新型レーザ網膜投影機器3機種の製品化に関するお知らせ

2021 年 12 月 14 日
各 位
会 社 名 株式会社 QD レーザ
代表者名 代表取締役社長 菅原 充
(コード番号:6613 東証マザーズ)
問合せ先 取締役 CFO 経営企画室長 幸野谷 信次
(TEL.044-333-3338)
(E-Mail: retissa@qdlaser.com)



新型レーザ網膜投影機器 3 機種の製品化に関するお知らせ



当社は、当社独自のレーザ網膜投影技術の社会実装を一層加速させるために視覚障碍者支援、眼疾患予防、
視覚拡張それぞれの領域に対応した3つの新しいレーザ網膜投影機器「RETISSAⓇHANDY」
「携帯型レーザ簡易検
眼装置」
「RETISSAⓇSUPER CAPTURE」を 2022 年度に順次製品化することといたしました。この取り組みは SDGs
の理念のうち、3「すべての人に健康と福祉を」
、4「質の高い教育をみんなに」を目指すものです。
なお、本件の 2022 年 3 月期の業績予想に与える影響はございません。


【見えづらいを「見える」に変える:RETISSAⓇHANDY】
当社の医療 民生用のレーザアイウェアは装着者自身のピント調整力によらずに、
・ 高精細な画像を楽しめる、
優れたアイウェアです。この技術を応用・発展させて、公共の場所で、誰もが手軽に本や書類を読んだり、書
類に記入や署名できることを目指して、
「RETISSAⓇHANDY」を開発しました。
この RETISSAⓇHANDY は、網膜投影の効果によって、本の見開き全体を見て、書類全体を素早く把握したり、
書きたい文字を書くことができることから、読書バリアフリー法(注)に沿った有効な機器として各自治体で
認知され始めています。図書館、市町村区役所、病院、学校、等の各行政機関で使って頂けるよう、都・県議
会、市区町村に働きかけ、行政サービスへの採用検討が進んでいます。


RETISSAⓇHANDY 試作品と使用例




(注) 第 198 回国会において「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」
(読書バリアフリー法)が
成立し、令和元年 6 月 28 日に施行されました。本法律に基づき、障害の有無に関わらず、全ての国民が等しく
読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に向けて、視覚障害者等の読書環境の
整備が総合的かつ計画的に進んでいます。

「見える」の健康寿命を延ばす:携帯型レーザ簡易検眼装置】
眼科の疾患はその多くが、加齢に従って発症する・進行性である・障害が不可逆である、といった特徴を有
するため、早期に発見し、有効な治療を施す必要があります。しかし、初期には症状を自覚しにくい上、眼科
の定期健診の普及率が高くないために、例えば緑内障等による中途失明は国内で数万人に上っており、高齢化
と相まって、社会問題となっています。このような中途失明を防ぐためには注意を喚起するだけでなく、負担
が少ない・どこでもできる眼科スクリーニング検査を普及させことが鍵となります。
当社は、
眼疾患の早期発見を目指して、
スクリーニング検査用の携帯型レーザ網膜投影機器を開発しました。
本装置は従来の病院にある検査装置と比較して小型で安価であるだけでなく、使い方も簡単で専門家の立ち合
いを必要としません。
眼科に行かなくても検査できるので、体重計や体温計のように自宅や事業所において日常的に検査すること
が可能になります。
この装置を用いて、
「見える」ことが業務上大切なタクシー会社と、大学病院眼科及び眼科専門医と共に、事
故防止・雇用維持・失明防止を目指した網膜投影による眼科スクリーニング検査を進めています(注)
。これま
でに、僅か1分間程度の視野チェックによって、白内障、緑内障を高い感度で検出できることが明らかになり
ました。
今後、
この携帯型の目の簡易検査装置は、
国内タクシー会社に健康経営の一環としての活用をお勧めしつつ、
2022 年度に製品化します。
並行して、眼疾患だけでなく認知機能の低下及び血管系疾患のスクリーニングを可能とする新しい検眼サー
ビス「ビジョンヘルスケアプラットフォーム」を国内大学病院、データ管理/サービスを担う DX 企業に提案し、
連携して試験運用を開始します。この新サービス「ビジョンヘルスケアプラットフォーム」は、個人や職場の
健康管理として社会実装、標準化することによって、健康寿命の増進に貢献するもので、2022 年度に試験運用、
2023 年度に本格運用 を目指します。


携帯型の簡易検眼装置による目の健康チェックの様子




(注) 準拠省令:
「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」
(経産省、文科省、厚生労働省、2021
年 3 月 23 日)



「見える」の世界を拡張する:レーザ網膜投影カメラ RETISSAⓇSUPER CAPTURE】
レーザ網膜投影の画角をレーザアイウェアの 25 度から 60 度まで 2.4 倍に広げた広角レーザ網膜投影装置を
製造し、これをデジタルカメラのビューファインダとして搭載した装置 RETISSAⓇSUPER CAPTURE を開発してい
ます。
RETISSAⓇSUPER CAPTURE は網膜投影の効果によって画面全体を一度に把握できるため、最適なフレーミング
が可能であるだけでなく、老眼や近視等、使用者自身の眼のピント調整機能の影響を受けずに撮影できます。
さらに、デジタルカメラの高倍率光学ズームを併用することによって、中心窩の視力を失った網膜症当事者の
最善の視機能支援手段となります。このカメラを手にすれば、どこへでも自由に出かけて行き、アングルとシ
ャッターチャンスを自分で決めて、シャッターを切ることができます。その人ならではの感性で景色を切り取
ることが可能になるでしょう。
当社は、この装置 RETISSAⓇSUPER CAPTURE を使ってロービジョン者への支援の輪を広げる「With My Eyes」
を企画しました:
https://www.youtube.com/watch?v=RSvwqS9KOWI
https://www.youtube.com/watch?v=p5bIfs94Oys
また、近日、クラウドファンディング「世界初、レーザ視覚支援機器を盲学校に届けたい」をローンチいた
します。このプロジェクトでは、ロービジョン者が暮らしやすい世の中を作るために出資してくださるサポー
ターを募ります。出資金を使ってレーザ網膜投影機器 RETISSAⓇSUPER CAPTURE プロトタイプを複数台製造し、
盲学校に届け、児童生徒の皆さんに使ってもらいます。その後、使い心地を伺って開発にフィードバックし、
より使いやすい製品 RETISSAⓇSUPER CAPTURE を 2022 年度秋に発売する予定です。


RETISSAⓇSUPER CAPTURE 試作品




以 上

8346