グリーンボンド発行に関するお知らせ

2022 年2月 10 日
各 位
会 社 名 サンケン電気株式会社
代表者名 代表取締役社長 髙橋 広
コード番号 6707(東証 市場第一部)
問合せ先 IR部長 岩田 卓也
TEL (048)472-1111


グリーンボンド発行に関するお知らせ
~EV 向け半導体製品の供給を通じて環境問題解決に貢献します~


サンケン電気株式会社(本社:埼玉県新座市、以下「当社」
)は、当社初となるグリーンボンド
(以下「本社債」)の発行を決定いたしましたので、下記の通りお知らせします。


当社グループの経営理念には、
「半導体をコアビジネスに、パワーエレクトロニクスとその周辺領域
を含めた最適なソリューションを提供することを使命とし、世界各地の産業・経済・文化の発展に寄与
する」とあり、これは社会課題に対する当社の基本的な姿勢を表したものです。また、2021 年中期経
営計画の経営方針には、
「電動化・デジタル化が加速する未来市場に適合した製品での売上・利益拡大」
を掲げ、社会課題に対する具体的なアプローチ方法を定めています。こうした経営理念及び経営方針
の実現を視野に「本業の推進(省エネ・高効率化)による CO₂の削減」及び「事業活動を通じた環境負
荷の低減」の 2 つをマテリアリティとして特定し、高い信頼性と最先端技術を用いたパワーエレクト
ロニクスとその周辺領域の製品の開発・生産・販売を通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。
この度、環境問題の解決や省エネルギー化に貢献する当社の取り組みをより一層推進するための資
金を調達するべく、本社債の発行を決定いたしました。


1.本社債の概要
サンケン電気株式会社第14回無担保社債
名 称
(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)
発行総額 50億円(予定)
発行年限 5年(予定)
発行時期 2022年3月(予定)
電気自動車(EV)向け半導体製品
資金使途  EVトラクションモータ用パワーモジュール
 EV向けシリコンカーバイド(SiC)デバイス
ストラクチャリング・エージェント* 大和証券株式会社
大和証券株式会社、SMBC日興証券株式会社
主幹事証券会社 みずほ証券株式会社、
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

※その他詳細は、決定後にお知らせします。
*「ストラクチャリング・エージェント」とは、SDGs 債の発行にあたって、フレームワークの策定やセカンドオピニ
オン取得に関する助言等を通じて、SDGs 債の発行支援を行う者のことです。
2.グリーンファイナンス・フレームワークの策定及びセカンドオピニオンの取得
本社債の発行にあたり、国際資本市場協会(ICMA)の定める「グリーンボンド原則 2021」
、環境省の
定める「グリーンボンドガイドライン 2020」
、ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)
、アジア
太平洋ローン・マーケット・アソシエーション(APLMA)及びローンシンジケーション&トレーディン
グ・アソシエーション(LSTA)の定める「グリーンローン原則 2021」及び環境省の定める「グリーン
ローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン 2020」に基づいて、以下の 4 つの要素に
ついて定めたグリーンファイナンス・フレームワーク(以下「本フレームワーク」)を策定しました。
① 調達資金の使途
② プロジェクトの評価と選定のプロセス
③ 調達資金の管理
④ レポーティング


◼ サンケン電気株式会社 グリーンファイナンス・フレームワーク
[フレームワーク詳細については本リリース添付の別紙をご覧ください]


なお、本フレームワークについて、株式会社格付投資情報センター(以下「R&I」
)より、上述の各原
則との適合性に関する外部評価(セカンドオピニオン)を取得しています。


◼ R&I セカンドオピニオン
https://www.r-i.co.jp/rating/esg/index.html




3.調達資金の使途
本社債の発行により調達した資金は、以下の適格クライテリアを満たすプロジェクトに対する新規
支出及び既存支出のリファイナンスに充当する予定です。



グリーンボンド原則
適格クライテリア 適格製品例
事業区分

クリーン輸送  電気自動車(EV)向け半導体  EV トラクションモータ用
製品に係る設備投資及び研究 パワーモジュール
開発  EV 向けシリコンカーバイド
(SiC)デバイス




以 上
(別紙)




サンケン電気株式会社

グリーンファイナンス・フレームワーク
SANKEN ELECTRIC GREEN FINANCE FRAMEWORK



2022 年 2 月
目次



1. はじめに .................................................................................................................................................................. 2
1.1 ESG 経営の取り組み ................................................................................................................................... 2
1.2 マテリアリティの特定(貢献する重要社会課題) ................................................................................. 2
1.3 ESG 経営へのマテリアリティの展開 ............................................................................................................. 4
1.4 ESG 経営の推進体制 ................................................................................................................................. 4
1.5 グリーンファイナンス・フレームワーク策定の背景 ....................................................................................... 5


2. グリーンファイナンス・フレームワーク..................................................................................................................... 6
2.1 調達資金の使途 .......................................................................................................................................... 6
2.2 プロジェクトの評価と選定のプロセス ........................................................................................................... 7
2.3 調達資金の管理 .......................................................................................................................................... 7
2.4 レポーティング ................................................................................................................................................. 7




当社のグリーンファイナンス・フレームワークに対して、大和証券がストラクチャリング・エージェントを務めた。


1. はじめに

当社は 1946 年(昭和 21 年)9 月に、電力会社の研究機関であった「(財)東邦産業研究所」から継承・独立
し、昨年 9 月には創立 75 周年を迎えました。
その「創立宣言」において、「産業・経済・文化の発展への寄与」を掲げ、その精神は現在の「経営理念」においても、
「半導体をコアビジネスに、パワーエレクトロニクスとその周辺領域を含めた最適なソリューションを提供することを使命と
し、世界各地の産業・経済・文化の発展に寄与する」と明記され、引き継がれています。2021 年度には、パワーモジ
ュール、パワーデバイス、センサー等のパワー半導体専業メーカーとして新たなスタートを切りました。
「電気」は人間が現代的な生活を営むために不可欠な存在となっていますが、パワー半導体は「電気」を使うときに
常に必要となる製品です。自動車やエアコン、テレビなど身近なものの中の、普段は目に触れない場所にサンケン電気
の製品が使用され、人々の暮らしを 70 年以上に亘って支えてきました。



1.1 ESG 経営の取り組み

前述のとおり当社グループの経営理念には、「半導体をコアビジネスに、パワーエレクトロニクスとその周辺領域
を含めた最適なソリューションを提供することを使命とし、世界各地の産業・経済・文化の発展に寄与する」とあ
り、これは社会課題に対する当社の基本的な姿勢を表したものです。
また、2021 年中期経営計画の経営方針には、「電動化・デジタル化が加速する未来市場に適合した製品
での売上・利益拡大」を掲げ、社会課題に対する具体的なアプローチ方法を定めています。そしてそれらの考え
方を「Power Electronics for Your Innovat!on」というスローガンに表現しています。
これらは SDGs の「7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」及び「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」という
目標とも合致しており、当社事業の推進が SDGs の貢献へも繋がるものと考えています。その上で SDGs の各ゴ
ールを深く理解し、具体的な行動に繋げることで、ビジネスリスクの軽減や新たなビジネスチャンスの創出を図りた
いと考えています。



1.2 マテリアリティの特定(貢献する重要社会課題)

当社グループの経営理念及び経営方針の実現や SDGs を経営施策に取り入れるため、当社グループにおけ
る重点課題を中期経営計画など総合的な角度から検討すると共に、各部門施策と SDGs の結びつきを分析し
ました。





この過程において当社グループの「社会課題解決に向けた当社が取り組む重要課題(マテリアリティ)」を特
定するため、当社グループの課題を「社会の関心度」及び「当社ビジネスへの影響度」でマッピングし分析を行い
ました。




経営理念の確認、SDGs と当社諸施策との結びつきの確認及び当社重点課題の分析という過程を経て、当
社グループが社会課題の解決に向けて取り組むべき課題を「本業の推進(省エネ・高効率化)による CO₂の
削減」と「事業活動を通じた環境負荷の低減」と定めています。





1.3 ESG 経営へのマテリアリティの展開

当社は特定されたマテリアリティを経営に取り入れることにより、社会への貢献と当社の持続的発展を結び付
け、両者の実現を目指していきます。当社は当社グループと社会との「つながり(Connect)」を基礎に、「自然
とのつながり」「社会とのつながり」「信頼をつなぐ」という考え方のもと ESG 経営を展開しています。




1.4 ESG 経営の推進体制

当社は 2019 年度に SDGs を経営に取り入れる決定をした後、SDGs の運営組織として「SDGs 推進会議」
を立ち上げ、具体的な施策の検討及び経営への報告を行うと共に、全社員への教育活動を推進してきました。
また 2021 年度より「SDGs 推進会議」は、ESG 活動の更なる推進を目的として、その考え方を発展継承した「サ
ステナビリティ委員会」として生まれ変わりました。





「サステナビリティ委員会」を中心として、当社グループの重点課題を環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)
のカテゴリに細分化した上で、これらに対応した環境・社会・ガバナンスの 3 部会において、気候変動等のテーマ
ごとのチーム活動を展開しています。この部会・チーム活動は当社グループのメンバーで構成されており、グループ
一丸の活動体制としています。またサステナビリティ委員会への報告は 1 回/半期毎に行われ、その結果は経営
会議及び取締役会に上申されています。



経営会議・取締役会


関係部会チーム サステナビリティ委員会

事務局(CSR推進室)



環境(E)部会 社会(S)部会 ガバナンス(G)部会


・気候変動(TCFD) 環境 ・健康推進チーム <主なテーマ>
対応チーム ・ダイバーシティ推進チーム ・内部統制・内部監査
・環境ISO1/2対応チーム ・安全衛生推進チーム CGコード改定
・社会貢献推進チーム ・人権尊重(自社・取引先)
・情報開示戦略
・投資戦略


環境マネジメント会議 危機管理委員会 内部統制推進委員会


安全衛生委員会




1.5 グリーンファイナンス・フレームワーク策定の背景

現在、グローバルな視点において、環境問題や省エネルギーは社会共通の喫緊の課題となっています。当社
は、高効率・省電力に繋がる多数の製品・技術を有しており、従来より、エアコンや洗濯機、冷蔵庫等の白物
家電に搭載するインバータ向け製品や、自動車における低燃費・高効率化用途の製品などを通じて、グローバ
ルな省エネルギー化に貢献してきました。
この度、環境問題の解決や省エネルギー化に貢献する当社の取り組みをより一層推進するための資金調達
の枠組みとして、グリーンファイナンス・フレームワーク(以下、「本フレームワーク」といいます)を策定しました。





2. グリーンファイナンス・フレームワーク

当社のグリーンファイナンス・フレームワーク(以下、「本フレームワーク」)は国際資本市場協会(ICMA)の定め
る「グリーンボンド原則2021」、環境省の定める「グリーンボンドガイドライン2020」、ローン・マーケット・アソシエーション
(LMA)、アジア太平洋ローン・マーケット・アソシエーション(APLMA)及びローンシンジケーション&トレーディング・
アソシエーション(LSTA)の定める「グリーンローン原則2021」及び環境省の定める「グリーンローン及びサステナビリテ
ィ・リンク・ローンガイドライン2020」に基づいて策定され、以下の4つの要素について定めています。


1. 調達資金の使途
2. プロジェクトの評価と選定のプロセス
3. 調達資金の管理
4. レポーティング



2.1 調達資金の使途

グリーンファイナンスにより調達された資金は、以下の適格クライテリアを満たすプロジェクト(以下、「適格プロ
ジェクト」といいます)に対する新規支出及び既存支出のリファイナンスに充当する予定です。
リファイナンスへの充当の場合、グリーンボンドの発行又はグリーンローンの実行から遡って 36 ヶ月以内に実行
されたプロジェクトに限定します。


【適格プロジェクト】
グリーンボンド原則
適格クライテリア 適格製品例
事業区分
クリーン輸送  電気自動車(EV)向け半  EV トラクションモータ用パワー
導体製品に係る設備投資 モジュール
及び研究開発  EV 向けシリコンカーバイド(SiC)
デバイス





2.2 プロジェクトの評価と選定のプロセス

対象となるプロジェクトは財務統括部及びマーケティング本部が、当社グループのマテリアリティ等を踏まえて選
定します。選定されたプロジェクトの適格クライテリアへの適合性は、サステナビリティ委員会の審査を経て経営会
議に上申され、最終承認されます。またその結果については取締役会に報告されます。
なお、すべての適格プロジェクトについて、環境・社会的リスク低減のための以下について対応していることを確
認します。
 事業実施の所在地の国・地方自治体にて求められる環境関連法令等の遵守と、必要に応じた環境への
影響調査の実施
 当社グループの CSR 基本方針を遵守した取り組みであること



2.3 調達資金の管理

調達資金は財務統括部が適格プロジェクトへの充当及び管理を行います。調達資金は概ね 3 年以内に適
格プロジェクトに全額充当予定です。
財務統括部は、内部管理システムを用いて、調達資金の残高が適格プロジェクトへの充当額と一致するよう
一定期間(半期)毎に追跡、管理します。
資金を充当した資産の売却や適格性を満たさなくなった場合等、未充当資金が発生した場合、可能な限り
迅速に、適格クライテリアを満たす他のプロジェクトに再充当します。
調達資金が適格プロジェクトに全額充当されるまでの間、及び未充当資金が発生している間、当該未充当
資金は現金及び現金同等物にて管理します。



2.4 レポーティング

調達資金の充当状況及び環境改善効果として当社が定めた内容について、合理的に実行可能な限りにお
いて、当社ウェブサイト上で開示することを予定しています。


(1) 資金充当レポーティング
調達資金が全額充当されるまでの間、年次で、以下の内容を当社ウェブサイト上で開示予定です。
① プロジェクトへの充当額と未充当額
② 新規ファイナンスとリファイナンスの割合
③ 未充当額が発生した場合、その充当予定時期


なお、調達資金の全額充当後、大きな変更が生じる等の重大な事象が生じた場合は、適時に開示しま
す。





(2) インパクト・レポーティング
グリーンボンドが償還するまでの間、以下の環境改善効果に係る指標を、年次で、当社ウェブサイト上で
開示予定です。


【インパクト・レポーティング】
グリーンボンド原則
環境改善効果に係る指標
事業区分
クリーン輸送  技術・製品の概要
➢ 研究開発に充当した場合、上記に加えて進捗状況及び
想定最終製品等を含む
 適格製品の納品数、当社製品を搭載する EV 台数(推計値
*¹)、及び CO₂排出削減量(推計値*²)
*¹:EV 台数(推計値)の算出方法は以下のとおりです。
適格製品(EV トラクションモータ用パワーモジュール等)の納品数
EV1 台に必要となる平均的な適格製品数


*²:CO₂排出削減量(推計値)は CO₂換算した場合の温室効果ガス削減量をいい、算出方法は以下
のとおりです。なお、当社製品を搭載する EV とガソリン(GS)車の年間 CO₂排出量の差額を、グリーン
ボンドガイドラインの考え方に基づき、当社独自の計算により算出したもので、当社が環境目標として発
表する CO₂排出削減量の算式とは異なります。


CO₂排出削減量(推計値) =
( GS 車台数*³ × 年間走行距離 ÷ GS 燃費平均
× GS 単位発熱量 × GS 炭素排出係数 × 炭素 CO₂換算係数 )
-( EV 台数(推計値) × 年間走行距離 ÷ EV 電費 × 電力 CO₂排出係数 )


*³:GS 車台数は EV 台数(推計値)に同じです。


以上





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