第11回 SPring-8 産業利用報告会で優秀発表賞を受賞

News Release
2015 年 5 月 18 日


第 11 回 SPring-8 産業利用報告会で優秀発表賞を受賞
~加齢に伴う毛髪内の変化を SPring-8 にて確認~


株式会社ミルボン(代表取締役社長・佐藤龍二)中央研究所は、2014 年 9 月 4 日~5 日に開催されました第 11
回 SPring-8 産業利用報告会*1 において、加齢に伴う毛髪内構造の変化に関する研究について口頭発表した結果、
「優秀発表賞」を受賞しました。
加齢に伴う毛髪の外見的な変化の報告はすでに数多くありますが、その内部の変化についての研究はあまり
進んでおらず、この点を詳細に明らかにしたことが評価されました。報告会では 96 題の口頭発表及びポスタ
ー発表があり、当社を含む 3 つの発表が受賞しています。
参考 URL: http://support.spring8.or.jp/event/sangyo11_award.html

【発表に関して】
発表タイトル: "加齢に伴う毛髪内密度の変化と X 線 CT による観察"
1)
発表者 : 伊藤 廉、1)鈴田 和之、2)片桐 大輔 、2)高野 秀和
1) 株式会社ミルボン 中央研究所 基礎研究チーム

2) 兵庫県立大学産学連携・研究推進機構 放射光ナノテクセンター


【研究の背景と目的】
加齢に伴う毛髪の変化によって、美しいヘアデザインを保つことが困難になった人が多くいますが、このよ
うな毛髪の変化については未だに分かっていないことが多くあります。ミルボンでは、毛髪のエイジングを一
つ一つ紐解くための基礎的な研究に取り組んでいます。


【研究の成果】
今回ミルボンが新たに開発した毛髪内密度測定装置を用いて、各年代の日本人女性毛髪の測定を行った結果、
加齢と共に毛髪内の密度が低下していることがわかりました。更に大型放射光施設 SPring-8*2 内 兵庫県ビー
ムライン BL24XU*3 の X 線 CT*4 技術を用いて、毛髪内部の詳細な情報を明らかにした結果、加齢と共に毛髪内の
空隙が増加することを初めて観測しました(下記 QR コードもしくは URL 参考)
。ミルボンでは、このような現
象のことを加齢に伴う“毛粗しょう症®”と呼んでいます。
〈参考 毛髪内部の X 線 CT 画像〉
[20 代の毛髪内部] [50 代の毛髪内部]




※黄色部は毛髪内部の

空隙部分



【今後の取組み】
今後も消費者に有用な情報の還元と商品開発力の向上を目的に実験に取り組んでまいります。


-1-
《用語解説》
*1 第11回SPring-8産業利用報告会
主催4団体(産業用専用ビームライン建設利用共同体、兵庫県、㈱豊田中央研究所、(公財)高輝度光科学研究
センター) が各ビームラインの利用成果を報告しています。報告会の更なるレベル向上のため、毎回、優れ
た報告を行った発表者を優秀発表者として顕彰しています。




*2 大型放射光施設SPring-8
播磨科学公園都市(兵庫県)にある世界最高の放射光を生み出す理化学研究所の施設(同クラスのものはア
メリカとヨーロッパ、世界で3台しかない)。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)
に由来。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する
強力な電磁波のこと。SPring-8では、この放射光を用いてナノテクノロジー・バイオテクノロジー・産業利用
まで幅広い研究が行われています。




*3 兵庫県ビームライン BL24XU
大型放射光施設 SPring-8 の産業利用を促進するため、兵庫県が 2 本の県専用ビームライン(BL24XU、
BL08B2)を整備しています。




*4 X 線 CT
X 線 CT とは、X-ray Computed Tomography の略語です。X 線を使って測定する対象物を壊すことなく内
部の構造を見ることができる手法です。




■リリースに関するお問い合わせ先
広報室 大阪市都島区善源寺町 2-3-35
TEL 06-6928-2331 FAX 06-6925-2301
株式会社ミルボン/本社:大阪市都島区、社長:佐藤龍二、証券コード:4919(東証1部)



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