電通グループ、川崎の環境DAO「つながループ」におけるNFT型共創アプローチ実証実験を開始

株式会社 電通グループ
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2022 年 7 月 1 日
株式会社 電通グループ
代表取締役社長執行役員 CEO 五十嵐 博
(東証プライム市場 証券コード:4324)


電通グループ、川崎の環境 DAO「つながループ」における
NFT 型共創アプローチ実証実験を開始

コミュニティ内のエコ活動実績を NFT によりアート作品として可視化・販売:
持続可能な環境 DAO の推進に向け、「NFT 型コレクティブ・クリエイティブ」の有効性を検証

株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員 CEO:五十嵐 博)は、
資源循環コミュニティ活動「つながループ※1」において、 参加者個々のエコ活動の実績を Web 3.0
技術 によりデジタル化/クレデンシャル管理 し、
※2 ※3
「NFT 型コレクティブ・クリエイティブ」
の手法を用いて共創を促進する実証実験を、 電通インターナショナル・米州※4、 シビラ株式会社、
ソニー株式会社、株式会社ファイアープレイスとの共同で開始します。

電通グループは、従来から NFT を活用した共創アプローチ「NFT 型コレクティブ・クリエイテ
ィブ※5」の設計を進めています。本実証実験は、 エコ活動に取り組む市民コミュニティを Web 3.0
技術と親和性の高い環境 DAO(分散型自律組織)※6 と見立て、その推進に向けた同アプローチの
有効性を検証する世界初の取り組みとなります。

実証実験では、まず、参加者各自が日々のエコ活動を通じてパズル型の NFT を 1 ピースずつ獲
得していき、コミュニティ全体で規定のピース数が集まると一枚の絵が完成します。パズル型の
NFT の 1 ピースは約 20kg の生ゴミ削減の証明書であり、その完成した絵はコミュニティで約
180kg の生ゴミを削減した証明書であると同時にアート作品としての側面も併せ持ちます。この
エコ実績アート NFT はオークションに出品され、 その落札価格は参加者の活動実績に応じて金銭
的な報酬として分配されます。実証実験の期間は、2022 年 6 月から 12 月末までの予定です。

NFT については、メディアアーティストの落合 陽一氏による小学生向けサマースクール
「Table Unstable」※7 で技術的な有用性が確認された、シビラの NFT 用コントラクトウォレット
「unWallet※8」と、ソニーの IC カード型ハードウェア・ウォレット※9 を採用することで、IT に不
慣れな利用者にも使いやすい UX(ユーザー体験)としています。unWallet とハードウェア・ウ
ォレットを組み合わせることで、参加者はパブリックチェーン上の NFT に IC カードをかざすだ
けでアクセスでき、電子署名を容易に行えるようになります。また、参加者に配布される IC カー
ド型ハードウェア・ウォレットは DAO の会員証としても機能し、ファイアープレイス※10 が運営
する川崎市内の協力店舗ロックヒルズガーデンの店頭に設置されるスマートフォンにかざすだけ
で、NFT 獲得者限定イベントへの参加が認められるなど、リアルな場でのコミュニケーション機
会の提供を受けることが可能になります。電通グループはこれら参加者向けインセンティブの整
備により組織の拡大を図るとともに、参加者が川崎市外でもエコ活動の実績に応じてインセンテ
ィブを受け取れるように、DAO に参加する事業者の拡大も進めていきます。



「つながループ」は、家庭用コンポストで作られる堆肥を活用し、地域住民・農園・企業が一
体となって食資源循環社会の実現に取り組むコミュニティ活動です。従来、このような特定の事
業体が主導しない市民有志による環境貢献活動では個々の貢献実績が可視化されず、また経済的
な見返りも乏しいため、活動の規模や継続性に課題がありました。本取り組みでは、参加者が共
に完成させた一枚絵を、 生ゴミ削減実績を証明するアート作品として NFT オークションにかける
ことで、志を共にするコミュニティでの与信形成と経済的な見返りの両立を図ると共に、持続可
能な環境 DAO の成立要件と「NFT 型コレクティブ・クリエイティブ」アプローチの有効性につ
いて検証します。

各自の努力が可視化され、共に作品を創り上げるプロセスを通じて祝祭性を高め、コミュニテ
ィの力を活用して課題解決に取り組む「NFT 型コレクティブ・クリエイティブ」の手法は過去に
例のない活動です。

電通グループ、シビラ、ソニーの 3 社は、本実証実験後も事業化の検討を進め、環境課題の解
決に資する活動実績をデジタルアイデンティティ化することで、個々人がより主体的に日々の活
動に取り組めるような社会、多様なインセンティブの提供やコミュニティ形成の促進が可能にな
る社会の実現を目指します。


【電通グループ、シビラ、ソニーが目指す社会のイメージ】





※1 「つながループ」とは、家庭用コンポストで作られる堆肥を活用する、地域住民・農園・企業等が一体となって食資源循環社
会の実現に取り組むコミュニティ活動です。環境省「令和 3 年度地方公共団体及び事業者等による食品ロス削減・リサイクル
推進モデル事業」に採択され令和 3 年度の単年事業として実施した「eco-wa-ring Kawasaki(エコワリング川崎)」に参画した
株式会社電通、株式会社トラストリッジを含む民間三社を中心に、市内外のコミュニティガーデン事業者らが推進役として協
力しています。

※2 Web 3.0 とは、データに対するアクセス権・所有権を自己主権型で管理する SSI の考え方に則り、デジタル資産を軸にアイデ
ンティティ構築を行う、価値のインターネットのこと。

※3 クレデンシャルとは、ユーザー認証に用いられる情報です。本実証実験におけるクレデンシャルは秘密鍵(公開鍵暗号方式にお
ける一対の鍵のうち、持ち主によって秘密に保持されるもので、暗号資産をはじめとしたデジタルアセットの取引を行うため
に必要な情報)であり、その秘密鍵を IC カード型ハードウェア・ウォレットで管理することで、実績情報のセキュリティを担
保します。

※4 電通グループ海外事業を統括・支援する電通インターナショナル社の米国子会社 Dentsu International Americas, LLC(「電通
インターナショナル・米州」)

※5 NFT 型コレクティブ・クリエイティブとは、Dentsu International Americas の社員(鷲尾 恒平)が考案した Web 3.0 時代にお
けるコミュニティの求心力とミッション実行力を高めるためのアプローチ仮説。NFT 技術を活用することにより、コミュニテ
ィにおける個人の貢献に対する与信形成と経済的な見返りの両立を実現することで、自律型分散組織である DAO の持続的な
ミッション実現をサポートします。本実証ではパズルのピースを持ち寄り、一つのアート作品を作り上げるプロセスを通して
メンバー個々の努力を可視化し一つにすることで祝祭性を高め、情緒的なつながりを強化するプロセスとして採用しています。

※6 DAO とは、Decentralized Autonomous Organization の略で、組織を統率する管理者が存在せず、ブロックチェーン等を利用
して人々が協調して運営される分散型自律組織のこと。ルールの自動執行をスマートコントラクト等が担うため、参加者同士
で意思決定されることや、どのようなルールに基づいて運営されているのか透明性が高いことが特徴です。

※7 「Table Unstable」とは、落合 陽一氏が主宰する公開討論やプレゼンテーション等で構成される会議体です。当該サマースク
ールは、その派生プロジェクトとして生まれた、小中学生向けの課外学習プログラムです。https://tableunstable.org/

※8 「unWallet」とは、シビラが提供する NFT 用のコントラクトウォレットで、NFT やブロックチェーンについての知識を持た
ないユーザーが、一般的な Web アプリケーションと同様の UX で NFT 管理ができるノンカストディアルな自己主権型ウォレ
ットサービスのことです。コア機能が実装されたシビラ独自開発のコントラクトウォレットと、Web ベースの UI で構成され
ます。https://sivira.co/index-ja.html#products-top

※9 ハードウェア・ウォレットとは、暗号資産等のブロックチェーン技術を活用したデジタルアセットを取引するために必要な情
報(秘密鍵)を、オンラインネットワークから独立した状態で安全に保存するデバイスのことです。

※10 「つながりを創出し しあわせの総量を増やす」というミッションを掲げ、川崎駅近くのコミュニティスペース「ロックヒル
ズガーデン」ほか 2 店舗を運営。不動産価値向上、地方創生、ネイバーシップの 3 事業に取り組む。

* 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
以 上


【本 R&D 活動に関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ 電通イノベーションイニシアティブ 鈴木
Email:innovation-initiative@dentsu.co.jp

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「電通イノベーションイニシアティブ」「DJN サステナビリティ推進オフィス」「電通 Team SDGs」
、 、
がグループ横断で有機的に連携し、サステナビリティ領域における各種プロジェクトを推進しています。


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