開発中の重量キャンセル型搬送装置の試作機3号機完成に関するお知らせ

2019年10月10日
各 位

会 社 名:ウインテスト株式会社
(コード:6721 東証二部)
代表者名:代表取締役社長 奈良 彰治
問合せ先:専務取締役 樋口 真康
(TEL:045-317-7888)

開発中の重量キャンセル型搬送装置の
試作機3号機完成に関するお知らせ
当社は、学校法人慶應義塾大学の森田准教授と共同研究開発を進めている、「自重補償機構」
技術を用いたロボットアーム型重量キャンセル搬送装置の試作機3号機を完成いたしましたので、
お知らせいたします。



1.一般的な重量物搬送装置について
一般的な「重量物搬送装置」は、電気モーターやエンジン等の動力源を持ち、且つカウンタ
ーウエイトや油圧・圧縮空気の出力を借りる事で、数十キロから数百キロの重量物の移動を
アシストしますが、装置が大掛りで重量が重くなることや、重量物に見合う外部動力が必要
となるといった課題を有しています。

2.共同開発中の「自重補償機構」について
これらの一般的な重量物搬送装置が持つ課題克服のため慶應義塾大学の森田准教授と当社
で開発している「自重補償機構」は、いかなる動力やカウンターウエイト、そして油圧・空
圧機器を使用しない特徴を有し、バネの弾性力を応用した軽量かつシンプルな構造を実現す
るロボットアームの継続開発を行っております。この度、試作機2号機に続き、より実用域
に近づいた、3号機の試作機の開発が完了しました。(動画参照)
今般開発した試作3号機は、被搬送物の重量が変化した場合でもその重さに見合った自重補償
ができる構造となっており、試作2号機と比べ、より広範囲の重量変化に対応できるよう、革新
的新技術(特許出願準備中のためモザイク処理を施しています)を組み込みました。今後複雑な
動きが可能となるよう関節部分も増やし、搬送物の大重量化と人間工学に則したスムーズで安全
な自重補償を成立させて行きます。

3.共同開発したロボットアームの応用分野について
試作3号機では従来の搬送物の大重量化の方向だけではなく、摩擦静止しかできなかったフレキ
シブルアームに代わり、器具の荷重に対応した自重補償も可能となり、微細加工分野、医療関連等
への応用範囲を広げられる可能性が開けてきました。 当社と森田准教授並びに製造協力を頂い
ている先端機械加工会社様と、更に開発を重ね、搬送可能重量が数十グラムの超精密製品分
野への応用、そして大重量化方向では自重補償量を試作機の10倍から20倍まで高めることで、
従来大電力モーターと電源が必要だった工場内重量物組み立てラインや介護用アシスト機器
の大幅なコストダウン、そして小型軽量化への応用、物流関連機器マーケットへの参入など
を計画いたします。
なお、初段での製品化にあたっては当社検査装置向けマニュピレータでの使用を考えた設
計とし、安全面の十分な検証を行い、当社が計画する新規事業におきましては、それらの成
果を生かし、産業、福祉、また民生向けロボット等に積極的に応用していく計画であり、当
社と慶應義塾大学の森田准教授とタッグを組み、今後も多様な分野における作業者のパワー
アシスト機器等へ活用を目指して共同開発を継続してまいります。
4.本件の当社業績への影響について
当該試作品の完成による、2020年 7 月期の当社業績への影響は軽微であります。
以上


自重補償機構3号機のご紹介写真と動画




手を離すと完全無重力状態で静止

ここ又は下の写真をクリックすると自重補償機構3号機の動画がご覧になれます。
動画は別サイトで開きますが、開くまで少々お時間を頂く場合がございます。




1台の自重補償機構で、重さの異なる重量物を搬送可能
-ご参考資料-
ロボットアーム2号機の写真




以上

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