統合報告書 2017

INTEGRATED
REPORT


サトーホールディングス株式会社 
統合報告書
もしも、モノに情報が付いていなかったら?



もし、 (モノ)
商品 に何の情報も紐付けられていなければ、
出荷することもできずモノは動いていきません。

サトー企業理念 人やモノのさまざまな 情報 」 産業や生活の基盤となっています。
「 は、


使命 優れた製品・サービスでお客さまの新たな価値を創造し、 今や誰もがスマートフォンやタブレットを使い、
Mission より豊かで持続可能な世界社会の発展に貢献することを使命とします。
モノに貼られた 2 次元コードを読み込むことで、
多くの情報を利活用しています。
ビジョン 自動認識ソリューション事業で世界ナンバーワンになること。
今後迎えるビッグデータを活用した IoT 社会では、
Vision 変わりゆく社会から必要とされ続け、最も信頼される会社になること。
より多くのモノがネットワークにつながり、
IoT・AI・SNS・自動化が進み、私たちの生活が大きく変わり始めている今、
サトーが追求するのは、 人・モノ・情報の 最後の 1cm 』

®
をつなぎ、 さらに便利な世の中になっていくでしょう。
「 正確・省力・省資源・安心・環境・感動 」という価値を生み出して、人々に実感してもらうことです。
その実現のため、自動認識技術と素材革命を融合させ、新しい次元のビジネスモデルを創造します。
しかし、このような社会が正確に機能するためには、
誰かが モノに情報を貼り付け、
「 正しく IT システムにつなぐ 」という
信条 「 あくなき創造 」の精神の下、変化と新しいアイデアを追求し、
Credo 失敗を恐れず顧客志向のイノベーションを推進します。 物理的な作業を担わなければなりません。
真のプロとして、お客さまの期待を超えることにこだわりを持ち、 サトーグループは、ここをビジネスのフィールドにしています。
常に全力を尽くします。

物事をありのままに見て、なすべきことを今すぐ実行します。 私たちは、IoT 時代においてますます重要性が高まっていく
すべての社員を個人として尊重し、お互いに信頼し合い、 人・モノ・情報の 最後の 1cm®』
『 を現場力でつなぎ、
そしてチームとして一致協力します。
世の中のお役に立っていきたいと考えています。
大企業病につながる形式主義を排除し、自由闊達な組織であり続けます。

得られた成果を、株主・社員・社会・会社の四者に還元します。




※写真は、2017 年 7 月に開催した世界責任者会議で行われた 企業理念の理解と実践 」
「 のための
ワークショップ、 パネルディスカッションの様子です。 世界各国からグループ会社社長、地域統
Contents 括責任者、事業責任者、 企業理念推進リーダーなど約 150 名が参加しました。



01 サトー企業理念 15 経営戦略 33 役員紹介

03 トップメッセージ
15 戦略 1 日本事業 35 2016 年度の業績報告・2017 年度の見通し
17 戦略 2 海外事業
19 戦略 3 素材事業
07 サトーグループの歩み 37 11 年間の財務ハイライト
21 戦略 4 ゲームチェンジ
23 CFO メッセージ
09 サトーグループの価値創造サイクル 39 財務諸表
27 ESG への取り組み
11 2017 ー 21 年度中期経営計画 41 株式情報
27 人財育成への取り組み
29 環境への取り組み
42 会社概要
31 コーポレート・ガバナンス


1 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 2
トップメッセージ




成長加速のための原点回帰と新しいビジョン・戦略

 平素より格別のご高配を賜り、心より厚く御礼申し上げ ありますが、この足踏み状態から脱却し成長を加速するため
ます。 には何が必要かを考え、原点に戻って サトーグループの価値

 サトーグループは 2012 年度から 持続可能な成長力と
「 創造の源泉は何か?」を見つめ直しました。
収益基盤の確立 」を経営目標に掲げ、 グローバル化と顧客
「  私たちが出した結論は、 IoT・AI・SNS・自動化に代表され

価値の最大化の追求 」を基本戦略とする 3 カ年中期経営計画 るデジタルトランスフォーメーションが社会生活にもたらす
を遂行し、2014 年度には海外事業の力強いけん引によって、 非連続的な変化こそが、サトーグループにとって大きなビジ
過去最高の営業利益を計上致しました。 ネスチャンスであり、そのチャンスを生かすにはコア事業
 しかしその後、2015 年度には国内基幹システムの刷新によ (自動認識ソリューション)の革新が不可欠である 」という
る償却費負担増、2016 年度には為替変動と新興国経済の低迷 ものです。2017 年 4 月、この考えに基づきビジョンを刷新し、
による海外収益の悪化を要因に、 期連続で増収減益の目標
2 経営目標・事業領域・戦略の再定義を織り込み 2017 ー 21 年
未達に終わりました。これらは本質的に一過性の要因では 度の中期経営計画をスタートさせました。



時代の変化をチャンスとして成長してきたサトーグループの歴史

 変化にはリスクが伴います。しかし、サトーグループは ンタの発明によって、自動認識市場におけるモノづくりの
1940 年の創業以来一貫して、企業の存続をも脅かすほどの パイオニア企業としての地位を確立しました。
時代の変化を逆にチャンスと捉え、事業を進化させ、発展を  その後 失われた 10 年 」
「 と言われる 1990 年代以降、良いも
遂げてきました。戦後急成長した小売市場向けのハンドラベ のを安く作れば売れるという モノ売り 」
「 のビジネスモデル
ラー 1962 年) POS の急速な普及を背景に開発した熱転写
( 、 の価値が低下し、お客さまが求めるものが現場課題の解決・
方式バーコードプリンタ 1981 年) ともに世界に先駆けた
( は、 改善、すなわちソリューション「コト売り」へと急速にシフト
( )
発明であり、時代のニーズを捉え世界市場で大きな成功を収 していきます。私たちはこの変化に対応し、お客さまの現場

サトーホールディングス株式会社 サトーホールディングス株式会社
めました。もし、当時の主力事業に固執してイノベーション ニーズに合わせて最適なプリンタ、リーダー、ソフトウェア、
代表取締役社長兼 CEO 代表取締役副社長兼 COO を起こすことができていなければ、歴史の流れの中で淘汰さ サプライなどを組み合わせたシステムと、導入後の保守サ

松山 一雄 小瀧 龍太郎
れていたかも知れません。 ポートまでをワンストップで提供する独自のビジネスモデル
 そして私たちは世界初のハンドラベラーとバーコードプリ 「DCS (Data Collection Systems) & Labeling」を確立しました。



自動認識ソリューションの提供価値とお客さまニーズの変化

IoT デジタルトランスフォーメーションが社会生活を大きく変え始めた今日、
・  DCS & Labeling は現在の自動認識ソリューション事業の なビジネスアプリケーションを現場で支えるという重要な
原型です。自動認識技術を駆使して現場の人やモノの動きを インフラ的役割を果たしています。
自動認識ソリューション事業を革新し、新たな価値の創造に挑戦します 情報
(データ)
化し、的確に収集することで 情物一致 」
「 を実現  近年、お客さまの現場ニーズに大きな変化が起こり始めてい
し、その情報を IT システムにつないで 正確・省力・省資源・
「 ます。その最も象徴的な事例の一つが、 コマースの拡大、
E 人手
安心 」という価値を提供するビジネスモデルであり、サプ 不足、働き方改革の要請などを背景に導入が加速している IC
ライチェーンのトレーサビリティーや資産管理などさまざま タグ RFID)
( です。市場にはさまざまなレベルの汎用品が流通



連結従業員数 5,012 人 2016年度連結売上高 1,063 億円
1位
2017 年 3 月 31 日現在

可変情報ラベル 世界 アジア・オセアニア セグメント情報 アジア・オセアニア 公共 保守サポート
BP/ その他
1,718 人 12.0% 7.9% 3.1% 9.5%
34.2% 日本 欧州


2位
FA
1,848 人 11.8% 地域 食品 市場 30.3% 商品
バーコードラベルプリンタ 世界 36.9 %
9.9 % システム機器・
欧州 米州 ソフトウェア他
米州 ヘルスケア
出典:2017 プリンタ市場の全貌
996 人 450 人 日本 リテール ロジスティクス 9.9% プリンタ サプライ
19.9 % 9.0% 12.8% 10.0%
63.4% 18.9 % 19.9 % 19.5% 61.1%

3 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 4
トップメッセージ



しており、既に導入されたお客さまにおいて 現場に入れた IC
「 コンサルティング  エコナノ ® は 2011 年度の発売以来、当社ラベル商品への適 検討が始まっています。
タグが思ったように読み取れない」という現象もあり、抜本的見 環境や形状が違うさまざまなモノに必要な情報を確実に 用を進め、既に多くのお客さまに採用いただいておりますが、  IDP の最大の特長は、 生産・梱包工程の最終段階で可変情

直しを図る中で当社にソリューション提案をご用命いただく 紐付ける(タギングする)ためのハード、ソフト、サプライの 現在はラベル領域外分野であるサステイナブルパッケージの 報の印字ができること」および「印字段階でインクが不要であ
ケースが増えているのです。 最新技術でも汎用品や仕組みを
「 組み合わせを最適化する能力 推進に注力しています。2016 年には味の素様の 鍋キューブ 」
「 ®
ること」 2 点であり、
の これによってランニングコスト、梱包材
入れただけでは環境・条件が異なる現場において運用レベル のパッケージにも採用いただき、環境配慮商品として日本包装 (在庫管理ユニット) メンテナンス工数の大幅な削減
SKU 数、
などを包含する、真のワンストップソリューションであると
に達しない」という現実は、従来の自動認識ソリューションが抱 技術協会主催の第 41 回木下賞において研究開発部門賞の受賞 と、商品メッセージやデザインを消費者に合わせてパーソナラ
考えます。そして、私たちは、お客さまの現場課題に対する洞
える限界・課題を如実に表しております。この問題解決の鍵は、 に至りました。今後とも、さまざまな素材にエコナノ ® を展開 イズすることが可能となり、マーケティングに革新をもたらす
察力・解決力・実行力を総称して サトーの現場力 」
「 と呼んで
し、 2 削減を通じて、
CO 本業による持続可能な社会の発展に貢 ことが期待されます。現在はモノクロのみの対応となります
お客さまの現場の運用を的確に理解する力 います。
献していきます。 が、2020 年度にマルチカラーの発売を予定しています。
お客さまの現場課題の抽出から解決支援を行うフィールド
 IDP につきましては、2017 年 1 月、同技術を開発し関連特許  エコナノ ®、 を含めた素材事業は、
IDP R&D・事業開発に対す
網を持つイギリスの DataLase 社を完全子会社化したことによ る先行投資とのれん償却費によって現在営業赤字となってい
IoT 社会に向けて、自動認識ソリューションの価値をどう進化・深化させるか? り、事業部門だけでなく、R&D 部門における緊密な連携が可能 ますが、2019 年度に単年度黒字化をめざしています。
となりました。これによって新たに中長期の共同開発テーマの
 IoT・デ ジ タ ル ト ラ ン ス フ ォ ー メ ー シ ョ ン が 私 た ち の B2B から B2B2C へ
生活、経済活動、事業環境に大きな影響を与えていくことは  IoT でマーケティングも大きく変わります。消費財を
間違いありません。この新しい時代に、サトーグループの 例にとれば、今まで商品メッセージやデザインは統一さ 2017 ー 21 年度中期経営計画の策定
自動認識ソリューションの価値を進化・深化させる2つの れ、原材料や製造年月日などが可変情報とされてきました
大きな鍵があると考えています。 が、今後はメッセージやデザインを含めて消費者一人一人  これら外部環境の変化への対応と事業領域の深化を さま価値第一 」 戦略実践の要 」
「 をあらためて定義しました。

にパーソナライズされた可変情報の価値が飛躍的に高 ビジョンに組み込み、新たに 2017 ー 21 年度中期経営計画 また、成長加速と 2015 年度以降低迷が続いている海外事業
ワンストップソリューションの強化
まっていくと考えます。なぜならそれが既にバーチャル世 (以下、新中計)を策定しました。自動認識技術と素材革命を の強化のために、原点に回帰して、サトーグループの強みで
 IoT によって現場から収集される膨大な情報を誰もが
界では当たり前になっており、消費者の購買意欲・行動を 融合させて新次元のビジネスモデルを創造することをビ あるソリューション事業とエンドユーザー志向ビジネスに
リアルタイムで入手し、利活用できるようになります。しかし、
大きく左右しているからです。そしてマスマーケティング ジョンに明記し、長期基本戦略として 事業領域 」 事業の
「 「 あらためて注力することを軸として、従来7つあった戦略
情報と実際のモノが一致していなければあくまでバーチャ
から、消費者一人一人の右脳および左脳に訴えかけるマーケ 本質 」 立ち位置 」 情報領域 」 コアコンピタンス 」 お客
「 「 「 「 を5つに集約しました 。
(※)
ル領域内での話であり、現実の世界でモノ・人は動かず、 ※各戦略についての詳細は 13 ページ∼をご覧ください。
テ ィ ン グ へ の シ フ ト が 起 こ り ま す。今 ま で 自 動 認 識
IoT によるサ ービ スは 機 能しま せ ん。 の 最 も困 難 な
IoT
ソリューションは主として B2B、企業の業務ニーズに応える
ラストワンマイルは、 リアルとバーチャルをつなぐこと

ものでしたが、今後は お客さまのお客さま 」
「 ニーズ、すな 「 人を育て、ビジネスを築く 」 戦略実行の要は人財育成

(情物一致)にあり、 「 最後の 1cm®」
」 その を担うのがサトーの
わち B2B2C 対応力がますます重要になっていきます。
役割と考えています。この実現には、現場でのワンストップ
ソリューションの実行力の大幅な強化が欠かせません。  当社グループの事業の本質的価値はワンストップソ と呼び、一人一人の多様性を尊重し、全員参画経営を実践
リューションにあり、それを可能としているのが社員一人 していること全てが、この考えにつながっているのです。
一人の 現場力 」
「 です。これは単に現場に行くことではなく、  特に 1976 年から続く 三行提報
「 (さんぎょうていほう) は


従来の自動認識ソリューションの枠を越えたイノベーションへの挑戦 お客さまの現場の課題を理解し、ソリューションを提案し、 サトーの全員参画経営の象徴であり、 年たった今でも色褪

実行していく力にほかなりません。言い換えれば、 現場力 」
「 せることなく、多くのイノベーションを生み続けています。
 このように高度化・複雑化していくお客さまニーズに対応 ことで、新たなイノベーションを創出していきます。 を持った社員の育成こそが戦略実行の要であり、私たちが 現在、グローバル展開を推進すると同時に、 三行提報× AI」

していくためには、バーコード・2 次元コード・IC タグなどを  この取り組みにおいて最も意欲的かつ先進的な新事業が 「 人を育て、
『 ビジネスを築く 』ことは全社員の使命 」と考え による新たな価値創造にも挑戦を始めています。
ベースとした従来の自動認識ソリューションの枠組みを超え 「 素材革命 」であり、現場でのインテグレーションを主体とす る理由がここにあります。企業理念を重んじ、社員を 人財 」

る必要があります。 る自動認識ソリューションの構成要素である素材レベルまで
 私たちは、既に 5 年ほど前から お客さまにプラスワンの
「 踏み込むことによって、お客さま価値を飛躍的に高められると
付加価値を DCS & Labeling + One)という取り組みを推進
( 」 考えています。 素材革命 」 「 お客さまのお客さま 」
「 は に特に 究極は サトーならきっと答えを持ってきてくれる 」
「 と頼られる企業になること
し、 技 術 で 予 防 保 守 を 実 現 し た SOS SATO Online
IoT 「 ( 大きな価値をもたらすイノベーションであり、 2B2C 対応力
B
Services)、
」 音声・画像認識を組み合わせたピッキングシス 強化の切り札の一つと期待しています。同時に、新ビジョンで  当社グループのビジョンは「自動認識ソリューション事業で きてくれる」と思っていただくことにほかなりません。
、 それが

テム iPicking」 3D マッピングと位置測位技術を融合させ
「 、 めざす 環境・感動 」
「 という新たな価値の創造において、 世界ナンバーワンになること。変わりゆく社会から必要とされ 私 た ち の め ざ す 究 極 の 姿 で あ り、そ の 実 現 に 向 け て

倉庫業務の効率化を実現する Visual Warehouse ®」
「 など、 極めて重要な役割を担う事業と位置付けています。 続け、最も信頼される企業になること」です。これをお客さま これからも邁進してまいります。

多くの商品・サービスを実用化してきました。  現時点で 素材革命 」
「 には2つの柱があります。 視点に置き換えると、 サトーなら安心して現場を任せられる」
「 、
代表取締役社長兼 CEO
 そして、今後も当社グループの社是である あくなき創造 」
「 「 現場で何か問題が起こったら、サトーがきっと何とかして
ナノテクノロジーにより焼却時に発生する CO2 を削減する
とオープン・イノベーションの精神の下、より高度な画像・映 くれる」 (将来を含めて)
、「 サトーに頼めばきっと答えを持って
「エコナノ ®」
像認識、 、
AI ロボット、印刷技術やエコ素材など他分野から技
特殊顔料によるレーザー感熱発色技術
術を積極的に取り入れ、自動認識ソリューションと融合させる
「インライン・デジタル・プリンティング IDP)
( 」



5 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 6
サトーグループの歩み (百万円)
160,000
日本売上高

海外売上高
(左軸)

(左軸)
デジタルトランスフォーメーション
の加速

IoT 社会へ

連結営業利益(右軸) (百万円)
24,000

モノづくりからソリューション事業へ 140,000 (右軸)
EBITDA
22,000

 サトーグループは 1940 年の創業以来、 あくなき創造 」
「 の社是の下、環境の変化に対応し
120,000 2008 20,000
事業を進化させてきました。時代に先駆けた商品を世に出し、メーカーとしての基盤を築いた成 リーマンショック

長期。自動認識技術で 情物一致 」
「 を実現し、価値を創出するソリューション事業に取り組み、 18,000

「DCS Data Collection Systems) Labeling」
( & という独自のビジネスモデルを構築した発展期。 100,000
16,000
そして自動認識総合ソリューションのプロバイダーへ進化するための転換期を迎えた今。 1997
東京証券取引市場
 お客さまに信頼され選ばれ続ける企業であるために、これからも私たちはたゆまぬ努力と 第一部に株式を上場 14,000

挑戦を続けていきます。 80,000

12,000


60,000 10,000



売上高推移 失われた 10 年 1989 ∼の 10 年間)
( 8,000

40,000
6,000

プラザ合意
4,000
小売市場の急成長
20,000
創業
バーコードの普及 2,000
欧州構造改革 新中期経営計画



(計画) (計画) (計画)




モノづくり主体の事業 自動認識ソリューション主体の事業 自動認識総合ソリューションのプロバイダーへ

1940 年(創業)∼ 1990 年代∼ 2000 年代∼ 2010 年代∼
時代のニーズを捉えた画期的な商品を開発 現場用途提案 自動認識ソリューション事業(ベースビジネス)の強化
「DCS & Labeling」を提供開始
IC タグ RFID)

お客さまの現場用途に適したプリンタ、
2013 年 2013 年 2017 年
リーダー、 ソフトウェア、 サプライを組み
Magellan Technology Pty Ltd から独自性の アパレル業界向けの包装商材を世界的に 岩手県の北上事業所内に IC タグ・ラベルの
合わせたシステムを構築し、 導入後の保守
高い RFID 技術を含む事業を譲り受け、 オース 展開するアメリカの Nexgen Packaging, 生産部門を新設
サポートまで総合的なソリューションを
世界初 トラリアに SATO Vicinity Pty Ltd を設立 LLC の株式を一部取得(取得株式 14%)
1940 年 1962 年 1981 年 世界初 提案する DCS & Labeling」
「 の提供を開始
竹材加工機の ハンドラベラーの 熱転写方式 新興市場の開拓
製造販売を開始 製造販売を開始 バーコードプリンタ 海外展開を本格化 2012 年 2012 年 2017 年
1958 年 1964 年  を開発 台湾のエントリーモデルのプリンタ開発、 製造、 インド、インドネシア、ベトナムに販売子会 フィリピン、台湾に販売子会社を設立
結束機の ラベルの製造を 2001 年 シンガポールに海外事業統括会社を設立 販売の Argox Information Co., Ltd. を連結 社を設立
製造販売を開始 開始 2004 年 ベトナムにハードウェア製造工場を建設 子会社化
2006 年 Checkpoint Systems, Inc. のバーコード事業譲受 ソフトウェア ゲームチェンジ
海外に製造工場移転 (海外 5 社設立)
2007 年 アメリカ、 シンガポール、 ベルギーに
2014 年 2014 年 2015 年
各地域事業統括会社を設立 ソフトウェア開発力強化のため、 アメリカに 世界で初めて IoT 技術を実装したラベルプリ (
次 世 代 保 守 サ ービ ス SOS SATO Online

1986 年 マレーシアにハードウェア製造工場を建設
自動認識 SI
(システムインテグレート) 事業を ンタ CLNX シリーズ 」
「 を発売 Services) の提供を開始

手掛ける SATO Global Solutions, Inc. を設立

 1976 年から続く、サトーグループの 三行提報
「 (さんぎょうていほう) は、
」 全社員が経営を
現場の情報をトップに報告、 自動認識ソリューション事業(プライマリーラベル)の強化 素材事業の推進
サポートし、 経営トップに直接報告する会社を良くするための独自の仕組みです。社員は
変化の源泉 三行提報 」

現場でキャッチしたさまざまな情報やアイディアを三行 127 文字)
( にまとめて毎日提出してい 2012 年 2014 年 2015 年 2011 年 2017 年
ます。 経営トップはいち早く社内外の環境を把握し、 迅速な意思決定や必要な施策を講じる アルゼンチンのプラ ロシアのプライマリーラベル ブラジルのプライマリーラ 焼却時に発生する CO2 を 「 インライン・デジタル・プ
ことができることに加え、 社員が経営者と同じ感覚でものを考える 全員参画の経営 」
「 を実現 イマリーラベル製造、 製造、 販売の Okil-Holding, ベル製造、販売の Prakolar 削減する エコナノ ®」
「 ラ リンティング IDP)」
( 技術を
しています。 販売の Achernar S.A. JSC を連結子会社化 (取得株 Rótulos Auto-adesivos ベルの販売を開始 持つイギリスの DataLase
を連結子会社化 式 75%) S.A. を連結子会社化 Ltd. を連結子会社化

7 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 8
サトーグループの価値創造サイクル
模倣困難性の観点から考える、サトーグループの価値創造ストーリー


一般的な自動認識ソリューションが生み出す価値とは ?
サトーグループの収益モデル
「 情物一致 」により 正確・省力・省資源・安心 」
「 という基本的価値を創出します。
自動認識ソリューションとは バーコードや IC タグなどの自動認識技術を駆使して、
「 現場で動くモノや人と情報を お客さまと深く・長いお付き合いを追求する継続型リピートビジネスを展開
同期化して“情物一致”を実現し、トレーサビリティー、サプライチェーン、資産管理などさまざまな業務アプリケー
ションを現場で支える社会的インフラ 」です。
現場から収集され利活用されるデータ量が爆発的に増加する IoT 時代において、自動認識ソリューションの重要性は
格段に高まると見込まれています。 リピートビジネスを収益の基盤とする理由

 サトーグループの収益モデルは、 規模・スコープの経済 」
「 改善していくモデルであり、お客さまの生涯価値の総和=
お客さま視点で捉えた、一般的な自動認識ソリューションの課題・限界とは ? ではなく、 深さと長さの経済 」
「 に立脚しています。 深さ 」
「 収益ベースという考え方です。実際当社グループの 2016 年
はお客さまニーズに対する浸透度、 長さ 」
「 はビジネスの時 度の売上構成は、リピート主体のサプライ比率が 61%と
商品群ごとに分業化され、多種多様な現場課題をワンストップで解決できないこと。 間軸を意味します。売切り型のビジネスでは長期にわたっ なっています。
評価・導入・運用の過程で多くの企業が関与し、全体の最終責任の所在が不明確 て お客さまの運用現場を止めない・改善し続ける 」
「 ことは  リピートビジネス成功の鍵は継続的なお客さまの満足で
現場環境や運用形態がパフォーマンスに大きく影響する IC タグなどで問題が生じる 実現できないからです。 あり、商品の信頼性と保守サポート、そして 現場力 」
「 がリ
導入以降の長期継続的運用改善のパートナーをみつけにくい  長期間お客さまに信頼され続けることで収益が安定的に ピートビジネスを支えています。
特定技術を専業とする企業が多く、異分野を融合するオープンイノベーションが困難
B 2 B に特化するソリューションが多く、 2 B 2 C ニーズへの対応が遅れている
B
人手不足やデジタルトランスフォーメーションにより、これらの課題はより大きくなると予想されます。
海外におけるベストプラクティス
SATO Auto-ID Thailand)
( 社の収益の推移
売上高 営業利益
 収益モデルの海外におけるベストプラクティスは、
「 サトーグループの自動認識ソリューション 」は一般的なものと何が、どう違うのか ?
2001 年にタイに設立した販売会社の SATO Auto-ID 100

「お客さまの運用現場を止めない・改善し続けること」にこだわる、ワンストップソリューション。 (Thailand)
社です。
売上高
 M&A ではなくゼロから立ち上げた STC は、市場・ 年平均成長率
  お客さまにとって機会コストが最も高く、
「 サトーグループのビジネスモデルを支える戦略構成要素 販路開拓も含め、当初4年間は赤字となりましたが、 25.4 %
現場が止まってしまうことが最悪である 」とい 「あくなき創造」と「現場力」
ラベルの製造・販売を始めてから収益は改善し、その
う認識の下、サトーグループは切れ目のない真 お客さまの現場でのソリューション実行力  
自動認識+Oneで
ネットワーク 後リピートビジネスを伸ばし、政治・経済面の混乱期
のワンストップソリューションを使命としてい 保守サポート イノベーションを起こす力
社員、
パートナー、 (※)
SOS 「現場力」をグローバルに実践する
においても安定的な収益を実現。日本を含むグローバ
ます。 プリンタを売って終わりではなく、
「 そ による保守サポート能力 人的ネットワークと共通の価値観
「徹底したお客さま志向」 ルの事業拠点の中で好事例となっています。
こがプリンティングソリューション提供の始ま オープンイノベーション オープンパートナーシップ 2001 2005 2010 (年度)

り」と考え、現時点の経営・運用課題だけでな 常に最先端技術を取り入れる
開発力と製造
常にお客さまニーズを軸とした  現在は、企業理念とビジネスモデルを理解したロー
柔軟性 最適なパートナーシップ (注)2016 年度の売上高と営業利益を各々 100 として表示

く、未来に向けた継続的改善をお手伝いするの
メーカー
(プリンタ&ラベル)
ならではのマッチング能力と開発力
カル社員主体の事業会社へと進化を遂げています。

が私たちのビジネスモデルです。 ※SOS SATO Online Services ) IoT 技術を使いプリンタの稼働停止を未然に防ぎ安定稼働の実現をサポートするサービス。
( :




サトーグループがめざす究極の姿は? 今後いかにサトーグループの収益力を向上させていくか?
お客さまから サトーならきっと答えを持ってきてくれる 」
「 と頼られる企業になること。  成長戦略の中核は日本の 10 倍以上のポテンシャルがある 日本においては、少子・高齢化の外部環境を背景に、省力化な
 これは 変わりゆく社会から必要とされ続け、
「 最も信頼される世界ナンバーワンの自動認識ソリューション企業に 海外です。SATO Auto-ID(Thailand)社のように成功してい どのソリューション力を強化し、新しいお客さま価値を創造
なること」というビジョンをお客さま視点に置き換えたものです。 る国もある一方、全体として日本のビジネス・収益モデルの することに注力します。
展開が遅れており、ここの変革が最重要課題となっています。

なぜ他社はこのビジネスモデルを実践しないのか?
一般的な自動認識ソリューションの会社にとって、自社のビジネスモデルと相反し、また実行に多大な
時間・投資・労力がかかるため。
中期経営計画 2017 ー 21 年度)
( へ

9 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 10
外部環境の変化
「IT の浸透が人々の生活をより良い方向に変化させる 」という概念である デジタルトランスフォーメーション 」
「 が、
サトーグループが起こす変化
IoT や AI といった技術革新によって急速に進行し、あらゆる企業にとってデジタル化への対応が喫緊の課題となっています。 ∼お客さまの現場でつなぐ“情報”∼
膨大に増え続ける情報(データ)の収集やその高度な利活用、
スマートフォンや SNS の普及により変化・多様化する消費者への対応、
 当社グループはお客さまの現場の最前線で、人 モノ 情報」
「 ・ ・ ことは従来の自動認識ソリューションに加えた 情物一致 」

その実行のための産業の垣根を超えたパートナーシップなどさまざまな課題が生まれています。
の「最後の 1cm 」をつなぎます。
®
私たちがつなぐ「情報 」は、 のさらなる進化であり、それによる 消費者への高い価値

業務の現場では変化のスピードに対応すべく、自動化をはじめとするイノベーションによる生産性の向上が急務となっています。 例えばお客さまが必要とされる商品データや出荷データで 提供 」 「 生産性の劇的な向上 」
や です。その実現のため、私た
今まさに進行中の変化を見つめてみましょう。 あり、バーコードラベルなどを媒体として、サプライチェーン ちはこれまでも時代の変化に合わせてそうしてきたように、
で活用されています。 自ら積極的な変化を起こし、あらゆるパートナーシップと
 外部環境の大きな変化の中で、お客さまが私たちに求める イノベーションを追求し、 最後の 1cm®」
「 をつないでいきます。
お客さまの現場

私たちが起こす変化 1
IoT の普及 ビッグデータの膨張 AI の進化
インターネットにつながるモノの数は、   お客さま 」
「 のニーズのその先を捉えるため、 お客さまのお客さま 」
「 である消費者のニーズに着目し、
世界のデータ量は 2 年ごとに倍増 ディープラーニング等による
2020 年に 300 億個へ(推定値)
出典:IDC The Digital Universe of Opportunities」
「 AI 技術の発展 現在の B2B」
「 の事業モデルを B2B2C」
「 へ進化させ、新しいお客さま価値の創造に挑戦します。
4 年間で約 2 倍に (2014)
出典:平成 29 年版情報通信白書(総務省)
情物一致による提供価値を高める 実現のための新技術 素材革命 」


 商品を差別化する デザイン 」
「 や個々の  2017 年 1 月に完全子会社化した DataLase 社が持つ、あらゆる素材を感
お客さまの現場で同時進行中
消 費 者 へ 向 け た ス ト ー リ ー」 い っ た
「 と 熱素材に変え、 レーザーで可変情報を印字できる技術 インライン・デジ

情報をお客さまの商品やパッケージ上で迅 タル・プリンティング IDP) により、
( 」 消費者一人一人に向けてパーソナ
速に具現化し、 一人一人の消費者へ 感動 」
「 ライズされた商品を迅速に具現化。
という価値を提供。 デザイン
変化のスピードに対応するための自動化やイノベーションが必須
ストーリー
私たちが起こす変化 2
参考:経済産業省 第 4 次産業革命における産業構造の将来像について
「 (案) より抜粋

データの利活用による情報制約・物理制約などの克服によりさまざまな 「 リアルデータ 」をおさえて、自らの 強み 」
「 と戦略的に結びつけ、今  現場を深く知る私たちだからこそ、課題に応
組織間・産業間の垣根が低下。変革のスピードが一層加速化するととも までは掴めなかった顧客のニーズに基づく、 革新的なサービス・製品を
に、こうした動きがグローバルに展開 生み出す者が新たな競争優位を確立 じたパートナーシップを追求します。例えば音
声・画像認識技術を活用するなど、従来の枠に 従来の自動認識技術
※ 1 バーチャルデータ:Web
(検索など) SNS などのネット空間での活動から生じる

第4次産業革命における変化の中で、 付加価値の源泉として、 データ 」
「 データ ×
の重要性が一層高まる。 その中でも バーチャルデータ
「 (※ 1) に加え
」 とらわれないあらゆる情報をタギングすること
※ 2 リアルデータ:健康情報、走行データ、製品の稼働状況などや個人・企業の実世界 ソリューションの掛け合わせ +One)

「 リアルデータ 2) の活用可能性が一層高まる
(※ 」 での活動についてセンサーなどにより取得されるデータ
で、お客さまの生産性に貢献するワンストップ お客さま志向のイノベーション 情報
ソリューションを提供します。 (文字、音声、画像、五感…)


消費者の価値観
私たちが起こす変化 3

モバイル化 ソーシャル化  コア事業である 自動認識ソリューション事業 」 新たな取り組みであ
「 と、
環境の変化
2016 年のスマートフォン保有率は 56.8% (国内) ネ ッ ト ユ ー ザ ー の 65.3% が SNS を 利 用 る 素材革命 」
「 を掛け合わせてシナジーを起こし、現場の生産性の飛躍的向
第 3 のプラットフォームと
5 年間で 4 倍に 出典:通信利用動向調査(総務省) (2015 年 国内)出典:ICT 総研 上をもたらすイノベーションを創造します。
呼ばれる情報基盤の普及
消費者も自動認識ソリューションの利活用者に 一人一人に合った情報の閲覧・共有・発信

データタギングを強化する 素材革命 」

データ
 従来の印刷方法と比較してスピー (可変情報、固定情報、アナログ、デジタル…)
ドとコストにおいて優れる IDP で、
個人仕様 消費行動の変容 共創価値 現場の生産性を飛躍的に向上。 大

80 % の 消 費 者 が、個 人 の ニ ー ズ や 関 心 ご と に 大量生産・大量消費から、 57%の消費者が、ブランドの社会的・ 量高速・消耗品レス・高メンテナン
合わせたサービスを好む 「 私に合った・私だけの 」 政治的課題に対するスタンスによって
ス性・最終工程での可変情報印字 」
出典:ベリントシステムズ調査 2017 年)
( モノ・コト消費の時代へ 購買行動を決定 出典:エデルマン調査 2017 年)

で“情物一致”を強化。


11 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 12
サトーグループ中期経営計画
事業領域を 自動認識ソリューション × 素材革命 」 2 軸に
「 の
2017 ー 21 年度
 新中計では、サトーグループの事業領域を、
「自動認識ソ 推進するとともに、当社グループのコア事業である「自動認識
デジタルトランスフォーメーションの加速による、 リューション」から、自動認識ソリューション × 素材革命 」
「 ソリューション 」とのシナジーを徹底的に追求することを
生産現場の人手不足や消費者の意識と購買行動の変化・多様化。 「素材革命 」 「IDP」 「エコナノ 」
に変更しました。 は、 と を軸 ®
めざしていきます。

このような外部環境により変化するお客さまニーズに対して能動的にアクションを起こしていくために、 と し、そ れ ぞ れ の 技 術 特 性 を 生 か し た 新 事 業 の 創 出 を

このたび、2016 年度に策定した 5 カ年の中期経営計画を一部見直し、
サトーグループの事業領域 省資源 安心
2017 ー 21 年度 サトーグループ中期経営計画(以下、新中計)を策定しました。
省資源


省力 安心 サプライ

ハードウェア 省力 ハードウェア 保守サポート 環境
経営目標 自動認識
ソフト サプライ
ウェア ソリューション
自動認識 ×
正確 環境 ソフトウェア エコナノ技術
ソリューション 素材革命
2017 ー 21 年度 経営目標 システム 保守
2つの事業領域軸による
周辺機器 サポート
シナジーを発揮
自動認識ソリューション事業の収益力強化と素材事業の黒字化 2019 年度)
( を達成し、 システム
IDP技術
デザイン 正確 周辺機器 感動
グループとして持続可能な成長力と収益基盤を確立すること。
パ デザイン
ー ン
B2B ト
ナー シ


シッ
プ 、 オ ー プ ンイ ノベ

  持続可能な成長力と収益基盤の確立 」
「 という経営目標はそ セグメントの組み替え
B2B
のままに、 インライン・デジタル・プリンティング IDP) 技術
「 ( 」 2016 年度まで(地域別) 2017 年度から(事業別)
B2B2C
を持つ DataLase 社の完全子会社化に伴い、外部環境の変化と グリーン事業 自動認識ソリューション
日本
事業領域の広がりを新中計の経営目標に組み込みました。 IDP 事業 B2B B2B2C
日本事業
お客さま志向から、お客さまのお客さま志向
(消費者にフォーカスした価値の創造)

 そして、新中計の考え方に沿って、開示セグメントを、従来 Achernar 社
米州 海外事業
の地域別から、自動認識ソリューション事業と素材事業という Prakolar 社
2つの事業領域へ組み換えました。 ベース事業

欧州
Okil 社 2 つの事業領域軸と 5 つの戦略
DataLase 社 プライマリー専業

 新中計では長期基本戦略の意味を問い直し、各戦略に明確 さま志向のイノベーションの追求とソリューション強化に
アジア・オセアニア 素材事業 な定義を加えました。 よる新たなお客さま価値の創造 」です。
 また、事業領域軸を 自動認識ソリューション 」 「 素材
「 と  戦略を確実に実行し目標を達成するために、1 ∼ 5 の戦略
革命 」 2 つとし、
の 従来 7 つに細分化していた戦略を 5 つに ごとにオーナーを任命し、そのオーナーの下に組織横断的に
経営目標 2017 ー 21 年度中期経営計画(営業利益)
整理統合しました。 つの戦略に共通するテーマは お客
5 「 各施策の責任者を決め、実行機能を高めています。
(億円) 自動認識ソリューション事業 
2017 年度 2021 年度 200 190
素材事業
グループ連結 自動認識ソリューション 素材革命
売上高 1,135 億円 1,600 億円
160 1 日本事業 2 海外事業 3 素材事業
営業利益率 5.3 % 12 % DCS & Labeling + One で お客さまの現場運用志向の 世界唯一の素材革命を事業化し、

120 ソリューション事業を強化する DCS & Labeling の実践 自動認識ソリューションとのシナジーに
EBITDA マージン 10.2 % 15 % 143 より新たな顧客価値を創造する

海外売上高比率
74 収益力強化 原点回帰
39 % 50 % 80
65 61 115 新コア事業確立
60 詳細は、 ページをご覧ください。
15 詳細は、 ページをご覧ください。
17 詳細は、 ページをご覧ください。

ROE(※)
6.7 % 16 % 40 74
65 63.4 77

※ ROE= 自己資本利益率 4 ゲームを変えるお客さま志向のイノベーション 差別優位性の確立 詳細は、 ページをご覧ください。



-2.4 0
2020 年度にマルチカラー IDP を事業化、2021 年度以降に収益
-17
貢献を見込むことから、新中計の最終年度を 2021 年度としま 2014 2015 2016 2017 2019 (年度)
2021 5 グループ経営の全体最適 持続可能な経営体制確立
した。 実 績 計 画



13 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 14
中期経営計画 2017 ー 21 年度 
経営戦略




1 DCS & Labeling + One で
ソリューション事業を強化
マーケティングの強化

 戦略的な営業活動を展開するために、今夏、CRM システム   お客さま情報 」
「 に加え、 ナレッジ
「 (知識) の共有・活用

(顧客情報管理システム)を導入しました。あらゆるお客さま にも努めています。当社グループのビジネスは、ベテランの

日本事業 接点で得た情報を一元管理し、営業だけでなく営業を支える 持つ知見・経験や現場力を実践するマインドなど、人に依存
サトーホールディングス株式会社 さまざまな部門で分析・可視化できるようにしました。日本 する部分が多分にあります。個々の持つノウハウが詰まった
代表取締役副社長兼 COO 国内だけでもお客さま口座数 2 万件、エンドユーザー企業数 「 個別解(暗黙知) を社内システムで見える化し、
」 その集積
となると 10 万件を超えるお客さま基盤は、間違いなく私 から、 共通解
「 (形式知) が徐々に引き出されてきました。
」 共
小瀧 龍太郎 た ち の 財 産 で す。直 接 的・間 接 的 に お 客 さ ま 接 点 を 持 つ 通解は、市場・業種・用途に合わせたアプローチの方法、留意
グループ各社、各部門が有機的に連携することで業務効率と すべき点といったナレッジで、いわば営業の型のようなもの
お客さま満足の双方を高めながら、お客さまを中心に据えた です。これをマーケティングツールに落とし込み、組織で活
事業戦略の立案やプロセス改善につなげる狙いです。 用できるようにします。


収益力強化のための 3 つの施策
ソリューション人財育成の強化
 サトーグループの売上の約 6 割は日本事業です。その日本 眼を置いたソリューションに進化させていかなければなりま
事業が 2 期連続減益に落ち込んでいた昨年、事業の総責任者 せん。  今は商品・サービスも複雑化しつつあり、技術革新のス げ、部門長はこの結果を自部門の人財計画に反映させてコ

に就任した私の最大の使命は 収益力の強化 」
「 でした。成熟  二つ目は、 マーケティングの強化 」
「 です。私たちにはお客 ピードも速くなりました。一段階上のコト売りを実現する ア人財の発掘や育成に生かします。

した日本市場においては、単に最適な商品を取り揃えるだけ さま接点で蓄積されてきた膨大な情報や豊富なノウハウがあ ため、商品・業界知識をキャッチアップすることはもちろ  個々のレベルに合わせ必要なスキルやマインドセットを獲

では価格競争の域から抜け出すことはできません。そこで私 りながらも、それが十分に生かし切れていないという現状が ん、お客さまの経営課題・現場課題に気付き、社内外の人々 得するための研修プログラム、資格取得支援、通信教育と

は昨年、 現場主義による顧客志向の徹底 」
「 という基本に立ち ありました。各社各部門でこのノウハウを活用し相乗効果を を巻き込みながら解決できるソリューション人財の育成が いった環境も整えています。例えば若手の営業向けには、

返り、あるべき方向に向かうため、次の 3 つを実行すると申し 発揮できるやり方に変えていきます。 急務です。そこで販社の株式会社サトー内にソリューショ エース的な存在の営業に1カ月間同行し、お客さまとの接し

上げました。  そして三つ目は、ソリューション力の強化を実現する 人
「 ン人財育成に特化した部門を設立し、個人力と組織力の向 方や商談の進め方などを直接的に学ぶ エース同行 」
「 を始め

 一つは、 ソリューション力の強化 」
「 です。収益力を高める 財の育成 」です。これは現在だけではなく次世代へとつなが 上を目的とするプログラムを開始しました。まず、多面測定 ました。また、次期マネージャー層には組織業績向上のため

ためには、商品の取り揃えだけではなく、お客さま価値に主 る取り組みとして重要であると考えています。 の導入です。 情報収集力 」 仮説構築力 」
「 「 などのスキル測 の営業マネジメントをテーマとした研修も始めています。
定項目と、 お客さまからの信頼 」 目標意識 」
「 「 など意識や  これら 3 つの施策から 良い変化 」
「 が起きてきましたが、
行動に関する項目に沿って、周囲の人たちが対象者を評価 2017 年度はこれを 成果 」
「 へ転換する勝負の年と位置付け、
ソリューション力の強化 します。個々の社員は、自分を客観視し前向きな改善につな 一段とギアを上げていきます。

 この 1 年間 お客さま価値に徹底的にこだわる 」
「 という営  バーコードはすでに社会インフラの役割を担い、 自動認

業の基本を何度も繰り返し社内で語り、 コト売り 」
「 への意 識市場 」として捉えると、日本は成熟しているといえるで 自動認識ソリューション事業(日本)
識改革を徹底してきましたが、おおむねベクトルが合って しょう。しかしバリューチェーンとして見ると新たなニー
(百万円) 売上高(左軸)
き た と 実 感 し て い ま す。自 分 た ち の ビ ジ ネ ス DCS &
「 ズの発見も多く、成長の余地はまだまだあり、現場を知る私 80,000
営業利益(右軸)
Labeling」を核に新たな技術や、戦略的アライアンスを プ
「 たちができることはたくさんあります。例えば、これまで 75,000
72,500 8,000
ラス 」してイノベーションを生み出す DCS & Labeling
「 主流であったのはモノの(静止的な)単品管理(販売・仕入・ 70,000 68,399
66,674 67,283 69,000 7,500
66,067
+One」も浸透してきました。また、消費者視点のマーケ 在庫などにおけるモノの管理)ですが、今はリアルタイムで 7,000
ティング情報に裏付けされた商品パッケージのデザイン提 の位置情報まで求められます。これを可能とするには、私 60,000
6,100
案で、お客さまの売上増に貢献するデザインプロモーショ たちが得意とする IC タグなどの自動認識技術に、位置測位
6,000
ン事業の取り組みを強化するなど、コト売りの質と量が向 技術の掛け合わせが必要です。作業導線の最適化でコスト 50,000 5,303
5,114
上してきました。これが 2016 年度の日本事業の成果につ を削減したい物流業のお客さまに、導線のビッグデータか 4,700 5,000
4,571
ながったと考えています。外部環境も追い風です。少子高 ら限られた人的リソースで生産性を高めるなど、労務管理 40,000
3,847
齢化の進む日本では、人手不足や労働者の高齢化が顕在化 のご提案も可能です。つまり、目の前の課題を解決するだ 4,000

してきており、自動化・省力化が要求され、労働生産性の向 けではなく、より広域で総合的なソリューションが求めら
上によって経営コストを最適化することは各企業の共通の れているということです。独自性や付加価値の高い DCS


課題となっており、企業の 働き方改革 」
「 に供する RFID や & Labeling +One」のソリューションでこれに応え、収益 2013 2014 2015 2016 2017 2019 2021 (年度)
協働型ロボットを活用したソリューションの商談も増えて 力の強化を図ります。 実 績 計 画

きました。




15 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 16
中期経営計画 2017 ー 21 年度 
経営戦略

海外事業は、DCS & Labeling と


2017 年の世界責任者会議では、 “実行”
この を重視した変革のための アクションプログラム 」
「 を決定、
パートナーシップの推進により、 強い意志を持って取り組みを開始しています。
「お客さまの現場運用志向」の
ベースビジネスを強化する
海外事業 サトーホールディングス株式会社 執行役員
アクション 1. 戦略機を契機に、お客さまの現場運用志向へ 
サトーインターナショナル株式会社 代表取締役社長
2014 年に発売したグローバル戦略機 CLNX シリーズ 」
「 の販売を軸に、
田邊 康宏 「 プリンタ
(モノ売り) ではなく プリンティングソリューション
」 「 (コト売り) の提供を進めています。


CLNX シリーズには、 種の付加価値の高い機能が

付いています。 で予防保守を実現する SOS
IoT 「
(SATO Online Services) と、 レスでお客さま
」 PC + +
のシステムと連動しながらソリューションを稼働さ
海外ベースビジネスの課題 AEP
せる AEP Application Enabled Printing) です。
「 ( 」 Application
Enabled

 サトーグループは 2000 年から成長戦略の柱として海外事業 じ構造改革に着手しました。新興市場の開拓にも注力し、2012 ビッグデータを生かした現場の運用提案や、お客 Printing


に取り組んできました。海外売上高比率は 20% から 37% へと 年に新興市場に強いプリンタメーカーの Argox 社を買収した さまの要件に即したアプリケーションの提案な プリンタの
予防保守
ど、お客さま接点を増やしていきます。 スマート化
伸びています。しかし、自動認識ソリューション事業
(ベースビ ほか、インド、インドネシア、ベトナムで拠点を設立するなど展
ジネス)は世界の市場規模と成長性に見合う成果を出せている 開を進めました。収益性の改善が進み、2013 年度には全地域
か?といえば、まだまだ道半ばであるというのが正直なところ で黒字化、2014 年度には最高益を果たしながらも、その後は 2
です。2008 年のリーマンショック後は欧州を中心に赤字へ転 期連続の減益と足踏み状態です。
アクション 2. 戦う領域を絞り込み、グローバルチームで注力
自動認識ソリューション事業 海外ベースビジネス ※プライマリー専業除く
世界共通の重点市場として物流、 食品、ヘルスケアを選定。グローバルチームを編成し、
(百万円)
60,000
売上高(左軸)
54,000 6,000
KPI の目標管理と PDCA サイクルで直実に戦略を実行します。
営業利益(右軸)
50,000 44,000 5,600
対象市場のサプライチェーンのプロセスに即し
40,000 36,000 4,400 4,000 た戦略策定と、KPI を設定し、PDCA をしっかり
30,630 31,751 31,411
30,000 27,109 回しながら市場深耕を図ります。
20,978 21,396 2,296
20,000 18,098 18,575 18,508 1,629 1,663 2,000 当社グループの課題に、コミュニケーション密度
2,400
10,000 583 の低さがありました。そこで、戦略を推進する
330 389 1,221

グローバルチームを編成し、各国の知見・ノウハウ
-415 やベストプラクティスの共有を徹底していきます。
-1,802
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2019 (年度)



3.
実 績 計 画

アクション オープンパートナーシップでソリューション強化 
 この停滞の最大の原因は何か。それは DCS & Labeling」
「 課題解決に資する提案営業にシフトし始めています。しかし
の浸透のばらつきにあると考えます。DCS & Labeling とは 業績が伸び悩む販社に目を向けると、価格やスペックで勝負 「 課題解決のためには、自前主義にこだわらず、あらゆるパートナーシップを追求する 」ことを
1990 年代に日本で確立したビジネスモデルで、お客さまへ する モノ売り 」
「 のアプローチがやはり多く見受けられます。 戦略として明確化。グローバルにソリューションを提供する能力を強化しています。
のヒアリングをもとに個別のソリューションを提供する提 加えて、代理店中心のビジネスで新規開拓が弱い、顧客接点
案営業です。
このビジネスモデルの源泉は現場力にあります。 が少ないので市場の変化をつかめず成長分野を取り込めて 私たちが持つ商品・サービスを最大限に活用しな 戦略的提携にも注力します。例えば 2017 年には

お客さまのお困りごとを把握するためには、業務が実際に展 いないという課題があります。 がら、私たちが持たないものをパートナー企業か 倉庫管理システム WMS)
( の世界最大手である
ら取り入れ、総合的なソリューションをワンス マンハッタン・アソシエイツ社の公式ハードウェア
開されている場所、つまり現場を知る必要があります。日本  提案営業が浸透するには時間がかかり、日本でも DCS &
トップで提供できるサトーグループならではの パートナーとなりました。同社のような業界トップ
ではこの現場力に裏打ちされたお客さま志向のソリュー Labeling の確立に 20 年を要しました。商習慣も文化も競争
価値提供を訴求していきます。 企業と提携することで、商談の機会が世界規模で
ションによって日本国内トップシェアを獲得しています。 環境も異なる海外で、これを浸透させるためには、グローバ
代 理 店 と の 協 業 関 係 を 深 め、国 別・市 場 別 の 広がります。
 海外ベースビジネスもこれに倣い、DCS & Labeling の浸 ルで一貫した実行計画と、ベストプラクティスの共有・横
透に腐心してきました。業績が好調なアメリカ、フランス、 展開が鍵であると考えます。 ソリューションを強化します。
タイ、ベトナムなどの販社ではこの浸透が進み、お客さまの


17 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 18
中期経営計画 2017 ー 21 年度 
経営戦略
あなただけの感動ストーリーや、
変わりゆく社会から
あの人に贈りたい特別なメッセージを

3 必要とされ続けるため、
新しい次元のイノベーションを創造
大好きなブランドで、どこよりも早く―

サトーホールディングス株式会社

素材事業 代表取締役社長兼 CEO


松山 一雄
サトーの素材事業が生み出す価値 消費者の関心に合わせた
(飲料ボトルパッケージの例※) デザイン/ストーリーの
迅速な訴求
例えばスポーツ優勝決定戦の翌日、パッケージに特別
サトーの素材革命 メッセージが印字された大会協賛ブランドの商品が、
広く店頭で販売。 コマースで個人名を印字した商品も
E 個人名など一人一人に
宛ててパーソナライズ
 素材事業の発端は 2011 年の エコナノ ラベル 」
「 の開発で ®
素材に変え、レーザーの照射で発色させる技術です。既に食
された情報の訴求
した。これは環境負荷の低減をめざし、東京理科大学の阿部 品・飲料など消費財のグローバルメーカーに採用され、商品や
正彦教授およびアクテイブ株式会社とサトーが共同開発し その外箱へのロット番号印字などの用途で活用されています。
エコナノ ® によって焼却時
た、燃焼時に発生する CO2 を削減する、世界で初めてのラベ インクやレーザーなどの分野でグローバルパートナーとの技術 CO2 を削減、環境負荷を
ルです。ラベルに添加された CO2 削減剤が焼却時に発生す 提携を進め、2020 年にマルチカラー技術の確立をめざします。 低減
る CO2 を削減します。近年 エコナノ ®」 CO2 を削減する
「 は  あらゆるモノをエコ素材や感熱素材に変える―「 自動認識
ナノテクノロジーとしてラベルのみならず、食品などのパッ ソリューションのサトーがなぜ素材事業を?」と意外に思わ
ケージへの導入も加速しています。 れるかもしれませんが、これはデジタルトランスフォーメー 消費者一人一人に向けた情報を大量・高速印字

 また、2017 年 1 月にイギリスの DataLase 社を完全子会社化 ションにマッチした 最後の 1cm®」
「 の進化であり、当社グルー
し、独自性の高い技術「インライン・デジタル・プリンティング プの使命である お客さまの新たな価値を創造し、
「 より豊かで
B2B ブランドオーナーさまにとっての価値 B2B2C お客さまのお客さま = 消費者への価値
(IDP) をポートフォリオに加えました。
」 これは特殊な顔料を 持続可能な世界社会の発展に貢献すること 」の追求であると
製造ラインへの柔軟な組み込み 最新ニュースを反映させた商品や 私に合った・

コーティング剤として塗布することで、さまざまなモノを感熱 考えています。
ライン最終工程で可変情報を大量・高速印字 私だけの 」 パーソナライズ商品を、
24 ∼ 48 時間以内に提供
パッケージ SKU の最小化
(例:多言語向けでも SKU は 1 に) 消費者から消費者へ贈るパーソナライズされた
お客さまのお客さま志向 B2B2C)
( の追求 消耗品の削減、レーザー使用によるダウンタイムの削減
ギフトも、より早く柔軟に
高まる消費者の環境意識への対応
環境負荷を低減
(インクレスの特長やエコナノ ® による)
 新たな中期経営計画に盛り込んだ 素材事業 」
「 は新しい領 品の交換が不要となり、またオンデマンドで可変情報を印字
域のビジネスです。 人・モノ」「 情報」
「 と のタギング(紐付け) (在庫管理ユニット)
できることで包材の SKU を最小限に
は当社グループの本分ですが、外部環境の変化 11 ∼ 12 ページ)
(※ する特長もあるため、エコナノ ® との融合でより環境負荷の サトーグループのコア事業である自動認識ソリューションの総合力を生かした +One」
「 のシナジーを追求
でも触れたように、消費者の価値観が変化・多様化し、マス 低いパッケージが誕生します。IDP と高品質なプライマリー (プライマリーラベル、デザインプロモーション、 タグ、
IC 音声・画像認識など…)
マーケティングからパーソナライゼーションへの進化が急 ラベル(商品ラベル) 商品パッケージから売り場まで提案
や、 ※素材事業がめざす新パッケージのイメージです。マルチカラー技術は 2020 年に確立予定です。

速に進む中、旧来のタギング手法ではその変化に対応しきれ するデザインプロモーション事業との掛け合わせも提供し
ず、 消費者へ価値を提供する 」
「 というお客さまの想いに応 ていきます。さらに IC タグを内蔵して食の安心につなげる
コア事業×素材事業で、お客さまの現場改革に貢献
えることが難しくなります。そこで私たちはサプライチェー ソリューションというのも IoT 時代における当社グループ
ンの最も川上で 素材 」
「 の機能優位性をおさえ、一人一人の ならではの素材事業の未来像だと思っています。
 素材事業が提供する価値は、消費者に向けたものだけでは トを下げて市場投入することが可能です。社会が急速に変化
消費者へ向けた デザイン 」 「 ストーリー」
「 や など高次元の
素材事業 ありません。IDP は モノ 」 「 情報 」
「 と をタギングするという し、お客さまや消費者のニーズが多様化する中で、私たちは
情報を、どこよりも早くお客さまの商品やパッケージ上に具
点で当社グループの自動認識ソリューションとの親和性が 人・モノ・情報の 最後の 1cm ®」
「 をつなぐという戦略的立ち
現化することをめざします。消費者一人一人に向けてパーソ (億円) 売上高
200 非常に高く、お客さまの課題に応じた最適なソリューション 位置から事業を捉えなおし、コア事業と素材事業の掛け合わ
200 営業利益
ナライズされた情報を伝達することで 感動 」
「 という価値を

115 の可能性を広げます。モノに可変情報を貼り付ける際、これ せによってそうしたニーズに応えていきます。
届け、お客さまのブランドと消費者の深い関係性づくり(エ

までラベルやインク転写で運用していた現場であっても、商  デジタル印刷市場は今後も着実な伸びが見込まれますが、

ンゲージメント)に貢献します。 65 63.4 77
50 40 品や包材の必要な部分のみ感熱化させ印字することを可能 当社グループはこの市場で 圧倒的に早く柔軟なパーソナラ

 同時に、IDP と既存事業を組み合わせることで、独自性の 0.9 5 とします。大量・高速印字や SKU の最小化、消耗品レスと イゼーション×製造のコストダウン・最適化 」という独自の

高いパッケージを提供していきたい考えです。例えば、IDP
-50
-2.4
-17
0 いった特長により、お客さまの生産性を高めるとともに製造 価 値 提 供 を め ざ し ま す。素 材 事 業 を 将 来 的 に 自 動 認 識
とエコナノ ® です。IDP はレーザーマーカーで直接印字する 2016 2017 2019 2021 年度)
( コストを下げ、環境負荷を低減させます。一人一人に向けた ソリューション事業と並ぶ新たなコア事業に育て上げ、2019
ことから、インクジェット方式のようなインクの補充や消耗 実績 計 画
個人仕様のパッケージも、どこよりも早く柔軟に、製造コス 年度の黒字化、2020 年度からの利益貢献を展望しています。

19 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 20
中期経営計画 2017 ー 21 年度 
経営戦略




4 研究開発
商品単独ではない プリンティングソリューション 」


 加えて、

に舵を切っていきます。
の提供


アプリケーションやお客さまのデータを個別に、安
描くのは、プリンタも含めた各種端末と付加価値の高いサー
ビスが融合し、常に進化し続けるワンストップのサービス
モデルです。 時代のトレーサビリティは スマート化 」
IoT 「 が

ゲームを変える
全な形でクラウド上に管理・保存しながら CRM システム(顧 求められます。

私たちが狙う 客情報管理システム) EMM サービス
や (モバイル端末を管理  あくなき創造の精神の下、お客さま志向の独自のアプロー

お客さま志向のイノベーション ゲームチェンジとは
する法人向けサービス) さらには WMS 倉庫での入荷から出
、 (
荷までの業務を効率化するための管理システム)などのパー
チを常に心掛け、お客さま自身が気付かない 隠れたニーズ 」
を掘り出し、 お客さまの期待を超える 」


を合言葉に市場環境
トナー企業のシステムとの接続性を高めることで、サトー独 の急激な変化にも耐え、新たな価値を創造し得る総合的な
自の スマートハブ 」
「 の実現をめざしていきます。現在、モバ ソリューションを構築してまいります。
イル端末の普及やクラウドの利用が加速する中で、私たちが


デジタルトランスフォーメーションを見据えた新しい商品とソリューション

ションの開発に力を入れています。
 私たちが狙うゲームチェンジは、 モノ売り 」 「 コト売
「 から バリューチェーンを一気通貫する、 サトーホールディングス株式会社 執行役員
り」への転換です。つまり、ハードウェアのスペックのみを競
サトーホールディングス株式会社 執行役員
最高商品企画責任者 CPO)
( うのではなく、どのようなお客さま体験価値を提供できるか 高品質な IC タグ (※)
の提供で アパレル ID 事業統括責任者


熊林 知之
山田 倫靖
が重要なポイントになります。ここに主眼を置いた市場開拓 ゲームチェンジをめざします
(Go to Market)戦略の変革を推進中です。具体的には、 商

品 」 「IoT を活用した予兆管理 」 「 お客さまの利便性を高
+ +
めるネットワークサービス 」という三大要素の有機的な連動  近年、 コマースの拡大、
E 人手不足、効率的な働き方改革 塵(ちり)を抑えた手術室と同レベルのクリーンな環境を
 サトーグループには、社是 あくなき創造 」
「 を体現する小 を具現化、提供することで付加価値を最大化することです。 の要請などを背景にさまざまな市場で IC タグの導入が 整え、独自の検査装置を導入するなど、 メイドインジャ

さな変化を喜ぶ企業文化が根付いており、これがお客さま志 加速しています。アパレル業界を例に挙げますと、世界の パン」の高品質なICタグを製造し、お客さまに提供します。
向のイノベーションをつくり出す原動力となっています。私 IoT 時代のお客さま価値 アパレル小売市場では、過剰在庫・返品、または在庫切れに  当社グループは、 点 」
「 のソリューション提案ではなく、
たちはモノづくりで創業しましたが、主力事業を転換しなが よる機会損失が 1 兆 7,500 億ドルと言われており、店舗起 営業が実際にお客さまの現場に足を運び課題を把握し解
コト売り
ら外部環境の変化を成長機会としてきました。創業者の佐藤 モノ売り 点の情報をバリューチェーン全体でタイムリーに共有し、 決策を導き出す 現場力 」 高品質な IC タグで、
「 と、 お客さ
陽が 1962 年に発明したハンドラベラーは、商品一つ一つに マーケティング、効率化、コスト削減につなげることが求 まのバリューチェーンを 一気通貫する 」
「 ソリューション
値段の書かれた紙を手で貼り付ける作業を見て、 何とか楽
「 プリンタ プリンティング められています。 を提供しゲームチェンジを起こしていきます。
+ 変革 ソリューション
にできないか 」という思いから生まれたものです。時は流れ、 サプライ  これを実現するためには、 タグによる真のワンストッ
IC
業務の正確、効率をもたらす自動認識ソリューションに主力 導入しやすい プソリューションが必要です。一方で電波により情報をや
事業は変わりましたが、 本業でお客さまや社会に貢献する 」
「 り取りする自動認識技術である IC タグは、お客さまの作業
という創業者の志は脈々と受け継がれています。近年、デジ 生産性向上 業務軽減 現場の棚や商品配置状況など、些細な条件の違いが読み取
タルトランスフォーメーションが急速に進展していますが、 (専門知識不要) り精度を下げてしまいます。そのため、効率的な運用を実
業務支援
未来志向で革新的なソリューションのインテグレーター兼モ 現させるためには、現場の状況とバリューチェーン全体の
管理しやすい
資産・生産性の 把握、そして同時に、品質の高い IC タグが重要となります。
ノづくり企業として、時代に即した私たちならではの付加価
可視化
値を生み出すべく、ゲームを変えるお客さま志向のイノベー  サトーグループはこのたび、岩手県の北上事業所内にオ
リジナル IC タグを製造できる体制を整えました。工場内は 北上事業所


プリンタからプリンティングソリューションへ
一般的な IC タグ サトーグループの IC タグ
 2014 年に世界に先駆けて IoT を実装したプリンタを発売 や資産管理を実現します。もう一つは、 AEP Application
「 ( 作業現場の棚や商品の配置により、 タグがうまく読み
IC 読み取れないタグだけでなく、出荷後読めなくなるリスクの高い
しました。そして今、私たちはサトー製プリンタをご使用の Enabled Printing) というオペレーティングソフトウェア
」 取れないことがある タグも排除

お客さまを対象に業務プロセスの改善に寄与するプラット です。これは、お客さまの要望に沿ったさまざまなアプリケー 部分最適での導入が多く、バリューチェーンをまたいだ プリンタとタグを自社設計・製造し、フィールドコンサルティング
運用ができない を行うため、お客さまの現場ニーズに合わせて最適化、カスタマイズ
フォームも提供しています。一つはプリンタの稼働状況を見 ションを開発し、 レスでお客さまのシステムと連動しな
PC
読み取れない IC タグが一定数混入している が可能
極め、予兆管理を行うための IoT プラットフォームである がらソリューションを稼働させることができる、まさにプリ
バーコード・2 次元コード運用からの切り替えがスムーズに行える
「SOS(SATO Online Services) です。
」 このように、私たち ンタを スマート化 」
「 する機能です。また、プリンタとアプリ
はプリンタを スマート化 」 かつ IoT を最大活用すること
「 し、 ケーション、さらにはパートナー企業のサービスを有機的に ※ IC タグ:IC チップと小型のアンテナを埋め込み、 そこに記憶された情報を電波によって直接触れずに読み取る技術。
タグ、 シールラベル、キー、カプセルなどさまざまな形状のものがあり、RFID Radio Frequency IDentification)
( とも呼ばれる。
で稼働状況を可視化し、お客さまに求められている予防保守 結合させてサービスデザインをつくり上げながら
「プリンタ」



21 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 22
財務戦略 CFO メッセージ)





財務戦略の基本的な考え方

 グローバルな財務戦略として以下の基本的な方針に基づ 1. 資本生産性の向上
き、経営効率向上と安定的な財務基盤を構築し、最終的には
2. 最適資本構成の追求
1株当たりの株主価値の最大化を追求していきます。

財務戦略シナリオ 3. キャッシュフロー経営


1. 資本生産性の向上

 資本生産性を向上させ、株主価値を向上させるために ROE を重要な指標の一つとして認識し、以下のような資本生産性向上
グローバル化に対応した のロードマップを策定しています。

グループの持続可能な成長力を 資本生産性向上のロードマップ 2021 年度へ向けて)


支える収益基盤の確立をめざして
新商品投入

粗利率向上 ソリューション強化、
サトーホールディングス株式会社 執行役員
日本事業 50.0% 45.9%)
( 重点市場・新分野へ注力
最高財務責任者 CFO)
( ( ) 2016 年度
は、
連結営業利益率
12% 5.7%)
( 営業利益率 コストダウン
CFO としての役割 阿部 陽一 10.0% 6.8%)

販管費の
生産性向上、直間比率改善
サトーグループは、グローバル化に対応したグループの ROE 効率執行
グループ SCM 改善
持続可能な成長力を支える収益基盤の確立をめざし、グルー 16.0% (在庫の適正化)
(6.2%) エンドユーザービジネス拡大、
プ一丸となって中期経営計画に取り組んでいます。とりわけ 総資産回転率 新商品投入
大きな成長が期待される海外事業と素材事業はより多くの 1.2 1.1)

は、中期経営計画の最終年度である 2021 年度に計画する エクイティスプレッド 売上拡大と
不確実性とリスクをはらんでおり、CFO としてはこれらの =8% 海外事業 サプライ粗利率の向上
海外売上高比率 50%以上の達成に向け、プライマリーラ 資本構成の最適化 粗利率向上
事業をしっかり支えることが重要と考えています。併せて、 ベル(商品ラベルなど)専業や、新ソリューション開発会 営業利益率
新ソリューションビジネスの
グループ全体の内部統制やコンプライアンスなどのコーポ 財務レバレッジ 10.5% 4.2%)

社といった従来の形態にとらわれない事業が拡大してい 創出
1.8 1.9)

レート・ガバナンスを管理することもかつてないほど重要な きます。さらには各国ごとに地域特性、法制度やルールが
使命です。攻めと守りのバランスを総合的に意識した経営基 安定継続増配 M&A、新規事業
異なる多種多様な事業会社をグローバルに束ね、生かす
自社株買い
盤の確固たる確立をめざし、グループ全体の企業価値最大化 ことができるよう多元的な管理・運営を行っていきます。
に努めていきます。 インライン・デジタル・
そのために、今年度より新たに CFO 直轄に海外事業を管 プリンティング IDP)

素材革命の
私の役割は CEO や COO などの経営陣の参謀として、 理する組織体制を整えました。例えば、 1 資金管理では 素材事業
事業化
消費者向け
1. 戦略的意思決定の支援、 . 事業活動への支援、 . グロー
2 3 グローバルベースで一元化を図り、グループ企業間での 営業利益率 サステイナブル・パッケージ
バル化に対応した経営基盤体制の確立、 . ステークホルダー
4 資金の有効活用を進める、 2 税務面では移転価格税制に ※ 株主資本コストは 8% を想定 23.5% - )

とのコミュニケーションと考えています。 対応した整備強化を進めるなど、グローバル・タックス・
 2021 年度には ROE( ※ )16%、エクイティスプレッド 8%(株 の 4 つを掲げています。
ポリシーを確立する、 3 経理面では連結決算業務の早期
1. 経営陣が戦略的意思決定を行う際は、継続的かつ安定的 主資本コストを 8% と想定)を目標とします。社員一人一人  このうち、最も重要視するのが連結営業利益率で、2021 年
化、IFRS の導入検討などを図り、可視化とリスクの最小化
な収益基盤を確立するための ROE、資本コストを意識し に ROE 指標をなじみあるものとして理解してもらい、日々 度に 12%達成をめざします。
をめざします。
た経営判断が求められます。需要予測、リスク分析、シナ の活動において、どのようにすれば ROE の向上につながる  そのためには、
ジー効果などのさまざまな経営情報の提供と助言を行っ
4. 株主・投資家の皆さまなどのステークホルダーとのコ のかということを絶えず認識してもらうためにも、本ロード
ていきます。 1 日 本 事 業 に お い て は、商 品 を 売 る こ と か ら ト ー タ ル
ミュニケーションにおいては、一貫性、継続性、スピード、 マップは重要な役割を果たします。
ソリューションを売る販売力の強化、コストダウン、生産
そしてフェア・ディスクロージャーを基本方針に、財務情  ROE 向上のための具体的な施策として、
2. 事業活動への支援については、中期経営計画を達成する 性向上による利益率の向上を図ること
報のみならず非財務情報も積極的に説明し、持続的な株
ためのグループ経営戦略を全体に浸透させるとともに、 1. 連結営業利益率 2 海外事業では未開拓市場への参入や、占有率が低い市場
主価値向上の取り組みについてご理解いただけるよう努
進捗状況のモニタリングを適宜行います。グループ会社 2. グループ SCM 改善 ( 在庫の適正化 ) の深耕開拓を通じた規模拡大の追求、そして日本事業で
めていきます。また、一方的な情報提供に留まるのではな
については必要に応じて個別に支援や助言を行い、全体 3. 資本構成の最適化 の現場力を生かした売り方のノウハウを移植し、利益率
く、ステークホルダーの皆さまから得た当社グループに
をドライブしていきます。 4. 安定継続増配、 自社株買い の改善に取り組むこと
対するご期待やご要望を経営にフィードバックし、経営
3. グローバル化に対応した経営基盤体制の確立について 戦略に生かしていきます。 ※ ROE Return on Equity) =
( 「売上高利益率(マージン) ×
」 「総資産回転率(ターンオーバー) ×
」 「財務レバレッジ 」



23 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 24
財務戦略 CFO メッセージ)




3 さらに、本中計から新たに加わった素材事業では、インラ  この他、グループ SCM の改善 ( 在庫の適正化 ) では、総資 適宜見直していきます。 実現しています。引き続きこの水準を保ちつつ強固な財務体
イン・デジタル・プリンティング IDP) エコナノ ® を
( と、 産回転率を指標にして、マレーシア、ベトナム、台湾でのプ  ネット有利子負債はマイナスを維持し実質的な無借金を 質維持に取り組みます。
主とした消費者向けサステイナブル・パッケージを各々 リンタ製造工場、国内 39 の協力工場および海外各地のラベ
株主資本と有利子負債
事業化することで素材革命を起こすことなどが具体的に ル製造工場、そして日本・海外の各販売拠点の SCM を全社
実行され、実現することで収益力向上に大きく寄与する 的視野で見直し、各々の在庫水準の改善・適正化を図り (百万円) 株主資本 有利子負債 ネット有利子負債 株主資本比率 有利子負債比率 D/E レシオ)
(   (%)
60,000 100
計画となっています。 ます。 51,468 52,747
49,726
50,000 45,181 80

37,575 39,247
40,000
2. 最適資本構成の追求 50.2 50.6 52.1 52.2 53.1 50.6 60
30,000
38.2 31.8 31.5 32.1 40
 最適資本構成は、財務レバレッジを指標としています。 レッジ 2.0 倍以下を目安とし、配当などの株主還元とのバラ 20,000 23.5
13,812 18.7 17,004
海外事業や素材事業での成長機会と、それに伴うリスクを総 ンスを考慮しながらコントロールしていきます。 16,117 20
10,000 12,757 10,947 9,902
合的に勘案し、株主資本比率 50%以上、すなわち財務レバ 1,198 180

-1,738 -135
-10,000 -6,614
-8,957
3. キャッシュフロー経営 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年度)



 過年度においては、持続的な成長のための大型投資を継続 大化し、水準の高いフリーキャッシュフローを維持・拡大す
してきましたが、2015 年度を除いて フリーキャッシュフ
(※) ることです。投資活動によるキャッシュフローのベースとな 株主還元の基本方針
ローは黒字を維持しています。2016 年度を見ますと、営業活 る M&A 以外の設備投資に関しては、収益性の改善や持続的
動によるキャッシュフローは、107 億円と過去最高となりま な成長力の確保を目的とした投資(ラベル印刷機、プリンタ  企業価値の向上と株主価値の最大化に向け、内部留保の 当社グループの稼ぐ力 EBITDA と、フリーキャッシュフロー
した。既存事業と買収した企業の事業拡大により、2013 年度 製造設備、工場の新設・増改築、社内システムの改善等)を継 積み上げによってコア事業と成長分野での資金需要に対応 を重視して、市場におけるシグナリング効果も考慮しつつ
以降は高水準の営業活動によるキャッシュフローを創出し 続しつつ、今後はさらに注力する RFID ソリューション事業 する一方、利益の一部を配当という形で株主の皆さまに直接 総合的な判断の下で決定しています。当面は、単年度の業績
続けています。2016 年度の投資活動によるキャッシュフ を支える分野へも資源配分を行っていきます。なお、内部留 還元していきます。この基本方針のもと、2017 年 3 月期の年 に左右されることなく、2017 ー 21 年度中期経営計画におけ
ローは、DataLase 社の株式追加取得などにより 87 億円発生 保の積み上げによってコア事業と成長分野での資金需要に 間配当金は 1 株当たり 60 円を実現し、2018 年 3 月期の年間 る数値目標を見据えて、継続的かつ安定増配、 株当たりの企

しましたが、フリーキャッシュフローは 20 億円を維持しま 対応する一方、配当という形で株主の皆さまに直接還元して 配当金は、前期比5円増配 の1株当たり65円とする予定です。 業価値の向上を図っていきます。
した。 いきます。この好循環サイクルで、持続的な株主価値の向上
年間配当金の推移
 キャッシュフロー経営に対する基本的な考え方は、外部か をめざします。
らの借入などに過度に依存することなく、ベースとなる既存 (円) 1 株あたり配当金 (予定)
※ 2015 年度はブラジル Prakolar 社の買収、DataLase 社の株式取得、インドネシアおよび
ポーランドに新ラベル工場建設など投資案件が重なり投資キャッシュフローが拡大しました 70 65
事業から創出される営業活動によるキャッシュフローを最 配当方針


50 1 株あたりの企業価値を向上させ、 45
安定増配を継続する 40
キャッシュフロー推移 40 31 32 33 33 33 34 35



(百万円) 営業活動によるキャッシュフロー 投資活動によるキャッシュフロー フリーキャッシュフロー(営業 CF+投資CF)

12,000 10,589 10,769 20 11 12 13 15
10,000 9,205 10

8,000 0
5,812 6,091 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
6,000 (年度)
4,434 3,793
4,000 2,983 2015 年度 2016 年度 2017 年度(計画)
2,000
2,052
2,809
0 EPS ¥110 ¥96 ¥107
-2,000
-2,581 -984 ROE 7.1% 6.2% 6.7%
-4,000 -3,504
-6,000 -4,776
-6,221
-8,000 -7,015
-8,716
自己株式の取得
-10,000
-9,596
2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年度)
 資本効率を高め、1株当たりの企業価値を向上させるため しつつ、株主価値の向上に資すると判断した場合には、取締
の一つの手段と位置付けています。取得に関しましては、今 役会で決議を行い、速やかに開示致します。また自己株式の
後の株価動向や成長投資への資金需要とのバランスを勘案 取得枠の設定を決定した場合にも、速やかに公表致します。
株主資本と有利子負債

 株主価値の持続的な向上をめざし、成長する事業機会を することを基本とします。必要となる資本の水準は、事業  以上の役割を果たすことで、中期経営計画の達成をめざしていきます。そして、経営効率向上と安定的な収益基盤を構築し、
迅速・確実に捉えるために必要となる株主資本の水準を保持 活動に伴うリスク許容範囲とし、財務の健全性を維持しつつ 最終的には1株当たりの株主価値の最大化を追求していきます。


25 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 26
人財育成への取り組み



人を育て、ビジネスを築く 人財戦略ロードマップ

∼サトーグループの人財育成 2017 年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度
サトー流タレント 成果につながる人財の
変革に向けた準備 変革スタート
サトーホールディングス株式会社 執行役員 マネジメントの強化 創出と働きがいの実現
最高人財責任者 CHRO )


江上 茂樹 新管理職制度策定 新管理職制度 グローバル共通管理職教育
タレントマネジメント AI の活用
日本
新人財育成体系
ダイバーシティ(キャリア開発、ベテラン社員、女性社員の活躍など)
基本的な考え方 働き方改革トライアル 成果に結びつく働き方
組織開発

直間比率改善
 サトーグループでは、ビジネスと人財育成は不可分であり さらに高めていく必要があります。社内の働き方改革も、
「 人を育て、ビジネスを築く 」ことを全ての管理職の責務とし 施策ありきではなく お客さまの価値創造を実現するための
「 企業理念・コンピテンシ―の浸透

ています。なぜなら当社グループは、社員がお客さまの現場 働き方は?」という観点で進めています。個々の力を生かし タレントマネジメント
グローバルグレード
コンセプトの策定
に足を運び、課題を捉え解決する 人による付加価値 」
「 で事業 た強いチームで、お客さま価値を創造し、企業の持続的成長 幹部向けグローバル標準人事制度 グローバル共通管理職教育
を成長させてきたからです。近年のデジタルトランスフォー につなげる。これが当社グループの重要な経営課題であり、 タレントマネジメント
海外
メーションの変化に対応するには、このソリューション力を 最高人財責任者である私の使命でもあると認識しています。 海外派遣規則・
海外派遣制度最適化 グローバルモビリティポリシー
プロセス分析 ローカル社員のグローバルキャリア育成
グローバルベネフィットマネジメント

企業理念を体現する人財を育てる グローバル人財体制始動 グローバルグレード導入 タレントマネジメント導入 グローバルでの適財適所実現


 ではどのような人を育てたいか? 一言で申し上げると、 ています。加えて各国から選出した理念推進リーダー 50 名
「 企業理念を体現する人 」です。私たちにとってダイバーシ で現地に根差した活動も開始しました。推進リーダーは、今 サトーグループのマネジメントコンピテンシー
ティは経営戦略ですが、多様な強みを持つ個々の志をひとつ 年の世界責任者会議にも出席し、グループ各社のトップとと
サトーグループの管理職は、チーム全員で結果を出し続ける。
に束ねるのは企業理念です。理念はその企業の らしさ 」
「 や もに理念ワークショップに参画しています。
人を育てる ビジネスを築く
「 強み 」を形づくります。例えば私たちの行動指針に 現場
「  さらに、 三行提報
「 (※詳細は 7 ページ) のグローバル展開も進め

誠実に向き合い、人を育てることへ お客さま価値につながるかを常に問い
に行く 」というものがありますが、お客さまの現場を重視 ています。この一年で台湾、イギリス、フランス、ドイツ、 コミットする 信頼 お客さま価値 かけ、自ら行動を起こしている
するビジネスモデルがまさにこの考えを象徴しています。 オーストラリアで運用を開始しました。私は、提報が、全員
つまり理念がビジネス上の意思決定や行動と紐付いている 経営を実現する仕組みであると同時に、常に社員を考えさせ メンバーにお客さまの期待を超える 前例や既存の枠にとらわれず、
プロ集団を ありのままの情報を自ら集め、
のです。今や過半数を超えた海外の社員も含めた、グループ る、いわば社員を鍛える仕組みであると思っています。社是 こだわりを育む 現場力
つくる 本質を求める努力を惜しまない
全社員に理念を浸透させるため、サトーホールディングスの 「 あくなき創造 」を担う個々の力を引き出し、競争力につな ACTION
メンバー個々の強みを探して、 サトーの上位方針を意識し、
社長直下に企業理念推進室を設け、理念を具現化した事例を げるサトーらしい人財育成の手法だと考えています。 個の強みを
責任のある仕事を与える 戦略 自チームの戦略を立案している
全グループで共有するなどさまざまなプログラムを実施し 伸ばす

目標にコミットし、自由闊達に動き、 チーム力の やる前から諦めず、
挑戦
全員で勝ち続けるチームをつくる 最大化 (イノベーション) 常に挑戦し続けている
課題であったグローバル統一の人財マネジメントに着手
企業理念
 企業理念を軸にマインドを醸成しつつ、中期経営計画と連  海外ではグローバルグレードとタレントマネジメントを
動した人財戦略ロードマップで、制度面も整えていきます。 導入し、これまでできていなかった個々の資質、能力、経験と
 日本では、管理職向け評価制度をこれまでの業績重視から、 いった情報の可視化を進めていきます。これによりグローバ
「 業績(成果) % 」 コンピテンシー 50 % 」
50 「 へ基準を変え ルな適財適所を実現する狙いです。また、個を知ることはそ
 2013 年に経済産業省主催によるダイ  従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する企業と
運用を開始します。コンピテンシーとは、管理職のあるべき の強みを最大限に引き出す長期視点の育成計画やキャリア
バーシティ経営によって企業価値向上 して、経済産業省と東京証券取引所が選ぶ 健康経営銘柄 2017」
「 に選
姿を明文化したもので、具体的には 人を育てる 」 ビジネ
「 「 チャレンジの機会の提供を可能にします。つまり私たちがめ を果たした企業を選出する ダイバー
「 定されました。これは東京証券取引所の上場企業の中から 1 業種 1 社
スを築く 」ための行動特性を示すものです。管理職の基準を ざす 一定の制度をベースとした、
「 オーダーメイドの人財マ シティ経営企 選定するものです。加え
明確にし、これを体現する人財が会社を担うことで、チーム ネジメント 」の第一歩となり、ビジネスの成果だけでなく社 業 100 選 」に選 て、同省と日本健康会議
力を高め会社の持続的な成長につなげていきます。 員の意欲や働きがいにもつなげていきたい考えです。 ばれました。 が選ぶ 健康経営優良法

人 2017 ホ ワ イ ト 500)
( 」
にも選定されました。




27 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 28
環境への取り組み

新たに制定した環境方針、環境ビジョンの下に、
地球環境保全への取り組みと 各国の有害物質規制に対応したグリーン調達を推進
持続可能な社会の実現をめざしていきます
 当社グループは取引先企業様との連携の下、欧州の化学 規制対象の有害物質の材料使用を禁止する当社グループ

サトーホールディングス株式会社 取締役
物質規制 RoHS 指令 」
「 など各国の有害物質の使用規制に対 独自の環境管理基準 SIS-001」
「 を定め、取引先企業様に順守
環境経営実行責任者兼エコマネジメント委員長
応したグリーン調達を実践し、サプライチェーンにおける いただいています。
西田 浩一
環境負荷低減に積極的に取り組んでいます。各国の環境



環境マネジメントを推進(ISO14001 認証取得)
環境経営について
 国内外の事業所およびグループ会社の製造・開発部門を中 環境保全活動の認定制度 サトーグリーンファクトリー

 2008 年に発足したエコマネジメント委員会と、2012 年に発足した環境ビジネスプロジェクトがサトーグループの環境
心に、ISO14001 に基づく環境マネジメントシステムの継続 (SGF) を制定。
」 ISO14001 を取得されていない取引先企業
経営を推進するための両輪の役割を担っています。2017 年度、環境経営をさらに加速させるため、環境方針と環境経営
的改善に努め、グループが一体となった環境マネジメントを 様に対し、SGF の順守を要請・導入支援するとともに、導入
ビジョンを以下の通り改定しています。
推進しています。 後も品質管理部門が定期的に全工場を監査し、環境対応・品
 また、ISO 規格に準拠した 100 以上の項目からなる独自の 質管理レベルの向上につなげています。
環境経営の実現に向けて


サトー企業理念 FSC® CoC 認証を取得
私たちは地球環境保全が人類共通の重要課題であり、サトーグループの持続的な企業活動
環境経営  サプライ商品は、FSC ® CoC 認証を取得しています。信 ことを認証する「 加工・流通 過 程 の 管 理 の 認 証 CoC 認

に不可欠であることを認識し、地球環境の負荷を低減させる活動と環境にやさしい商品・
頼性の高い世界的な森林認証制度 FSC 認証制度 (Forest
「 ®
証 :Chain of Custody ) の 2 つの認証制度からなります。

サービスの提供はもとより、事業全体の環境調和を環境方針とする。
環境方針 Stewardship Council ®) 」は、適切な森林管理が行われて 当社グループでは FSC ® 認証制度のもと、持続可能な開発
い る こ と を 認 証 す る 森 林 管 理 の 認 証 FM 認 証 :Forest
( 目標 (SDGs) の達成への貢献に積極的に取り組んでいきます。
経済のグリーン化を実現するために、環境に配慮した経営で、企業価値の向上を図る。
環境経営ビジョン Management ) その森林からの木材・木材製品である
と、


エコマネジメント委員会 環境ビジネスプロジェクト
お客さまの環境負荷低減を支援する商品・ソリューションを提案
温暖化防止・省資源・生態系の保全
環境管理 環境ビジネス  当社グループはサプライ、プリンタを自社で開発、製造することで、お客さまの現場用途に合わせた最適な環境負荷低減
組織体制とガバナンス お客さまの環境負荷を
商品・ソリューションを提案しています。
バリューチェーン推進 低減する環境配慮型商品と
事業活動による 環境配慮型商品による
環境負荷量の低減推進 持続可能な資源・エネルギーの利用 お客さまにおける ソリューションを提供
焼却時の CO2 発生を抑える技術 エコナノ ®」
「 台紙の無いシール・ラベル ノンセパ ®」

と環境保全活動 EMS 活動 環境負荷低減

 エコナノ ® は、ナノテクノロジーによって燃焼時に発生す  台紙が無いことで、原料となる木材の使用量の削減と
る CO2 を削減する技術です。2011 年に世界初の エコナノ
「 ®
台紙の焼却処分が不要になり、環境負荷の低減につながる
シール・ラベル 」を発売して以来、焼却処分されるさまざま 商品です。最適な印字環境を実現するため、ノンセパ ® 用の
中長期の環境経営 目標と進捗
な商材へエコナノ ® を適用し、商品開発を進めています。 各種プリンタをご用意しています。
2017 年には、食品のパッケージにも導入されました。食品用
取り組み項目 貢献項目 主要指標
2016 年度 2017 年度 2020 年度 2030 年度
結果 目標 目標 目標 の CO2 削減包材として世界初の導入となります。

CO2 排出量削減 日本 CO2 削減貢献量
(カーボンフットプリント) 海外 (ton) 4,569 6,222 44,480 133,440
当社の環境調和型商品
を使うことによる 水使用量削減 日本 水使用削減 台紙の無いシール・ラベル
お客さまにおける (ウォーターフットプリント) 海外 貢献量 m3/m2)
( 109 111 117 351 「ノンセパ ®」
環境負荷低減
土地利用面積の削減 日本 土地利用面積削減
(ランドフットプリント) 海外 貢献量 ha/m2)
( 0.006 0.007 0.007 0.021

Scope1&Scope2 による 日本
2013 年度 CO2 2013 年度対比 2013 年度対比 2013 年度対比 2013 年度対比
CO2 排出削減 排出量対比 ton)
( 12.6% 削減 8% 削減 15% 削減 26% 削減
事業活動における
環境負荷低減
Scope1&Scope2 による 海外
2015 年度 CO2 2015 年度対比 2015 年度対比 2015 年度対比 2015 年度対比
CO2 排出削減 排出量対比 ton)
( 4.2%増加 5% 削減 10% 削減 26% 削減

植林活動への参画で森林保全
森林生態系保全活動の 日本
と自然との調和を支える活動 CO2 吸収量 ton)
( 13.2 13.2 40.0 145.0
展開 海外
を通し、 2 削減につなげる
CO
エコナノ ® ラベル ノンセパ ® 用の各種プリンタ



29 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 30
コーポレート・ガバナンス



取締役会は 11 名で構成し、過半数の6名が社外取締役(うち 制度・水準および報酬額などについて審議し、取締役会へ
女性 2 名) 監査役会は 4 名で構成し、
、 社外監査役 2 名(うち女 答申しています。
性 1 名)となっています。
 また、監査役は取締役会をはじめ、重要な会議に出席し、
経営会議
業務執行の監査を行い、監査役会では、代表取締役と定期的
な意見交換会を開催し、コーポレート・ガバナンスについて  経営会議は業務執行の最高決議機関としての位置付けで、
の課題解決に向けた活動へと結び付けるように努めてい 経営方針および経営に関する事項を決定しています。同会議
ます。 は当社執行役員、当社グループ会社社長および当社社長が指
名した幹部社員で構成されており、業務執行に関わる重要事
基本的な考え方 取締役会の議長は輪番制、座席は自由席 
項の決定の透明性も確保されています。
 取締役会の議長は社外取締役と業務執行を担当しない社
 当社はグループ共通の企業理念の下、会社の持続的な成長 監督機能を強化するとともに、執行役員制度の導入により 内取締役の輪番制かつ座席は自由席で、出席者全員が自由闊
と中長期的な企業価値の拡大のために 経営効率の向上と
「 意 思 決 定 や 業 務 執 行 の 迅 速 化・効 率 化 を 図 る こ と で、 達に発言できる環境となっており、経営の透明性および公平 懲戒・ハラスメント委員会、安全衛生委員会、
健全性の維持 」を重要課題として捉え、これを達成するた 実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築に努め 性を確保しています。 リスクマネジメント委員会
めに透明性の高い経営を実践しています。 ています。  当社は、株主の皆さまから企業統治を委嘱された取締役
 懲戒・ハラスメント委員会では、社内秩序を守るため、
 当社は監査役制度を採用し、会計監査人と連携して経営 と、取締役会から業務を委嘱された執行役員を区分した経営
コンプライアンス違反した社員に対し厳正妥当な審査、実施
体制を 2003 年から実施しています。
を行うための機関です。コンプライアンスの推進強化に貢献
取締役会全体の実効性に関する主な評価 しています。
コーポレート・ガバナンスの体制
 取締役会のあり方、実効性について評価するため、2017  安全衛生委員会では当社グループにおける安全衛生活動
年 5 月に全取締役・監査役を対象に書面によるアンケートの の充実を図り、労働災害を未然に防止するために必要な基本
株 主 総 会 実施および意見交換会を行いました。アンケートでは、議長 的事項を明確にし、当社グループの安全と健康維持・増進の
選任・解任 選任・解任 選任・解任 の輪番制が有効に機能し、取締役会で自由闊達な発言が行 支援をするとともに快適な職場環境づくりを行っています。
われているとの回答が全取締役・監査役よりありました。一 リスクマネジメント委員会は、当社グループが抱えるリスク
方で、今後の課題として業務執行報告における執行役員の の洗い出しと、それらのリスクに対する具体的な対策を決
監査・報告 会計監査人 活動内容の報告頻度を増やすこと、また取締役会での議論 め、発生時に備えております。また、リスク発生時において、
答申 報告
指名諮問委員会
監査 をより深く行うために事前に読み込む時間を確保すべく資 同委員会は危機(災害)対策本部となり、復旧までの具体的な
答申 取締役会 監査役会
報酬諮問委員会 料を従来以上に早く送付して欲しいなどの意見を得ました。 スケジュール、復旧策などを決定し、全社を統括する役割を
監督 担います。
評価を分析し、改善点を今後のアクションプランに落とし
込み取り組んでいきます。
連携
三行提報 指示
代表取締役 監査室と内部統制部
報告 監査室 指名諮問委員会・報酬諮問委員会
報告  監査室は当社各部署および当社グループの会計監査、業務
経営会議
報告  各諮問委員会は、社外取締役3名、代表取締役社長1名の 監査、内部統制の評価を行っており、内部統制部は当社グ
懲戒・ハラスメント委員会
最高財務責任者 4名の取締役で構成し、委員長は社外取締役から選定してい ループの管理部門とともに全体最適の視点で、業務を運営し
安全衛生委員会 (CFO) ていくためのルール作りと既存ルールの運用徹底、改善支援
内部監査 ます。
事務局
リスクマネジメント委員会  また、諮問委員会内での決定は、社外取締役のみで行い、 を行っています。
指示
取締役会の諮問機関として客観的かつ公正な視点から、指名  業務運用の推進側とそのチェック側を分けることにより、
啓発 連携
諮問委員会は、取締役および執行役員の選任方針・各候補者 公正かつ最適な業務運営を行うための環境を構築しています。
内部統制部 社員 案を、報 酬 諮 問 委 員 会 は、取 締 役 お よ び 執 行 役 員 の 報 酬

サトーグループ各社




株主総会 取締役会 コーポレート・ガバナンスの状況などの詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載している ガバナンス報告書 」
「 をご覧ください。

 当社は、株主の皆さまと直接対話することで相互理解を深 社外取締役が過半数 http://www.sato.co.jp/ir/library/governance_report.html
める場として、株主総会が最重要であると位置付けていま  持続可能な成長力と中長期的な企業価値拡大をめざし、
す。集中日を避けた開催日の設定を行うとともに、株主総会 多様な視点、豊富な経験、高い専門性を有する独立性の高い
では株主の皆さまが発言しやすい進行を心掛けています。 社外取締役ならびに社外監査役を積極的に選任しています。


31 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 32
役員紹介




取締役 取締役
(社外) 常勤監査役 執行役員

1 松山 一雄 6 鈴木 賢 12 横井 信宏 山田 圭助 小瀧 智奈美 阿部 陽一
  代表取締役社長兼 CEO   株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングス代表取締役会長 専務執行役員 執行役員 執行役員
  株式会社バイタルネット代表取締役会長 最高戦略提携責任者 CAO) ( サトープリンティング株式会社取締役副社長 最高財務責任者 CFO)

2 小瀧 龍太郎
13 永倉 淳一 Argox Information Co., Ltd. チェアマン兼プレジデント
7 田中 優子 SATO Auto-ID India Pvt. Ltd. マネージングディレクター 熊林 知之 大西 裕紀
  代表取締役副社長兼 COO
執行役員
  株式会社サトー代表取締役社長   法政大学総長
  法政大学社会学部メディア社会学科教授
櫛田 晃裕 アパレル ID 事業統括責任者
執行役員
株式会社サトー東京事業統括
監査役
(社外)
3 西田 浩一   法政大学国際日本学インスティテュート(大学院)教授 専務執行役員
サトープリンティング株式会社代表取締役社長 千田 浩三 江上 茂樹
8 伊藤 良二 14 山口 隆央 執行役員
4 土橋 郁夫   慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
宇敷 謙二 サトープライマリーラベルインターナショナル
執行役員
最高人財責任者 CHRO)

  山口公認会計士事務所所長
  株式会社プラネットプラン代表取締役 常務執行役員 株式会社代表取締役社長
北上事業所長
15 八尾 紀子 サトーテクノロジー株式会社代表取締役社長
5 鳴海 達夫 9 嶋口 充輝 Maria Olcese 山田 倫靖
  TMI 総合法律事務所パートナー
  慶應義塾大学名誉教授 Daphne Tay 執行役員
執行役員
  公益社団法人日本マーケティング協会理事長 南米統括
常務執行役員 最高商品企画責任者 CPO)

Achernar S.A. ゼネラルマネージャー
最高コミュニケーション責任者 CCO)

10 山田 秀雄 SATO Global Business Services Pte Ltd.
弓場 吾朗
マネージングディレクター 小沼 宏行
  山田・尾﨑法律事務所所長
執行役員 執行役員
  公益財団法人橘秋子記念財団理事長
笹原 美徳 最高健康経営責任者 CWO)
( 北米統括
PJM 事業統括責任者
11 松田 千恵子 常務執行役員
サトーヘルスケア株式会社代表取締役社長
SATO America, LLC. チェアマン兼 CEO
株式会社サトー取締役副社長営業統括 SATO Global Solutions, Inc. チェアマン兼 CEO
  首都大学東京大学院社会科学研究科教授
  首都大学東京都市教養学部教授 14 10 13






渡邉 信夫 田邊 康宏
執行役員
4 4 7 3 3 7 11 2 2 116 611 執行役員
サトーインターナショナル株式会社代表取締役社長
サトーインプレス株式会社代表取締役社長
(2017 年 9 月現在)



33 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 34
2016 年度事業概況


2017 年 3 月期業績概況

 2017 年 3 月期の連結業績は、売上高 106,302 百万円(前期  日本事業の収益性が改善し力強い営業増益(同 113.8%)を 向けた施策を推進しています。 子会社を設立したことなどにより、営業利益は前年を下回
比 100.8%)
、営業 利益 6,104 百 万円(同 94.6%)
、経常利益 達成した一方、為替変動および新興国における市場環境の  これらの結果、売上高 12,525 百万円(前期比 95.6%[為替 りました。
5,426 百万円(同 88.7%) 親会社株主に帰属する当期純利益
、 悪化などによって海外事業が大幅な営業減益(同 62.6%)と 影響を除く前期比 109.0%]、
) 営業利益 584 百万円
(同 69.9%)  オセアニア市場は、販売会社が堅調に営業利益を伸ばし
3,221 百万円 87.3%)
(同 で増収減益となりました。 なり、連結業績に大きな影響を及ぼしました。 となりました。 た ほ か、独 自 の RFID 技 術 で あ る PJM を 開 発 す る SATO
Vicinity 社の収益が改善しました。
売上高 営業利益・営業利益率・EBITDA 親会社株主に帰属する当期純利益  Argox 社は市場環境の悪化や新商品投入が遅れたことに
アジア・オセアニア
(百万円) (百万円) 営業利益 EBITDA* (%) (百万円)
より減収減益となりました。現在新たな成長市場の開拓、
営業利益率(右軸)
 アジア市場においては、インド、インドネシア、ベトナム 新商品の投入により業績の回復をめざしています。
11,044 11,573 11,296 3,763  当社はアジア市場を引き続き成長期待が高く、営業利益
の売上高は、引き続き現地通貨ベースで前年比2桁増とな
120,000 12,000 8 4,000
3,687
105,504 106,302 7.5
99,831 3,221 りましたが、一方で、中国やタイ、シンガポールなどの国々 の貢献度も高い重要な市場と位置付けています。今後も
90,000 9,000 6.1
5.7 6 3,000 においては経済成長が鈍化したほか、日系製造業向けの売 さらなる市場拡大に向け、経営資源の投入を検討していき
7,444 上高が伸び悩み、現地通貨ベースで1桁増に留まりました。 ます。
6,455
1 6,104
4 2,000 コスト面では 2016 年 5 月にインドネシアにラベル工場を   こ れ ら の 結 果、売 上 高 は 12,821 百 万 円 前 期 比 93.9 %

60,000 6,000
新設し同国でのビジネス強化を図ったほか、フィリピン、台 [ 為替影響を除く前期比 104.2 % ])、営業利益 965 百万円
湾での自動認識ソリョーション需要の高まりを受け、販売 (同 73.7%)となりました。
30,000 3,000 2 1,000


日本 欧州

2014 2015 2016(年度) 2014 2015 (年度)
2016 2014 2015 2016(年度) (百万円) 売上高 営業利益(右軸) (百万円) 売上高 営業利益(右軸)

* EBITDA= 営業利益+減価償却費+のれん償却費 80,000 66,674 6,000 15,000
13 ,101 1,200
66,124 67,375 12 , 525
5,000 836 1,000
60,000 5, 303 4,331
4,000 10,000 8 ,736 800
セグメント別概況 40,000 3, 806 3,000 502


2,000 5,000 400
20,000
タの大口商談があり売上高は前年を上回ったものの、複数の
日本 1,000 200
大手グローバル企業と共同で進めるリテール向けデジタル 0 0 0 0
2014 2015 2016(年度) 2014 2015 2016(年度)
 日本市場においては、製造業や E コマース分野での需要 ソリューションの開発が遅延し、本格導入が来期となったこ
が拡大し、メカトロ(プリンタなど) サプライともに売上は
、 とから、前年を上回る営業赤字となりました。 米州 アジア・オセアニア
前年を上回りました。円高による仕入れコストの減少や、  南米市場においては、アルゼンチンの Achernar 社が、同国 (百万円) 売上高 営業利益(右軸) (百万円) 売上高 営業利益(右軸)
の大幅な通貨下落、インフレ、消費低迷の影響を受けて特定 13, 580
バーコードプリンタの戦略機 CLNX-J シリーズ 」
「 の販売増 14,000 731 12 , 625 800 15,000 13,580 13,652 2,000

12,821
などによる粗利率の改善が進み、営業利益は前年を上回り、 主要顧客への販売が延伸し、営業利益は前年を下回りまし 12,000
10,000 10, 839 463 600 1, 289 1, 309 1,500
利益率も改善しました。 た。一方で 2015 年 11 月に連結子会社化したブラジル国内の 500 10,000

8,000

 E コマース分野を含む物流業、製造業を中心に各市場にお プライマリーラベル事業大手 Prakolar 社が同地域の業績に 6,000
1,000

5,000
ける自動化と効率化の需要は、全般的な人手不足の傾向も 寄与しました。 4,000

2,000
あり旺盛です。当社はこれまでお客さまの現場課題に真摯   こ れ ら の 結 果、米 州 の 売 上 高 は 13,580 百 万 円 前 期 比
( 100

に向き合い解決してきた個別提案を順次共通パッケージと 107.6% [ 為 替 影 響 を 除 く 前 期 比 122.0% ]) 業 利 益 83
、営 2014 2015 2016(年度) 2014 2015 2016(年度)
して商品化しており、それに伴う商談案件数も増加してい 百万円
(同 18.0%)
となりました。
ます。今後さらにソリューション力を磨くことで日本市場
での安定成長をめざしていきます。 欧州 今期 2018 年 3 月期)
( の見通し
 これらの結果、売上高は 67,375 百万円(前期比 101.9%)、
営業利益 4,331 百万円(同 113.8%)となりました。  欧州市場においては、ロシアでプライマリーラベル事業  2017 年度の連結業績は、 (2017 年 5 月 9 日)
期初 に開示し DataLase 社が持つ インライン・デジタル・プリンティング

を手掛ける Okil-Holding 社は現地通貨ベースでは売上を た、売上高 113,500 百万円 ( 当期比 106.8%)、営業利益 6,000 (IDP)」技術および CO2 削減剤の エコナノ ®」
「 を軸として
順調に伸ばしましたが、在庫の見直しなどに伴う一過性の 百万円 ( 同 98.3%) を計画しています。 2017 年度から本格的に取り組む 素材事業 」 DataLase
「 は、
米州
損失の計上により、大幅な減益となりました。既存ビジネス  ベースビジネスである 自動認識ソリューション事業 」
「 は、 社の研究開発費とのれん償却費の発生などにより 1,700 百万
 北米市場においては、SATO America 社が大手ドラッグス については、 「
ドイツをはじめとする各国で CLNX シリーズ」 売 上 高 (113,000 百 万 円 )、営 業 利 益 (7,700 百 万 円 ) と も に 円の営業損失を計画しています。
トア向けのラベルビジネスの計画を上回る伸長や、 CLNX
「 の販売台数を大きく伸ばしたほか、各種営業体制強化策が 過去最高を達成する計画です。  中期経営計画における各施策を速やかに実行に移し、計画
シリーズ 」をはじめとするバーコードプリンタの販売が引き 奏 功 し、現 地 通 貨 ベ ー ス で 増 収 増 益 と な り ま し た。ま た   一 方 で、2017 年 1 月 に 完 全 子 会 社 化 し た イ ギ リ ス の 達成に向け全社を挙げて邁進してまいります。
続き好調で、売上高・営業利益ともに前年を大きく上回りま 2016 年 3 月より稼動を開始したポーランドのラベル新工場
した。SATO Global Solutions 社は、食材管理用途でプリン を活用し、安定したサプライのリピートビジネス確立に


35 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 36
11 年間の財務ハイライト

3 月 31 日終了の連結会計年度 (百万円)

2006 年度 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度
経営成績
 売上高 82,491 87,790 78,163 74,917 78,368 80,536 87,256 96,773 99,831 105,504 106,302
 海外売上高比率 31.5% 31.6% 26.8% 24.2% 23.7% 23.0% 25.6% 29.3% 33.2% 37.3% 36.6%
 売上総利益 35,890 37,857 32,399 31,279 33,018 34,217 36,410 41,180 42,708 44,942 45,022
 販売費および一般管理費 30,195 32,453 31,669 28,705 28,791 29,564 30,958 34,421 35,264 38,487 38,917
 営業利益 5,695 5,404 730 2,574 4,226 4,652 5,452 6,758 7,444 6,455 6,104
 EBITDA
(営業利益+減価償却費+のれん償却費) 8,180 8,208 3,565 5,123 6,417 6,830 8,213 9,871 11,044 11,573 11,296
 親会社株主に帰属する当期純利益 2,389 2,062 2,050 781 503 1,953 2,726 4,295 3,763 3,687 3,221

財政状態
 総資産 66,923 66,103 61,692 64,203 66,134 74,830 77,521 86,737 95,174 96,887 104,280
 純資産 37,508 36,671 35,918 35,985 34,929 36,172 40,205 46,734 53,158 52,155 54,217
 研究開発費 1,501 1,728 1,922 1,826 1,902 1,859 2,042 2,225 2,292 2,414 2,387
 設備投資 4,278 2,424 2,361 2,387 5,084 1,836 3,059 6,106 7,372 6,717 5,723
 減価償却費およびのれん償却費 2,484 2,804 2,835 2,549 2,190 2,177 2,760 3,112 3,599 5,118 5,191

キャッシュフロー
 営業活動によるキャッシュフロー 2,912 4,108 4,994 5,860 1,595 4,434 3,793 10,589 9,205 6,091 10,769
 投資活動によるキャッシュフロー △ 4,066 △ 2,522 △ 2,217 △ 2,093 △ 4,283 △ 7,015 △ 984 △ 4,776 △ 6,221 △ 9,596 △ 8,716
 フリーキャッシュフロー(営業 CF +投資 CF) △ 1,154 1,585 2,777 3,766 △ 2,687 △ 2,581 2,809 5,812 2,983 △ 3,504 2,052
 財務活動によるキャッシュフロー 496 △ 793 △ 2,476 △ 826 △3 3,273 △ 2,839 △ 1,511 △ 3,062 3,254 △ 1,343
 現金および現金同等物の期末残高 10,344 11,035 10,814 13,774 10,813 11,377 11,992 16,763 17,145 16,212 16,757

1 株当たり情報(円)
 当期純利益 EPS)
( 76.30 66.70 67.40 25.95 16.71 64.87 90.56 141.57 113.96 110.07 96.07
 純資産 BPS)
( 1,205.33 1,195.69 1,189.50 1,191.84 1,156.88 1,201.02 1,330.77 1,454.90 1,579.15 1,525.09 1,579.53
 配当金 DPS)
( 32 33 33 33 34 35 37 40 45 55 60

財務指標
 売上総利益率 43.5% 43.1% 41.5% 41.8% 42.1% 42.5% 41.7% 42.6% 42.8% 42.6% 42.4%
 営業利益率 6.9% 6.2% 0.9% 3.4% 5.4% 5.8% 6.2% 7.0% 7.5% 6.1% 5.7%
 EBITDA マージン 9.9% 9.4% 4.6% 6.8% 8.2% 8.5% 9.4% 10.2% 11.1% 11.0% 10.6%
 総資産経常利益率 ROA)
( 8.5% 7.1% 0.6% 3.6% 5.7% 5.9% 7.1% 8.6% 8.2% 6.4% 5.4%
 自己資本利益率 ROE)
( 6.4% 5.6% 5.7% 2.2% 1.4% 5.5% 7.2% 9.9% 7.6% 7.1% 6.2%
 自己資本比率 56.0% 55.4% 58.1% 55.9% 52.7% 48.3% 51.7% 53.7% 55.6% 52.8% 50.8%
 有利子負債比率 D/E レシオ)
( ※リース債務、ゼロクーポン債
(転換社債)
を含む 15.6% 18.5% 17.1% 19.6% 24.9% 38.2% 31.8% 23.5% 18.7% 31.5% 32.1%




売上高 営業利益 EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費) 1 株当たり当期純利益 ROE ROA
(百万円) (百万円/ %) (百万円/ %) (円) (%) (%)
105,504 106,302 営業利益 営業利益率 EBITDA EBITDA マージン
9.9
96,773 99,831 11,573 11,296
7,444 11,044
87,256 141.57 8.6
6,758 9,871 8.2
6,455 7.6
6,104 7.1
8,213 11.1 11.0 10.6 113.96 110.07
5,452 10.2 6.4
7.5 6.2
7.0 96.07 7.2 7.1
90.56 5.4
6.1 5.7 9.4
6.2




(年度)
2012 2013 2014 2015 2016 (年度)
2012 2013 2014 2015 2016 (年度)
2012 2013 2014 2015 2016 2012 2013 2014 2015 2016(年度) (年度)
2012 2013 2014 2015 2016 (年度)





37 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017
自己名義株式
SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 38
1,179,075株
財務諸表


貸借対照表 損益計算書
(百万円) (百万円)

科目 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 科目 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度
流動資産 46,690 53,647 56,331 54,235 55,571 売上高 87,256 96,773 99,831 105,504 106,302
 現金および預金 12,577 17,562 18,859 17,856 17,139 売上原価 50,845 55,593 57,122 60,562 61,279
 受取手形および売掛金 20,942 22,390 23,132 22,460 23,215 売上総利益 36,410 41,180 42,708 44,942 45,022
 有価証券 93 198 175 187 236 販売費および一般管理費 30,958 34,421 35,264 38,487 38,917
 商品および製品 6,632 6,852 7,781 7,264 7,585 営業利益 5,452 6,758 7,444 6,455 6,104
 仕掛品 190 226 332 422 607 営業外収益 311 679 567 488 516
 原材料および貯蔵品 1,858 2,199 2,846 2,795 2,798  受取利息 53 63 74 118 135
 未収入金 884 1,453 1,061 1,563 1,577  受取配当金 0 7 7 14 12
 未収還付法人税等 1,035 ̶ ̶ ̶ ̶  仕入割引 10 20 22 28 21
 繰延税金資産 1,492 1,625 872 738 819  受取賃貸料 146 158 118 154 143
 その他 1,069 1,281 1,419 1,086 1,760  為替差益 ̶ 183 76 ̶ ̶
 貸倒引当金 △ 86 △ 143 △ 149 △ 139 △ 168  その他 100 246 267 170 202
固定資産 30,831 33,089 38,843 42,652 48,709 営業外費用 334 353 527 824 1,194
 有形固定資産 18,694 20,337 21,126 24,853 27,351  支払利息 112 136 209 201 129
  建物および構築物 5,414 5,149 4,998 6,420 7,274  売上割引 31 49 70 65 59
  機械装置および運搬具 4,330 5,547 7,718 10,146 10,496  為替差損 19 ̶ ̶ 350 108
  工具、器具および備品 1,006 1,157 1,794 1,511 1,339  貸倒引当金繰入額 ̶ ̶ ̶ ̶ 304
  土地 7,657 8,017 4,975 5,440 7,066  持分法による投資損失 ̶ ̶ ̶ ̶ 303
  建設仮勘定 286 465 1,639 1,335 1,174  その他 170 168 247 206 289
 無形固定資産 6,600 7,708 12,760 10,834 16,607 経常利益 5,429 7,084 7,484 6,119 5,426
  のれん 4,774 4,058 6,291 4,596 10,942 特別利益 6 51 746 21 613
  ソフトウェア 954 1,141 993 4,877 4,151  固定資産売却益 6 51 730 21 14
  借地権 187 190 192 167 144  投資有価証券売却益 0 ̶ ̶ ̶ ̶
  その他 684 2,318 5,283 1,193 1,368  新株予約権戻入益 ̶ ̶ 15 ̶ ̶
 投資その他の資産 5,536 5,043 4,956 6,963 4,750  段階取得に係る差益 ̶ ̶ ̶ ̶ 598
  投資有価証券 247 1,308 1,456 3,448 1,379 特別損失 454 126 459 254 605
  長期貸付金 363 113 265 371 376  固定資産売却損 3 29 9 9 7
  差入保証金 604 599 650 626 615  固定資産除却損 78 68 6 125 39
  繰延税金資産 3,109 1,780 1,251 1,035 1,220  減損損失 ̶ ̶ 443 ̶ 557
  退職給付に係る資産 ̶ 3 4 2 ̶  事業再編損 233 ̶ ̶ 106 ̶
  その他 1,647 1,674 1,731 1,894 1,846  為替換算調整勘定取崩額 138 28 ̶ ̶ ̶
  貸倒引当金 △ 436 △ 436 △ 403 △ 414 △ 687  前期損益修正損 ̶ ̶ ̶ 12 ̶
資産合計 77,521 86,737 95,174 96,887 104,280 税金等調整前当期純利益 4,982 7,008 7,770 5,887 5,434
 法人税、住民税および事業税 884 1,428 2,439 1,701 2,468
 過年度法人税等 ̶ ̶ 204 ̶ ̶
科目 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度
 法人税等調整額 1,364 1,276 1,335 432 △ 298
流動負債 27,405 31,346 33,271 33,750 34,446 法人税等合計 2,248 2,704 3,980 2,134 2,170
 支払手形および買掛金 5,180 5,698 7,067 6,475 7,702 当期純利益 2,733 4,304 3,790 3,752 3,263
 電子記録債務 ̶ ̶ ̶ ̶ 11,668 非支配株主に帰属する当期純利益 6 8 27 65 42
 短期借入金 3,954 4,137 3,333 7,783 4,338 親会社株主に帰属する当期純利益 2,726 4,295 3,763 3,687 3,221
 リース債務 571 524 845 676 686
 未払金 13,372 15,691 14,375 13,054 1,876
 未払法人税等 478 947 1,685 947 1,714
 賞与引当金 173 239 285 269 247
 役員賞与引当金 19 42 ̶ ̶ ̶
 製品保証引当金 39 41 46 117 223
 その他 3,615 4,021 5,631 4,425 5,988 キャッシュフロー計算書 (百万円)
固定負債 9,911 8,656 8,745 10,982 15,616
 新株予約権付社債 5,000 2,215 60 ̶ ̶ 科目 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度
 長期借入金 1,041 1,041 2,217 3,935 8,663 営業活動によるキャッシュフロー 3,793 10,589 9,205 6,091 10,769
 リース債務 2,042 2,889 3,301 3,573 3,169 投資活動によるキャッシュフロー △ 984 △ 4,776 △ 6,221 △ 9,596 △ 8,716
 退職給付引当金 1,324 ̶ ̶ ̶ ̶ 財務活動によるキャッシュフロー △ 2,839 △ 1,511 △ 3,062 3,254 △ 1,343
 退職給付に係る負債 ̶ 2,159 2,634 2,212 2,345 現金および現金同等物に係る換算差額 644 470 459 △ 682 △ 164
 その他 502 351 531 1,262 1,438 現金および現金同等物の増減額(△は減少) 614 4,771 381 △ 933 545
負債合計 37,316 40,002 42,016 44,732 50,063 現金および現金同等物の期首残高 11,377 11,992 16,763 17,145 16,212
株主資本 39,247 45,181 49,726 51,468 52,747 現金および現金同等物の期末残高 11,992 16,763 17,145 16,212 16,757
 資本金 6,331 7,361 8,438 8,468 8,468
 資本剰余金 5,799 6,819 7,897 7,666 7,775
 利益剰余金 30,577 33,557 35,946 37,892 39,162
 自己株式 △ 3,460 △ 2,556 △ 2,556 △ 2,559 △ 2,659
その他の包括利益累計額 821 1,390 3,148 △ 342 209
 その他有価証券評価差額金 0 38 2 1 1
 為替換算調整勘定 820 1,902 4,235 310 854
 退職給付に係る調整累計額 ̶ △ 550 △ 1,089 △ 654 △ 645
新株予約権 ̶ 25 62 100 99
非支配株主持分 136 136 220 928 1,160
純資産合計 40,205 46,734 53,158 52,155 54,217
負債純資産合計 77,521 86,737 95,174 96,887 104,280




39 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 40
株式情報(2017 年 3 月 31 日現在) 会社概要(2017 年 3 月 31 日現在)


株式の概要 大株主 サトーホールディングス株式会社
商 号
SATO HOLDINGS CORPORATION
発行可能株式総数: 80,000,000 株
株主名 持株数(株) 持株比率 %)

発行済株式の総数: 34,921,242 株 本 社 所 在 地 東京都目黒区下目黒 1 丁目 7 番 1 号 ナレッジプラザ
日本トラスティ・サービス信託銀行
株主総数: 8,067 名 4,286,300 12.27
株式会社(信託口) 創 業 1940 年
上場証券取引所: 東京証券取引所
公益財団法人
市場第一部 3,786,200 10.84 設 立 1951 年
佐藤陽国際奨学財団(合計)
証券コード: 6287
日本マスタートラスト信託銀行 代表取締役社長 兼 CEO   松山 一雄
事業年度: 毎年 4 月 1 日から 1,609,600 4.60 代 表 者
株式会社(信託口)
翌年 3 月 31 日まで 代表取締役副社長 兼 COO 小瀧 龍太郎
定時株主総会: 6月 サトー社員持株会 1,275,364 3.65
資 本 金 84 億円
株主名簿管理人: 三菱 UFJ 信託銀行
株式会社
CBNY-GOVERNMENT OF NORWAY 1,262,329 3.61 連結従業員数 5,012 名

所有者別株式分布状況 サトーホールディングス株式会社 1,179,075 3.37
連 結 売 上 高 1,063 億円

自己名義株式 金融商品取引業者
1,179,075株 295,785株
GOLDMAN, SACHS & CO. REG 1,052,700 3.01
3.38% 0.85%
外国法人など
その他の法人 10,504,218 株 横井 美惠子 905,145 2.59 拠点一覧(2017 年 9 月 1 日現在)
4,907,057株 30.08%
14.05 %
佐藤 静江 897,470 2.56
金融機関 個人その他 オランダ ドイツ アメリカ
7,561,170株 10,473,937株 株式会社アリーナ 854,460 2.44
21.65% 29.99 %
イギリス スウェーデン


株価・出来高 ロシア

中国
株価(円) 株価 出来高
ポーランド
4,000 韓国
フランス
3,500 タイ

3,000 日本
イタリア ブラジル
2,500 台湾

インド フィリピン
2,000
スペイン マレーシア ベトナム アルゼンチン
1,500


1,000 シンガポール


500 出来高
(千株) インドネシア ニュージーランド
0 5,000 オーストラリア

4,000

3,000

2,000 お問い合わせ 免責事項
1,000
サトーホールディングス株式会社 当資料に掲載されている業績見通し、その他今後の予測・戦略などに関する情報

コミュニケーション統括部広報グループ は、当資料の作成時点において、当社が合理的に入手可能な情報に基づき、通常予
2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度
TEL:03-5745-3412 FAX:03-5487-8544 測し得る範囲内で行った判断に基づくものです。しかしながら実際には、通常予測
期間高値
(円) 1,747 2,640 3,105 3,550 2,676 ̶ e-mail:grp-sato-ir1460@sato-global.com し得ないような特別事情の発生または通常予測し得ないような結果の発生、その
期間安値 Web サイト:http://www.sato.co.jp/ 他のリスクや不確定な要因などにより、当資料記載の業績見通しや将来の見通し
(円) 1,000 1,511 2,133 2,090 1,761 ̶
期末株価 投資家情報 :http://www.sato.co.jp/ir/ とは異なる結果を生じ得る可能性を含んでおります。当社として、その確実性を保
(円) 1,695 2,391 2,725 2,396 2,372 ̶
証するものではありませんことをご留意下さい。


41 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 SATO HOLDINGS CORPORATION INTEGRATED REPORT 2017 42

336462