HPCシステムズ・Preferred Computational Chemistry・ENEOS「GRRM20 with Matlantis」を共同開発

プレスリリース
2024 年 3 月4日
HPC システムズ株式会社
株式会社 Preferred Computational Chemistry
ENEOS株式会社
報道関係各位
HPC システムズ株式会社 HPC システムズ
HPC システムズ株式会 HPC システムズ株式会

HPC システムズ・Preferred Computational Chemistry・ENEOS
「GRRM20 with Matlantis」を共同開発

化学反応経路を自動探索して、研究開発を加速させるソリューションを提供




HPC システムズ株式会社(代表取締役 小野 鉄平、以下 HPC システムズ)、株式会社 Preferred
Computational Chemistry(代表取締役社長 岡野原 大輔、以下 PFCC)およびENEOS株式会社
(代表取締役 宮田 知秀、以下 ENEOS)は、共同開発した「GRRM20 with Matlantis」の提供を
2024 年 3 月 11 日(月)に開始※1します。
「GRRM20 with Matlantis」は、MatlantisTM 上で GRRM を
用いることにより、革新的な計算速度で化学反応経路の自動探索を実現します。国産ソフトウェア
である「GRRM20 with Matlantis」を国内にサービス展開するとともに、グローバルスタンダード
のソリューションとして海外にも順次展開していきます。


■ 開発背景
GRRM は、原子・分子レベルのさまざまな化学反応※2に関して、網羅的な反応経路探索※3や複雑
な反応経路ネットワークの構築といった、多様な目的で力を発揮する計算プログラムです。GRRM
では、多くの場合、外部の量子化学計算※4ソフトウェアを呼び出すことで反応経路を探索しますが、
量子化学計算は計算に長い時間を要するという課題があります。
一方で、PFCC が提供する Matlantis は、深層学習モデルを用いることで、量子化学計算に匹敵
する精度の結果を従来の数万倍高速に得られる原子レベルシミュレータです。また、未知の材料を
含む分子や結晶など、任意の原子の組み合わせをシミュレーションできる汎用性も有しています。
そこで、Matlantis を用いて、ENEOSの化学技術に関するドメイン知識を活用し、従来よりも
大規模な分子や結晶系に対して、GRRM の網羅的な反応経路探索を実現する「GRRM20 with
Matlantis」を開発しました。
「GRRM20 with Matlantis」は次世代の研究開発の一翼を担うと期待
されます。
■ GRRM20 with Matlantis の特長
GRRM20 with Matlantis(https://www.hpc.co.jp/chem/software/grrm20-with-matlantis)は反応物の情報
から、量子化学計算レベルの精度で極めて高速に反応経路を自動探索できます。


■ GRRM(Global Reaction Route Mapping:化学反応経路自動探索プログラム)について
GRRM(https://www.hpc.co.jp/chem/software/grrm20/)は、HPC システムズが提供する、量子化学
の予言性を利用して未知の化学反応経路を自動的に探索する、世界初の計算プログラムです。
GRRM に実装されている AFIR 法は、北海道大学創成研究機構化学反応創成研究拠点(世界トップ
レベル研究拠点プログラム:WPI-ICReDD https://www.icredd.hokudai.ac.jp/ja/)の研究グループ
などで現在も進化を続けており、新しい化学反応の合理的設計と高速開発を目指す先端研究開発が
展開されています。


■ Matlantis について
Matlantis (https://matlantis.com/ja/)は PFCC が展開するクラウドベースの汎用原子レベルシミュ
レータです。


【HPC システムズについて】
HPC システムズ(https://www.hpc.co.jp/)は、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野
のニッチトップ企業です。HPC 事業では、科学技術計算用高性能コンピュータとシミュレーション
ソフトウェア販売、科学技術計算やディープラーニング(深層学習)環境を構築するシステムイン
テグレーションサービス、シミュレーションソフトウェアプログラムの並列化・高速化サービス、
計算化学ソフトウェア、マテリアルズ・インフォマティクスのプログラム開発・販売、受託計算
サービス・科学技術研究開発支援、創薬研究開発や素材・材料研究開発分野向けサイエンスクラウド
サービスをワンストップで提供しています。


【Preferred Computational Chemistry について】
PFCC(https://matlantis.com/ja/)は、株式会社 Preferred Networks とENEOSが共同開発
した汎用原子レベルシミュレータ Matlantis をクラウドサービスとして販売することを目的に、
両社の合弁会社として 2021 年 6 月に設立されました。PFCC はユーザー企業・団体による革新的
な材料の創出に貢献し、持続可能な世界を実現することをミッションとして掲げています。


【ENEOSについて】
ENEOS(https://www.eneos.co.jp/)は、石油、電力、石炭、ガス、化学品など多岐にわたる事業
を通じ、資源調達から、精製・生産、物流・販売に至るすべてのプロセスを担い、エネルギーを供給
しています。また、水素、風力、太陽光をはじめとする、環境に配慮した新エネルギーの開発・普及
など、幅広く事業を展開しています。人々の生活や経済を支える「生命線」ともいえるエネルギー
の安定的な供給を確保しながら、社会のニーズや課題に向き合い、新たな価値を創り出すことで、
社会の発展と活力ある未来づくりに貢献します。
※1 ライセンス形態につきましては、「GRRM20 with Matlantis」のサイトをご確認ください。
https://www.hpc.co.jp/chem/software/grrm20-with-matlantis
※2 有機反応、有機金属触媒反応、結晶の相転移など。
・有機反応:有機分子単体ないしは複数の有機分子の間で起こる化学反応。
・有機金属触媒反応:金属原子を含む有機分子を触媒にして起こる化学反応。
・結晶の相転移:ある組成の物質がとりうる複数の結晶構造のうちの一つから、別の結晶構造に構造
が変化すること。
※3 化学反応が進む過程(反応経路)を分子レベルで詳細に理解するための手法。具体的には、反応物から
生成物に至る途中の中間体や遷移状態などの分子構造を探索することで、反応機構を解明し、化学
反応の理解を深めることができる。
※4 分子構造や分子の物性、反応機構などを量子力学に基づいた計算から予測する方法。分子設計や
材料設計、反応機構解明の手段としてさまざまな分野で活用される。




【商標登録について】
・GRRM:量子化学探索研究所
・Matlantis:株式会社 Preferred Computational Chemistry
・その他記載されている製品名など:各社、団体の商標または登録商標


以 上


本件に関するお問い合せ先
HPC システムズ株式会社
広報担当:https://www.hpc.co.jp/contact/company_form/
株式会社 Preferred Computational Chemistry
広報担当:pr@pfcc.co.jp
ENEOS株式会社
広報部 広報グループ:03-6257-7150 (pr@eneos.com)

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