細胞培養容器のサンプル提供開始について(資料)

細胞培養容器のサンプル提供開始
について
当社は高純度薬品事業において培ってきた独自の表面処理技術を応用し、
国立大学法人 信州大学 バイオメディカル研究所(齋藤直人教授、植村健准教授)
との共同研究により、細胞培養容器を開発しましたのでお知らせいたします。
1.研究背景



・培養した細胞は生命現象の解明、
創薬の研究・開発、再生医療など
様々な分野で利用されています。


・iPS細胞などを用いた再生医療周辺
産業は右図のように市場拡大が
見込まれており、
細胞培養はこれらの産業を支える
中核技術の一つとして、
重要性が高まっています。
細胞とは?

細胞の大きさは約10~100μmであり、生物を形成する最も基本的な構成単位です。
サイエンスの分野では、生命現象の解明のために利用されています。
そしてこれらの細胞から得られる情報を最大化するため、細胞培養が行われてきました。

大きさの比較




細胞 組織・臓器 生物(人間)

10μm 100μm 1mm 10mm 100mm 1m
細胞の産業利用

近年では、細胞を用いた再生医療や新薬の開発等、様々な産業での活用が進められており、
これらの研究の重要性は増々高まってきています。


細胞の産業利用イメージ



再生医療


細胞


細胞培養 新薬の開発

細胞培養は極めて重要な役割を担っているため
→安全・確実で、かつ効率的でなければなりません。
細胞培養容器の問題点

細胞培養にはプラスチック製の培養容器が使用されており、細胞が接着しやすいように
表面処理が施されていますが、現状の表面処理ではムラや劣化が起きています。

ムラや劣化を起こさずに細胞を安定的に培養する技術が必要

ステラケミファがこれまで培ってきた表面処理技術を応用できないか?




細胞 ムラ
従来の
表面処理
細胞培養容器
劣化


ステラケミファの技術を
表面処理に応用すると? 均一&安定的
2.開発品について


当社独自の表面処理技術を活用することによって、
培養容器の表面分子構造を改質した細胞にとって好ましい下地を形成し、
新たな細胞培養容器の開発に成功することができました。

ステラケミファ独自の 細胞
培養基材表面 表面処理



化学的に均一かつ細胞にとって
最適な培養下地を形成

期待される効果 開発した細胞培養容器

①特別なコート処理を施さなくても初代培養細胞が良好に培養できる
②従来の一般的な市販品と比べ低血清条件での細胞培養に優れている
③安定した培養表面を提供することができる
開発した培養容器の効果①


〇 初代培養細胞の培養
初代培養細胞とは生体組織から直接取り出した細胞のことで、一般的に培養が難しいと
されています。
⇒今回開発した細胞培養容器では特別な操作が必要なく、簡便に培養が可能となります。

細胞が委縮し死滅




神経細胞特有の
網目状構造物が発達
培養

培養開始直後
従来の表面処理品 開発品

開発した細胞培養容器で培養した初代培養細胞(初代神経細胞)
開発した培養容器の効果②



〇 低血清条件下での培養
細胞を培養する際には「血清」と呼ばれる、言わば栄養源が必要となります。
しかし細胞培養の目的によっては血清が不純物となるため、無血清や低血清条件下での
培養が必要となるケースがあります。

開発した細胞培養容器は、低血清条件下での培養にも優れています。

赤い点で示す
細胞数が多い
良好



市販品 開発品
低血清培養した際の細胞の比較
(赤色点は細胞を示している)
開発した培養容器の効果③


〇 培養表面の安定性
開発した細胞培養容器は、保管試験後も培養性能の低下が見られず、
⾧期安定性に優れていることが確認できました。

劣化 培養性能の劣化が見られない
良好




開発品の培養安定性
市販品(親水化処理)と開発品をそれぞれ1ヵ月間大気暴露後、
培養細胞を播種・培養した時の生細胞数を比較。
3.今後について

お客様のニーズに応じた、数種類の細胞培養容器を製品ラインナップとして
展開していく予定です。
この表面処理技術は、ほぼすべての形状の一般的な樹脂細胞培養基材に
適用可能であり、汎用性の高い改質手法です。
ステラケミファ株式会社ではライフサイエンス産業分野での活用に向けても、
さらなる用途展開や高機能化に向けた研究開発を推進してまいります。


このたび開発した細胞培養容器は「第45回 日本分子生物学会 年会」の附設展示
コーナーにおいて展示することとなりました。
ご興味のある関係者の皆様方のご来場を、心よりお待ちいたしております。


【 展示会概要 】
第 45 回 日本分子生物学会 年会 附設展示会
会期 : 2022 年 11 月 30 日(水)~ 12 月2 日(金)
会場 : 幕張メッセ
【本件製品およびサンプル提供に関するお問い合わせ先】

ステラケミファ株式会社 研究開発部

TEL: 0725-21-4912(2022年12月31日まで)
072-229-3104(2023年1月1日以降)

Email:kenkyu@stella-chemifa.co.jp

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