【プレスリリース】船舶用自動操舵装置の省エネ性能を実船テストで確認

平成 28 年 3 月 15 日

Press Release

オートパイロット PR-9000 シリーズ
実船テストで航路制御機能(ACE) の省エネ性能が実証されました。


当社では株式会社商船三井殿にご協力を戴き、新型オートパイロット PR-9000 シリーズに搭載可能
な新しい航路制御機能(ACE)の実船テストを実施致しました。
ACE とは Advanced Control for Ecology の略語で、電子海図情報表示装置(ECDIS)との接続をせ
ずに、ECDIS と接続した時と同等の航路制御(直進航路時のみ)が行える優れた制御モードです。
ACE では、現地点から目的地までの方位さえ合わせれば、目的地に向かう航路を自動的に作成しま
す。外乱(潮流、風)の推定を行い、航路離脱距離を計算して、最適に舵を制御し作成した航路上を
自動的に運航することが可能です。
従来の方位制御(Heading Control)に比べ、 「航路離脱の低減」「航行距離の短縮」 「操作舵の低減」
「操船者の作業負担の軽減」に優れており、安全で省エネルギーな運航に貢献します。


【実船テストの概要】
実船試験期間 ①2015 年 5 月 15 日~6 月 2 日(Short 試験)
②2015 年 6 月 4 日~6 月 16 日(1day 試験)
実船試験航路 ①釧路 → ニューキャッスル(オーストラリア)
②ニューキャッスル → 石巻



Short 試験では、従来の制御方法である Heading Control と ACE を 2 時間ごとに切り替えて燃料消
費量、舵角量の比較を行い、1Day 試験では 1 日毎に Heading Control と ACE を切り替えてテスト
を実施しました。
従来の試験方法では燃料消費量の計測が困難でしたが、 今回のテスト船には株式会社商船三井殿のビ
ッグデータ活用の一環で Fleet Monitor が搭載されていたため実際の燃料消費量を把握することが
可能となり、実燃費で比較することができました。
その結果、燃料消費量は Short 試験、1Day 試験共に ACE の方が約 1.5%の改善が認められ、舵角量
は Short 試験では約 12%、1Day 試験では ACE の方が約 5.2%の改善が確認されました。
また ACE では Heading Control と比較して変針回数が大幅に削減され、 更に航路離脱距離が大幅に
抑えられることが確認できました。

このたびの実船テストによって ACE が「安全」「省エネルギー」航行に大きく貢献することが実証
されたと言えます。当社ではこの結果を強みとして新型オートパイロット PR-9000 シリーズの拡販
に注力しさらなるシェアアップに繋げていく方針です。



□■本件に関するお問い合わせ■□
東京計器株式会社 舶用機器システムカンパニー営業部
TEL:03-3737-8611

3111