豊田合成 車の内外装部品向けの「CNF強化プラスチック」を開発

News Release
2022 年 4 月 13 日

~バイオ素材を活用し、製品ライフサイクルで CO2 を削減~
車の内外装部品向けの「CNF 強化プラスチック」を開発
豊田合成株式会社(本社:愛知県清須市、社長:小山享)は、自動車部品のライフサイクル(原材料調達、生産~
リサイクル・廃棄)での CO2 削減に向け、植物を原料とした「セルロースナノファイバー※1」(CNF)を配合した CNF 強
化プラスチックを開発※2 しました。
CNF の特長は、鋼鉄の 5 分の 1 の軽さで 5 倍の強度を持つことです。プラスチックやゴムに配合して補強材と
して用いると、製品の薄型化・発泡成形が容易となるため「軽量化」につながり、自動車においては走行時の
CO₂削減に寄与します。また、廃車後に材料を再利用する際、加熱して溶かしても強度が低下しにくいため、自動
車部品への「リサイクルが可能」です。さらに、焼却しても原料の植物が育った際に吸収した分の CO2 しか発生せ
ず、「CO2 総量が増えない素材」です。脱炭素・循環型経済を目指す上で有効な CNF の特長を生かすべく、当
社は製品の環境性能を高められる材料開発を進めています。
このたび開発した CNF 強化プラスチックは、車の内装や外装に使われる汎用樹脂(ポリプロピレン)に CNF を
20%配合させています。実用化に向けては、CNF 配合時の耐衝撃性の低下が課題でしたが、材料の配合設計
や混練技術などを用いて、自動車部品に活用できる水準に高めました。今後、CNF 素材メーカーなどとも連携し、
コスト低減などを進めていきます。
※1 木材などの繊維をナノメートル(100 万分の 1 ミリメートル)単位までほぐした素材。
※2 環境省ナノセルロースプロモーション事業(https://cnf-ncp.net/index.html)の一環。
CO2 削減を目的に、様々な製品の基盤となるプラスチックを CNF で補強した材料の
早期社会実装に向けた取り組みを推進している。

<開発した CNF20%配合の強化プラスチック> <今回試作した自動車部品>




グラブボックス フロントピラーガーニッシュ

<開発のポイント> <製品ライフサイクルでの CO2 削減のポイント>
ポリプロピレンに CNF を均一に分散させ、
耐衝撃性や流動性(成形性)を改善。 ■植物由来の材料
■自動車部品への
配合技術 リサイクルが可能 焼却時に CO2 総量
解体・回収 材料 が増えない
樹脂・ゴム・CNF などを



🚗
最適な割合で配合


使用 設計
カット (走行)


■製品を軽量化※でき
走行時の CO2 削減に寄与 製造・物流
CNF 強化
混練技術 温度や圧力、スクリュー プラスチック ※1割から2割の軽量化が可能
の回転速度などを調整

お問い合わせ先:豊田合成(株) 経理部 森田・清水 Tel. 052-400-5131

4184