「エミクススタト塩酸塩」の前臨床データに関する論文が「Investigative Ophthalmology & Visual Science (IOVS)」誌に掲載されました

2019 年 12 月 2 日

各 位
会社名 窪田製薬ホールディングス株式会社
代表者名 代表執行役会長、社長兼最高経営責任者
窪田 良
コード番号 4596 東証マザーズ
問合せ先 取締役執行役最高財務責任者
前川 裕貴
(TEL:03-6550-8928(代表)



「エミクススタト塩酸塩」の前臨床データに関する論文が「Investigative Ophthalmology &
Visual Science (IOVS)」誌に掲載されました


窪田製薬ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、以下「当社」 )は、当社の 100%子
会社アキュセラ・インク(本社:米国ワシントン州、以下「アキュセラ」 )が開発している治療薬
候補である「エミクススタト塩酸塩」 (以下、「エミクススタト」)の非臨床データに関する論文が、
米国の視覚と眼科学研究協会(ARVO)が発行する学術雑誌「Investigative Ophthalmology & Visual
Science (IOVS)」に掲載されたことをお知らせいたします。






掲載誌 : Investigative Ophthalmology & Visual Science (IOVS)
題名 : “Emixustat reduces metabolic demand of dark activity in the retina”
「エミクススタトが低照度環境における網膜内の過剰なエネルギー消費を抑制する
薬理作用があることを立証(訳) 」
本文 : https://iovs.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2756154


本研究の内容と意義
本稿では、マウスモデルを用いたエミクススタトの網膜内のエネルギー消費に関するエビデンス
を紹介し、エミクススタトが低照度環境下で網膜内の代謝を抑制することが可能であることを立証
した内容が掲載されています。網膜は明るい場所よりも暗い場所のほうが視覚サイクルによる代謝
が高く、より多くのエネルギーと酸素を消費することが知られています。非臨床試験において、エ
ミクススタトが視覚サイクルを調節し、低照度環境下の代謝を抑制することにより、総合的に網膜
の代謝が軽減され、さらに網膜の酸素需要も減らせることが実証されました。本研究結果から、エ
ミクススタトにより、網膜の酸素不足が大きな要因として発症すると考えられている糖尿病網膜症
のような虚血性網膜疾患への効果が期待できることが述べられています。

当社の代表執行役会長、社長兼最高経営責任者で眼科医でもある窪田良博士は次のように述べて
います。「この研究成果は、エミクススタトが糖尿病網膜症のような虚血を伴う網膜疾患に対して
治療効果が期待できることを強く示唆しており、こうした当社の非臨床データが本誌に掲載された
ことを、大変喜ばしく思います。未だ有効な治療法が確立されていない疾患に対してのニーズに応
えるべく、今後、より積極的にパートナー企業を模索しつつ、臨床開発に邁進して参ります。



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エミクススタトは経口投与可能なスターガルト病の新規治療薬候補として、2018 年 11 月に多施
設共同無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験である臨床第3相試験を開始しました。本試験にお
ける主要評価項目は、プラセボに対するエミクススタトのスターガルト病患者における黄斑部の萎
縮の進行を抑制する効果の検証で、副次的評価項目には最良矯正視力のスコアや読速度などの視機
能の変化が含まれます。
(本臨床試験内容は、米国臨床試験登録・公開サイト Clinicaltrials.gov に掲載されています。ID
番号 NCT03772665)

エミクススタトについて
眼球の奥にある網膜には、脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚
サイクル」と呼ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは、明るい光や強い光にさらされると
有害代謝産物を生成します。これが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの
働きに支障をきたすだけではなく、網膜自体が損傷され、視力低下あるいは失明にいたると考えら
れています。

網膜には、こうした有害代謝産物の前駆物質を分解する際に活躍する ABCA4 という遺伝子があり
ます。スターガルト病はこの ABCA4 遺伝子の異常により、網膜にビタミン A 由来の有害代謝産物が
過剰に蓄積されることで網膜内の細胞が損傷を受け、最終的には視機能障害をきたすと考えられて
います。

エミクススタトは、視覚サイクルに不可欠な酵素である RPE65 を抑制することで、視覚サイクル
を調節し、ビタミン A の代謝率を低下させます。これにより、スターガルト病の発症に関与すると
考えられているビタミン A 由来の有害代謝産物の産生が低下するため、網膜の機能維持に有用であ
ると理論づけられています。

以上


窪田製薬ホールディングス株式会社について
当社は、世界中で眼疾患に悩む皆さまの視力維持と回復に貢献することを目的に、イノベーショ
ンをさまざまな医薬品・医療機器の開発及び実用化に繋げる眼科医療ソリューション・カンパニー
です。当社100%子会社のアキュセラ・インク(米国)が研究開発の拠点となり、革新的な治療薬・医
療技術の探索及び開発に取り組んでいます。当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づ
く「エミクススタト塩酸塩」においては、糖尿病網膜症およびスターガルト病への適応を目指し、
開発を進めております。また、網膜色素変性における視機能再生を目指す遺伝子療法の開発や、在
宅・遠隔医療分野(モバイルヘルス)における、クラウドを使った医療モニタリングデバイス
(PBOS)の研究開発なども手掛けております。
(ホームページアドレス:http://www.kubotaholdings.co.jp)

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