第85期報告書

第85期報告書
平成27年4月1日~平成28年3月31日




(証券コード : 7721)




前期の実績と今期の予想
 投資家の皆様方に於かれましては、 益々ご清祥のことと拝察申し上げます。  今期(平成29年3月期)の国内景気につき
 前期(平成28年3月期)の国内景気につきましては、第2四半期までは ましては、雇用・所得環境の改善傾向が続く中、
緩やかな回復基調が続きましたが、第3四半期には輸出や生産が低迷し実 各種政策の効果もあって緩やかな回復に向か
質GDP成長率は、前期に比べ0.3%減(年率換算で1.1%減)と 2四半期振 うことが期待されています。しかし、IMF(国
りのマイナス成長になり、景気は足踏みの状態となりました。また、中国 際通貨基金)は世界経済に係るリスクは未だ
を始めとした新興国の景気減速、資源価格の下落、円安効果の縮小等によ 下振れ傾向にあるとの見解を示すとともに、
り企業収益も低下し、日本銀行が今年の4月に発表した日銀短観(全国企 成長率見通しを3.2%と今年の1月から更に0.2
業短期経済観測調査)の平成28年3月調査では、平成27年12月調査に比 ポイン ト下方修正しています。また、冒頭でも
べ、製造業の業況判断指数は大企業で ポイン 6 トの大幅な悪化となりました。 触れた日銀短観では新興国の減速や円高の加
 このような経済情勢の中、当社グループの前期の通期業績(連結)につ 速で製造業を中心に景況感が大きく悪化して
きましては、期初に開示した予想と比べ、売上高が6.0%の減収、利益も、 いることから、今期の大企業・製造業は、前 取締役社長
本業での稼ぎを示す営業利益が31.1%、経常利益は27.8%、親会社株主 期に比べ、売上高は0.6%の減収、経常利益
に帰属する当期純利益も32.3%の大幅な減益となりました。しかし、平成 も1.9%の減益になると予想しています。但し、
28年2月に下方修正した予想に対し、売上高は僅かながらも0.6%、利益も、 この日銀短観は1 ドル=117円で試算されてい
営業利益が25.1%、経常利益は22.9%、親会社株主に帰属する当期純利 ることから、円高が更に進行すれば輸出企業を中心に収益への押し下げ圧
益も25.2%と夫々改善することができました。なお、前々期(平成27年3 力は増すことが懸念されます。
月期)の実績と比べ、売上高は0.2%と微かながらも増収となりましたが、  このような先行きが不透明で予断を許さない経済情勢が想定される中、
営業利益が35.5%、経常利益は36.8%、親会社株主に帰属する当期純利 当社グループの今期の通期予想(連結)につきましては、前期と比べ、売
益も45.8%と大幅な減益となりました。 上高は、防衛・通信機器事業が端境期に入り減収となるものの、他のセグ
 自己資本比率につきましては、利益剰余金が8.8億円増加したものの、 メントは増収を見込んでいることから、16.6億円(3.8%)増収の451億円
株価市場の低迷の影響を受け退職給付に係る調整累計額の減少、その他 を予想しています。利益は、グローバル展開の加速、研究開発の推進等
有価証券評価差額金の減少等で、その他の包括利益累計額が16.7億円減 の成長に向けた販管費の増加、並びに新商品開発に向けた設備投資の増
少したことから、自己資本は260.6億円と前々期末に比べ9.6億円(3.6%) 加を見込んでいることから、営業利益が3.4億円(17.9%)減益の15.5億
減少しました。しかし、総資産が507.5億円と前々期末に比べ6.9億円 円、経常利益は3.4億円(17.1%)減益の16.4億円、親会社株主に帰属
(1.3%)減少に止まったことから、自己資本比率は前々期末の52.5%から する当期純利益も2.1億円(16.9%)減益の10.4億円を予想しています。
51.3%へと1.2ポイントと小幅ながら悪化しました。なお、自己資本利益率 このように今期は前期と比べ増収・減益(単体は増収・増益)を予想して
(ROE)は、前々期の9.1%から4.7%へと4.4ポイントの大幅な悪化となり、 いますが、リスク管理を強化しながらも萎縮することなく、更なる収益改善
目標とする8.0%には届きませ んでした。しかし、2011年 度は6.8%、 に注力するとともに資本効率も追求してまいります。なお、次期の配当に
2012年度は6.7%、2013年度は10.6%、2014年度は9.1%、2015年度 つきましては、1株当たり 4円を実施する予定にしています。
は4.7%と、直近5年間の平均では8.0%へ僅かに及ばないながらも7.6%に  投資家の皆様方に於かれましては、引き続き、力強いご支援とご指導を
なっています。 賜りますよう宜しくお願い申し上げます。


決算ハイライト
売上高(単位:百万円 ) 経常利益(単位:百万円 ) 親会社株主に帰属する当期純利益(単位:百万円 )

3,980
60,000 4,000 3,000
45,100
46,016 (予想) 3,132 2,381 2,311
43,371 43,439
40,000 2,000

1,979 1,640
2,000 (予想) 1,040
1,252
(予想)
20,000 1,000





第83期 第84期 第85期 第86期 第83期 第84期 第85期 第86期 第83期 第84期 第85期 第86期
セグメント情報

船舶港湾機器 Marine Systems
Business
<主な取り扱い商品>
セグメント別売上高比率 売上高(単位:百万円 )

22.8% 9,943 9,901
10,300
(予想)
10,000
8,834


統合ブリッジシステム
● 売上高
9,901百万円 0.4%減 5,000

(前期比)
● 営業利益

ジャイロコンパス オートパイロット
696百万円 13.7%減 0
(前期比) 第83期 第84期 第85期 第86期

 当事業は、国内外の商船市場では新型ECDISの装備と、過去に搭載した旧型ECDISのアップグレードを組み合
わせた販売を促進するとともに、トレーニング体制の更なる拡充を加速することにより、シェアの拡大を図ります。
また、新型オートパイロットPR-9000は、対応可能となったLNG運搬船等の高付加価値船に販促を推進するとと
もに、省エネ効果が実証されたACE(航路制御機能)と組み合わせて拡販し、シェアを拡大していきます。また、
電子海図情報表示装置 マリンレーダー ジャイロコンパスのオーバーホールをはじめとする在来船向けサービス工事・部品の売上についても、年間保守
ECDIS 契約や部品のセット販売のメニューを充実させ、サービス全体の売上高を更に増加していきます。




油空圧機器 Hydraulics and Pneumatics
Business
<主な取り扱い商品>
セグメント別売上高比率 売上高(単位:百万円 )

28.4%
15,000 12,850
12,828 (予想)
12,096 12,356
ピストンポンプ 電磁弁、比例弁
● 売上高 10,000

12,356百万円 3.7%減
(前期比)
5,000
● 営業損失
回転数制御システム マニホールド
ブロック
9百万円 0
(前期 752百万円の営業利益) 第83期 第84期 第85期 第86期

 当事業は、海外市場では引き合いが増加している回転数制御用ベーンポンプや、新たに交流電源タイプを投入したベ
トナム製電磁切換弁の拡販に注力していきます。また、北米市場での拡販に注力するほか、台湾の台北支店の強化、
中国の代理店網の拡充を推進していきます。建設機械市場では、独自性の高い新商品を開発・投入するとともに、スク
リューインカートリッジバルブ(SICV)の世界トップメーカであるHydraForce社との代理店契約締結を機に、当社製マ
汎用モニター&コントローラ 水素圧縮装置 ニホールドブロックにSICVを組み込んで国内建設機械市場・農業機械市場に拡販していきます。また、油圧応用装置に
と各種センサー ついては、水素ステーション向けに止まらず、広く高圧ガス市場関連の新商品の開発・投入に取り組んでいきます。




流体機器 Fluid Measurement Equipment
Business
<主な取り扱い商品>
セグメント別売上高比率 売上高(単位:百万円 )

5.3% 3,550
4,000
(予想)


● 売上高 2,585
2,282
2,282百万円 2.4%増
電波レベル計 2,230
2,000

(前期比)
● 営業利益
265百万円 14.1%増 0
ポータブル超音波流量計 船舶接岸速度計 (前期比) 第83期 第84期 第85期 第86期

 当事業は、国内官需市場では、大型案件の元請受注や簡易型河川水位監視装置等のシステム案件の受注によ
る案件の高付加価値化を推進します。国内民需市場では、防爆認証を取得した高周波電波レベル計を石油化学プ
ラントなどへ拡販し民需市場でのシェア拡大を図っていきます。なお、海外水市場の開拓については、韓国にお
ける代理店網を再構築するとともに新規代理店を開拓します。また、東南アジア地域の代理店を統括・支援する
平面アンテナ 超音波流量計 拠点の開設を進めていきます。
電波レベル計
防衛・通信機器 Defense and Communications
Equipment Business
<主な取り扱い商品>
セグメント別売上高比率 売上高(単位:百万円 )

34.5%
20,000 18,382
14,200
レーダー警戒装置 慣性航法装置 14,551 14,969 (予想)
● 売上高
14,969百万円 2.9%増 10,000

(前期比)
● 営業利益
固体化レーダー用X帯
マイクロ波モジュール
ヘリ搭載姿勢制御機器 240百万円 60.5%減 0
(前期比) 第83期 第84期 第85期 第86期

 当事業は、官需市場では、引き続きF-15主力戦闘機用レーダー警戒装置の更新に係る量産契約等に注力し、
既存事業の維持・強化に努めていきます。また、海上自衛隊の能力向上型の哨戒ヘリ、次期潜水艦及び次期艦艇、
陸上自衛隊の次期多用途ヘリなどへ、当社が得意とする技術分野での商品の提案活動を強化していきます。セン
サー機器市場では、農機関連自動化機器や振動計測関連センサーシステムなどの受注拡大に注力していきます。
サーボ加速度計 光ファイバー
ジャイロコンパス
通信機器事業では、半導体製造装置向けプラズマ生成用マイクロ波増幅器や誘電加熱機器向けマイクロ波発振モ
ジュールなどのマイクロ波関連応用機器による市場開拓と量産化による収益拡大に注力していきます。




その他 O t her s

<主な取り扱い商品>
セグメント別売上高比率 売上高(単位:百万円 )

9.0%
5,000 4,290
(予想)
4,118 3,930
3,818
検査機器 印刷・

異物検査装置
防災機器: ● 売上高
3,930百万円 2.9%増
消火設備
2,500

(前期比)
● 営業利益
749百万円 31.8%増 0
(前期比) 第83期 第84期 第85期 第86期
鉄道機器:レール探傷車


 検査機器事業は、高速デジタルカメラに対応した新商品の投入や、東南アジア軟包装市場での顧客の新規開拓
と深耕に注力します。
鉄道機器:  防災機器事業は、ハロン1301消火設備を中心に立体駐車場への拡販に注力するとともに、容器弁点検の需要
超音波レール 回復を見込んだ受注活動を強化していきます。
探傷器 鉄道機器:役務サービス
 鉄道機器事業は、客先更新需要に合わせた新商品の開発・投入、海外を含めた新市場の開拓を推進します。




120年の歴史の上に
 明治29年(1896)5月1日、当社は創業者の和田嘉衡によって東京市小石川区(現 東京都文京区白山)に設立さ
れ 「和田計器製作所」としてスター しま
ト した。当時の日本は富国強兵政策によって近代化が進められていましたが、産
業分野での欧米諸国との差は歴然としていました。日本が真に列強諸国と肩を並べるためには産業革命を強力に推進す
和田嘉衡
る必要があると考えた和田は、独学で機械工業の研究を続けていました。ある日、知人の海軍将校から「我が国が抱え
る喫緊の課題は、輸入に依存している軍用計器の国産化だ」と聞いて共感し、自らが起業するこ
とで圧力計の国産化を決意します。これが日本の近代計器工業の幕開けとなり した。

 以来、当社は120年の長きに亘り「伝統」を守りながらも、弛まぬ革新(イノベーシ ン)によ

る「モノづくり」と、強い使命感と高い志をもった「人づくり」を通じて新たな価値を創出し続け
てまいりました。 東京計器は、これからも普遍的な価値を継承し、持続的な成長を通じて企業価
値を高めながら新たな歴史を刻んでまいります。
「和田計器製作所」 の命名にあたり、当時は 「Measuring Instrument」 に該当する日本語がなかったため、和田
が 「計器」という造語に意訳しました。これが今日使われている「計器」 の語源となり した。 ま
東京計器製作所 小石川本社工場
会 社 概 要(平成28年3月31日現在) 株式の状況

● 商 号 東京計器株式会社 ● 発行可能株式総数 250,000,000 株
● 英 文 社 名 TOKYO KEIKI INC. ● 発行済株式総数 85,382,196 株
● 創 業 明治29
(1896)年5月1日 ● 株主数 8,726 名
● 設 立 昭和23
(1948)年12月21日
大株主(上位10名)
● 資 本 金 7,217,597,300円 当社への出資状況
株 主 名
● 従 業 員 1,114名(連結1,446名) 持株数(千株) 持株比率(%)

日本トラスティ・サービス信託銀行株式
4,997 6.02
会社
役員一覧
東京計器協力会 4,725 5.69
代 表 取 締 役 株式会社三井住友銀行 4,133 4.98
脇  憲一
取 締 役 社 長 東京計器取引先持株会 2,821 3.40
代 表 取 締 役 東京計器従業員持株会 2,749 3.31
ものづくり革新推進担当
常 務 取 締 役 山 田   秀 光 (品質・技術・生産担当) 日本生命保険相互会社 2,351 2.83
執 行 役 員
株式会社横浜銀行 2,329 2.81
常 務 取 締 役 資材担当
厚見 幸利 三菱U J
F 信託銀行株式会社 2,117 2.55
執 行 役 員 兼財務経理部長
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 1,894 2.28
CSR推進担当
兼カンパニー制推進担当 山内正義 1,813 2.19
取締役執行役員 安藤  毅 兼営業・サービス担当 注)1. 信託銀行の所有株式には、信託業務に係る株式が含まれております。
兼社長室長 当社は平成28年3月31日現在、自己株式を2,421,665株保有しておりますが、上位10名
  2. ‌
の株主からは除外しております。また、持株比率は自己株式を控除して計算しております。
法務担当
兼情報担当 所有者別株式分布状況
取締役執行役員 土屋  誠 兼人事総務部長 ■ 自己株式 2.8%
兼情報戦略室長
■ 金融商品取引業者 2.4%
取 締 役 野村 修三 ■ 外国人 4.0%
取 締 役 ■ 事業会社 その他法人 12.7%

横山  宏
常勤監査等委員
取 締 役
笹 裕 ■ 金融機関 30.2%
監 査 等 委 員
取 締 役
釘宮亮太郎 ■ 個人 その他 47.9%

監 査 等 委 員

注)本報告中の記載数値は、表示してある数値未満の端数を四捨五入しております。
● 株主MEMO

● 事業年度 毎年4月1日から翌年3月31日まで ● 公告方法
公告は電子公告により、当社ホームページに掲載いたします。
(http://www.tokyo-keiki.co.jp/)
● 定時株主総会 毎決算期の翌日から3ヶ月以内
ただし、
やむを得ない事由により電子公告によることができない場合は、
日本経済新聞に掲載いたします。

● ‌
期末配当金 ● 株主名簿管理人及び特別口座の口座管理機関
受領株主確定日 3月31日 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社

● 単元株式数 1,000株 同事務取扱場所
〒137-8081
東京都江東区東砂七丁目10番11号
● 上場証券取引所 東京証券取引所 市場第1部 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
(証券コード:7721) 電話 0120-232-711(通話料無料)


(ご注意)
株券電子化後、株主様の住所変更、買取請求その他各種お手続きにつきましては、原則として
口座を開設されている口座管理機関(証券会社等)経由で行っていただくこととなっておりま
す。口座を開設されている証券会社等にお問い合わせください。株主名簿管理人(三菱UFJ信
託銀行)ではお取り扱いできませんのでご注意ください。
特別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては、三菱UFJ信託銀行が口座管
理機関となっておりますので、三菱UFJ信託銀行にお問い合わせください。なお、三菱UFJ信
託銀行全国各支店にてもお取次ぎいたします。
未受領の配当金につきましては、引き続き株主名簿管理人である三菱UFJ信託銀行の本支店で
お支払いいたします。




<お問い合わせ先>
〒144-8551 東京都大田区南蒲田2-16-46
TEL 03-3732-2111(代表)
FAX 03-3736-0261 見やすいユニバーサルデザイン
http://www.tokyo-keiki.co.jp/ フォントを採用しています。

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