声帯瘢痕に対するHGF(肝細胞増殖因子)の第III相臨床試験 治験計画届提出について

2022 年 10 月 24 日
各 位
会 社 名 ク リ ン グ ル フ ァ ー マ 株 式 会 社
大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番 15 号
住 所
彩都バイオインキュベータ 207
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 安 達 喜 一
(コード番号:4884 東証グロース)
問い合わせ先 取締役 経営管理部長 村 上 浩 一
TEL.072 -641 -8739


声帯瘢痕に対する HGF(肝細胞増殖因子)の第Ⅲ相臨床試験
:治験計画届提出について

当社は、声帯瘢痕患者を対象に組換えヒト HGF タンパク質製剤(KP-100LI)を投与する第Ⅲ相臨床試験
を開始するにあたり、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ治験計画届を提出し受理されまし
たことをお知らせいたします。

HGF は組織・臓器の再生修復を担う生体内タンパク質で、様々な疾患の動物モデルにおいて治療効果
が報告されています。HGF の多彩な生理活性の一つに抗線維化作用があり、様々な難治性線維性疾患の
治療薬となることが期待されています。
当社は、線維性疾患の一つである声帯瘢痕に着目し HGF の開発を進めてまいりました。すでに第Ⅰ/Ⅱ
相臨床試験(医師主導治験)が終了しており、安全性及び有効性が確認されています(Hirano et al. J
Tissue Eng Regen Med. 2018)
。今回開始する第Ⅲ相臨床試験「声帯瘢痕患に対する KP-100LI の声帯内
投与に関する多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験」は、安全性及び有
効性を検証することを目的とし、京都府立医科大学附属病院を始めとする国内5施設において実施する
予定です。
なお、本試験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による医療研究開発革新基盤創成
事業(CiCLE、研究開発課題:組換え HGF タンパク質を用いた難治性線維症治療薬の開発)の支援を受
け実施いたします。



HGF(Hepatocyte Growth Factor, 肝細胞増殖因子)について
HGF は、成熟肝細胞の増殖を促進する生体内タンパク質として日本で発見されました。その後の研究か
ら、HGF は細胞増殖に加えて細胞運動促進、細胞死抑制、形態形成誘導、抗線維化、血管新生など多彩な
生理活性を有し、肝臓のみならず、神経系、肺、腎臓、心臓、皮膚など様々な組織・臓器の再生と保護を
担うことが明らかになりました。

声帯瘢痕について
声帯瘢痕は、声帯の炎症 外傷等に起因して声帯粘膜内に線維成分が蓄積することで声帯粘膜が硬化し、

声帯の機能が障害される結果、重度の発声障害をきたす線維性疾患です。発声障害により、日常のコミュ
ニケーションすら困難となり、QOL(Quality of Life)の著しい低下を招きます。患者の苦悩は非常に大
きいものの、現時点では有効な治療法は確立されていません。日本における声帯瘢痕の患者数はおよそ
1万人と推定されています 1)。
1) 平成 21 年厚生労働省科学研究費補助金(難治性疾患克服事業)「声帯溝症の診断治療の確立と、標準
化に向けたガイドラインの作成に関する研究」 (研究代表者:角田晃一、16,17)

CiCLE(Cyclic Innovation for Clinical Empowerment)について
「医療分野のオープンイノベーション基盤の形成・強化」や、産学連携で実施する医薬品、医療機器、再
生医療等製品、医療技術などの「医療分野の研究開発」を対象とする AMED 支援事業の一つです。
令和3年度 「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)(第6回)の採択課題について 」
https://www.amed.go.jp/koubo/17/01/1701C_00001.html

クリングルファーマ株式会社について https://www.kringle-pharma.com/
「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、 難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供し、 社会
に貢献すること」を企業理念として、HGF タンパク質製剤の医薬品開発を中心に事業を進めています。現
在、神経難病の象徴的疾患である脊髄損傷急性期と ALS(筋萎縮性側索硬化症) 、及び声帯瘢痕を対象に
レイトステージの臨床開発を推進しています。当社は、HGF タンパク質性医薬品の社会実装を通じて新た
な価値を創造し、人々の健康と幸せに貢献してまいります。

以 上

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