「LPL/HTGL活性測定キット」販売開始のお知らせ

平成 29 年 7 月 19 日


各 位
会 社 名 株 式 会 社 免 疫 生 物 研 究 所
(コード番号:4570)
本店所在地 群馬県藤岡市中字東田 1091 番地1
代 表 者 代表取締役社長 清 藤 勉
問 合 せ 先 取締役事業統括推進本部長 中 川 正 人
電 話 番 号 0274-22-2889(代表)
U R L http://www.ibl-japan.co.jp


「LPL/HTGL活性測定キット」販売開始のお知らせ

当社は、脂質分解酵素であるリパーゼの内、LPL*とHTGL*の活性を自動分析機で測定
可能なキットとして、平成29年7月20日より「LPL /HTGL Activity Assay Kit- IBL」
(以下、「本活性測定キット」)の販売を開始いたしますので、お知らせいたします。


本活性測定キットは、 動脈硬化などの危険因子である、脂質異常症、高TG血症など
の内、リパーゼ欠損または原因が不明な症例などの研究に役立つことと考えており、酵
素に特異的な基質と最適な反応条件を組み合わせることで、高感度で安定的に、かつ、
世界で初めて、自動分析機での測定を実現しました。


【本活性測定キットの特徴】
非常に簡便に、血中の酵素活性測定が可能になり、これまでの抗体を用いた酵素量
を測定するキットと併せて用いることで、各リパーゼの存在量と質(活性)を同時に
測定することができるようになります。
なお、本活性測定キットは、現在、米国の検査会社でも興味を持って評価を進めて
おり、脂質異常症、肥満症などがより深刻と考えられる海外での販売に強く期待して
おります。また、自由診療領域での活用も目指してまいります。


(製品概要)
品番 製品名 価格 摘要
#27185 LPL/HTGL Activity Assay Kit–IBL ¥250,000 50テスト分
#27264 LPL/HTGL Activity Control Plus Kit-IBL ¥250,000 50テスト分


当社では、これまでに脂質代謝関連項目において、大阪大学、群馬大学、神戸大学な
どとの共同開発を進めており、その中で、LPL(Lipoprotein lipase)、HTGL(hepatic
triglyceride lipase)、EL*(Endothelial lipase)などの脂肪分解酵素の測定キット
を各種開発、製品化してまいりました。また、LPLと血管内部で結合して脂質異常症に
関連する血管内皮細胞アンカータンパク質、GPIHBP1*(glycosylphosphatidylinositol-
anchored high-density lipoprotein binding protein 1)につきましても測定キット
を販売開始いたしました。
当社は、本活性測定キット及びこれまでに販売が開始されている測定キットと当社グ
ループの検査事業における、LipoSEARCH測定サービス及びコレステロールの吸収/合成


マーカー測定サービスとの相乗効果を上げることにより、この領域における当社グルー
プの製品ラインアップを充実させ、リーディングカンパニーとしての存在意義を確立し、
販売促進に努めてまいります。


その結果、これらの研究用試薬、国内外自由診療向け測定サービスなどの製品群との
相乗効果により、本活性測定キットの販売目標額は、初年度10,000千円、次年度以降
30,000千円から100,000千円を目指しております。なお、上記販売目標額は、平成30年3
月期業績予想及び中期経営計画の数値には、含まれておりません。


[用語の解説]
*:LPL(Lipoprotein Lipase) は、血中のカイロミクロン(CM)、超低比重リポタンパク質
(VLDL)などのトリグリセライド(TG)リッチリポタンパク質の代謝に関与する酵素です。分
泌されたLPLは、主に毛細血管内皮細胞表面でヘパラン硫酸に結合した状態で働くと考えら
れており、CMやVLDL中のTGをグリセロールと脂肪酸に加水分解します。このことから、LPL
の欠損症や活性低下は高TG血症の成因の一つと考えられています。


*:HTGL(hepatic triacylglycerol lipase / hepatic triglyceride lipase)は肝性リパー
ゼ (HL) とも呼ばれる分泌型の糖タンパク質です。HTGLはトリグリセリド(TG) や、カイロ
ミクロンレムナント、中間比重リポタンパク質 (IDL)、高比重リポタンパク質 (HDL) 中の
リン脂質を加水分解する脂質分解酵素として、リポタンパク質の代謝において重要な役割
を果たしています。HTGLは肝細胞によって合成され、肝臓の洞様毛細血管表面のヘパラン硫
酸プロテオグリカンに結合しています。


*:EL(Endothelial Lipase) は、高比重リポ蛋白(High Density Lipoprotein, HDL)粒子内
のリン脂質に基質特異性が高いホスホリパーゼ A1 分子であり、HDL リン脂質を分解するこ
とにより HDL 代謝を促進する HDL の分解代謝酵素です。EL は正常血管の血管内皮細胞、血
管平滑筋細胞に発現されていますが、動脈硬化血管においては動脈硬化巣のマクロファー
ジ、新生血管にも強く発現されていることから、脂質代謝や動脈硬化の進展への関与が考え
られています。


*:GPIHBP1(Glycosylphosphatidylinositol anchored high density lipoprotein binding
protein 1)は糖脂質により修飾を受けたアンカー蛋白で、毛細血管内皮細胞膜上に存在し、
TG-rich リポ蛋白(中性脂肪)の代謝に関与していることが知られています。GPIHBP1 は、
脂肪細胞や骨格筋細胞で合成・分泌されたリポタンパク質リパーゼ(LPL)をトランスサイ
トーシスにより血管内腔側へ運び内皮細胞表面に繋留する役割を果たします。その遺伝子
変異は 1 型高脂血症(高カイロミクロン血症)の原因となることから、TG-rich リポ蛋白の
代謝において極めて重要な役割を演じていることが明らかとなっています。



以上





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