5G 活用の共創活動における建設現場の安全向上に向けた実証実験を実施

2020年4月27日
各 位
株式会社 ユビテック


5G 活用の共創活動における
建設現場の安全向上に向けた実証実験を実施
~高所からの墜落防止に無線ネットワークを活用~




株式会社ユビテック(本社:東京都港区、社長:荒木 克彦)は、建設・IT関連企業で構成する
ワーキンググループに参加してまいりましたが、この度、5Gを活用した建設現場の安全性向上への
取り組みの第一弾として、高所作業時の墜落防止に必須である安全帯の使用を促進するシステムを
共同で開発しましたのでお知らせいたします。本プロジェクトでは、建設業界の企業にヒアリング
を行うとともに、日本電気株式会社(以下、NEC)などのIT関連企業とディスカッションや試作を
行い、実際の鉄塔を用いた実証試験により安全帯使用の促進に有効なことを確認しました。
現在5Gの商用化が進められる中で、超高速・大容量通信、多数同時接続、低遅延という5Gの特
徴を活用した様々な分野での新しいサービスが検討されています。5Gの可能性を追求するため、
2018年にNECが立ち上げた様々な企業とパートナリングを組み共創を進める「5G Co-Creation
Working*1」にユビテックも参加し、活動を行っております。今回の実証は、同ワーキングの中で建
設関連企業やIT関連企業など9社*2が参加する建設ワーキンググループによって行われました。


1.背景
近年、建設業界では恒常的な人手不足が大きな問題とされており、労働環境を向上することで魅
力的な職場を訴求し、多くの人材を集めることが喫緊の課題となっています。一方で、建設業界で
は労働災害発生数が多く、全産業における建設業の死亡災害は全体の34%を占めており、さらに死
亡・死傷災害の原因を見ると「墜落・転落」が最多となっています*3。そこで本ワーキンググルー
プでは、「5GやICTを活用して建設現場から墜落・転落事故ゼロを共創で目指す」を合言葉にプロ
ジェクトを開始しました。
こうした事故に関しては、厚生労働省は保護具の使用徹底による墜落転落の防止を図っています
*4。一方で、国土交通省の調査によると、足場からの墜落事故における保護具の使用状況は「安全

帯を装着したが未使用」が66.7%となっていることがわかりました*5。そこで本ワーキンググルー
プの第一弾の取り組みとして墜落を防止する安全帯*6の使用状況を改善するシステムを開発しまし
た。


2.本システムと実証の概要
本実証で用いたシステムでは、高所作業場所にサインビーコンを設置し、作業員のヘルメットに
は振動ビーコンを取り付けて、作業者が所定の高所エリアに入ると振動によるアラートで安全帯の
使用を促します。また、安全帯のフックにはセンサーを取り付け、フックを掛けることでアラート
は停止します。加えてフックの使用状況や作業員の位置情報は無線ネットワーク*7によって常時サ
ーバに送られるため、現場責任者は管理画面で安全帯の使用状況をリアルタイムに確認できるほ
か、蓄積されたデータを用いて作業場全体の安全帯使用状況を分析することもできます。
実証に用いたシステムの概要

本実証は、2020年3月にNECネッツエスアイ株式会社の研修施設内の鉄塔を用いて行われ、アラー
トによる作業員への安全帯使用の通知や、無線ネットワークを通じた使用状況の確認やデータ化な
どに成功しました。建設ワーキンググループに参加している錢高組からも「今回の実証でICT活用
による墜落事故防止の可能性が見えてきた」という評価が得られました。




実証実験の様子




3.今後の予定
今後本ワーキンググループでは、5Gを活用して作業現場からリアルタイムで高精細な映像を送
信し、安全帯の使用状況を管理者が視覚的に確認できるようにするほか、外部関係者へのヒアリン
グを通じて高精細映像を活用した多様な労働災害防止対策などを発案・検討していきます。
なお、本活動を含む「5G Co Creation Working」の活動は、2020年5月11日に開催されるWebセ
ミナー「5G Co Creation Working カンファレンス Spring 2020」*8にて発表される予定です。
ユビテックは、今後も職場労働環境の改善、従業員の安全管理、健康管理など、社会が取り組
まなければならない課題を解決するために安全な職場環境構築実現に貢献してまいります。


以上

*1様々な業界の企業が課題とニーズ、技術を共有し、 5G時代の新たな取り組みやサービスを

共に作り上げるための“場” を 提供 するためNECが立ち上げたワーキング。設立以降

「交通」「建設」「流通」各領域でワーキンググループを組成し活動中。

詳細はこちら: https://jpn.nec.com/tcs/5gccw/index.html

*2建設 ワーキンググループの参加企業(NEC除く): アバナード株式会社、ケンブリッジコ

ンサルタンツ株式会社、株式会社 CIJ ネクスト、株式会社 錢高組、Solace Corporation、

株式会社プロフェッショナル・ネットワークス、株式会社ユビテック、日本電気通信システ

ム株式会社

*3厚生労働省 平成30年労働災害発生状況の分析等

https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000555711.pdf

の 「業種別死亡災害発生状況(平成20年~平成30年)」と「建設業における事故の型別 労働災害発生状況」 を参照

*4厚生労働省 第13次労働災害防止計画

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000341158.pdf

*5国土交通省 安全啓発リーフレット (令和元年度版)

http://www.mlit.go.jp/common/001300528.pdf

の 「墜落事故のデータ分析」 を参照

*62018年6月 労働安全衛生法施行令の改正により、安全帯の名称が墜落制止用器具に変更され

ましたが、厚生労働省「墜落制止用器具に係る質疑応答集」によると、建設現場等において

従来の呼称である「安全帯」等の用語を使用することは差し支えない、とされており、また

「安全帯」の名称が広く使われているため、本件でも同様に用いております。

厚生労働省 墜落制止用器具に係る質疑応答集 https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000540770.pdf

*7本実証では LTE を使用

*8「5G Co Creation Working カンファレンス Spring 2020」 概要

開催日時:2020年5月11日(月)13:00~16:45

形式:Webセミナー

定員:500名

詳細はこちら:https://jpn.nec.com/event/2005115gccw/index.html




【本件のお問い合わせ先】
株式会社ユビテック グループ管理部 電話: 03-5447-6731 FAX: 03-5447-6757

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