MN-166の進行型多発性硬化症(SPRINT-MS)フェーズ2b臨床治験結果のNew England Journal of Medicineへの論文掲載のお知らせ

2018 年 8 月 30 日




各位
MediciNova, Inc.
代表取締役社長兼 CEO
岩城 裕一
コード番号: 4875 東証JASDAQ
問合わせ先: 東京事務所代表 副社長
岡島 正恒
電話番号: 03-3519-5010
E-mail: infojapan@medicinova.com

MN-166の進行型多発性硬化症(SPRINT-MS)フェーズ2b臨床治験結果の

New England Journal of Medicine への論文掲載のお知らせ

2018年8月29日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova,Inc.)(米国カリフォルニア州
ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼CEO:岩城裕一)は、MN-166(イブジラスト)の進行型多発性
硬化症を適応とするフェーズ2b臨床治験(SPRINT-MS)の結果に関する論文が、総合医学雑
誌 ”New England Journal of Medicine”に掲載されましたのでお知らせします。本治験のメディ
シノバの責任者でCMO(最高医学責任者)の松田和子が共著者になっております。

今回の論文掲載を受け、本臨床治験主任治験医師であるクリーブランドクリニック神経学研究所
の副所長のロバート・J ・フォックス博士は次のようにコメントしています。「脳萎縮の進行を
遅らせるというイブジラストの効果が、 将来のフェーズ3臨床治験で、身体症状の進行の軽減につ
ながると考えられるので、得られた結果は、進行型多発性硬化症の患者にとって重要であります。」

代表取締役社長兼CEO岩城裕一は次のようにコメントしています。 「この重要な臨床治験の結果
がNew England Journal of Medicine に掲載されたことを大変喜ばしく思います。 米国立衛生
研究所(NIH)、治験責任医師、および米国多発性硬化症協会に感謝の意を表します。フェーズ3に
進むための次のステップとして、米国食品医薬品局(FDA)との第2フェーズ終了後会議の準備
をしているところです。患者さんにとって便利な経口薬であること、他の進行型多発性硬化症の
治療薬と比較して安全性および認容性が非常に好ましいこと、さらに他の薬物よりも進行型多発
性硬化症に対する高い有効性が考えられることから、イブジラストは進行型多発性硬化症に対し
て最適な治療薬になる可能性が高いと考えられます。 」


New England Journal of Medicine(NEJM)について
200年以上にわたる歴史を有し,世界でもっとも権威ある週刊総合医学雑誌の一つです。医学界
のトップジャーナルとして、また情報提供の優れた媒体として、国内外の医師・研究者から高い
評価を受けています。掲載されるオリジナル論文の40%以上がアメリカ国外から寄せられ、投稿
原稿の年間総数は約3,600件にのぼり、そのうち掲載が認められるものは6%程度にすぎません。
採用された論文は未発表のものに限られ、患者ケアの基礎的教義から最新の治療、手術手技を含
む医学の最も重要なテーマまで、ホットで信頼できる情報を提供しています。世界全体の総発行
部数は、医学雑誌では最大の25万部以上で、しかもすべてが有料購読者に提供されています。
掲載論文の引用回数は他の追随を許しません。 Journal Citation Reportsが公開するインパクトフ
ァクターにおいて、NEJMは79.258と世界医学雑誌ランキング総合医学部門で第一位にランクさ
れています。



本臨床治験について
本臨床治験(SPRINT-MS : The Phase 2b Secondary and Primary Progressive Ibudilast
NeuroNEXT trial in Multiple Sclerosis)は、米国全土28カ所の臨床施設において、一次進行型
または二次進行型多発性硬化症患者を対象として一日2回MN-166(イブジラスト)またはプラセ
ボを投与し、MN-166の安全性、認容性及び有効性をプラセボと比較し評価したものです。適格
と認められた255名の被験者は、一日最大100mg(50mg×2)のMN-166またはプラセボの投与を
受ける群に無作為に(1:1に)振り分けられました。進行型多発性硬化症患者には、長期にわた
りインターフェロンβやガラティラメルアセテート(GA)などの再発予防の治療を受けている
方々もいれば、そのような治療を受けていない方々もいます。したがって、治験グループ間の無
作為化は、併用治療方法(インターフェロン治療あり/GA治療あり/他の治療なし) 、対象疾患の病
態(一次進行型/二次進行型)という2つの要素に関して行われました。本臨床治験の主たる目的
は、 1) 治療開始から96週後における脳実質率を用いたMRI定量分析による全脳萎縮についての
MN-166の活動性をプラセボに比較して評価すること、2) 一次進行型または二次進行型多発性硬
化症患者におけるMN-166(最大100mg/日)の安全性・認容性をプラセボと比較して評価するこ
とです。副次的な測定項目には、身体障害、脳や網膜組織の画像分析、皮膚の萎縮、認識障害、
QOL及び神経性疼痛などがあります。探索的な目的としては薬物動態及びバイオマーカーの解析
が挙げられます。

共同プロジェクトについて
本件の共同プロジェクトは、NeuroNEXTネットワーク、クリーブランド・クリニック、米国多
発性硬化症協会及びメディシノバの参加で行われました。米国立衛生研究所(NIH)の支部である
国立神経疾患脳卒中研究所(NINDS)傘下の臨床治験NeuroNEXTネットワークは、学術会、民
間財団及び医薬業界と提携して神経疾患治療を目的とする研究を行うために設立されました。
Neuro NEXTネットワークの治験参加施設には、米国内の有数の医療施設が含まれています。
NeuroNEXTネットワークの目指すゴールには、フェーズ2臨床治験において有望な神経療法をテ
ストすること、臨床治験に関して実績があるインフラを用いることで、神経疾患領域での医薬品
の開発における時間/コストの最適化を図ること、及び、NINDSの持つ学術研究者または患者支
援団体とのコネクションを活用して、官民の開発努力の調整を図ることなどが含まれています。
本ネットワークにおける臨床治験コーディネートセンターはマサチューセッツ総合病院、データ
管理センターはアイオワ大学が担当します。 クリーブランド クリニックのフォックス博士らは、

NeuroNEXTネットワークに参加する大学病院の医師・研究者らと共同で研究を行います。 また、
米国多発性硬化症協会は、本臨床治験の公示、患者への治験参加呼びかけなどの協力をします。
当社は、MN-166についてFDAの神経医薬品部門からの治験許可(IND)を保持している他、
MN-166に関する科学データ、分析面のサポート及び医薬品とプラセボの供給を行っています。

進行型多発性硬化症について
米国多発性硬化症協会の統計によると、全世界に約230万人の多発性硬化症患者がいます。その
うち約85%の患者は最初の診断で再発寛解型と診断されます。しかしそのうちほとんどの患者が、
時間の経過とともに、寛解期が無いかまたは非常にまれで、健康状態が徐々に悪化する二次進行
型多発性硬化症へ進行します。さらに、約15%の患者は発病時に一次進行型と診断され、再発や
寛解を経ることなく、歩行、視覚、知力など身体機能の障害症状が進行し続けます。これらの障
害の進行については、二次進行型も同様です。多発性硬化症の現行の治療法は炎症反応に対処す
るものですが、神経変性または脳組織の修復に対する効果は限られています。以上のように神経
保護作用を持つ薬剤に切実なニーズが存在することは明らかです。

MN-166(イブジラスト)とは
イブジラストは、日本と韓国で、喘息及び脳梗塞発作後の症状の治療薬として1989年から使用さ
れています。当社は、進行型多発性硬化症及びALS、薬物依存をはじめとする神経症状を適応と
してMN-166の開発を行っています。 MN-166はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小
分子化合物で、ホスホジエステラーゼ-4及び-10の阻害剤、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤で、炎症促進作用のあるサイトカインを阻害する働きを有しており、また、神経栄養因子を


活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和す
ることがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用
を有することが確認されており、 これらの作用がMN-166の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、
ALSなど) 各種依存症、
、 慢性神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。
当社は、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許
のポートフォリオを有しております。

以上


メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、日本内外の国際的製薬企業との提携により有望な低分子化合物
を導入し、様々な疾患領域の新規医薬品の開発を主として米国で行う公開製薬企業です。 現在当社は、
進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)をはじめとす
る多様な神経系疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を
適応とする MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中することを戦略としております。ほかに喘
息の急性発作適応の MN-221(ベドラドリン)及び固形がんを適応とする MN-029(デニブリン)も
当社のパイプラインの一部です。MN-166 についてはさまざまな適応で開発途中ですが、そのほとん
どが、治験責任医師または公的、私的機関からの資金援助により行われています。当社はさらに、戦
略的提携または共同機関の資金提供を受けるべく交渉を続けております。

当社詳細につきましては http://www.medicinova.jp をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ
合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話
1-858-373-1500)です。



このプレスリリースには、 1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform
Act of 1995)に規定される意味での 「将来の見通しに関する記述」 が含まれている可能性があります。
これらの記述には、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に
関する記述などが含まれます。これらの「将来の見通しに関する記述」に
は、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数のリスクまたは不確定
要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を開発する
ための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な資金を調達
する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発及び商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、
現段階の臨床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の
承認取得の遅延または失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候
補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の
臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床
治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の妥当性または実施に関連する重大な問題、
規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイムリーな資金調達の可否などに
当社が米国証券取引委員会に提出した 2017 年 12 月期の Form10K
起因する遅延及び費用増大に加え、
及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されないその他の
リスクや不確定要素があります。したがって、 「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社
の状況を述べているにとどまり、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能
性があることにご留意下さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務
はありません。





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