自動車加飾フィルム用の粘着剤を製品化

2021 年 10 月 19 日
綜研化学株式会社
ニュースリリース

自動車加飾フィルム用の粘着剤を製品化


綜研化学株式会社(代表取締役社長:福田純一郎 本社:東京都豊島区)は、自動車の
加飾フィルム貼合せに適した粘着剤を製品化しました。


【開発の背景】
世界各国で SDGs 達成や気候変動問題への対応に向けて CO2 排出量ゼロを目指す動きが本
格化するなか、自動車製造工程での CO2 排出量の約 30%を占めると言われている塗装と乾
燥を繰り返す塗装工程においては、外装の加飾工法を「塗装(ウエット)」から「加飾フィ
ルム(ドライ)」へ置き換える動きが加速しています。
また、加飾フィルムは、塗装では施すことが困難な絵柄、テクスチャ、グラデーションな
どの複雑なデザインを付与することが出来るため、視覚や触感を通じた多様な情報伝達が
出来るようになります。
当社は、自動車産業での加飾フィルムの普及による CO2 排出量削減に向けた動きに貢献
するため、顧客ニーズに対応した粘着剤の開発を進め、貼合せ工程でのベタ付きが少ない良
好な作業性と、貼付け後は長期間屋外でも剥がれない耐久性を兼ね備えた加飾フィルム用
粘着剤を製品化しました。


【加飾フィルム用粘着剤の特徴】
・手作業および成型機での貼合(TOM※など)に適したラインナップがあります。
・ベタ付きが少ないため、貼り合わせ作業性が良好です。
・粘着力が高いため、長期間経過後も剥がれません。
・凝集力が高いため、長期間経過後の貼り替え時に被着体に糊残りがありません。
・金属・樹脂など様々な材質の部材やフィルムに適用可能です。
※ TOM=Three dimension Overlay Method(3 次元表面加飾工法)


【今後の展開】
自動車業界で開発競争が進む電気自動車の部材は、軽量化・電波干渉の観点から金属から
樹脂部材への置き換えが有力視されています。当社は、樹脂部材への加飾工法も塗装・メッ
キ方式からフィルム貼付けが主流になると見ており、自動車内外装の加飾フィルム用粘着
剤の市場は 2030 年に数十億円、2050 年には数百億円規模になると想定しています。
また、加飾フィルムは、被着体となる製品の使用環境に適したフィルムを貼合すること
によって更なる用途・機能の拡大の検討が進んでおり、自動車以外にもスマートフォンや
タブレットなどのディスプレイ機器、サイディングボードやトイレなどの住宅資材・設


備、半導体基板の封止フィルムなどへの展開が期待されます。
当社は、自社の強みとしているポリマー設計技術により、高透明性・耐候性以外にも低
誘電率、水蒸気バリア性などの様々な機能を粘着剤に付与することが可能であり、様々な
分野での加飾フィルムの普及に貢献してまいります。


(参考)
本開発品は 2022 年 1 月 26 日(水)~1 月 28 日(金)に東京ビックサイトで開催される
「3DECOtech 展(コンバーティングテクノロジー総合展 2022 内)」に出展します。
公式サイト URL:https://www.convertechexpo.com/index.html




その他、用途ニーズに応じた仕様調整や改良などご要望ございましたら、下記お問い合わ
せ先にご連絡ください。


【本件に関するお問合せ】
※ 製品・技術について
綜研化学株式会社 粘着剤部 営業1グループ
TEL:03-3983-3176
E-Mail フォームから https://www.soken-ce.co.jp/contact/form.cgi


※報道関係者からのお問合せ
綜研化学株式会社 経営管理部 経営企画グループ
TEL:03-3983-3268
E-Mail フォームから https://www.soken-ce.co.jp/contact/form.cgi?content=2





【参考画像】


<貼合せ時>


従来粘着剤
耐久試験
80℃×400h 後


TOM 成型貼合直後



剥がれ有り

開発品




剥がれ無し


<剥がし時>



従来粘着剤 開発品




可塑剤を含むフィルム・被着体(塩ビ 加飾フィルム用粘着剤では、可塑剤が
など)から粘着剤に可塑剤が移行し、 移行することを防ぐため、糊残りなし
糊残りが発生





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