ふくしま産業復興企業立地補助金交付決定のお知らせ

2020年10月5日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ア サ カ 理 研
代 表 者 名 代表取締役社長 油木田祐策
(コード番号:5724)
問 合 せ 先 取締役執行役員管理本部長 山 田 浩 太
TEL. 024-944-4744(代)


ふくしま産業復興企業立地補助金交付決定のお知らせ


当社が進めているリチウムイオン電池からの有価金属リサイクル及び電池材料の原料化技術開発事業が「ふ

くしま産業復興企業立地補助金(13 次募集)」の交付を受けることとなりましたので、お知らせいたします。


1.経緯
当社は、創業以来 50 余年に亘り、貴金属や銅のリサイクルを通じて資源の有効活用と環境保全に貢献する企

業として、事業展開をしてまいりました。特に近年においては、成長産業の最先端部品に多く使用されているレ
アメタル・レアアースに注目し、研究開発・事業化に取り組んでおります。

2014 年 8 月にレアメタル・レアアースのリサイクル技術開発拠点をいわき市に設置し、研究開発を本格的に
開始して以降、数多くの実験を繰り返し、技術とノウハウを積み上げてまいりました。その成果として、電子デ
バイス部品原料の一つであるタンタル酸化物の事業化に成功しております。
研究開発としては、
研究の幅を広げ、
ランタン、ガドリニウム、イットリウム、レニウム等にも挑戦し、一部、事業化が可能な段階まで来ております。

現在は、世界中で需要が高まっているリチウムイオン電池(以下、LiB:Lithium Ion Battery)に着目し、将
来の使用済み電池リサイクルを視野に、LiB に含まれる有価金属の分離回収と精製・高純度化による LiB 原料へ

の再生に取り組んでおります。この度、回収技術・製品化技術への目途が立ったことから、その量産プラントの
導入について「ふくしま産業復興企業立地補助金(13 次募集)」に募集し、指定を受けることとなったもので

す。



2.事業の目的
LiB の使用量は電気自動車をはじめ、一般家電での需要により、年々増加しております。使用量の増加により

LiB の生産工場で発生する工程廃棄品も増加しているほか、数年後には電池寿命を迎えた使用済み廃棄品(以下、

廃 LiB)も増加する見込みであり、廃 LiB に含まれるレアメタルの有効活用が社会的な課題となると捉えており

ます。また、LiB の材料に使用されるコバルト、ニッケル、リチウム等のレアメタルは、そのほとんどを海外か

らの輸入に頼っておりますが、原産国の政治状況等に左右されることから、必ずしも安定的に調達できる原料で

はありません。このような状況の中、増加する廃 LiB に含まれるレアメタルを再利用することで、国内における

資源循環を実現し、調達リスクを低減するとともに、SDGs の観点からも地球環境の保全に貢献いたします。




3.今後の事業方針
[第一段階]

工場から排出される工程廃棄品を中心に量産を開始し、
電池材料製造メーカーへの販売を開始します。
これは、

“工程廃棄品からの LiB to LiB”を実現するものであり、本補助金を活用し、設備投資を実施いたします。

[第二段階]

本事業の主旨に共感いただけるパートナーと連携することで、処理能力を拡大させるとともに、 LiB からの

量産を目指します。
[最終段階]

廃 LiB が大量に発生することが予測される 10 年後には、本格的に廃 LiB からの主要原料の回収を大規模に開

始いたします。これは“廃 LiB からの LiB to LiB”を実現するものです。


本事業を通じて、当社は、動脈ビジネスと静脈ビジネスを一貫して行う動静脈ビジネスを推進していく企業を

サポートするリーディングカンパニーとなることを宣言いたします。



4.事業概要

量産プラント設置場所 いわき工場(福島県いわき市)
リサイクル対象 LiB 生産工場で発生する工程廃棄品、電池寿命を迎えた使用済み廃 LiB
リサイクルする主な金属 コバルト、ニッケル、リチウム
販売製品 主に LiB 材料として、コバルト化合物、ニッケル化合物、リチウム化合物
販売先 主に LiB 材料となる正極材、電解液等のプリカーサー及び製造会社




以 上





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