薄膜で絶縁性能に優れた、高耐熱テープ巻き電線を開発

2022 年 3 月 9 日
各 位


東京特殊電線株式会社
東京都港区西新橋三丁目8番3号
(東証1部 コード番号 5807)
問合せ先 経営企画部 広報担当
TEL 03(5860)2121


薄膜で絶縁性能に優れた、高耐熱テープ巻き電線を開発
~車載用コイル・トランスの小型化・高効率化、作業効率の向上に貢献~


東京特殊電線株式会社(本社:東京都港区、社長:川口寛)は、自動車などのコイル・トランス向けに、被覆厚
20μ という薄さでありながら高い絶縁性能を持ち合わせた、高耐熱テープ巻き薄膜被覆電線(製品名 Thin
m
Film Insulation Wire:TFIW)を開発しました。

耐熱性を要求される自動車などのコイル・トランスには一般的にエナメル線が使用されています。
エナメル線は、塗料を塗布し焼き付ける製造方法から皮膜厚のムラ(偏肉)や小さな穴(ピンホール)の発生は
避けられず、これらを原因として通電時に部分放電が起こり、経年劣化が進んでショートを引き起こす危険をは
らんでいます。また、皮膜が導体に密着していることから、端末の接続やはんだ付けをするために皮膜を剥離
するには、機械や薬品を使用しなければなりません。

今回の開発品は、当社の独自技術を用いて耐熱性の高いポリイミドフィルムをテープ巻きした絶縁電線です。
被覆厚は、同等の耐熱性を持つ当社三層絶縁電線 TIW-4 の約 5 分の 1 となる 20μ と薄膜化を実現し、コイ
m
ル・トランスの小型化・高効率化に貢献します。また、同じ被覆厚の高耐熱エナメル線と比べ、ピンホールや偏
肉はなく確実な絶縁が可能で、電気的特性に優れていることが大きな特長です。導体とフィルムは接着されて
いないことから、被覆の剥離は容易に行うことができ、作業効率の向上にも寄与します。

薄い被覆でありながら高い絶縁性能と耐熱性を持つ TFIW は、自動車のモーターやインバーター、コンバータ
ーなどに用いられるコイル・トランスに最適な製品です。

【用途】 車載モーター、インバーター、コンバーターなどのコイル・トランス
【特長】 (1) 絶縁被覆厚: 0.02mm (ノーピンホール、偏肉なし)
(2) 電気的特性: 絶縁破壊電圧:5kV、部分放電開始電圧:450V
(3) 耐熱性: 210℃、40,000 時間
(4) 作業性: 絶縁剥離可、はんだ付け容易
(5) 適用導体径: 0.6mm~1.2mm


絶縁被覆 二層目
一層目

導体




開発品(被覆厚約 0.02mm) 高耐熱テープ巻き薄膜被覆電線(TFIW)
当社 TIW-4(被覆厚約 0.10mm)

本資料についてのお問合せ先 経営企画部 広報担当 TEL 03(5860)2121
お客様からの製品に関するお問合せ先 営業部 電線営業グループ TEL 03(5860)2128

以上

3634