DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の予備的な試験の結果が判明-ウイルスタンパク質に対する抗体価の上昇を確認-

平成 27 年6月 15 日
アンジェス MG 株式会社




DNA ワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の予備的な試験の結果が判明
~ウイルスタンパク質に対する抗体価の上昇を確認~


当社は、エボラ出血熱対策医薬品として開発を進める DNA ワクチン技術を用いた抗血清製剤に
ついて、この度、予備的に実施していた試験で良好な結果が得られましたので、以下のとおりお知
らせいたします。


当社は、平成 27 年1月 14 日に「DNA ワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の開発
を開始」にて発表の通り、国内における抗血清製剤の開発を開始いたしました。この抗血清製剤は、
エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードする DNA ワクチンをウマに接種して得られる、ウイルス
タンパク質に対する抗体を精製して製造するものです。


当社は、平成 27 年3月より当 DNA ワクチンの投与による抗体の産生を検証する試験を実施い
たしました。この試験では、当 DNA ワクチンをウマに接種し、その血清に含まれるウイルスタンパク
質に対する抗体価を測定いたしました。この結果、DNA ワクチンの投与によってウイルスタンパク質
に対する抗体価が有意に上昇することが確認されました。


本件に関し、当社代表取締役社長の山田英は以下のように述べています。
「今回の試験において、DNA ワクチン技術を用いてエボラ出血熱ウイルスに対する抗体をウマで産
生できることを確認できたことは、抗血清製剤の早期実用化に向けた大変意義のある結果だと考え
ています。エボラ出血熱の感染者は昨年からの西アフリカでの大流行以前からほぼ毎年報告され
ており、今後も引き続き国内への蔓延を阻止する対策が求められます。当社が開発する抗血清製
剤は、罹患者の治療用(備蓄)や、感染リスクの高い医療従事者等の携帯用等、緊急対策用の医
薬品として位置付けられることを想定しています。」


当社は今回の試験結果を受け、今後、エボラ出血熱抗血清製剤の早期実用化に向けた計画の
策定を進めてまいります。


以上




(ご参考)
抗血清製剤について
抗血清製剤とは病原体の増殖を阻害する抗体(中和抗体)を有効成分とする医薬品です。感染
予防効果を得るのに時間を要するワクチン療法とは異なり、すでにウイルスに感染してしまった患
者の病態の重篤化を抑制するものです。動物(ウマ等)に病原体や毒素を投与してから血清を精
製し、得られた抗体を含む成分を患者に投与することで、免疫を持たない患者の病態の重篤化を
阻止します。
抗血清製剤は破傷風やジフテリアなどの治療薬として実績があることや、エボラ出血熱の治療を
目的として回復した患者の血清の投与が試されていることなどからも、エボラ出血熱の治療薬とし
て抗血清製剤の可能性が期待されています。


DNA ワクチンを用いた抗血清製剤について
当社が開発を計画する抗血清製剤は、エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードする DNA ワ
クチンをウマに接種して得られる、ウイルスタンパク質に対する抗体を精製して製造します。DNA ワ
クチン技術を用いることで、病原ウイルス自体を取り扱わないため安全に、かつ短い期間で製造で
きることから、緊急の対策を必要とするエボラ出血熱治療薬として適していると考えられます。なお、
当社はこの DNA ワクチン技術を保有する米国 Vical 社(Vical Incorporated、本社:カリフォルニア
州サンディエゴ、President & CEO:Vijay B. Samant)から、国内の独占的開発販売権を取得してお
ります。


以上




お問い合わせ先

アンジェス MG株式会社 経営企画部 広報グループ

TEL: 03-5730-2641





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