当社リブレット技術に関するお知らせ

2023 年2月 28 日
各 位
会 社 名 オーウエル株式会社
代表者名 代表取締役社長 川戸 康晴
(コード:7670 東証スタンダード市場)
問合せ先 取締役 大野 善崇
(TEL 06-6473-0138)


当社独自の“塗膜形成技術”を活用したリブレット技術が、航空機の飛行実証実験において良好な結果を得
られましたので、お知らせいたします。


JAL、JAXA、オーウエル、ニコン
世界初、塗膜にリブレット形状を施工した航空機で飛行実証試験を実施
~航空機の燃費改善で CO2 排出量削減に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献~


日本航空株式会社(以下「JAL」、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」、オーウエル株
) )
式会社(以下「オーウエル」、株式会社ニコン(以下「ニコン」
) )は、2022 年 7 月より、航空機の燃費改善に
よる CO2 排出量削減を目指し、世界で初めて(※1)機体外板の塗膜上にリブレット(※2)を施工した航空機
による飛行実証試験を進めています。これまではデカールやフィルムにリブレット加工を施して機体に装着す
る技術は存在しましたが、塗膜に直接リブレット形状を施工することにより、重量の軽減や耐久性の向上が期
待できます。
現在、JAXA にて摩擦抵抗低減効果(※3)が確認されたリブレットを、オーウエル、およびニコンが有する
加工技術を用いて、ボーイング 737-800 型機 1 機ずつ、計 2 機の機体の胴体下部に局所的にリブレットを施工
し、形状を定期的に測定する耐久性飛行試験を行っておりますが、このたびオーウエルの施工方法による機体
で 1500 時間、ニコンの施工方法による機体で 750 時間を超える飛行時間が経過し、いずれも十分な耐久性を
有することが確認されました。


(※1) 2023 年 2 月 28 日時点で発表済みの航空機において。JAL、JAXA、オーウエル、ニコン調べ。
(※2)リブレット:
サメ肌形状によって水の抵抗が軽減されることにヒントを得て考案された微細な溝構造。航空機の
飛行時の空気の流れに沿って機体外板に微細な溝構造を形成することで、飛行時の抵抗を軽減する
ことができる。





(*3)JAXA でのリブレットの摩擦抵抗低減評価




JAXA 風洞試験 JAXA スーパーコンピュータでのシミュレーション:
飛行状態を模擬した地上試験でリブ 流れは紙面垂直方向
レットの空力性能を評価する。 物体表面近傍には摩擦抵抗を増大させる渦と呼ばれる回転した流
れが存在する。リブレット(右図)により渦が機体表面から遠の
くことで摩擦抵抗が低減される。





■「Refresh(RiblEt Flight RESearcH for carbon neutral)
」プログラム(*4)について
本プログラムでは、JAL、JAXA、オーウエル、ニコンがそれぞれの強みを生かし、脱炭
素社会の実現に向けて環境に優しい航空技術の発展を目指しています。
航空分野においては、省燃費機材への更新や SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続
可能な代替航空燃料)の活用促進など、さまざまな取り組みが進んでいます。中でも、
飛行中の抵抗のうち最も大きな影響を与える表面摩擦抵抗を低減させる燃費改善技術の
導入が期待されており、サメ肌形状からヒントを得たリブレット技術が国内外で注目さ
れています。リブレットを航空機の塗膜表面に施工して流体の抵抗を低減させることに
より、燃費が最大 2%程度改善し、CO2 排出量削減に寄与します。
リブレット形状の研究、開発を行う JAXA が、オーウエルの塗膜形成技術と、ニコンの
レーザー加工技術に着目し、JAL グループが有する航空機の運用経験、および機体塗装の
知識や経験を用いてリブレットの実機適用に向けた取り組みを推進します。



(*4) 「Refresh」プログラム推進体制




(*5) 各社施工方法の概要
Paint-to-Paint Method(オーウエル)
:既存の塗膜上に、水溶性の型で塗膜に凹凸を形成する手法





Laser Processing Method(ニコン)
:事前に膜厚を増した塗膜上に、レーザーを用いて直接凹凸を
形成する手法




オーウエル(本社:大阪市西淀川区、代表取締役社長 川戸康晴、以下 当社)は、1943 年 11 月に大阪に
て設立し、工業用塗料販売で国内トップクラスの塗料関連事業と、センサーを中心とする電気・電子部品事業
をグローバルに展開する生産財商社です。
塗料関連事業において、当社は独自の“塗膜形成技術”を活用したリブレット技術の開発と事業化に取り組
んでまいりました。
JAL、JAXA、当社の 3 社は、リブレットの耐久性確認に関する共同研究契約を締結し、機体の胴体下部にリ
ブレットを施した航空機を用いた飛行実証試験を行ってまいりましたが、この度、耐久性の 1 つの目安である
飛行時間 1500 時間をクリアすることができました。
当社の“塗膜形成技術”を活用したリブレット技術は、
“塗料のフィルム化”と“高精度な微細形状の形成”
を両立できる特長を有しています。
本特長を活かし、航空機で実績のある塗料をフィルム化しリブレットを形成することによって、これまで障壁
となっていた重量や耐久性の課題を解決し、航空機に実用可能な水準に近づいてまいりました。
引き続き、
“塗膜形成技術”を活用したリブレット技術の優位性を活かし、お客様とともに社会課題である
CO2 排出量の削減に貢献してまいります。



以 上



本件に関するお問い合わせ先
オーウエル株式会社
事業企画部 コーティングマーケティンググループ
担当:羽二生(はにう)/青山
〒140-0001 東京都品川区北品川 3-6-17
TEL 03-6812-1290
URL https://www.owell.co.jp/





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