BNCT用ホウ素薬剤「SPM-011」の先駆け総合評価相談開始のお知らせ

2019 年 5 月 8 日
ステラケミファ株式会社(東証第一部 4109)
ステラファーマ株式会社

Boron Neutron Capture Therapy
B N C T 用ホウ素薬剤「SPM-011」の
先駆け総合評価相談開始のお知らせ
ステラケミファ株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長:深田純子、以下「ス
テラケミファ」)の、子会社であるステラファーマ株式会社(本社:大阪市中央区、社長:
浅野智之、以下「ステラファーマ」)は、このたび、ホウ素中性子捕捉療法(以下「BNCT
(補足※1) )用ホウ素薬剤「SPM-011」について、頭頸部癌を対象とした先駆け総合評価相

談を開始したことをお知らせいたします。


ステラファーマと住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:下村真司、以
下「住友重機械」)は共同で、ステラケミファのホウ素同位体濃縮技術を基にしてステラフ
ァーマが開発した「SPM-011」 住友重機械の加速器を用いた BNCT システム 「BNCT30」
と、 ( )
を使って、世界初となる BNCT の国内第Ⅱ相臨床試験を実施してまいりました。


本試験では、切除不能な局所進行頭頸部癌患者らを対象に、施術後 90 日における奏効率
(腫瘍縮小効果)を評価したところ、安全性に問題のある事象はなく、有効性は期待値を
達成したことを確認いたしました。その結果、先駆け総合評価相談を開始することになり
ました。
なお、本試験結果の詳細は、本年 5 月に米国イリノイ州のシカゴで開催されます 2019
ASCO ANNUAL MEETING※で発表される予定です。
※ASCO(アスコ)は、米国臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of Clinical Oncology)を指し、

世界最大のがん学会となります。


 BNCT 用ホウ素薬剤「SPM-011」は、先駆け審査指定制度(補足※2)の対象品目であり、製造

販売承認申請において優先的に取り扱われ、審査期間が短縮(補足※3)される見込みです。

 本プロジェクトは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の委託開発に採択され(採
択課題:「ホウ素中性子捕捉療法に用いるホウ素薬剤」、その支援を受けています。




ステラケミファおよびステラファーマは、BNCT を新たな医療の選択肢とすべく、安全か
つ有効、そして、早期実用化に向けての努力を続けてまいります。


= 本報道資料のお問い合わせはこちらまで =
ステラケミファ株式会社 総務部 TEL:06-4707-1511
ステラファーマ株式会社 総務部 TEL:06-4707-1516
2019 年 5 月 8 日
ステラケミファ株式会社(東証第一部 4109)
ステラファーマ株式会社




【補足情報】
Boron Neutron Capture Therapy
※1 ≪ B N C T (ホウ素中性子捕捉療法)≫
BNCT は、ガンの放射線治療の一種であり、その治療法は、ガン患者に BNCT 用ホウ素
薬剤を投与することで、ガン細胞内にホウ素(Boron-10)を選択的に取り込ませ、体外から
エネルギーの低い中性子を照射するというものです。このとき、体内ではホウ素(Boron-10)
原子核が中性子を捕獲して核分裂反応(10B(n,α)7Li)を起こし、この核反応により細胞
にダメージを与えるエネルギーをもつ α 粒子(ヘリウム原子核)と Li 反跳核(リチウム原
子核)が放出されます。これらの荷電粒子は、体内ではそれぞれ約 9μm および約 5μm の飛
程しか持たず、この飛程はおよそ細胞1個分の大きさに相当します。これらの特徴により、
理論的には、周囲の正常な細胞等をほとんど傷つけることなく、ホウ素(Boron-10)を取り
込んだガン細胞を細胞レベルで選択的に破壊することが可能となります。



※2 ≪先駆け審査指定制度≫
先駆け審査指定制度は、
「世界に先駆けて、有効な治療法がなく命に係わる疾患等(希少
がん、難病等重篤な疾患)に対し、革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品等を日本発
で早期に実用化すべく、基礎研究から臨床研究・治験・審査・安全対策、保険適用、国際
展開までを一環として国が支援する戦略パッケージ」として、平成 27 年から実施されてい
ます。対象品目は、審査において、各種の優先的な取扱いが受けられることとなります。
「SPM-011」は 2017 年 4 月 21 日付で対象品目に指定されています。



※3 ≪承認審査期間目標の短縮≫
先駆け審査指定制度は、対象疾患の重篤性など、一定の要件を満たす画期的な新薬など
について、開発の早期段階から対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査で優先的
な取扱いをすることで、承認審査の期間を短縮することを目的としたものです。通常の新
医薬品、新医療機器の場合、12 か月を目標に承認審査が行われているところ、この制度の
指定を受けた品目については、承認審査期間の目標が半分の6か月になります。
【厚生労働
省発表内容一部抜粋】


以上

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