細胞培養向け成長因子を代替するペプチドの実用化を目指して(プレスリリース)

各 位

2020 年 3 月 12 日
ぺプチドリーム株式会社
三菱商事株式会社


細胞培養向け成長因子を代替するペプチドの実用化を目指して

三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)とペプチドリーム株式会社(以下、「ぺプチドリーム」)
は、細胞治療・再生医療等製品の製造等に使用される、細胞培養向け培地*1の重要成分である、成長
因子を代替するペプチド *2(以下、「代替ペプチド」)の開発・製造・販売を行う合弁会社を設立
することで合意致しました。


合弁会社であるぺプチグロース株式会社(以下、「ぺプチグロース」)の出資比率は、三菱商事
60.5%、ペプチドリーム39.5%となり、両社が持つノウハウを利活用し、医薬品産業における、
細胞治療・再生医療等の発展に向け、取り組んで参ります。


成長因子は、ヒトを含む動物の体内に広く存在し、細胞の成長・増殖や、またiPS細胞・ES細胞等
の幹細胞を神経細胞や血液細胞等へと分化誘導させる際に重要な役割を担うタンパク質です。現在は、
動物血清からの抽出物、あるいは遺伝子組み換え技術によって製造されたものが主に使用されていま
すが、不純物混入による安全性上のリスク、製造ロット間の品質のばらつき、高額な製造コスト等が、
医薬品産業が直面する課題となっております。


ぺプチグロースは、ペプチドリームが有する独自の創薬開発プラットフォームシステム: PDPS
(Peptide Discovery Platform System)を用いて、成長因子と同等の機能を有する代替ペプチドを
見つけ出し、動物血清・遺伝子組み換え技術を用いない、化学合成による新規製造手法を開発します。
また、商業ベースでの製造工程・体制を確立することで、品質面においては高純度で製造ロット間の
ばらつきも無くし、またコスト面の合理化も実現します。現時点で数十種類を超える成長因子が知ら
れており、完全ゼノフリー培地 *3の実現を可能とする為には複数の成長因子を化学合成品によって
代替していく必要があります。複数品目の成長因子について化学合成品(代替ペプチド)を包括的に
開発する今回の取り組みは、史上初であり、細胞治療・再生医療の普及拡大に必要不可欠なものと考
えております。
三菱商事は、ぺプチグロースに社長含む経営幹部の人材を数名派遣し、同社の経営全般に携わる他、
三菱商事グループが有する幅広いネットワーク・顧客基盤を活用することで、グローバル市場におけ
る代替ペプチドの販売及び市場拡大を図り、医薬品産業が抱える課題解決や細胞治療・再生医療の
普及促進に貢献して参ります。


*1
細胞を体外で培養するために必要な栄養素を含む液状や固体の物質。成長因子、アミノ酸、糖類、無機物など

から構成される。
*2
アミノ酸が2~50個程度繋がった物質の総称。
*3
細胞の最適な増殖や分化誘導に用いられる、異種(ヒト以外の動物)由来成分を含まない培地。



【三菱商事 概要】
社名 :三菱商事株式会社
創立年月 :1954年7 月
本社 :東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
代表者 :垣内威彦
資本金 :204,446 百万円
主な事業内容 :天然ガス、総合素材、石油・化学、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリ
ティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10 グ
ループ体制で幅広い産業を事業領域とし、世界約90 の国・地域に広がる拠点と約
1,400 の連結事業会社と協働し事業を展開


【ペプチドリーム 概要】
社名 :ペプチドリーム株式会社
設立年月 :2006 年7 月
本社 :神奈川県川崎市川崎区殿町三丁目25番23号
代表者 :リード・パトリック
資本金 :3,930百万円
主な事業内容 :東京大学発のバイオベンチャーであり、自社開発したプラットフォームシステム
「PDPS (Peptide Discovery Platform System)」を用いて、国内外製薬企業との
パートナーシップおよび自社創製プログラムを含めて、数多くの創薬研究開発プログ
ラムを展開


【ぺプチグロース 概要】
社名 :ペプチグロース株式会社
設立年月 :2020 年4 月
出資比率 :三菱商事60.5%、ペプチドリーム39.5%
【本リリースに関するお問い合わせ先】
ペプチドリーム株式会社 IR 広報部
TEL:044-223-6612


三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2171

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