開発品Tie2受容体アゴニストの開発状況についてVasomune社が米国呼吸器学会の発表者に選出

2024 年4月 16 日
各 位
会 社 名 ア ン ジ ェ ス 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 山 田 英
(コード:4563 東証グロース)



開発品 Tie2 受容体アゴニスト(AV-001)に関する開発状況について
共同開発企業である Vasomune 社が米国呼吸器学会における
Respiratory Innovation Summit の発表者に選出されました



当社が米国においてVasomune Therapeutics Inc.(以下、
「Vasomune社」という)と共同開発してい
るウイルス性肺炎及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群( ARDS)を対象として開発している新薬
「Tie2受容体アゴニスト(AV-001)」が米国呼吸器学会(2024年5月17日~22日、カリフォルニア州サ
ンディエゴ)における呼吸器イノベーション・サミットの演題に選出されました。
呼吸器イノベーション・サミットは、米国呼吸器学会主催による致死的かつ致命的な肺および気道
疾患に対する最先端の治療法の開発について議論がなされます。
なお、詳細につきましては【別紙】をご覧ください。




アンジェス株式会社お問い合わせ先
一般のお問い合わせ https://www.anges.co.jp/contact/
報道関係のお問い合わせ https://www.anges.co.jp/press/
【別紙】




Vasomune Therapeutics Inc.が 2024 Respiratory Innovation Summit における
AV-001 開発に関する最新情報の発表者として米国呼吸器学会により選出されました




AV-001 は、血管内皮の安定性を高めることによって病気 を治療する ようにデザインされたファース
ト・イン・クラスの開発中の新薬です。


Vasomune Therapeutics Inc.(以下、Vasomune 社)は、血管機能障害に関連する疾患治療のための新
規治療薬の臨床開発に注力するバイオ製薬企業であり、2024 年の Respiratory Innovation Summit
(呼
吸器イノベーション・サミット(RIS))において、米国呼吸器学会から同社の開発中の新薬 AV-001 を
紹介する企業に選ばれました。AV-001 は、アンジェス株式会社(以下、アンジェス社)と共同開発を
している Tie2 受容体を標的とするファースト・イン・クラスの完全合成 PEG 化ペプチドです。Tie2
受容体の活性化は、特に肺腔内において、血管内皮バリアの維持と血管の安定性に重要な役割を果た
しています。2024 年5月 18 日午前 11 時 30 分(米国東部標準時)より、カリフォルニア州サンディ
エゴのマンチェスター・グランド・ハイアット で、Vasomune 社の科学共同設立者である Dr. Harold
Kim が講演を行います。


「米国呼吸器学会(American Thoracic Society)2024 年会議の呼吸器イノベーション・サミット
(Respiratory Innovation Summit)に招待いただき、私たちの研究成果を発表できることを大変うれ
しく思います。当社の開発中新薬 AV-001 は、第1相試験で高い安全性が認められ、致死性インフルエ
ンザ及び肺炎球菌肺炎の肺損傷モデル において薬理効果を示し、現在第2相前期試験を実施中です。
主催者の皆様には、私たちの研究を評価していただき、呼吸器領域における世界的な臨床、学術、産
業のリーダーと接点が持てる機会を提供して いただいたことに心から感謝申し上げます。」と研究担
当副社長の Dr. Harold Kim は述べています。
AV-001 は宿主血管反応(HVR)を標的とすることで、血管安定性の障害が原因となる様々な疾患への
適応の可能性を秘めています。肺炎モデルでは、致死的インフルエンザモデルに対して感染後 72 時間
までに AV-001 を投与すると、ウイルス株(H3N2、H1N1、2009 年パンデミック H1N1 豚インフルエンザ)
に依存することなく、血管から組織液の漏れを抑え、死亡率を低下することが示されました。更に、
AV-001 は HVR 障害が関わる複数のモデルに対して効果が示されています。敗血症、虚血性脳卒中、急
性腎障害、血管性痴呆のモデルに対して、血管からの漏出液の減少と生存率の改善が示されてい ます。
第 1 相試験(NCT04737486)の結果、薬剤に関連した投与中止や死亡例はなく、予期せぬ重篤な有害反
応(SUSAR)や注意すべき有害事象(AESI)も認められず、良好な安全性と忍容性が示されました。AV-
001 は現在、肺炎入院患者を対象とした第2相前期試験(NCT05123755)を実施中です。
呼吸器イノベーション・サミットでは、Vasomune 社の十年にわたる研究を総括し、血管機能障害を伴
う疾患の治療薬として臨床段階の候補である AV-001 を生み出した経緯について発表に含める予定で
す。
【別紙】




AV-001 について
AV-001 は、トロントにあるサニーブルック病院のサニーブルック研究所で発見・設計され、アンジェ
ス社との共同開発契約に基づき、Vasomune 社によって開発されています。AV-001 は、血管内皮細胞表
面で最も高発現している膜貫通タンパク質である Tie2 受容体を標的とする新規の治験薬です。AV-001
は、Tie2-アンジオポエチンシグナル伝達軸を活性化し、複数の下流経路を刺激することにより、内皮
細胞の安定性を高め、正常なバリア防御を回復させ、血管漏出を阻止することにより、血管系を正常
化します。血管機能障害は、細菌性及びウイルス性の急性呼吸窮迫症候群、敗血症、出血性ショック、
急性腎障害、脳卒中、血管性痴呆などの患者の基礎疾患病態生理に 影響を及ぼします。重要なことは、
複数の前臨床試験において、AV-001 が内皮細胞間の結合を強化し、内皮細胞の生存を促進したことで、
肺水腫が減少し、未投与群と比較して肺機能が改善し、生存率が有意に改善したことで す。


Vasomune 社について
Vasomune Therapeutics Inc.は、病気から身体を守る能力を活用する次世代の医薬品を開発する、臨
床段階の非公開バイオ製薬企業です。2014 年に設立された Vasomune 社は、血管正常化戦略に注力し
ており、リード候補の AV-001 をベンチからベッドサイドまで進展させてき ました。血管機能障害は、
細菌やウイルスによる急性呼吸窮迫症候群、敗血症、出血性ショック、急性腎障害、脳卒中、血管性
痴呆など、いくつかの疾患の病態に関連してい ます。Vasomune 社の本社と研究所はカナダのトロント
にあり、米国オフィスはノースカロライナ州ローリーにあ ります。
同社についての詳細は www.vasomune.com.をご覧ください。


アンジェス社について
アンジェス株式会社は 1999 年 12 月に設立されたバイオ医薬品会社で、遺伝子医薬品の開発に注力し
ています。2019 年 3 月、アンジェス社は主力製品であるコラテジェン ®(HGF(肝細胞増殖因子)遺伝子
治療用製品)について、下肢虚血性潰瘍の治療薬として条件付き・期限付き承認を取得し ました。2019
年9月、アンジェス社はプラスミド DNA を用いた世界初の上市薬であるコラテジェン®の日本での商
業化を開始しました。アンジェス社は現在、COVID-19、ウイルス・細菌性肺炎を対象とした Tie2 チロ
シンキナーゼ受容体作動薬(AV-001)、慢性椎間板性腰痛症を対象とした NF-κB デコイオリゴヌクレ
オチドの開発に取り組んでいます。さらにアンジェス社は、ゲノム編集技術の 開発に参入するため、
2020 年 12 月に EmendoBio 社を買収しました。
アンジェス社についての詳細は https://www.anges.co.jp/をご覧ください。

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