乾癬治療薬 新発売のお知らせ「トルツ皮下注80mgオートインジェクター」、「トルツ皮下注80mgシリンジ」、ヒト化抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤

Press Release
2016 年 11 月 21 日

報道関係各位

日本イーライリリー株式会社
鳥居薬品株式会社


乾癬治療薬 新発売のお知らせ
「トルツ®皮下注 80mg オートインジェクター」、
「トルツ®皮下注 80mg シリンジ」、
ヒト化抗ヒト IL-17A モノクローナル抗体製剤

日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:パトリック・ジョンソン、以下
「日本イーライリリー」)と鳥居薬品株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙木 正一郎、
以下「鳥居薬品」)は、本日、ヒト化抗ヒト IL-17A モノクローナル抗体製剤「トルツ®皮下注 80mg
オートインジェクター」及び「トルツ®皮下注 80mg シリンジ」(一般名:イキセキズマブ(遺伝子組換
え)、以下「トルツ」)を「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬
性紅皮症」を適応症として新発売いたします。

トルツは、乾癬及び関節症性乾癬の病態に深く関与しているインターロイキン-17A(IL-17A)に高
い親和性で結合し、その活性を中和するモノクローナル抗体(生物学的製剤)で、本年 7 月 4 日
に国内における製造販売承認を取得しました。

製造販売承認を取得するに至った国内外の臨床試験の結果、既存治療で効果不十分な尋常性
乾癬の患者さんにおいて、トルツの投与 12 週で 89.1%が PASI*1 75、70.9%が PASI 90、
35.3%が PASI 100 を達成しました i。投与 12 週で達成した PASI 75/90/100 は、52 週時点まで
長期に維持されました ii。さらに、既存治療で効果不十分な関節症性乾癬の患者さんにおいて、ト
ルツの投与 24 週で 62.1%が ACR20*2、46.6%が ACR50*2、34.0%が ACR70*2 の改善率を
示し、投与 24 週でプラセボ群と比較して、関節破壊の進展(mTSS)を有意に抑制しました*3 iii。
これらの結果から、既存治療で効果不十分な患者さんにとって、トルツは新たな治療選択肢にな
ることが期待されます。従来のシリンジ型注入器と、乾癬治療薬として国内初承認*4 のオートイン
ジェクター型注入器があり、患者さんのニーズに応じて選択できます。

今回の発売に際し、日本イーライリリーの筋骨格事業本部長 兼 自己免疫事業本部長、バレット
B. マドリガルは、次のように述べています。「トルツの発売開始により、日本イーライリリーは、注
力分野の一つである自己免疫疾患領域への初参入を果たしました。関節症性乾癬に関しては適
応症として、世界に先駆けて日本で最初の発売となります。今後は、この革新的な治療法を必要
とする乾癬患者さんに、確実に届けていくことが使命となります。社員一同、乾癬医療の向上に向
けて、真摯に尽力してまいります」。

また、鳥居薬品の常務取締役 医薬営業グループリーダーの田村 明彦は以下のように述べてい
ます。「トルツの登場により、医療現場へ新たな価値と選択肢がご提供できることを大変嬉しく思
います。鳥居薬品の重点領域である皮膚疾患領域において、トルツという新たな乾癬治療におけ
る選択肢を医療現場へ迅速に、適切にお届けすることで、皮膚疾患領域の医療へより貢献してま
いります」。
日本イーライリリーと鳥居薬品は、トルツに関して日本の皮膚疾患領域における戦略的な販売提
携契約を締結しており、皮膚疾患領域における医療従事者への情報提供活動を両社で行ってい
きます。なお、関節症性乾癬に関しては、皮膚科だけでなく、リウマチ膠原病科・整形外科が診療
を行っている場合も多いため、これらのリウマチ疾患領域における医療従事者へは、日本イーラ
イリリーが、迅速かつ適切な情報提供活動を行います。

*1PASI:乾癬の面積と重症度の指標。PASI75/90/100 はそれぞれベースラインから 75/90%以
上または 100%を満たす改善を示す。


* ACR20/50/70:米国リウマチ学会の 20/50/70%改善基準を示す。
*3 関節症性乾癬の試験結果については、トルツ初期投与量 160mg を投与後、2 週間または 4 週
間ごとに 80mg を投与についての安全性及び有効性を 24 週後にプラセボ群と比較して評価し
たものであり、承認用法・用量とは異なります。
*4 日本イーライリリー調べ
以上



<参考情報>
製品写真





製品概要

<販売名>
®
トルツ 皮下注 80mg オートインジェクター
®
トルツ 皮下注 80mg シリンジ

<一般名>
イキセキズマブ(遺伝子組換え)(JAN)

<効能・効果>
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症

<用法・用量>
通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として初回に 160 mg を皮下投与し、2 週後から
12 週後までは 1 回 80 mg を 2 週間隔で皮下投与し、以降は 1 回 80 mg を 4 週間隔で皮下投
与する。

<承認日>
2016 年 7 月 4 日

<薬価収載日>
2016 年 11 月 18 日

<薬価>
®
トルツ 皮下注 80mg オートインジェクター 146,244 円
®
トルツ 皮下注 80mg シリンジ 146,244 円

<製造販売元>
日本イーライリリー株式会社

<販売提携>
鳥居薬品株式会社

<発売日>
2016 年 11 月 21 日





乾癬について
乾癬は、皮膚に現れる慢性の非伝染性の自己免疫疾患です。これは、免疫システムが皮膚細胞
の成長サイクルを加速させるよう間違ったシグナルを送ることによって発症しますiv。乾癬は、米国
で750万人もの患者がいる最も一般的に見られる炎症性疾患で、全世界での罹患者は1億2,500
万人 iv、日本では43万人と推計されていますv。また、最近の報告viに基づくと、日本における関節
症性乾癬の罹患者は6万人と推計されています。乾癬は、体のあらゆる部位に発症し、糖尿病や
心臓病等の他の重篤な疾患にも関連していますvii,viii。
乾癬で最もよく見られるのは、尋常性乾癬と呼ばれるもので、銀白色の鱗屑をともなった境界明
瞭な盛り上がった紅斑が現れます。尋常性乾癬の約 17%が中等症から重症といわれています ix 。

日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社で、人々がより
長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ
て日本の医療に貢献しています。統合失調症、うつ、双極性障害、注意欠如・多動症(AD/HD)、
疼痛、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸膜中皮腫、尿路上皮がん、乳がん、卵
巣がん、悪性リンパ腫、胃がん、結腸・直腸がん)、糖尿病、成長障害、骨粗鬆症、乾癬などの治
療薬を提供しています。また、アルツハイマー型認知症、関節リウマチなどの診断薬・治療薬の開
発を行っています。詳細はウェブサイトをご覧ください。http://www.lilly.co.jp

鳥居薬品株式会社について
鳥居薬品は、「世界に通用する医薬品を通じて、お客様、株主、社会、社員に対する責任を果た
すとともに、人々の健康に貢献する」ことを企業ミッションとし、「腎・透析領域」、「HIV 感染症領
域」、「アレルゲン領域」、「皮膚疾患領域」を重点領域と位置付けております。
JT(日本たばこ産業株式会社)グループの一員であり、新規化合物の研究開発機能は JT に集中
し、製造・販売の各機能は鳥居薬品に統合するという機能分担により JT と連携しています。また、
また、導入活動についても独自の活動に加え、JT と連携することにより、優れた医薬品の導入を
進めています。詳細はウェブサイトをご覧ください。http://www.torii.co.jp/



【本件に関するお問い合わせ先】

日本イーライリリー株式会社 広報・CSR 本部 草間 美織
Tel. 03-5574-9743 / Email: kusama_miori@elanco.com

鳥居薬品株式会社 経営企画部 広報担当
Tel.:03-3231-6814 / Email:webmaster@torii.co.jp

〈このプレスリリースは、厚生労働記者会、厚生日比谷クラブ、重工業研究会、本町記者会、道修町薬業記者クラブ、神戸経済
記者クラブへ配付しております〉


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i. Gordon K. B et al.: New Engl J Med. DOI:10.1056/NEJMoa1512711(2016).
ii. Saeki H. et al. J Eur Acad Dermatol Venereol. 29(6):1148-1155(2015).
iii. Philip J Mease et al.: Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2016-209709
iv. National Psoriasis Foundation®, File, Communications, Psoriasis, https://www.psoriasis.org/sites/default/files/for-
media/MediaKit.pdf (Accessed August 20, 2014)
v. Kubota K. et al. BMJ Open. 2015 Jan 14;5(1):e006450.
vi. Ohara Y. Et al. J Rheumatol. 2015; 42:8;1439-1442.
vii. Rapp SR. et al. J Am Acad Dermatol. 1999;41:401-407.
viii. Kurd SK. et al. Arch Dermatol. 2010;146(8);891-895.
ix. About psoriasis. National Psoriasis Foundation website. https://www.psoriasis.org/about-psoriasis. Accessed March
22, 2016.





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