世界初 液晶パネルを利用した3D撮影技術を開発 ー 液晶パネルと光学レンズ/センサーを組み合わせ、デプスマップの取得が可能に ー

2022 年 11 月 7 日


各 位
会 社 名 株式会社ジャパンディスプレイ
代表者名 代表執行役会長 CEO スコット キャロン
(コード番号 6740 東証プライム)
問合せ先 代表執行役 CFO 大河内 聡人
(TEL. 03-6732-8100)



世界初 液晶パネルを利用した3D撮影技術を開発
- 液晶パネルと光学レンズ/センサーを組み合わせ、デプスマップの取得が可能に -


当社は、通常の映像とデプスマップ1の両方が取得可能な革新的な撮影技術(以下「本技術」といい
ます。)の開発に世界で初めて2成功いたしました。


近年、自動運転やメタバースなど急速な市場の拡大が期待される分野において、人や建物等の形状
や位置、更には色や模様等を正確に把握し、情報・データとして取り込むことが求められています。
現在、こうした要求に対応する技術として、ステレオカメラ2やToFセンサー3が知られており、最近で
は解像度の向上や機械学習技術の進歩に伴って、高度な情報の取り込みが可能になっています。
しかし、その一方で距離や位置、色情報の取得には、センサーやカメラが複数必要になるなど、構
造が複雑・大型化し、搭載する製品の大きさや取付け位置などの制約が大きくなっていました。
今回開発した本技術では、当社の液晶パネル技術と日立製作所研究開発グループの光学と画像処理
の融合技術を組み合わせ、1つのカメラで、通常の色情報を含んだ映像データと距離や位置情報を含
んだデプスマップの取得を可能にいたしました。
3Dセンサー市場は、2026年には約1.4兆円4に達すると予想されております。当社は2024年の参入を目
標に本技術によるカメラの小型化や性能向上等の開発を進め、より多くの製品・分野への搭載を容易
にすることで、リアルとバーチャルの融合による安心・安全・豊かな社会の実現を目指します。



実証デモ機によるデプスマップ取得結果


<撮影対象> <取得したデプスマップ>
Far
Near





【本技術の特長】
本技術では、一般的なカメラレンズユニット及びイメージセンサーに、当社で開発した特殊なパ
ターンを表示する液晶パネルを組み合わせ、撮影した映像から光学的物理量を抽出して演算するこ
とにより、1つのカメラで人や建物等の位置情報を立体的に取得し、デプスマップの生成が可能とな
ります。また液晶パネル部分の表示モードを制御することにより、通常の映像撮影も可能です。

液晶パネル
構成例
イメージセンサー




カメラレンズユニット

他 3D センサーとの比較
本技術 ステレオカメラ TOF
カメラ/センサー数 1 2 1
通常の映像/色情報取得 可能 可能 不可
デプスマップ取得 可能 可能 可能

撮影モード例
以下 2つのモードを切り替えることで、通常の映像撮影とデプスマップの取得が可能です。


(通常撮影モード) 液晶パネル
イメージセンサー



撮影 再生


カメラレンズユニット
(デプスマップモード) 液晶パネル
イメージセンサー
Far




撮影 演算
Near




カメラレンズユニット
1:3D空間の奥行きを色情報等により距離として表現したもの。

2:世界で初めて:2022年10月
当社調べ 液晶パネルと光学レンズ/イメージセンサーを組み合わせ、
映像と共にデプスマップの取得を可能とした。
3:2つのカメラを用いて対象物までの距離を三角測量の原理で計測するカメラ。

4:Time
of Flight、放射した光が対象物で反射して戻る迄の時間から距離を計測するセンサー。
5:出典:Global
Information社 3Dセンサーの世界市場・COVID-19の影響(~2026年)より。


【デプスマップの取得原理】
光学カメラのピントが合う位置から撮影対象の距離がズレると、撮影した映像にボケが発生しま
す。ズレ量に伴ってボケも大きくなるため、このボケ量から距離を演算できますが、本技術では、更
に液晶パネルによる特殊なパターンを重ねて撮影することにより、演算精度を向上させております。



撮影対象の位置 撮影映像とボケ量(イメージ)
レンズ

映像を取り込む位置


ズレ:無


ボケ量:無




ズレ:小

ボケ量:小




ズレ:大

ボケ量:大
※撮影対象の位置とボケの関係を示す図であり、前提や詳細のボケ映像などは実際と異なる場合があります。




想定アプリケーション領域


FA/AGV(無人搬送車) VR/AR ドローン




監視カメラ 自動車 スマートフォン




以 上



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