日本初の長編アニメーション作品、瀬尾光男監督「桃太郎 海の神兵」第69回カンヌ国際映画祭クラシック部門にてワールドプレミア上映

各 位 平成 28 年 5 月 24 日
会 社 名 株式会社イマジカ・ロボット ホールディングス
代表者の役職氏名 代 表 取 締 役 社 長 塚 田 眞 人
(コード番号:6879 東証第一部)
取締役常務執行役員
問 合 わ せ 先 安 藤 潤
経営管理本部担当
T E L 03-6741-5742




日本初の長編アニメーション作品、瀬尾光男監督「桃太郎 海の神兵」
第 69 回カンヌ国際映画祭クラシック部門にてワールドプレミア上映
~デジタル修復版に IMAGICA が技術協力~


当社の連結子会社である株式会社IMAGICAがデジタル修復版に技術協力した日本初の長編アニメ
ーション作品、瀬尾光男監督「桃太郎 海の神兵」が、第69回カンヌ国際映画祭クラシック部門において、
ワールドプレミア上映されましたので、お知らせいたします。




(添付資料 全 2 枚)

株式会社 IMAGICA ニュースリリース

『第 69 回カンヌ国際映画祭クラシック部門ワールドプレミアにて

デジタル修復版 瀬尾光世監督『桃太郎 海の神兵』(1945 年公開 日本初長編アニメーション)が

大盛況の中、上映終了!』



以上
PRESS RELEASE
報道関係者各位

2016 年 5 月 24 日

株式会社 IMAGICA


第 69 回カンヌ国際映画祭クラシック部門ワールドプレミアにて


デジタル修復版 瀬尾光世監督『桃太郎 海の神兵』(1945 年公開 日本初長編アニメーション)が


大盛況の中、上映終了!

株式会社 IMAGICA(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤川幸廣、以下 IMAGICA)がデジタル修復版に技術協力させていた

だいた、日本初の長編アニメーション作品、瀬尾光世監督『桃太郎 海の神兵』
(英題 MOMOTARO, SACRED SAILORS/1945

年公開)が第 69 回カンヌ国際映画祭クラシック部門において、5 月 13 日(現地時間)カンヌクラシック上映会場 Salle Bunuel

にて、ワールドプレミア上映されました。




中村謙介(写真左から 2 番目) 会場の様子



ワールドプレミア上映前、松竹株式会社の高橋敏弘取締役 映像副本部長と共に当社の中村謙介(レストレーションスーパーバイザ

ー)が、満席の会場のお客様を前に修復担当として舞台挨拶をさせていただきました。

最初に挨拶をした松竹の高橋取締役から「映像修復を手掛けた日本を代表する現像所でもある IMAGICA」と紹介をされた中村は冒

頭で、本作に携われたことへ感謝の意を表し、実際の作業内容について次のように述べました。

「我々IMAGICA は、1935 年から続く日本でもっとも歴史のある商業現像所としてレストレーション事業にも力をいれており、先

ほど高橋さまがおっしゃられた 4 作品(※1)をはじめ、現存する日本最古のアニメーション『なまくら刀』や日本最古の動画『紅葉

狩』など数多くの日本映画の修復を手がけてきました。今回は画の部分のみを担当しましたが、日本初の長編アニメーションであ

るこの作品は我々にとって、得意な分野でありつつも非常に挑戦的なものでした。

本作は、松竹さまが保有されていたマスターポジ(※2)から4K スキャンを行い、2K で修復をいたしました。マスターポジの状態

は良かったものの、複製元に起因する画の状態は非常に悪いものでした。キズ、汚れ、フリッカー、裂け、明らかにコマが欠損し

ている箇所も多くありました。





<本件/取材に関するお問い合わせ先>
株式会社 IMAGICA 企画室 広報担当:河野江見子

Mail:info@imagica.jp TEL:03-3280-1420 FAX:03-3280-7503
また、現代の日本アニメで主流の画の一部分のみを動かす手法ではなく、それぞれ独立してキャラクターを描く手法が用いられて

いました。その点では実写のような動きの難しさと、アニメーション特有のセルに付着したゴミやゆがみといった症状が混在し、

より修復を困難なものにしていました。

そのため、我々は自動処理ではオリジナルの画を損なってしまう可能性が高いと判断し、手作業に多くの時間を費やしました。フ

ィルムがひどく裂けている箇所では、1 秒分を作業するのに 3 時間を要する箇所もありました。しかし、ただ現代的で見やすいも

のにするのではなく、当時の制作環境、意図を考慮し、あえてそのまま残したところもあります。70 年前、当時の人々が劇場で見

たはずのイメージを再現しました。1945 年の日本に思いをはせながらご覧頂ければ幸いです。ありがとうございました。




IMAGICA は、1935 年から続く日本で最も歴史のある商業現像所として、数多くの映像作品に携わってまいりました。現在は、デ

ジタル修復をはじめとした映像アーカイブ事業にも力を入れております。これからもこの事業を通じて、国内外における貴重な映

像資産の継承に貢献してまいります。



※1 木村惠介監督の『楢山節考』
、小津安二郎監督の『秋刀魚の味』
、大島渚監督の『青春残酷物語』
、溝口健二監督の『残菊物語』

※2 「マスターポジ」は和製英語のため、英語では Inter Positive と訳しています。

なお、日本で「インターポジ」としますとまた別のものを指すことが一般的です。



■『桃太郎 海の神兵』
(1945 年公開)英題:MOMOTARO, SACRED SAILORS

富士山麓の村で休息を終えた、サル、イヌ、キジ、クマが南方へ行く。隊長・桃太郎の指揮下、鬼ヶ島へ飛行隊が向かう。大空に

咲く、数々のパラシュート。作戦が成功し、桃太郎たちが瞬く間に島を制圧した頃、村の子供たちは落下傘ごっこをして、歓声を

上げ、富士山に向かって走り去る。

後援/海軍省、製作/松竹株式会社、構成/熊木喜一郎、脚本・演出/瀬尾光世、影絵/政岡憲三、音楽監督/古関裕而、作詞/

サトウハチロー



■瀬尾光世監督(1911-2010)

1911 年兵庫県生まれ。プロキノ(プロレタリア映画同盟)を経て、京都のアニメ制作者・政岡憲三(※)に師事。1933 年『お猿の

三吉』シリーズを制作。1943 年の『桃太郎の海鷲』が大ヒットし、1945 年に『桃太郎 海の神兵』公開。戦後は絵本作家として

も知られる。

※ “日本アニメーションの父”、2012 年にデジタル修復版が完成した『くもとちゅうりっぷ』(1943)の監督で、
『桃太郎 海の

神兵』では影絵のパート他で協力。



IMAGICA は、2016 年8月3日に発売されるブルーレイ/DVD『桃太郎 海の神兵/くもとちゅうりっぷ』デジタル修復版(発売・

販売元:松竹株式会社)の政岡憲三監督『くもとちゅうりっぷ』にも技術協力しております。








<本件/取材に関するお問い合わせ先>
株式会社 IMAGICA 企画室 広報担当:河野江見子

Mail:info@imagica.jp TEL:03-3280-1420 FAX:03-3280-7503

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