業を資金使途とする投融資を禁 当該事業を資金使途とする投融資等を
止します。 禁止します。
ただし、債券/株式発行にかかる引受に
ついて、2050 年までの温室効果ガス排出
量のネットゼロ目標を公表している発行
体やパリ協定の目標達成に整合的な最新
技術を使用する当該事業に限って、個別
に検討する場合があります。



2.適用開始日
2022 年 1 月 1 日より適用を開始します。今後も国内外の動向を踏まえて、定期的に
見直しを行ってまいります。


以 上


(ご参考)大和証券グループの SDGs に関する取組み:
https://www.daiwa-grp.jp/sdgs/?cid=ad_eir_sdgspress
大和証券グループ「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」




1.はじめに
国内外において気候変動や人権問題等をはじめとする環境・社会への課題認識が一層
高まる中、大和証券グループ(以下、
「当社グループ」)は、総合証券グループとしての社会
的使命とステークホルダーの皆様からの要請に応えるべく、サステナブルで豊かな社会の
実現に貢献していきたいと考えています。
当社グループは、2012 年に「環境ビジョン」を掲げ、同時に公表した「環境理念」
および「環境基本方針」のもと、事業活動を通じた環境課題の解決と継続的な環境負荷の
低減に取り組んできました。さらに 2021 年 5 月には、SDGs の実現を中核に据えた経営
ビジョン“2030Vision”を策定し、脱炭素社会への移行の促進とレジリエントな社会の実現に
向けて積極的に取り組む姿勢を明確にしています。
こうした中、当社グループは、地球環境/生物多様性の保全や人権の保護など、環境・
社会リスクの管理体制を強化するため、
「環境・社会関連ポリシーフレームワーク」
(以下、
「本フレームワーク」)を策定しました。環境や社会に対して多大な負の影響を与える可能
性がある事業に対してリスクを認識し、エンゲージメント等を通じて適切な対応を行う
ことで、ステークホルダーの皆様と共により良い社会を創造していきたいと考えています。
なお、当社グループは、カーボンニュートラルの実現に繋がるイノベーションや技術への
取組みを積極的に支持し、その支援のために、トランジション・ファイナンスを含む多様な
金融ソリューションの提供に注力してまいります。


2.本フレームワークに関するガバナンス
当社グループは、環境・社会に関する SDGs や ESG の課題について、代表執行役社長
(CEO)を委員長とする SDGs 推進委員会にて議論を行っています。これらの議論の結果
を取締役会に適宜報告する、また重要な事項は取締役会の決議を経ることにより、取締役会
による監督を行う体制を強化しています。本フレームワークは、SDGs 推進委員会での議論
を経て、取締役会にて承認されました。
本フレームワークは、運用状況や外部環境等の変化を踏まえながらより厳格な運用を目
指し、定期的に見直しを行います。


3.適用対象となる商品・サービス
本フレームワークは、大和証券グループ本社およびその主要なグループ会社が実施する
新規の投融資と債券/株式発行にかかる引受(以下、投融資等)を対象とします。




4.適用対象となる事業
(1) 投融資等を禁止する事業
・ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業
・ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業
・ワシントン条約に違反する事業
・児童労働、強制労働など人権侵害に繋がる事業


(2) 投融資等の際に留意する事業
①先住民族の地域社会へ影響を与える事業
当該事業への投融資等に際しては、先住民族の地域社会に対して文化的、社会的、経済
的に深刻な被害を与えないか、またそれらに対する適切な対策が講じられているか等に
留意し、環境・社会リスク評価を含む ESG デュー・デリジェンス(以下、
「ESG デュー・
デリジェンス」
)を実施の上、その判断に活用します。


②非自発的住民移転に繋がる土地収用を伴う事業
当該事業への投融資等に際しては、住民が望まない移転を強いられるような土地収用
が発生しないか、またそれらに対する適切な対策が講じられているか等に留意し、ESG
デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。


③石炭火力発電の新規建設事業
当該事業を資金使途とする投融資等を禁止します。
ただし、債券/株式発行にかかる引受について、2050 年までの温室効果ガス排出量のネ
ットゼロ目標を公表している発行体やパリ協定の目標達成に整合的な最新技術を使用す
る当該事業に限って、個別に検討する場合があります。


④大量破壊兵器/非人道的兵器の製造事業
当該事業を資金使途とする投融資等を禁止します。大量破壊兵器としては核兵器、化学
兵器、生物兵器など、非人道的兵器としてはクラスター爆弾、対人地雷などが該当します。


⑤パーム油農園開発事業
当該事業への投融資等に際しては、乱開発により野生生物の生息地が失われることで
生物多様性の喪失に繋がっていないか、地元住民との土地紛争や児童労働、強制労働など
人権侵害が起きていないか、またそれらに対する適切な対策が講じられているか等に
留意し、ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。
なお、投融資等を実施する場合、当該事業者に対しては、パーム油の国際的な認証制度
である RSPO (Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会


議)の取得状況を確認し、未取得の場合には取得を推奨します。


⑥森林破壊を伴う事業
当該事業への投融資等に際しては、生態系の破壊による環境への負の影響が生じない
よう適切な対策が講じられているか、また違法な伐採が行われていないか等に留意し、
ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。
なお、投融資等を実施する場合、当該事業者に対しては、国際的な森林認証制度である
FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)の取得や、NDPE(No Deforestation,
No Peat and No Exploitation:森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)等の環境・
人権方針の策定を推奨します。


⑦炭鉱採掘事業
当該事業への投融資等に際しては、落盤事故、出水事故、ガス爆発や、違法労働等の人
権侵害が発生しないよう、労働安全や衛生環境の確保に関して適切な対策が講じられて
いるか、また、山頂除去採掘(Mountain Top Removal)方式となっていないか等に留意
し、ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その判断に活用します。


⑧大規模な水力発電の建設事業
当該事業への投融資等に際しては、ダム建設に伴う環境や生態系の破壊および地域住
民への負の影響に対して適切な対策が講じられているか等に留意し、ESG デュー・デリ
ジェンスを実施の上、その判断に活用します。


⑨石油・ガス開発事業
当該事業への投融資等に際しては、環境や生態系および地域社会への影響に対して適
切な対策が講じられているか等に留意し、ESG デュー・デリジェンスを実施の上、その
判断に活用します。


5.評価のプロセス
上記事業への投融資等に際しては、対象となる案件に対して初期的な ESG デュー・デリ
ジェンスを実施します。当該評価の結果、追加的な確認が必要と判断した場合には、強化
ESG デュー・デリジェンスを実施し、投融資等の可否を判断します。当該案件の実施が当
社グループの企業価値を大きく毀損する可能性がある場合には、さらに経営陣による追加
協議を行い、最終的な投融資等の可否を判断します。


2021 年 12 月 24 日




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