株式会社スカラ、ミャンマーに拠点を持つHealthTech 企業・MyanCareに対する遠隔医療サービス普及に向けた出資のお知らせ

2020 年6月3日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ス カ ラ
代 表 者 名 代 表 取 締 役 兼 社 長 執 行 役 員
梛 野 憲 克
(東証一部・コード 4845)
問 合 せ 先 取 締 役 兼 常 務 執 行 役 員
木下 朝太郎
(TEL 03-6418-3960)


株式会社スカラ、ミャンマーに拠点を持つ HealthTech 企業・MyanCare に対する
遠隔医療サービス普及に向けた出資のお知らせ


∼AI/IoT によるヘルスケア・デジタルトランスフォーメーション推進∼




創業以来、IT・新規事業・ファイナンスで成長してきた株式会社スカラ(本社:東京都渋谷
区、代表者:梛野憲克、以下、「当社」)は、更なる成長を目指し、「クライアントと共に社
会問題をビジネスで解決する、価値共創企業」への展開計画を、2019 年 8月14日開示の中期
経営計画「中期経営計画 COMMIT5000」で発表いたしました。当社が培ってきた3つの能力
(「①真の課題を探り出す能力」「②リソースの埋もれた価値を炙り出す能力」「③課題とリ
ソースの最適な組み合わせを提案・実行し価値を最大化する能力」)をもとに、国内の民間企




業だけでなく、国内外の民間・政府・自治体へサービス提供を行う計画です。特に、AI/IoT を
用いたデジタルトランスフォーメーションを推進し、事業成長を加速していきます。
上記3つの能力に対応するセグメントを、「①価値創造経営支援事業」「②IT/AI/IoT 関連事
業」「③社会問題解決型事業」と整理しており、本件は「③社会問題解決型事業」の海外展開に
おける第一号出資案件です(出資先企業:MyanCare Co., Ltd. 代表者:Zaw Min Tun、本社:
ミャンマー連邦共和国・ヤンゴン、以下「MyanCare」)。「AI/IoT によるヘルスケア・デジタ
ルトランスフォーメーション推進」の役割を果たします。




1.出資の背景、理由
ミャンマーはアジア最後のフロンティアとして近年目覚ましい経済発展を続けている一方、
新興国として多くの課題を抱えており、代表的には医療や保険などのヘルスケア領域に関する
課題があります。
医療課題に関して言えば、WHO の医師人数の調査(2015 年時点)によると、国民 1 万人
に対しての医師人数は6人であり、日本の 23 人、マレーシアやベトナムの 12 人に対して極
めて少ない状況です。また農村地域に至っては 1 万人に対して 2 人と言われています。このデ
ータはミャンマーの人々に必要な医療が十分に行き届いていない事を示唆しています。また、
乳児死亡率の高さも大きな社会課題となっています。WHO の調査(2015 年時点)によると
乳児 1,000 人に対する死亡率は日本が 1.9 人に対して、ミャンマーは 41.1 人と極めて高い状
況です。これらの結果として、先進国と比較して平均寿命 66 歳という低い数値に繋がってい
ると言われています。
このような医療課題を解決すべく、同国の病院グループと IT 起業家 Zaw Min Tun 氏は共同
で MyanCare を設立しました。小児科に特化した医師常勤のコールセンターを核とした遠隔
診療サービス、またスマートフォンアプリ内でテキストチャット、ビデオチャット、電話等を
通じて診療を受けることができるアプリをミャンマー国の隅々のみならず、海外にいるミャン
マー人に対してもサービス提供しています。医師の少ない農村地帯、山岳地帯にもユーザーを


抱え、現在では同国最大クラスの小児科グループに成長しています(現在、1 万世帯以上のユ
ーザーを抱え、毎月伸ばしている)。現在全世界でパンデミックを引き起こしている新型コロ
ナウイルスを受け、同社の社会的必要性は益々増しており、人員、システムの更なる投資を進
めています。
保険課題に関して言えば、ミャンマーでは保険制度が十分に普及しておらず、実態として極
めて多くのケースで自由診療として費用負担が生じており、高い医療費は国民が病院を敬遠す
る要因になっているとも言われています。MyanCare はこれら保険課題にも取り組み、直近で
はプルデンシャル生命と提携し、保険サービス商品に関して共同で販売とマーケティング活動
を開始しました。
(https://www.prudential.com.mm/en/company/our-
news/2019/prudential-partner-with-myancare-to-provide-free-
healthcare-services-to-5000-families-in-myanmar/)
他方、当社の国内主要クライアントは保険会社であり、IoT/ビッグデータ処理及び分析を通
じて従来から広範にサービス提供して参りました。当社はクライアント保険会社のミャンマー
事業推進(ミャンマーでは 2019 年に保険業に対する外資規制が緩和され、営業活動が解禁さ
れました)に対して貢献すべく検討を重ねております。当社は、MyanCare ユーザのパーソナ
ル・ヘルスケア・レコード(PHR)を医療、保険も含めたヘルスケア産業全般へビッグデータ
処理や分析力を通じて展開していきたいと強く思い、本出資を決定致しました。
当社は、MyanCare と共にミャンマーの医療課題、保険課題の解決、改善に寄与して参りま
す。


2. 出資先企業概要
社名 MyanCare Co., Ltd.
代表者 Zaw Min Tun
本社 No60, G-1, New Parami Road, Yangon
事業内容 遠隔医療サービス
- コールセンター
- モバイルアプリケーション


資本金 563 Million MMK(ミャンマーチャット)
(約 43 百万円 ※1MMK 0.077 円)
従業員数 30 名
URL https://www.myancare.org/




3.「中期経営計画 COMMIT5000」における本件の意義
当社は、「中期経営計画 COMMIT5000」において、冒頭に述べたように3つの能力を国内
の民間企業だけでなく、国内外の民間・政府・自治体へサービス提供を行い、今後 10 年で数
百兆円の市場となる①AI/IoT によるソリューション、②SDGs などの社会問題を解決する二つ


の分野にフォーカスし、長期的には、売上収益、営業利益として、それぞれ 2025 年 6 月期に
1,000 億円、100 億円、2030 年 6 月期において、5,000 億円、500 億円の達成を目指して
おります。
本件は、高成長が著しい新興国において、①と②の分野に関連し「中期経営計画
COMMIT5000」の達成に貢献する大きなアップサイドポテンシャルのある取り組みであると
考えます。具体的には、今後特に大きな成長がグローバルに期待される「AI/IoT によるヘルス
ケア・デジタルトランスフォーメーション」の本格的なグローバル事業展開のための基盤とな
ると考えております。
本件を基盤とした「AI/IoT によるヘルスケア・デジタルトランスフォーメーション」の具体
的な株主価値のアップサイドおよびミャンマー国民の幸福への貢献可能性について、将来的な
視点を含めて整理したのが以下の図です。


▉ AI/IoT によるヘルスケア・デジタルトランスフォーメーションの価値創造と幸福へ
の貢献の可能性





※GCC ManagementTM 1というフレームワークを用いています。


当社の株主価値向上に対して潜在的に大きな影響を与える可能性の追求とともに、ミャンマ
ー国民の幸福に対して幅広い視点での貢献の実現を長期的に目指します。
より具体的に AI/IoTの活用について事業展開を示したのが以下の図です。なお、以下はあ
くまで一般論であり、本件に関する具体的な内容は今後事業連携の進展において明らかになっ
ていく予定です。
なお、ヘルスケアや健康状態に関する情報は機微情報であるため、先進国ではデータ連携活
用が困難なケースが多いですが、スマートフォンを使ったコミュニケーションが進んでいるミ
ャンマーにおいては、アプリでユーザの健康管理を促し、有用な情報を提供することにより、
健康維持のために積極的に個人情報をインプットする環境を提供し、より幅広いデータを収集
する体制を将来的に展開することにより、質の高い分析が可能になると考えます。


▉ AI/IoT によるヘルスケア・デジタルトランスフォーメーションの取り組み例




※データマネジメントの重要概念、「Wisdom(知恵)、Knowledge(知識)、Information
(情報)、Data(データ)」という、いわゆる「DIKW2」というフレームワークを用いていま
す。
以上



当社完全子会社ジェイ・フェニックス・リサーチ株式会社が開発した企業価値創造の支援フレームワーク。

データマネジメントの重要概念、「Wisdom(知恵)、Knowledge(知識)、Information(情報)、Data(データ)」
という、いわゆる「DIKW」の視点で整理します。Wisdom(知恵)とは、理論的に意思決定のルールづくりがなされてい
る状態、Knowledge(知識)とはデータの特徴について体系化されている状態、Information(情報)とはデータの特徴
が分類・整理さている状態、Data(データ)とは、必要なデータがコンピューターにインプット可能な状態について、
データマネジメントを体系化する考え方です。

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