「株式会社日本ベル投資研究所の鈴木氏によるアナリストレポート」発行のお知らせ

2019 年8月 28 日




「㈱日本ベル投資研究所の鈴木氏によるアナリストレポート」発行のお知らせ



株式会社チェンジ


投資家の皆様へ


㈱日本ベル投資研究所 鈴木行生氏より弊社のアナリストレポートが発行されましたので、お知らせいたします。




本件の問い合わせ先:
株式会社チェンジ
東京都港区虎ノ門 3-17-1
Control & Management 担当
メール:ir_info@change-jp.com
(株)日本ベル投資研究所
IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート




3962 チェンジ
~NEW-IT でビジネスフロントの革新とパブリテックをリード~

2019 年 8 月 27 日 東証 1 部
ポイント
・長期ビジョンと中期 3 ヵ年計画が 5 月に公表された。日本の DX(デジタルトランスフォー
メーション)市場において、リーダーの地位を確立することを掲げた。第 1 フェーズの 3 ヵ
年では、2021 年 9 月期で営業利益 47 億円(売上高営業利益率 30%)を目指す。


・昨年 11 月末にふるさと納税サイトで No.1 のトラストバンクを買収した。全国の自治体
に圧倒的なネットワークを有する。ここと連携してパブリテック(パブリックセクターの
New-IT)を推進する。収益性は高いので、今後への期待は大きい。ただ、ふるさと納税健全
化へ 6 月から規制が強化され、市場変動の影響もあり、当面の業績はやや未達となろう。


・買収金額 48 億円(持株比率 60.1%、その後 70.2%へ)は全額借入で賄ったが、5 月に公募
増資を実施し、42 億円を調達した。これによって一時 20%を下回っていた自己資本比率は
55%まで改善した。ファイナンス資金は、デジタル人材の獲得と育成、新製品・新サービス
開発投資、次の投資事業、借入金の返済などに活用されよう。


・買収に伴い、2019 年 9 月期のセグメントは、①NEW-IT トランスフォーメーション事業、
②投資事業に加えて、③パブリテック事業(トラストバンク+公共×IT)が加わった。既存分
野では、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)、VR(仮想現実)、モバイルなどの
活用が意欲的に展開されている。働き方改革を推進する IT 活用も次々と実績を上げている。
これによって顧客の事業現場に革新を起こすビジネスモデルを推進している。


・チェンジの経営の特長は、①経営スピードの速さ、②フラッグシップモデル戦略、③パー
トナー戦略、④ユースケース開発力にある。業界のトップクラスに食い込み、大手の SI(シ
ステムインテグレーター)と組んで、新しいビジネスを創っていく。そのために独自のライ
ブラリを作り、全社員が共有できるようにしている。ここが競争力の源泉である。


・M&A の効果はこれから本格化してこよう。企業規模が断層的に拡大してくる。IFRS(国際
会計基準)に基づく連結も準備中である。公募増資で株価は下落したが、業績の拡大と共に
ROE も大きく好転してこよう。企業価値として、時価総額 1000 億円は十分達成できる方向
にあるので、大いに注目したい。
本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。


(株)日本ベル投資研究所
IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート


目 次
1.特色 New-IT トランスフォーメーションを推進
2.強み 独自のフラッグシップ型価値創造モデル
3.大型M&A トラストバンクでパブリテックを急展開
4.中期経営計画 DX(デジタルトランスフォーメーション)で日本のリーダーを目指す
5.ファイナンス 公募増資で自己資本を充実、次の展開へ
6.当面の業績 今期は計画を下回るものの、好調を持続しよう
7.企業評価 M&A のシナジーは十分見込める


企業レーティング A
株価(2019 年 8 月 27 日) 1796 円 時価総額 281 億円(15.6512 百万株)
PBR 4.18 倍 ROE 6.2% PER 62.1 倍 配当利回り 0.0%
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2012.3 973 89 87 15 1.4 0
2013.3 915 107 103 -51 -4.8 0
2014.3 1029 120 119 32 3.2 0
2014.9 711 74 74 43 4.2 0
2015.9 1400 134 137 82 7.8 0
2016.9 1550 186 175 118 10.6 0
2017.9 1980 331 325 229 17.9 0
2018.9 2604 513 513 343 25.7 0
2019.9(予) 7000 1200 1030 420 28.9 0
2020.9(予) 10200 1900 1800 850 54.3 0
(2019.6 ベース)
総資産 10970 百万円 純資産 6729 百万円 自己資本比率 55.3%
BPS 429.6 円
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想。2014.9 期は決算期変更で 6 か月ベース。2016 年
7 月末 1:300、2018 年 6 月末 1:2、2018 年 12 月末で 1:2 の株式分割を実施。それ
以前の EPS は修正ベース。2018.9 期までは単体、2019 年 9 月期より連結ベース(日
本基準)。IFRS(国際会計基準)への移行を準備中。
担当アナリスト 鈴木行生(日本ベル投資研究所 主席アナリスト)
企業レーティングの定義:当該企業の、①経営者の経営力、②事業の成長力、③業績下方修正に対するリ

スクマネジメント、④ESG から見た持続力、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努

力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という 4 段階で示す。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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1.特色 New-IT トランスフォーメーションを推進


IT による生産性革命を目指す
日本の人口は 2015 年の 1.25 億人が 2055 年には 9200 万人へ減少すると予測されている。
このうち生産年齢人口(15~64 歳)は 7600 万人が 4700 万人へ大幅に減少する。
人口減少社会の日本にあって、日本企業の生産性革新は急務であるという認識の下、生産
性を上げ、顧客企業の価値向上に貢献しようとしている。国富を高めるには生産性の向上が
必須である。ヒトや組織の生産性を向上させるには、IT の活用が求められる。しかし、ど
の産業、企業においても、IT の活用は不十分であり、
「攻めの IT」によるビジネスモデル作
りは遅れている。ここにフォーカスしている。


チェンジがミッション ~「人」×「技術」
チェンジのミッション(企業としての使命)は、人々(People)を変え、仕事(Business)
を変え、日本(Japan)を変えることにある。
当社の志は、社名「チェンジ」に表現されている。当社のロゴは、3 本の縦線をベース
にそれが 3 つある。3 本の矢の例えのように、3 つのモードで変化を作り出そうとしてい
る。1)人を変え、2)仕事を変えて、3)日本を変える。同時に、新しい IT で、①IT インフ
ラを変え、②業務を変え、③ビジネスモデルを変える、という意味である。
このままでは、日本は衰退する。これを防ぐには、人(人材育成)×技術(New IT)によ
って生産性を大幅に高めることである。このチェンジをリードするというのが当社のミッ
ションである。


コンサルからスタート
2003 年、アクセンチュア出身者がコンサルのサポートから創業し、IT 教育事業を本格化
させた。PM(プロジェクトマネジャー)や SE(システムエンジニア)の教育に力を入れた。顧
客は大手の SI 企業である。人材教育に自社だけでは手が回らないと、専門家にアウトソー
シングした。
この事業は今も続いている。IT エンジニア不足を反映して活況である。しかも、ここで
育った人材が各企業にいるので、当社にとってはビジネスのつながりを作る上で大いに役
立っている。
現在の役員には、アンダーセンコンサルティング(現在のアクセンチュア)出身が多く、
皆 40 代と若い。神保会長がアンダーセンから独立して、中堅企業のコンサルをしている頃
に、福留社長が加わり、更に、伊藤副社長(モバイル&センシングアプリケーション担当)、
金田執行役員(エンタープライズセキュリティ&インフラストラクチャー担当)
、石原執行役
員(R&D、ネクストラーニングエクスペリエンスフィールド担当)がチェンジの設立構想に参

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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画し、2003 年 4 月、今の会社を立ち上げた。設立後、1 年以内に全員がアンダーセンから移
ってきて創業期のメンバーとなった。
それからおよそ 2 年遅れて、高橋執行役員(アナリティックス&IoT 担当)が入ってきた。
アンダーセン当時、神保氏は福留氏の直接の上司であった。また、高橋氏は福留氏の下にい
たというような仲間であった。山田取締役 CFO は、神保会長の同級生で税理士でもあり、当
初から会計事務所で当社を担当していたが、およそ 4 年後に移ってきた。上場までの 13 年
間、今のマネジメントがコアメンバーとして当社をリードしてきた。


第 4 フェーズに入る
2003 年に創業し、2016 年 9 月に東証マザーズに上場、2018 年 9 月に東証 1 部に指定替
えとなった。まず、コンサル事業で会社を立ち上げ、次に IT 事業会社の人材育成にビジ
ネスを広げた。そして、SE 教育から IT 事業へシフトしている。SE の教育だけでは、本当
の生産性向上には貢献できないと、自ら IT 事業へ参入し、それを New-IT トランスフォー
メーションと名付けた。New-IT を推進するという意味で第 3 フェーズに入った。
さらに、昨年 11 月に大型の M&A を実行した。ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョ
イス」を運営するトラストバンクを買収した。現在は、M&A による成長領域の拡大という
点で、第 4 フェーズに入っている。
Old-IT に比べて、New-IT の特長は、①導入対象がフロントエンドであること、②構築
維持コストが安いこと、③使い勝手がよいこと、④導入時間が短いことである。現場で IT
を直接使い、便利で安く、早く使いこなしていく。


4 つのサービスライン
チェンジ本体は 4 つのサービスラインを持つ。
MSA(モバイル&センシングアプリケーション)は、アップルの iPhone や iPad などモバ
イルデバイスを活用するとともに、センサーなどを用いた自動データ収集の仕組み構築と
運用を行う事業である。
ESI(エンタープライズセキュリティ&インフラストラクチャー)は、クラウドなどを用
いた IT インフラの刷新やセキュリティツールの選定導入を行う事業である。クラウドの普
及率は 20%弱とまだ低い。IT インフラを軽くしていくことに貢献する。
A&I(アナリティックス&IoT)では、IoT を活用したオペレーションやビジネスモデルの
再構築、ビックデータの解析や活用を行う。企業や組織の中にデータが溜まっている。その
活用を具体化する。
NLX(ネクストラーニングエクスペアリエンス)は、New-IT 化の支援及びそれを実行する
人材を育てるための学習プログラムを提供する。


本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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New-ITトランスフォーメーション
~4つのサービスライン~



MSA(Mobile & Sensing Application)
モバイルデバイスの活用とセンサーなどを用
いた自動データ確保の仕組み構築と運用を
行うライン

ESI(Enterprise Security & Infrastructure)
クラウドなどを用いたITインフラの刷新及び
セキュリティツールの選定や導入を行うライ


A&I (Analytics & IoT )
IoTを活用したオペレーションやビジネスモデ



NLX(Next Learning eXperience)
IT事業者のNew-IT化支援及びNew-ITを実
現する人材育成の次世代学習プログラムの
提供




AI、RPA、VR、モバイルの業務活用を推進
ビジネス好調の要因は、1)AI、RPA(ロボテック・プロセス・オートメーション)による
業務自動化プロジェクト、2)音声 AI スピーカーの活用プロジェクト、3)VR を利用した地
方創生、人材育成、4)AI 人材、データサイエンティストなどの人材育成といった新しい領
域が急速に伸びていることにある。


1)AI スピーカーを軸として音声インターフェイス関連事業の市場拡大
①シニア向け AI スピーカー音声サービスの提供~2018 年 7 月に三井物産と新会社ボイス
タート(出資比率三井物産 77.8%、当社 11.1%)を設立した。三井物産の社内起業第 1 号案
件で、当社がデジタルトランスフォーメーションの人材育成を行っている関係で結びつき
ができた。シニア世代が音声 AI スピーカーを利用して、会話がはずむようにして、生活の
張りや買い物の利便性などを提供しようというものである。
②ラインのクローバーで地価を提供~LINE Clova は、Amazon Alexa、Google Home、
Himalaya などと並ぶ AI アシスタントスピーカーである。LINE 社の Clova に搭載されるス
キル(機能)開発キットの初期パートナーとして、今回は国の地域経済分析システム「RESAS」
の機能を活用して、Clova で地価調査を提供する。地価を簡単に音声で検索できる。
③阪急うめだ本店で、AI スピーカーで案内を行う実験を開始~2018 年 8 月から阪急阪神
百貨店で AI スピーカーを活用した店内案内サービスの実証実験を開始した。当社が開発し
た AI スピーカーで店内 1600 ブランドの売場情報が音声とモニターで案内される。これを

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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多言語でサービスする。


2)NEW-IT と人材育成を組み合わせた働き方改革のサービスも拡充
①ヤフーに働き方改革プログラムを提供~会議の生産性向上を目的としたワークショッ
プを実施した。ヤフーに「働き方改革プログラム」を提供し、内の会議の生産性を向上させ
る「会議の生産性向上ワークショップ」を指導した。働き方は、<ルール+ツール+ヒト>
に依存する。ルールを変えて、ツールを導入しても、ヒトの意識が変わらないと、働き方は
なかなか変わらない。会議の生産性が上がるように、まずは人材を育成するプログラムをヤ
フーに提供した。
②テレビ東京と協業して、働き方改革ワークショップ(研修セミナー)を提供~働き方改
革の研修セミナーにおいて、テレビ東京が持つ経済情報の裏側コンテンツを利用する。WBS
(ワールドビジネスサテライト)、ガイアの夜明け、カンブリア宮殿などで蓄積した実例を
ヒントとして用いる。
③内定者・新人社員向けモバイルトレーニング~当社のモバイルラーニングサービス
「CHANGE UP」を拡張して、内定者、新入社員向けの教育に特化した「New Hire Training」
を 2018 年 10 月より販売している。入社前からスマホで、いつでもどこでも何度でも学習
できる教育アプリとなっている。ビジネスパーソンとして必須のスキル、知識、心構えが身
につくように 25 個のコンテンツを用意したものである。
④作業者の安全、健康管理のための IoT 活用~当社、Agx、COLLESTA の 3 社は、現場で働
く作業者の熱ストレスをリアルタイムで検知するソリューションを提供する。複数の作業
現場での作業者の暑さ指数(WBGT)をクラウドで一元管理する。建設現場、工場など気温の
高いところでの作業について、ヘルメットに IoT デバイスをつけてデータを取り、体調管理
をして予防に役立てる。
⑤AI、 人材の育成~経産省のデータサイエンティスト及び AI 活用コンサルタントの養
BD
成講座認定を取得できた。ここの人材育成では業界の先頭を走っている。


3)パブリテック(公共テック)の展開
①熊本市の市職員向け AI 活用研修~AI の活用に熊本市は先進的であり、AI チャットボ
ットの検証を行った。問い合せに自動で答えてくれる仕組みは他の自治体にも横展開でき
る。②奈良市の RPA の導入による業務効率の改善~業務プロセスを明らかにして、効率化を
検証した。これも積極的な自治体からスタートしており、今後の広がりが見込める。
パブリテックでは、例えば自治体の仕事の中身をみると、PC に向かって非定形なデータ
を入力して作業をしている。まず仕事の中身を分析する(BPR) 次に自動化を検討する
、 (RPA
の検証)、そして、ツールを入れて実装する。
このような作業は自治体でも企業でも山のようにある。今や人手は足らない。自動化でき

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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るものは人手をかけないようにして、人材は別に活用しようという動きが今後一段と活発
化しよう。
単体のサービスライン毎の売上構成と収益性のイメージ

2016.9(推) 2017.9(推) 2018.9(推) 2019.9(予)
(%) (%) (%) (%)
MSA(Mobile & Sensing Application) 30 ○ 25 ○ 20 ○ 20 ◎
モバイルデバイスの活用とセンサーなどを用いた
自動データ確保の仕組み構築と運用を行うライン
ESI(Enterprise Security & Infrastructure) 20 ○ 25 ◎ 25 ◎ 25 ◎
クラウドなどを用いたITインフラの刷新及びセキュ
リティツールの選定や導入を行うライン
A&I (Analytics & IoT ) 10 ○ 15 ○ 20 ◎ 25 ◎
IoTを活用したオペレーションやビジネスモデル
NLX(Next Learning eXperience) 40 ◎ 35 ◎ 35 ◎ 30 ◎
IT事業者のNew-IT化支援及びNew-ITを実現する
人材育成の次世代学習プログラムの提供
(億円) (億円) (億円) (億円)
売上高合計 15.5 19.8 26.0 35.0
営業利益 1.8 3.3 5.1 8.0
(注)○は収益性、◎は収益性高い。売上構成比、収益性ともアナリストの推定・予想




4)VR(仮想現実)の適用
宇宙ミュージアムの設置~JAXA の宇宙ロケットの打ち上げ基地のある町(鹿児島県肝付
町)で、VR を利用した宇宙ミュージアムを作った。VR を利用したバーチャル公営美術館な
どへも展開できよう。コンテンツ中心で、大規模な建物はいらない。2)業務において起こ
りうる事故、災害などを VR の教育コンテンツとしてサービスし、人材育成に活かす。実際
のハザードと同じような内容を VR で体験できるので、教育効果は大きい。


5)モバイルの活用
①多拠点ビデオミーティング「Tap Room」の提供~緊急時、災害時などに、現場と本部を
iOS 専用アプリによってワンタッチでつなぎ、すぐにミーティング、やりとりができるとい
う多拠点ビデオミーティング「Tap Room」の提供を開始した。
②モバイルスペシャリストの育成~富士通エクサスでは働き方改革支援サービスを強化
するために、3 カ年で 600 名のモバイルスペシャリストを育成する。そのためのモバイル活
用ノウハウを当社から提供している。


チームワークとコーポレートガバナンス
この 10 数年苦労をともにしてきたので、マネジメントのチームプレーはよい。神保会長
が内部のマネジメント、福留社長が顧客とのエンゲージメントという役割分担である。
今後、会社が成長して、大きくなっていく過程においては、コーポレートガバナンスをよ

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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り強固に作り上げていく必要がある。監査役設置会社として、3 名の監査役は 2 名がソニー
グループの出身、1 名は銀行出身である。また、2017 年 12 月の株主総会で、1 名社外取締
役を入れた。インターネット関連の経営者で有能な方である。
2018 年 9 月に東証 1 部に市場変更となったので、今後は、社外取締役の増員などガバナ
ンスはさらに強化される方向に進もう。
また、業績目標連動型のストックオプションを導入した。全社員、役員に対して、単体ベ
ースで会社全体の業績目標が達成できた場合に、
権利行使が出来る。2018 年 9 月期から 2020
年 9 月期までの 3 カ年で、累計営業利益が 10 億円を超過した場合に 50%の行使が可能、同
30 億円超過した場合には 100%行使可能という内容である。1 つの KPI として注目したい。




2.強み 独自のフラッグシップ型価値創造モデル


企画提案力とナレッジマネジメント
今のマネジメント層はコンサル出身なので、企画提案力が身に付いている。よって、ユー
スケース開発力もある。つまり、課題を抽出して、どういう技術を応用していくかを通して
ソリューションを作り出す力がある。
一方、業務が拡大してきた時に、人材の質は確保していけるのか。これに対しては課題と
テクノロジーのマップを作り、絶えず更新している。これを社内ウィキ(ライブラリ)とし
て立ち上げてあり、ナレッジマネジメントを実行している。文字、動画でマニュアル化して、
いつでも使えるようにしてある。


4 つの特長~価値創造のビジネスモデル
New-IT には新しいテクノロジーがどんどん入ってくる。それを取り入れて、事業の拡大
を図っていく方針である。当社の経営における特長は 4 つある。①経営スピードの速さ、②
フラッグシップモデル戦略、③パートナー戦略、④ユースケース開発力である。
第 1 の経営のスピードでいえば、大手企業において企画してから実現まで 3 カ月かかる
ものでも、当社は 1 日で決断できる。新しい技術の導入に対して、大手においては経営会議
にかけるまで時間をとり、それでもリスクをとらないというケースもある。当社はトップ自
ら確認して、行けると思ったらまず走らせてみる。大企業の意思決定の遅さを当社がサポー
トし、推進力を生むようにする。
第 2 のフラッグシップモデル戦略は、各業界最大手をまず顧客化して、それを大手→準大
手→中堅中小へと広げていく。そのパートナーやサプライヤーにも横展開していく。これを
フラッグシップモデルと名付けている。
第 3 のパートナー戦略は、当社が既存の SI 企業に教育を提供したり、また導入ソフトの

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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販売パートナーとなってもらったりしている。つまり、大手と競合するのではなく、大手と
組んで仲間となり、面でマーケットを攻めていく。
第 4 のユースケースの開発力では、業界が抱える構造的課題に正面から取り組み、真に役
に立つ事例作りを実践していく。つまり、用途を開発する力を広げていく。鉄道の例でいえ
ば、これから老朽化が進む中で、メンテナンスコストが増えていく。一方で、メンテナンス
を担う人材は減っていく。ここをどう解決するか。夜間トンネルのメンテナンスに IT を導
入して、生産性を 2 倍近くに上げたのはその典型で、この事例を他社にも広げていく。




New-IT Transformation の実践
当社の強みは、New-IT Transformation の実践にある。例えば、東京メトロのトンネル
検査に iPad を導入した。そのアプリを当社が作成して、トンネル検査の作業効率は大幅
に改善された。従来は写真を撮り、データを計測し、それをプリントして、資料を作成し
ていた。真夜中の 4 時間しか作業時間がない。このやり方では、一晩に 2km 進むのがやっ
とであった。これを、紙を使った資料ではなく、iPad を活用して直接本社のシステムへ入
力できるようにした。
社会インフラの老朽化に対して、いかにメンテナンスを効率よく実施していくか。この
テーマに、当社がソリューションを提供したのである。いわばオールド IT からニューIT
への転換である。ホワイトカラーの事務管理のための効率アップからさらに踏み込んで、
鉄道、化粧品、エアライン事業などの現場の生産性アップをターゲットにしている。当社
はこうした法人マーケットを事業領域(ドメイン)としている。


本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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ワンストップのソリューションを提供
競合企業としては、それぞれの分野で、アイリッジ(コード 3917)、オプティム(同
3694)、ブレインパッド(同 3655)、JIG-SAW(同 3914)などがある。これらの企業は当社の
個別サービスのベンチマークとなるが、直接的には競合しにくい構造になっている。当社
は、要素技術をまとめて、ワンストップのソリューション提供に力を入れている。同業他
社は、どちらかというと個別のプロダクトで特色を出そうとしている。
当社は、顧客の経営課題にそって新しいテクノロジーを使い、包括的にソリューションを
提供するので、個別のプロダクト・サービスを提供している企業より早く、課題形成の段階
から入り込むことが多い。
また、現場(LOB:Line of Business)の課題解決を、現場の予算を用いて図ることが多
いことから、企業の情報システム部門の予算で課題解決を行う他社とは異なり、競合しづら
い構造になっている。


人材の育成と技術の活用~グローバルに IT のパートナーを開拓
事業の発展過程では、福留社長と伊藤副社長が新規事業を立ち上げて、それを執行役員が
大きくしてきた。当社の発展の原動力は、1)人材の育成と、2)技術の活用にある。
もともとはコンサルからスタートしたので、業務改革に軸足をおいた。これを具体化する
ところで、IT をツールとして活用した。その IT が従来の技術ではなく、常に新しいものを
取り入れて効果を上げてきた。モバイル、セキュリティ、ビックデータ(BD)、IoT などに広
がっている。
当社はベンチャー企業なので、小回りが利く。大きな組織では、すぐに実行しにくいこと
に取り組んで、具体的な成果をだしている。
また、当社のユニークさは、グローバルに IT のパートナーを開拓していることにある。
新しい IT 技術は海外のスピードの方が早い。日本は 3~5 年程度現場への普及が遅れてい
る。とりわけ、米国の動きが早いので、海外の技術を取り入れることに力を入れている。


業界の最大手から攻めていく
常に業界の最大手から攻めていく。業界トップを粘り強く、攻めていく。ハードルは高い
が、そこで一目おかれ、ビジネスを作ることができなければ、大きなマーケットにはならな
いし、本物の競争力も身につかないとマネジメントは考えている。
顧客には 3 つのパターンがある。第 1 は、ティーチャーカスタマー。当社が学ぶことので
きる顧客で、トップの自動車会社やトップの証券会社はそういう存在である。つまり、要求
水準は高く、細かいことをいろいろ言われる。しかし、新しいことをきちんと仕上げるカル
チャーを持っているので、あまり儲からなくてもビジネスモデルのプロトタイプ作りには
役立つ。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート


第 2 が、リードカスタマー。当社の提供するソリューションの価値が分かって、商品化、
サービス化まで、しっかり取り入れる会社である。これは、当社にも収益面で貢献する。
第 3 がモンスターカスタマーである。いろいろわがままなことをいい、評論はするが、社
内での実行力が伴わない客である。無理に付き合っていると徒労に終わるので、早目に手を
引く必要がある。こうした点を踏まえながら、顧客開拓に成功している。




新しいテクノロジーを使う
新しいテクノロジーを表面的に使おうとするのではなく、顧客のビジネスに真に役立つ
ところまでもっていく。ビジネス上の目的を明確にして、顧客がクリエイティブになるよう
なソリューションを提供する。世の中にテクノロジーは山のようにある。単に利用するので
はなく、実際のユースケース(実用例)として評価されるところまで仕上げる。顧客の目線
で、技術を活用する力に優れているといえよう。
これと同じことをやる同業他社はほとんどない。経営コンサル、 コンサル、
IT モバイル、
セキュリティ、IoT など、類似の会社はあっても、現場レベルで具体的なユースケースを作
り込んでいくという競合会社はない。つまり、仕事をとる時点で、コンペ(競争入札)にな
るという例はほとんどない。


市場開拓の実行戦略で成果
市場を開拓するための成長戦略は、1)顧客戦略、2)提携戦略、3)商品開発戦略、4)M&A 戦
略においている。
1)顧客戦略では、フラッグシップユーザーのターゲットを、運輸、金融、製造などのセ
クターにおいて、ここで大手を顧客とし、それを準大手、中小に広げていく。事例の横展開

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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でマーケットを拡大する。

事業成長に向けた4つの戦略~事例



提携戦略 セキュリティ・AIを核にNEW-ITソリューションの普及に向けたパートナーシップの拡充
・米国国防省で採用されているBlackBerryの国内初のプラチナ・パートナー認定
・Googleのクラウド技術で最も先行するクラウドエースのパートナーシッププログラムに参加
働き方改革に資する社外等における安全なネット環境の提供
・浜松市、シスコシステムと産学官連携の協定締結


顧客戦略 フラッグシップユーザーとの先進事例の創出と業界内への横展開
・伊藤忠商事へのBlackBerry全社導入をはじめとするモバイルセキュリティプラットフォームの
 金融、商社、中央省庁への横展開
・東京メトロ、東急電鉄向けiPad/iPhone業務専用アプリの法人向け横展開
・ANAエアポートサービスと羽田空港における手荷物へのロボティクス活用実験
・大手食品生産ラインにおける異常検知のための画像解析AIの提供


商品戦略 Alexa(アマゾンの音声技術)対応アプリSkillを始め、音声BD、RB、ARなどの先進領域のサービス開始
・アマゾンのAlexaに対応したアプリ/プラットフォーム(Skill)の開発サービスの開始
・AIを活用した画像・音声BD(ビッグデータ)解析サービスの提供
・RB(ロボティックス)インテグレーションのサービス提供
・BD分析支援の非構造化ビッグデータ活用ソリューションの提供
・東京メトロ向けAR(拡張現実)を活用した検査員用教育アプリ開発
・総務省 「ICTスキル総合習得プログラム」 の開発・実施


M&A戦略 IPOアクセラレータープログラムの開始、成長のレバーとなるM&Aメソッドの確立
・M&Aメソッドの確立と候補のデューデリの実施
・人材開発に関わる事業投資、IPOアクセラレーターに注力




顧客戦略で、フラッグシップユーザーの開拓が進んでいる。伊藤忠商事には働き方改革に
役立つモバイルセキュリティソリューションを提供し、それを他にも展開している。東京メ
トロや東急電鉄への iPad 向け業務アプリの提供も、広がりをみせている。
AR(拡張現実)による検査員の訓練も行われている。東京メトロは新木場に研修センター
作り、そこには駅が完璧に再現されて、いろいろ実験ができる。しかし、そこにあるトンネ
ルは真新しく、実際の古いトンネルとは全く違う。そこで、iPad をかざすと、 を通して、
AR
古いトンネルの壁面が見え、そこで老朽の度合いを目視して、判断力を養うという研修がで
きる。アップルの AI キットを活用しており、この評価は高い。
ANA エアポートサービスでは、手荷物のロボテティックス活用に向けて実証実験を進めて
きたが、その内容について、 サイドからも次の展開がアナウンスされている。 とは、
ANA ANA
手荷物のハンドリングロボットを開発している。重さ、形がバラバラなので、それをどうコ
ンテナに上手く積み込むか。AI を使ってそのアルゴリズムの開発を行っている。

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2)提携戦略では、New-IT を推進するにあたって、海外発の先進技術や製品を有するパー
トナーと組み、国内においても IT 商品やサービスの販売でパートナーと連携していく。米
国の企業とパートナーを組むように力を入れており、これは順調に進んでいる。AI では、
米国が先行している。最近では、中国も無視できなくなりつつあるが、まずは米国と組んで、
先進的な商材を日本に持ってくるようにしている。
一方で、国内での販売マーケティングには、あまり力を入れる必要がなかった。新しい分
野だけに、顧客からどんどん問い合わせがくるので、それで仕事が入ってくる状況となって
いる。AI プロジェクトは、現在さまざま実施しているが、顧客との守秘義務があるので、
公表されないことが多い。
3)商品戦略では、当社のライブラリにサービス開発のための基幹部品を用意していく先
進的な R&D とサービスのライブラリ化の推進である。アマゾンの AI スピーカーの Alexa 対
応の Skill や、音声 BD(ビックデータ)
、ロボティックス、AR・VR などのノウハウ蓄積で先
行している。
人材育成のプログラムも開発している。IT 技術者は不足している。総務省と『ICT スキル
総合習得プログラム』を開発する契約を結び、これを請負実施している。
4)M&A 戦略では、内部成長だけでなく、外部の経営資源を M&A で手に入れて成長を加速
する。その時に、時価総額がものをいうので企業価値の向上とともに、情報開示を通して当
社の実態を広くアピールしていくという姿勢をとっている。
大型 M&A と並行して、IPO アクセララレータープログラムが進展している。IPO アクセラ
レーターでは、既に 7 社に投資し、2 社はイグジットした。①IPO や M&A でのキャピタルゲ
インと、②事業面でビジネス貢献を狙っている。


「ライブラリ」を構築~競争力の源泉
提供するソリューションの部品となるべきもの、ノウハウやテクノロジー、実例などは、
社内で共有できる仕組みを作っている。これをライブラリと称しており、自分の仕事を通し
て、部品(パーツ)となるものについてはライブラリに納めていく。これをやることが、人
事評価にもつながるというインセンティブシステムを取り入れている。
例えば、客がヒトやモノの位置情報をより正確に知りたいとする。どこにいるのか、どこ
にあるのかを常に瞬時に把握しておきたいとすると、それらの位置情報をまとめるシステ
ムが必要である。屋外なら GPS を使う、屋内ならビーコンを使うなど、必要なテクノロジー
のマップが、ライブラリにカテゴリー別にまとめてあるので、利用可能なものがあればその
中から使う。


ストック型ビジネスが 6 割を占める
ストック型のビジネスモデル(BM)という点では、自動継続課金型モデルをベースに、その

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売上比率を現在の 6 割を 8 割まで上げていく方針である。6 割のうち、ソフトウェアのメー
タリング(月額使用料、年額使用料など) 2 割、
が リピートユース(ソフトのメンテナンス、
バージョンアップなど)が 4 割である。また、ストック型 BM の中の製品は、半分が自社開
発で、半分が他社製品という割合である。


New-ITトランスフォーメーションにおけるライブラリの活用事例
ライブラリ名 導入企業              導 入 事 例

モバイル・アプリ
航空会社 パイロット、客室乗務員がモバイル端末を用いて運用情報やマニュアルなどを参照
ケーション

モバイル端末 IT会社 SE等が利用するモバイル端末の利用ルールを策定し、デバイス管理、ツールの設定・運用

セキュリティ 総合商社 New-IT 環境に運用したセキュリティポリシーの策定と順守のためのツール等

ビックデータ解析 食品メーカー 販売データ分析し、売上増加タイミング、機会損失しないための物流オペレーションの再設計

クラウド解析 鉄道会社 クラウドストレージを活用した現場映像の管理

Iot活用 地下鉄会社  IoTを用いた設備の点検、保全業務の設計と実現

New-IT人材開発 メガバンク New-IT 活用システムに向けたビジネスモデルの変革のための青写真と実行のための人材教育

VRラーニング サービス業 人材教育の効果を向上させryためのVRコンテンツの企画・開発・運用

AR 教育会社 AR技術を活用したタブレットによる人材教育の企画・開発・運用

画像認識AI 損保会社 画像認識技術を用いた見積りの作成・検査の自動化

音声認識AI 航空会社 音声認識による顧客との会話のログ収集・テキスト化・分析

データ流通基盤構築 自治体 データ活用に向けたデータ流通基盤の構築をトータルにサービス

離職率解析 IT企業 人事データの解析による離職率低下に向けたエンゲージメントの強化

心拍変動解析 大手企業 心拍変動解析を基礎としたストレス分析による健康経営の推進




成長に向けたリソースの開発
提携戦略 提携戦略では、海外のシステム商品を日本に持ち込んで、それを活用するビジ
ネスモデルを作っていく。
国内初で、ブラックベリー(BlackBerry)のプラチナ・パートナーに認定された。ブラッ
クベリーは、一時期流行った通信端末からは撤退し、ビジネスモデルを転換した。ソフト開
発会社として、セキュリティに強みを発揮し、その暗号に関する技術レベルはかなり高い。
当社はこのソフトに興味があり、日本ではまだほとんど活用されていないので、そこをカバ
ーし、マーケティングしている。
ブラックベリーは、米国国防総省(ペンタゴン)向けに、各種のセキュリティ製品を提供し
ており、このセキュリティ技術を活用して、あらゆるメッセージ・ファイルを安全につなぐ
ことができる。これを、日本において働き方改革における生産性向上のための安全なネット
環境を提供することに活用していく。

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働き方改革では在宅勤務がポイントで、社外でも会社にいる時と同じようなネット環境
を安全性高く保証する必要がある。ペンタゴンのセキュリティレベルを提供するという点
で、ブラックベリーの製品は有効であり、当社はその応用で先頭を走っている。
顧客戦略 モバイルセキュリティプラットフォームの販売が好調である。銀行を中心に、
証券会社、生保、商社へと販売先を拡大している。また、中央省庁、大手法律事務所、教育
機関などにも展開している。セキュリティニーズの高い大企業や公官庁へ、横展開が進展し
ている。
運輸、製造業向けに新技術による業務活用を促進している。ロボティックス(RB)、IoT、
ビックデータ(BD)、画像解析などの技術を応用している。ANA エアポートサービスとは、羽
田空港における物流分野の RB 活用に向けた実証事業を行っている。大手食品製造業向けに、
生産ラインにおける異常検知のための画像解析プログラムを提供している。
こうしたプロジェクトのノウハウはライブラリに蓄積して、業界内の類似課題やテーマ
に対して横展開していく。
商品戦略 商品戦略では、先進技術の R&D に力を入れている。ユースケースの開発、ライ
ブラリ化では、要素技術をいかに実践的に使いこなすかがポイントである。
アマゾンのアレクサ(Amazon Alexa)に接続するアプリ/プラットフォームの提供及び開
発サービスを開始した。アレクサは音声認識の AI(人工知能)で、それに接続するアプリ
を当社が提供する。スマホを開いて指で操作しなくても、声だけで反応して AI で的確に応
えてくれる。
アレクサ(Alexa)に対応した当社のアプリ/プラットフォーム(Skill)は、音声データ
の解析技術と組み合わせたソリューションを展開している。Skill のような音声によるイン
ターフェイスはこれから本格化する。ここではパテント(特許)も申請している。
また、大容量データ分析を支援する非構造化ビックデータ活用ソリューションの提供を
開始した。センサーデータや音声データなどの非構造データを高速に検索し、処理すること
ができる。音声認識技術と融合したソリューションで、情報分析を通して、マーケティング
や販売戦略の立案に活用していく。コールセンターの音声データや監視カメラの画像デー
タは、そのままではほとんど使われていない非構造化データである。これらの活用がこれか
ら進むことになろう。
M&A 戦略 M&A に当たっては、その会社の人材と顧客先の双方をみていく。New-IT トラン
フォーメーションは顧客先にこそ必要であり、ユーザーの開拓というのも M&A の重要な要
素である。


ビジネスの広がり~積み上がる事例
・鉄道システムの点検業務管理~トンネル検査の社内訓練用 AR(拡張現実)アプリ
鉄道システムでは、トンネルの点検、駅や線路の点検、車両の管理業務について、いかに

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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生産性を上げていくかがポイントである。東京メトロではトンネルの仕事から始まって、他
の部署に広がっている。
・商社の働き方改革
伊藤忠商事は、働き方改革の中で、仕事のモビリティを高めている。どこででも働けるよ
うにする。その時、社内のいる時と同じような IT 環境をいかに作っていくか。
多くの企業では、セキュリティの制約が強くかかるので、社外では、社内にいる時と同じ
ように IT は使えない。それを、当社は、米国で最もセキュリティが高いシステムをいち早
く取り込み、これを応用して、手元の端末でもデータの使い易さを確保するようにした。
この仕組みをまずトップマネジメントに使ってもらい、その効果を体験してもらった上
で、会社全体に広げる方向となった。決め手は、トップダウンである。POC(Proof of Concept、
概念実証)を行った上で、一気に適用することとなった。
・地方公共団体の政策立案サポート~リーサスの活用
鹿児島県を始めいくつかの県や市で、地方創生、地域活性化の政策立案をするにあたって
は、思い込みではなく、データを活用してエビデンス(科学的根拠)を積み上げていく必要
がある。内閣府のリーサス(RESAS、地域経済分析システム)には経済データが詰まってい
るが、これを地元の地域おこしにどう活用するか。このビックデータの活用に当たって、当
社が課題分析や政策形成を支援していく。この仕事が次々にとれている。
・BD(ビッグデータ)の分析トレーニング
浜松市の職員を対象に、データ分析能力の向上のためのトレーニングを提供した。浜松市
の主力産業である製造業でのデータ活用、産学官連携によるデータサイエンティストに育
成などにも力を入れている。自治体が第 4 次産業革命をサポートしていくには、自らの人材
育成も不可欠である。この分野も全国に広がる可能性をもっているので、有望なマーケット
であろう。
・データサイエンスおよび AI 講座が経産省で認定 1 号
経産省の「第 4 次産業革命スキル習得講座」に認定された。高度な専門性を身につけて、
キャリアップを図るためのもので、国が支援する。当社の IT 教育スキルがそのまま活きて
いる。この人材育成ビジネスは、①IT 事業者(大手 IT 企業)の教育、②官公庁や大企業の
デジタル組織のコンサルと教育、③スキルアップ人材の教育といった領域で展開しており、
ニーズと需要は飛躍的に高まっている。




3.大型M&A トラストバンクでパブリテックを急展開


トラストバンクは、「ふるさとチョイス」を企画・運営
2018 年 11 月 30 日にトラストバンク(TRUSTBANK)を子会社化した。ふるさと納税の取り

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扱い規模で圧倒的№1 である。寄付金額ベースでシェア 5 割強を有する。このふるさと納税
の統合サイトを運営するトラストバンクの株式を 60.11%取得し、子会社化した。さらに、
この 8 月に持株比率を引き上げ 70.23%とした。
TB(トラストバンク)は、
「ふるさとチョイス」を企画、運営し、ふるさと納税では圧倒
的な№1 である。当社のサイトのおかげで、ふるさと納税に関わるサービスが一元的に使え
るようになり、選択肢が増え、利用しやすくなった。
マーケット指標として、ふるさと納税の寄付金額の推移をみると、業界全体で 2012 年度
104 億円、2013 年度 145 億円、2014 年度 389 億円、2015 年度 1653 億円、2016 年度 2844 億
円、2017 年度 3653 億円、2018 年度 5127 億円と急拡大をみせている。


トラストバンクの業績
(百万円)
2015.9 2016.9 2017.9
売上高 716 3442 6048
営業利益 164 676 878
経常利益 173 679 873
純利益 111 450 558


純資産 127 578 1136
総資産 384 1352 2026



ふるさと納税で業界トップ
TB は、ふるさとチョイス以外にも、全国の生産者事業者を支援する「たのもし」サイト、
ふるさと探しを手伝う「ローカル日和」サイト、日本の魅力と課題を伝えるメディア「Area
Japan」
、自治体ポイントが使える新スタイル通販サイト「めいぶつチョイス」などを運営し
ている。
ふるさとチョイスは、返礼のデータを 1 つのサイトにまとめて、決済できるようにした。
ワンストップのふるさと納税の仕組みが画期的である。現在 1430 の自治体と契約し、返礼
品の掲載数は 20 万点に及ぶ。主要 35 県で使われており、シェアは 50%を超えている。TB
は、「ICT を通じて地域とシニアを元気にする」というミッションのもとで、日本最大のふ
るさと納税プラットフォームビジネスを築いてきた。
一方、チェンジ本体は AI や RPA など New-IT を用いて自治体の業務改革に取り組んでお
り、パブリックセクター向けのサービスが事業の柱に育っている。チェンジの福留社長と TB
の須永珠代代表取締役とは、この自治体向けのビジネスで知り合って、一緒に仕事をするこ
とも増えていた。その中で、TB の M&A の話が出てきた時に、競合企業よりもチェンジと組
んだ方が互いのミッションを共有して、事業が発展できると認識した。

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想定時価総額が 80 億円と評価され、その 60%を取得した。株式の取得価額は 48 億円であ
った。 の地域事業の支援と当社の自治体内での New-IT の活用を上手く合体して新しいシ
TB
ナジーを出していくことになろう。
当社からみると、TB は全国 1400 の自治体にネットワークをもっている。これらの自治体
の IT 活用に、
従来と比べものにならないくらいの速いスピードで入っていける。
地域振興、
自治体のサービス、生産性の向上、というパブリテック(公共セクターのテクノロジー革新)
を推進していく。さらには、インバウンド関連、デジタル決済も視野においている。


地方自治体へのネットワークを活かす
自治体は変化に対して一般に保守的である。ところが、ふるさとチョイスについては、参
加した自治体がみな目を見張っている。このプラットフォームを活かして、自治体のサービ
ス改革をさらに進めることができよう。これがビジネスになる。
全国 1788 の自治体の業務をみると、かなり共通のものが多いはずなのに、それをサポー
トするシステムは別々にできている。このためのシステムに 6400 億円が投資されているが、
これを共通化して、新しい仕組みにしていくことで、コストが下がり、サービスの生産性が
上がっていく。サービスを受ける住民にとっても、オンラインで手続きができるようになれ
ば、今までよりは手間がはぶけ、時間もかからなくなる。
インバウンドの取り込みでも、来日観光客を地方に呼び込み、そこで、デジタル決済がで
きるようになれば、使うお金も増えてくる。中国、香港、台湾、韓国の通貨が決済できるよ
うにすれば、利便性は相当に上がる。これをチェンジがリードしようとしている。


国内ECプラットフォームにおける流通規模
〔2017年度〕 (億円)
楽天 33797
アマゾン 20686
ヤフー 15325
メルカリ 3070
ゾゾタウン 2610
ふるさとチョイス 2099
メイクショップ 1480
ワウマ 1160
(出所)チェンジ資料より




TB の NEW-IT~パブリテックの展開
TB のふるさと納税関連取扱高は 2017 年度で 2099 億円を占めた。これは、国内の EC プラ
ットフォームの流通額でみると、第 6 位に位置し収益性も高い。

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しかし、
チェンジは、
ふるさと納税事業を伸ばしたいだけで TB を買収したわけではない。
ふるさと納税の利益を合算して企業規模を大きくするというのが第一の目的でもない。も
ちろん、ふるさと納税関連事業にこれからも力を入れていく。
チェンジは、本体のパブリックの事業、人材を TB に移して、ここで新しいパブリック事
業を伸ばしていく。その時、ふるさと納税事業を通して、地域の自治体とつながっているこ
とが大きな強みになる。自治体のサービスを New-IT の導入によって一新するというのが、
最大のねらいである。
ふるさと納税事業では、2 つの課題があった。1 つは、自治体によって、ふるさと納税の
本来の趣旨を逸脱して、お金(納税資金)を集めているところがある。返礼率を高くして、
しかもふるさとの物産を活かして地域振興を図るという対応をせず、単に金を集めればよ
いという姿勢が見られた。総務省はここに規制を加えた。それでも、ふるさと納税という本
来の仕組みは活かされるので、ネガティブに捉える必要はない。
もう 1 つは、ふるさと納税のプラットフォームを提供する中での手数料率にある。これは
ポジティブな効果をもたらす。この手数料率は TB
(ふるさとチョイス)の場合 2%であった。
これが競合他社では 9%~12%である。この手数料をサービスの改善を取り入れながら上げる
ことは競争条件からみて十分可能である。トラストバンクはふるさとチョイスというふる
さと納税プラットフォームを運営しており、プラットフォーム運営は固定費型ビジネスで
あり、売上増加分が収益に直結するので、収益性を大幅に改善する余地が大きい。
パブリテック事業では、New-IT で新しい可能性がある。 は 1430 の自治体と取引がある
TB
が、全国の自治体は既存の IT に 6000 億円のお金を使っている。この従来型のシステムは、
各自治体がバラバラに構築し、それを富士通、NEC など大手が担ってきた。
この牙城を崩して、効率化を進めるというねらいである。新しい IT、AI、RPA を使ってい
けば、そして自治体に共通の仕組みをプラットフォーム化すれば、6000 億円が 3000 億円で
済むと福留社長はみている。ここにチェンジのチャンスがある。
自治体では、地域の人口が減り始めている。サービスの効率化、コストダウンを図る事は
急務である。一方で、社会保障費は増えていく。高齢者のためのサービスを充実する必要が
ある。お金の使い道を大幅に変えざるをえない。
また、地域経済をうまくまわすには、地域のエコシステムを活用して、地域共創を図って
いく必要もある。例えば、ふるさとチョイスのほかに、めいぶつチョイスなどにも活かせる。
ここに自治体ポイントを導入する。地域の中でお金をまわすが重要である。外国人にも来て
もらって、
デジタル決済ができるようにする。
このようなところで New-IT を活用していく。
実現性の高いストーリーである。


この 8 月に持株比率を引き上げ
8 月に、子会社である TB(トラストバンク)の持株比率を従来の 60.11%から 70.23%へ上

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げた。60%所有の時は 48 億円を投資したが、今回の 10%アップには 8 億円を投資した。この
原資としては、5 月の公募増資のファイナンス資金を一部当用した。
同時に、福留社長も TB のマネジメントに深くコミットするという意味も込めて、1.91%を
個人で取得した。残りの 27.8%については TB の創業メンバーが引き続き所有し、マネジメ
ントに当たっている。




4.中期経営計画 DX(デジタルトランスフォーメーション)で日本のリーダーを目指す


日本の政策 Society 5.0 の実現に向けて~ど真ん中で勝負
当社を取り巻く市場環境は、政府の方針に端的に表れており、追い風の中で、それをリー
ドしようとしている。2017 年の未来投資戦略は、
「Society 5.0 の実現に向けた改革」がテ
ーマであった。Society 5.0 とは、①狩猟社会、②農耕社会、③工業社会、④情報社会、の
次にくる成長フロンティアをイメージしている。
そこでは、IoT、BD(ビックデータ)
、AI、ロボットなどの第 4 次産業革命の先端技術を、
あらゆる産業と社会生活に導入していく。それを通して、さまざまな社会課題の解決に向け
て、イノベーション(革新的な仕組みづくり)を活かして、一人一人のニーズに合わせたサー
ビスを提供しようというものである。
高齢者への対応、働き方改革、サプライチェーンの進化、人材力の強化、行政手続きや規
制の見直し、フィンテックの活用など取り組もうとしている。①健康寿命の延伸、②移動革
命の実現、③サプライチェーンの次世代化、④快適なインフラ・まちづくり、⑤Fintech、
⑥データ活用基盤の構築などに力を入れている。
2018 年の未来投資戦略では、「Society5.0」「データ駆動型社会」への変革』をテーマ
『 ・
とした。データ駆動型社会が加わったのである。
AI、BD、IoT などが社会に実装されていく中で、米国、中国を中心にデータの囲い込みや
独占を図るデータ覇権主義の台頭が懸念される。デジタル時代の価値の源泉であるデータ
や、それを駆使して新たな価値を創出する人材のグローバルな争奪戦も始まっている。
日本は圧倒的に人材不足である。このままでは、日本は国際競争の大きな潮流の中で埋没
しかないという危機感が政府にある。日本の課題は分かっている。それを現場からのリアル
なデータによって見える化し、課題の解決に向けて、新しい社会改革に取り組んで、成功体
験を積み上げでいこうというねらいを込めている。
そこで、2018 年のテーマは「Society5.0」に「データ駆動型社会」が加わった。人手不足
には、AI やロボットによって自動化が進む。過度な業務負担が大幅に軽減されよう。工場
だけでなく、オフィスでも、町でも、家庭でも利便性は上がってこよう。
自動翻訳で、外国語とのコミュニケーションもやり易くなる。遠隔サービスやリアルタイ

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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ム化の進展で、新しいサービスが次々と登場してこよう。今まで、使われていなかったデー
タを収集、分析、活用することで、新しいサプライチェーンが作られる。医療・介護、農産
品、観光、行政においてもサービスのあり方が大きく変質してこよう。
人材を活かす制度も 2 つの面で変化していく。国の政策としては、女性、高齢者、障害者、
外国人などがより活躍できるように舵取りをしていく。民間でも、大企業、中堅中小企業と
も、必要な人材の中身が変わってくるので、いい人材に来てもらえるような働き方の魅力を
備えていかなければならない。
双方において、人材の教育は必須である。働く人々も、①自分は今なにができるのか、②
次に何ができるようになりたいのか、を真剣に考えて努力する必要がある。学び続け、新た
な経験に挑戦することが、おもしろい仕事に出合えるカギとなろう。


経営環境に対する認識
人口動態は最も確実に将来の予測を示すが、高齢化、出生率の低下、生産労働人口の減少
は急ピッチで進む。30 年後には、労働人口が 3000 万人近く減少していく。この人口減少に
いかに立ち向かうかが、わが国の最大のテーマである。政府の方針においても、①Society
5.0 、②働き方改革実行計画、③デジタルガバメント実効計画、④キャッシュレス・ビジョ
ンなどが次々と打ち出されており、これらを推進しようとしている。
そこに、チェンジのミッションが合致する。つまり、労働生産性の向上に貢献すべくビジ
ネスを展開する。生産性の向上=人×技術=人材育成×New-IT である。人手不足を自動化
で補い、人々には新しい仕事についてもらう。新しい産業で必要となる新しい人材の育成も
不可欠である。
New-IT 領域の投資は活発である。ここでは、3 つの領域が注目できる。第 1 に、DX(デジ
タルトランスフォーメーション)の動きが全ての産業で盛り上がっている。 2 は、 (事
第 LOB
業部門の現場)における IT 投資が新規に拡大している。第 3 に、働き方改革に向けて、生
産性向上のための新しい IT 活用が不可欠になっている。これらが、当社の事業拡大に直接
結びついている。


New-IT トランスフォーメーションの市場
当社が New-IT トランスフォーメーションとして取り組む市場は 3 つある。1 つは、経営
レベルのビジネスモデル変革のための IT、2 つ目は、LOB(事業ライン)レベルの業務革新
のための IT、3 つ目は、従来型 IT 部門におけるインフラとしての IT である。
インフラとしての IT は 14 兆円市場であるが、これは New-IT に代替していく可能性があ
る。一方で、LOB(Line of Business)はまさに業務の現場であり、生産、販売、マーケテ
ィングなど、ここで IT が新ビジネス作りに貢献する。ビジネスモデルの革新も IT がそれ
を支えるようになっていく。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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当社は、LOB をメインターゲットとして、マネジメントレベルにも入っていく。そして必
要ならば大手の SI と組んで、IT インフラのところにも取り組んでいくという方針である。




SI 企業が相手にするマーケットは、現在 14 兆円ほどであるが、この市場が新しい IT で
変貌していく。当社は大手の SI 企業と競合するのではなく、そこと組んで新しいマーケ
ットを作っていく。その意味ではパートナーとなっている。大手がもっていないテクノロ
ジーやノウハウを活かして、連帯して新しいマーケットを作り、そちらへのシフトを誘導
していく。


中期経営計画を策定
5 月に新中期 3 カ年計画の公表をした。 カ年計画を 1 つのフェーズとして、
3 全体は 15 カ
年の長期ビジョンである。そのコンセプトは「日本のデジタル時代を創る、主役になる」と
いうことである。それを“Digitize & Digitalize Japan”と名付けている。3 年×5 フェー
ズの 15 年で、日本の DX 市場においてリーダーの地位を確立することを掲げている。
第 1 フェーズの中期 3 カ年計画(2019.9 期~2021.9 期)では、DX のリーダーを目指し
て、現在の 3 つの事業(NEW-IT トランスフォーメーション事業、投資事業、パブリテック
事業)を柱として、その拡大を図る。
財務指標としては、 年後の 2021 年 9 月期で、
3 売上高 155 億円(2018 年 9 月期比 5.9 倍)、
営業利益 47 億円(同 9.1 倍)
、純利益 20.8 億円(同 6.0 倍)
、従業員 200 人(同 2.1 倍)を
目指す。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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NEW-IT トランスフォーメーション事業(NIT)では、顧客数×客単価で成長を図る。2018.
9 期の顧客数 234 社×11.1 百万円(1 社当たり取引額)を、2021.9 期は 320 社×19.2 百万
円に高める計画だ。

中期経営計画の骨子



コンセプト Digitize & Digitalize Japan (Phase 1)


長期目標 3年×5フェーズの15年で、日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)市場
において、リーダーの地位を確立する


戦略 1.顧客獲得戦略 ・フラッグシップモデルの拡大
・既存SIerとの連携
・M&Aによる業界の短期席巻

2.顧客単価アップ戦略 ・クロスセルによる単価アップ
・多様な部署への直接提案

3.既存事業の強化 ・サービス強化、高付加価値化
・取扱高の増加

4.新規事業の創造 ・めいぶつチョイス
・自治体ポイント


〔2018.9期〕 〔2021.9期〕
評価指標 ① 顧客数×客単価 234社×11.1百万円 → 320社×19.2百万円


② 従業員数×1人当たり売上高 95人×27.4百万円 → 200人×30.7百万円


③ 取扱高×テイクレート 2000億円×2% → 2000億円×α%




この間の従業員数と 1 人当たり売上高は、2018.9 期の 95 人×27.4 百万円を、2021.9 期
には 200 人×30.7 百万円へもっていく。大幅な生産性向上を目指す。
NIT では、製造業、金融、商社・流通、公共、IT の 5 業種を主力マーケットとしていく。
人材は現在の 95 人を 3 年後に 200 人まで増やす。デジタル人材の獲得競争は激しいが、当
社の魅力と人材育成力を軸に増員を図る。NIT の公共については、TB に移しているが、今下
期からその効果は出てこよう。
パブリテックのトラストバンク(ふるさと納税)事業では、取扱額×テイクレートを基本
に、1)取扱額は総務省の新しい規制で一時的に鈍化するとしてもふるさとチョイスの優位
性は生きる。2)テイクレート(フィー)は、業界が 9~12%に対して、当社はこれまで 2%で

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
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あったが、これをサービスの高付加価値に見合って上げていく方針である。
中計の達成に向けた戦略としては、①フラッグショップモデルによる顧客獲得、②既存
SIer との連携による顧客獲得、③M&A による顧客獲得、④クロスセルによる顧客単価アッ
プ、⑤顧客の多様な部署への直接提案のよる顧客単価アップ、⑥サービスの高付加価値化と
テイクレートの改善、⑦モノからコトに向けた取扱高の増加、⑧新規事業の創造(「めいぶ
つチョイス」や自治体ポイントなど)を実行する。
まだ中計に入れていない内容としては、 パブリックにおける自治体向けデジタル化や、
1)
2)自治体によるポイントサービスのサポートなどがある。例えば、各自治体がポイントを
発行し、それを使って地元やイベントを選べる「めいぶつチョイス」に誘導することもあり
える。ふるさとチョイスは 2000 億円の取扱高を 2500 億円にもっていくことも十分可能で
あろう。
中期3ヵ年計画の財務目標
(百万円、%)
2018.9 2019.9(計画) 2020.9(計画) 2021.9(計画)
(単体) (連結) (連結) (連結)
売上高 2064 7488 11000 15500
営業利益 513 〔19.7〕 1448 〔19.3〕 2349 〔21.4〕 4700 〔30.3〕
経常利益 513 1323 2335 4686
当期純利益 343 766 1421 2972
親会社に帰属する利益 343 515 1014 2080
(注)カッコ内は売上高営業利益率




事業展開における勝ちパターン
当社の事業展開における勝ちパターンは、業界トップクラスの企業にまず入って、そこ
で新しいビジネスモデルを確立し、それを同業他社へ広げていく。大手から中堅へという
パターンである。
例えば、大手自動車メーカーに向けに新しいアプリを開発し、その採用をテコに、グル
ープ 4000 社に広げて行くことを狙う。地下鉄のトンネル検査が、JR や高速道路にも広が
って行く。金融庁の仕事をして、それをメガバンクに広げていくというパターンである。
主要顧客は、トヨタ、JR、みずほ、三菱 UFJ、IBM、NRI、野村證券、富士通、ソニーな
ど大手企業を得意とする。1 件あたりのプロジェクトの金額は、数百万から数千万円であ
るが、次第に大型のものを狙っていく。


ライブラリを一段と強化~商品戦略と R&D の位置づけ
New-IT Transformation を実行するために、ライブラリの強化を図っている。このアプ
ローチは、自社開発のオリジナルパーツと、他社製品を組み合わせて、システムを作り込
んでいく。そのためのパーツをライブラリに取り揃えて、いつでも使えるようにしてお

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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く。そのうえで1つの大手から別の同業他社へ横展開していくという方式をとる。
今後の展開では、スマートデバイス、セキュリティ、クラウド、BD(ビックデータ)、
IoT、ロボティックスをターゲットとする。アップルの法人ビジネスを成功させてきたの
で、これからも海外のプレイヤーと組んで、パートナーを増やしていく方向である。
R&D では、ライブラリの強化を目指す。具体的な商品開発戦略では、AI プロジェクトが
進んでいる。5 人の博士チームが独自の AI 解析システムを作り上げており、これを業務プ
ロセスに応用していく。
この 7 月にも新しいサービスがライブラリに加わっている。
・データ流通基盤構築 7 月より、データ流通基盤構築サービスを開始した。企業や自治体
が保有するデータが、「データ流通基盤」というインフラにきちんと仕上げて、それが有効
に活用してビジネスやサービス向上に結び付けられるようにする。例えば、沖縄の観光や街
に関する様々なデータをまとめて 1 つの「データ流通基盤」に仕上げる。このインフラを使
ってビジネスが拡大できるように支援する。
・離職率データアナリティクス 離職率を低下させるにはどうしたらよいか。企業が持っ
ている人事データをビックデータとして解析し、人材の組み合わせなどに活用するコンサ
ルサービスを 7 月から開始した。従来の従業員満足度調査や意識調査では捉えきれない要
因を抽出し、それをエンゲージメントに活かしていく。データアナリテックスのノウハウを
利用するコンサルである。
・心拍変動解析健康経営 心拍変動解析を用いた社員の健康状態モニタリングのサービス
を 7 月より開始した。心拍数を分析して、BD の分析ノウハウを利用する。ストレスレベル
やエネルギーをスマホアプリでデータとして把握し、心の病にならないように早目に手を
打っていく。健康経営を目指す法人をターゲットに普及を図っていく。心拍変動(HRV)は、
循環機能の自律調節活動の状態を表すので、このデータを応用する。


新技術の市場化戦略
チェンジでは、新技術の市場化ステージを 4 段階で捉えている。1)第 1 ステージ〈技術
研究〉~自社で技術を研究し活用を順次検証していく。2)第 2 ステージ〈事業性評価〉~
それが事業になるかどうかをフラッグシップユーザー1 社に導入してパイロットプロジェ
クトを実行する。3)第 3 ステージ〈サービスの横展開〉~先行事例をもとに、それを同一
業界や類似業界へ横展開してノウハウを蓄積する。4)第 4 ステージ〈市場拡大〉~販売パ
ートナー、技術パートナーと組んでビジネスを一気に伸ばす。


提携戦略と IT 技術の導入
IT 技術の導入に当たっては、ガートナー社の技術評価を利用しており、日本に未進出の
テクノロジーで有望なものをいち早く取り込んでいる。米国の企業は、アジアではシンガポ

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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ールや香港にアクセスしても、日本へのリーチは必ずしも早くない。日本は英語のバリアが
あり、ビジネスのピッチも遅いので、そこに当社がうまく仲介できる余地がある。
提携戦略では、新しい IT 商材を取り入れて使いこなすようにしている。実際、米国
SimpliVity 社のハイパーコンバージド・インストラクチャー製品は、有力なその 1 つであ
る。これをライブラリに入れた。従来なら IT 機器を幾つも組み合わせて、全体のシステム
を作り上げていくが、いろいろな機能を超(ハイパー)集約(コンバージェンス)して、 イ
IT
ンフラを構成していく。米国ではすでに使われ始めており、日本ではこれからである。安く、
早く、拡張性の高いシステムを今後ビジネスに活かしていく。


チェンジが推進する新技術の市場化ステージ



4thステージ 販売・技術パートナーとビジネスをレバレッジ
市場拡大


市 3rdステージ 同業・類似業界へ横展開し、ノウハウを蓄積
場 サービスの横展開

模 2ndステージ フラッグシップユーザーに導入
事業性評価


1stステージ 米国新技術
技術研究





IPO アクセラレーション・プログラムの本格化
M&A に関するコンサルや投資育成業務について、2017 年 12 月の株主総会で定款変更を行
った。これで M&A を事業の 1 つとして明確に位置付けた。
M&A について、福留社長は 3 つのパターンを想定している。1 つはリソースの調達で、人
材の確保を考えている。2 つ目は、テクノロジーの確保で新しい分野での開発力を手に入れ
る。3 つ目は、メーカー機能の獲得である。IoT のバリューアップをするためには、製造業
的ものづくりも必要である。
では、傘下に入れた企業をどのように統合していくのか。PMI(買収後の経営統合)に当た
っては、基本はチェンジの企業カルチャーを理解して、それに馴染んで行動を変えていく人
材を求めているし、そのようなマネジメントを展開する方針である。
IPO アクセラレーション・プログラムを開始した。IPO アクセラレーション・プログラム
とは、 直前の新興企業と資本業務提供して、 系の新しい技術サービスを当社がサポー
IPO IT
トしていく。先方にとっては、上場後のビジネス拡大余地が広がるのでメリットが大きい。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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当社も New-IT 分野で顧客を増やすと同時に、サポートの対価として株式を通したキャピタ
ルゲインも得ていく。
その 1 号案として Phone Appli 社と資本・業務提供した。Phone Appli 社は、ウェブの電
話帳で強みを有しており、ここに投資して事業拡大をサポートする。IPO 支援プログラムと
して投資した Phone Appli 社は、クラウド web 電話帳アプリで、国内シェア№1を有し、ユ
ニファイルド・コミュニケーションソリューションの開発、販売に力を入れている。この会
社を売却した。当社としては営業投資有価証券の売却益が、2018 年 9 月期の業績に貢献し
た。
第 2 号は GA technologies への投資で、ここは不動産関連の AI を活用したリノベーショ
ンアプリの開発運用や、不動産投資アプリの開発運用を手掛けている。IPO アクセラレーシ
ョンの投資先は、エンタープライズ IT に特化していく。当社の目利き力を活かして、成長
できるかどうかが判断できるうえ、シナジーも十分読めるからである。この会社も 2019 年
9 月期の 2Q に売却した。
投資事業~IPOアクセラレーションプログラム


投資先 投資期 事 業 ねらい 出資後
Phone Appli 2017.4 クラウドweb、電話帳アプリ 共同マーケティング 2018.8
NTTコミュニケーションズに売却


GA technologies 2017.12 AI不動テック AIシナジー 2018.7にマザーズ上場
2019.9期の2Qに売却


ヘッドウォーターズ 2018.4 ロボット用AI 共同マーケティング 保有


ボイスタート 2018.7 シニア向けAIスピーカーサービス 地域創生事業 保有


AI CROSS 2018.7 AIビジネスチャット パブリテック推進 保有


識学 2018.9 組織マネジメント 共同マーケティング 2019.2Qにマザーズ上場、保有


GAUSS 2019.7 AI予測汎用エンジン 法人向けAI市場開拓 保有




ヒューマノイドアプリ開発のヘッドウォータース社に投資した。ヒトの形をしたロボッ
トで AI スピーカーの活用を展開していこうとしている。
ヘッドウォータースとの資本・業務提携にみられるように、アクセラレーション・プログ
ラムでは、1)当社のネットワークにいろんなベンチャー企業の情報が入ってくる。2)その
中から双方の事業の相性をみて、事業面でサポートできることを確認する。3)その上で、
資本も 10%前後で提供する。この投資業務、事業育成業務を当社の本業とする。すでに定款
も変更している。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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また、5 番目の事業投資として、AI Cross(旧 AOS モバイル)の株式の一部を取得した。
この会社は AI ベースのビジネスチャットソリューション「In Circle」やスマホ利用の法人
向け SMS ソリューション「AOSSMS」など手掛けている。B to B のモバイルコミュニケーシ
ョンをサービスする。こうしたツールを自治体向けサービスに応用していく方向にある。
6 件目の識学は 2 月に東証マザーズに上場した。新規上場は 2 件目である。この識学と連
携して、社員の生産性を可視化するためのデータ分析サービスを開始した。
当社は大企業に強く、識学は中堅企業への営業力が強い。小売業や飲食業において、アル
バイトも含めて 1 人 1 人の生産性をどうやって測るか。それを人事管理、人事評価にいか
に活かしていくか。
この時、様々なデータを BD(ビックデータ)として分析し、生産性に関わる重標指標を
見出していく。このコンサルを当社が担う。ここのノウハウを蓄積し、識学はその活用法を
自社のビジネスに活かす。識学の企業価値が上がれば、当社の投資事業にもプラスとなる。
7 月には、GAUSS に投資した。数千万円で数%保有するというタイプである。AI を使って
予測システムを作り上げる独自の AI アルゴリズム(マシーンラーニング、ディープラーニ
ング)を得意とする会社である。GAUSS との協業によって予測・画像認識、自然言語処理・
音声解析などの分野でユースケースの開発を目指している。


新商材の投入で事業領域を広げる
事業領域が広がった事例として、第 1 に AI を用いた業務プロセスの自動化、省力化があ
げられる。例えば、金融機関で専門特化した人が行っている業務を BPR(ビジネスプロセス
リエンジニアリング)としての業務改善に向け、AI で識別して自動化を進めている。
第 2 は、IoT を活用した新たなビジネスモデル(BM)の構築である。製造業において、IoT
を利用してメンテナンスやアフターサービスのニーズを探る。機械の稼働状況をリアルタ
イムで押さえていれば、故障の前にサービス要員を派遣できる。こうしたメンテナンスサー
ビスを新規ビジネスとして確立して、サービスフィーを課金できるようにして、会社全体の
ROI を上げることに貢献する。
第 3 は、第 4 次産業革命を支えるデータサイエンティストの育成である。マーケティン
グや R&D に当たって、これまで貯まってはいたが、利用されていないデータ、新しく収集で
きるようになる膨大なデータをどう料理してビジネスに活かすか。こうしたデータを分析
するデータサイエンティストが大幅に足りない。日本では、25 万人も足らないという数字
もある。ここの育成は急務であり、企業の中にこうした人材を育てていく必要がある。
・VOX/AI スピーカー
当社は、Alexa 用のアプリ Skill の開発を業務用に本格展開している。 スピーカーでは
AI
2 つのビジネスモデルが具体化している。1 つは、法人向けに Skill を使うアプリ開発であ
る。もう 1 つは、その Skill を、スピーカーを通して利用する仕組みについて月額課金モデ

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ルを導入することである。
音声認識をテキスト化して、業務用に応用するニーズはいろいろあり、すでに開発の契約
が取れ、それができ上がってくる。



新商材の市場投入事例

VoX(Voice of eXperience)~ AIスピーカー

VoXサービスメニュー 企業向けAlexaサービス
Amazon Echo の活用ノウハウ
Amazon Alexa Skill 企画開発 Skill開発サービスPF提供
音声認識導入支援
独自音声認識アプリ導入 開発者向けAlexaサービス
音声テキスト検索アプリ導入 Alexa Skill Kit の活用
スマートフォン通話録音(特許) スキル強化ネットワーキング


第4次産業革命人材紹介サービス~AI人材の早期育成・即戦力化

人材紹介 AIコンサルタントコミュニティ
CHAIN(Change AI Network)
スキルアップしたAI人材の AI活用コンサルタント資格認定
紹介・マッチング CAI(Change AI consultant)


HIA(Human Intelligence Automation)~ホワイトカラーの働き方改革

業務自動化の推進 RPA(Robot Process Automation)
業務処理の自動化
コア(経験/知恵)
ルーチン(入力・登録・削除)
アドホック(評価・予測・分析) AI(Artificial Intelligence)
コミュニケーション(AIボット) 判断業務の自動化


VRラーニング・VR広報~インバウンド、自然災害、働き方などの社会的課題

VRコンテンツ開発・提供サービス VR教育プログラム
危険現場、希少発生体験
インバウンド、自然災害、働き方 VR広報プログラム
などの社会的課題にフォーカス 未体験コンテンツのPR




・AI 人材紹介サービス
当社は IT 人材の教育を得意とする。総務省の ICT スキル教育も請け負っている。こうし
た人材から当社の AI、IoT プロジェクトに OJT として実際に働き、スキルアップを図る。そ
こで育ってきた人材を顧客企業にマッチングしていくというサービスである。CAI(Change
AI consultant)という AI 活用コンサルタント資格認定を設け、CHAIN
(Change AI Network)
を通してマッチングを図るという仕組みである。世の中で、圧倒的に不足している AI 人材
の早期育成、即戦力化をビジネスにしていく。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
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人材紹介では、まず理系で数学の素養がある人に学び直してもらう。米国の AI 人材の年
棒は日本に比べて大幅に高い。そこで、海外の AI 人材を日本に招く中で、日本の人材の価
値も高めていくことを狙っている。人材紹介については、データベースを作っている。
・HIA~ホワイトカラーの業務自動化
世の中では、RPA(Robotic Process Automation)によって、人手による事務処理の自動
化が進む。
これに AI による判断作業を加えて、ホワイトカラーの業務の自動化を推進する。
これを HIA(Human Intelligence Automation)という仕組みとして提供し、生産性の向上
に貢献させる。例えば、自動車事故車両の修理にいくらかかるかを専門家に代わって、判断
し、自動的に査定するというようなシステムである。HIA はビジネスとしてすでに動いてお
り、次第に業績に貢献してこよう。
・VR ラーニング・VR 広報
バーチャルに事故を体験する、高所作業を体験する、特殊な工事を体験する、というよう
な学習コンテンツの開発提供サービスである。あるいは、広報について、実際に何か施設を
作るのではなく、仮想体験を提供して広告効果を高めようというものである。例えば、ミュ
ージアムを実際に作るのではなく、VR 上でそれを体験できるコンテンツを作り、それをサ
ービスする。そうすると、コスト安く、そのミュージアムの内容を体験できる。


ノウハウのビジネス展開が本格化
個別プロジェクトで培ったノウハウをビジネス展開に活かそうという動きが活発化して
いる。チェンジは、事業の推進において、①スピードが早い、②応用が早い、③ビジネス化
がうまい。顧客へのマーケティングに当たって、導入時に使えるケースを積み上げている。
・フィールドワーカー向け診断サービス・音声 UI サービス
オフィス内ではなく、現場で仕事をしているフィールドワーカーの生産活動を、IT を活
用して可視化して、働き方を変えて生産性の向上に結び付けようという内容である。これま
で、個別に NEW-IT ソリューションを提供してきたが、そのノウハウを一般化して診断に使
えるようにした。
①訪問型(営業、医療、建設現場)
、②巡回型(設備点検、保守点検、カスタマーサポー
ト)
、③施設内移動型(工場、店舗、飲食)
、④乗務型(鉄道、航空機、自動車のドライバー)
などの分野において、フィールドにおける業務における IT 活用を調整して、診断し、その
後の施策を提案する。現場の生産性向上に資する導入時に貢献が期待できる。また、現場で
手を使わずにマイク一体型のスマートデバイスを使い、音声によって仕事を効率的に進め
ていく。
・ドローンの導入支援サービス
ドローンの業務利用を企業向けに提供した実績をもとに、それをパッケージサービスと
して提供する。屋内外の施設・設備点検、地形調査、在庫管理など、業務特性に合った活用

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート


を検討して、ドローンの選定から実証実験までをサポートする。そして、法令に従った運用
設計までもっていく。これによって、現場の生産性や価値向上に結び付ける。
・XR の活用
VR(仮想現実)
、AR(拡張現実)
、MR(複合現実)などの技術の総称が XR である。XR 技術
を用いて、観光地へ外国人観光客を集客するサービスを立ち上げた。これまで、個別のサー
ビスをプロジェクトで手掛けてきたが、どの地域、どの企業や官公庁でも一般的に使えるよ
うな IT 活用のサービスを開始した。これもユースケースの一般化である。
・人材育成のラーニング分野
チェンジはデータサイエンステイストの教育学習をリードしているが、この分野で当社
独自の資格制度を作り、その普及を通して、人材育成に貢献しようとしている。CDSB(チェ
ンジデータサイエンティストベーシック)の資格取得者は既に 120 名を超えているが、今回
上位資格としての CDSA(チェインジデータサイエンティストアドバンス)の認定を 11 名が
取得した。こうした資格制度を通して、ラーニングの認知度を上げようとしている。
また、定額制のラーニング「RETOMO」(レトモ)の提供を開始した。デジタル技術を学ぶ
ことは、今やシステム部門だけでなく、あらゆる現場で求められている。DX(デジタルトラ
ンスフォーメーション)が現場でおきているからである。そこで、デジタル技術を学ぶコン
テンツを見放題にする定額制サービスを始めた。自由にオンライン学習ができる。
RETOMO は Rex(恐竜)To Mouse(ねずみ)を意味し、環境の激変を生き抜いて繁栄できるよ
うにという意味を込めている。
・BOX の導入支援、連携ソリューション提供
BOX での活用では、当社がそのサポートで業界をリードしてきた。そのサービスを汎用化
した。BOX はビジネス文書のファイル共有、コラボのためのクラウドサービスである。BOX
を利用したクラウド・コンテンツ・マネジメントは、生産性向上に大いに寄与するが、これ
が日本企業においてはまだ十分でない。顧客に合ったコンテンツの一元管理がスピーディ
にできる。 「BOX ベストソリューション」
この を提供する。このサービスの年商として、2019
年 9 月期 1 億円、2020 年 9 月期 3 億円、2021 年 9 月期 6 億円を計画している。
・BYOD のセキュリティ診断サービス
世の中をみると、個人で所有する情報端末(スマホ、タブレット、PC)を利用して一部業
務を行っている人々は多い。組織によっては一切禁止されて、会社専用のデバイスを支給さ
れているところもあるが、個人のものと組織のものを現場や自宅で使い分けるのは面倒で
ある。一方で、セキュリティは絶対に確保する必要がある。
BYOD(Bring Your Own Device)は、許可を得ずに管理されていないデバイスを逆にきち
んとコントロールして、業務に効果的に利用しようとする。官庁、自治体向けのパブリテッ
クの推進において、こうした活用に当たってのセキュリティについて診断し、今後の対応を
推進しようという内容である。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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最近の事例
・Box ベストソリューションの開始
2 月より Box(クラウド・コンテンツ・マネジメントのリーダー)を利用したソリューシ
ョンの支援を開始した。東急電鉄での働き方改革において、この Box の利用を効果的に進め
た。ファイルサーバーをクラウドにまとめるだけではなく、同じ情報へのアクセスやその更
新を通常時でも緊急時でもうまく使えるようにした。
こうした業務設計支援が高く評価され、富士通など大手 SIer と協業して、Box ベストソ
リューションを展開していく。
・エアロネクスト社と業務提携
産業ドローンの本格的社会実装を目指して、ドローンサービスプラットフォーム Daas
(Drone as a Service)開発で連携する。エアロネクスト社はドローンの安全技術に優れて
いる。当社はドローンを用いた業務生産性の向上で多数の実証研究を進めている。どのよう
な技術が重要なのか。安全基準、メンテナンス基準などについて、普及のインフラを創って
いく。このプロイジェクトはこれから広がりをみせる。その時、チェンジはコアのメンバー
になっていこう。
・Fintech のシンフォニーと開発パートナー契約
米国のシンフォニーコミュニケーションサービス社と提携した。シンフォニー社は金融
機関向けコラボレーションプラットフォーム「Symphony」でビジネスを展開し。米国中心に
内外 400 社の有力金融機関で採用されている。高いセキュリティとコンプライアンスが要
求される金融機関にあって、法人向けチャット・ツールとして使われている。チェンジでは、
シンフォニーをプラットフォームにして、日本の金融機関にチャットボット型のコミュニ
ケーションで革新を働きかけていく。インサイダー情報、重要情報をきっちり守りながら、
会話していく仕組みはまさに有効である。
・ファーストラインワーカーの生産性向上支援
当社は日本マイクロソフトと連携する。オフィスワーカーに対して、現場で働く人材をフ
ァーストラインワーカーとマイクロソフトでは呼ぶが、ファーストラインワーカー向けの
製品、サービスを日本マイクロソフトはいろいろ提供しようとしている。その時、IT で現
場に強いのはチェンジであると知り、現場のニーズと連携することが重要であると判断し、
当社に声をかけた。当社のコンサルの強みが活かされることになろう。
・阪急うめだ本店向け多言語チャットポットを導入
百貨店には外国人観光客が押し寄せている。有人カウンターだけでは対応しきれない。イ
ンフォメーションカウンターに専用タブレットスペースを置き、チャットポットなどで案
内情報を検索できるサービスを提供している。簡単そうだが、そうはいかない。データを集
めて、それを BD として蓄積し適切な対応サービスに落とし込んでいく。英語に加えて、こ
れから中国語、韓国語などにも広げていく。小売向け DX の有力なケースである。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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5.ファイナンス 公募増資で自己資本を充実、次の展開へ


バランスシート
(百万円、%)
2017.9 2018.9 2018.12 2019.3 2019.6
流動資産 1238 2103 7131 3550 6117
現預金 978 1055 3062 2029 4646
売掛金 230 478 3411 1091 1134
営業投資有価証券    ー 500 447 175 174
固定資産 190 165 4969 4972 4828
有形固定資産 49 54 209 271 259
無形固定資産 45 27 4326 4255 4153
のれん ー ー 3960 3860 3760
投資その他 96 83 434 445 415
資産合計 1429 2268 12101 8522 10970
流動負債 282 493 4995 1599 1316
買掛金 52 90 307 228 184
短期借入金 38 45 944 548 402
未払金 34 55 1603 236 235
預り金 15 18 1807 196 270
固定負債 58 118 4762 4614 2924
長期借入金 39 93 4544 4404 2706
純資産 1088 1655 2343 2307 6729
有利子負債 77 139 5489 4953 3108
有利子負債比率 5.4 6.1 45.4 58.1 28.3
自己資本比率 75.9 72.8 13.8 19.7 55.3



M&A 後の連結経営
TB の M&A 48 億円については、みずほ銀行より 50 億円を借り入れた。12 月末の連結のバ
ランスシートで、自己資本比率は 13.8%に落ちたが、本業の利益が毎期積み上がってくるの
で、返済面で特に問題はない。
TB の業績みると、2016 年 9 月期売上高 3442 百万円、営業利益 676 百万円(営業利益率
19.6%)
、2017 年 9 月期同 6048 百万円、同 878 百万円(同 14.5%)と、営業利益率が下がっ
ているようにみえる。これは、返礼品の納入(物流)代行をこの期から請負ったために、20
億円程度見かけの売上高が増えていることによる。この物流代行はやめていくので、実態と
しては、営業利益率 20%が確保できているとみてよい。
TB に足らないのは、システム開発のエンジニアである。当社はここに強みをもつ。自治
体向けのクラウドシステムを作って、共通に利用してもらうことを推進する方向である。TB
の経営陣はそのままマネジメントを担当するが、当社からは福留社長と山田 CFO、自治体担
当の 3 名が入って、全体のコントロールに向けて連携している。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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キャッシュ・フロー
(百万円)
2017.9 2018.9 2019.9(上半期) 2019.9(予)
営業キャッシュ・フロー 326 245 -248 1202
税引後利益 259 387 96 420
減価償却 13 26 54 100
のれん 133 332
売上債権 834
未払い金 -857
預り金等 -505
営業投資有価証券     ー 28 0 350
投資キャッシュ・フロー -110 -243 -3043 -3323
有形固定資産 -11 -17 -35 -100
無形固定資産 -41 -11 -105 -200
子会社株式の取得 -2823 -2823
投資有価証券 -45 -211 0 -200
財務キャッシュ・フロー 10 75 4306 6200
長期借入金 3 61 4290 2000
株式発行 5 15 18 4200
現預金期末残高 978 1055 2069 6148



公募増資によるファイナンスを実施
株価は、5 月の公募増資公表後かなり下げた。希薄化(ダイリューション)を織り込むにし
ても、その下げ幅は大きかった。成長企業にとって公募増資によるファイナンスは有効な手
段であり、その資金を活用する成長ストーリーが重要である。当社の場合、そのストーリー
は明快なので、ここからのアカウンタビリティ(説明責任)に注目したい。
B/S では、M&A に伴い借り入れを行ったが、これは逐次返済していく。自己資本比率は 1Q
末で 13.9%まで低下したが、2Q 末では 19.9%まで改善した。今回の公募増資で、6 月末の自
己資本比率は 55.3%まで向上した。
5 月に公募増資は 160 万株で、既存発行済株式の 11.4%に相当した。発行価格は 2764 円/
株で、振込金額は 42.6 億円となった。3 月末の純資産が 23.0 億円であったから、自己資本
の充実に寄与した。
資金の使途は、①人材(人件費)5 億円、②新規事業開発(ソフトウェア、R&D)10 億円、
③資本業務提携 10 億円、④借入金返済(M&A)17 億円である。
この他に、経営陣 4 名から 45 万株の売出しもあった。流動性の向上を目指したものであ
るが、個人投資家からは経営陣の売出しはあまり好まれなかった。
内外の投資家に販売されたが、国内は個人投資家、海外は機関投資家であった。注目すべ
きは全体の 40%強が海外投資家の保有となった。外人持株比率が 12%を超えたことになる。




本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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6.当面の業績 今期は計画を下回るものの、好調を持続しよう


2018 年 9 月期は 7 期連続でピーク利益を更新
2018 年 9 月期は、売上高 2604 百万円(前年度比+31.5%)
、営業利益 513 百万円(同+
55.0%)
、経常利益 513 百万円(同+57.7%)
、純利益 343 百万円(同+49.5%)と極めて好調
であった。音声認識や AI の活用、デジタル人材の育成が大きく伸びたことによる。
売上高原価率は 61.1% 同 59.8%)
( とやや上がったが、
売上高販管費比率は 19.2% 同 23.5%)

とかなり改善している。よって、売上高営業利益率は 19.7%(同 16.7%)へ向上した。
New-IT トランスフォーメーション事業では、①AI 人材やデータサイエンステイストなど
の高度人材育成サービス、②AI スピーカー関連プロジェクト、③働き方改革関連プロジェ
クトが計画を上回った。投資事業では、4Q に Phone Appli の売却益が入った。一方で、東
証 1 部上場のための準備費用が発生したが、これはクリアした。
売上の内訳をみると、AI、IoT、New-IT の関連プロジェクト、ライセンスの提供が 7 割、
IT 人材育成教育が 3 割というイメージであった。


単体の業績
(百万円、%)
2015.9 2016.9 2017.9 2018.9
売上高 1400 1550 1980 2604


原価 880 944 1183 1591
売上高原価率 62.9 60.9 59.8 61.1


粗利益 519 605 796 1013
売上高粗利益率 37.1 39.0 40.2 38.9


販管費 384 418 465 499
売上高販管費率 27.5 27.0 23.5 19.2


営業利益 134 186 331 513
売上高営業利益率 9.6 12.0 16.7 19.7


経常利益 137 175 325 513
純利益 82 118 229 343



New Business Creation ユニットとして投資事業を立ち上げた
2018 年 9 月期に、組織として New Business Creation ユニットを立ち上げた。会計上は、
固定資産にある投資有価証券を、流動資産の「営業投資有価証券」に計上し直した。ベンチ

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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ャー企業に投資をして、 などによって持っている株式を売却すれば、
IPO それが売上に立つ。
営業投資有価証券は、メーカーでいえば在庫のようなものである。売却損益は通常の営業利
益に入ってくる。本業なので、そういう会計処理になる。今後、こうした投資事業からの利
益貢献も高まってこよう。
単体のセグメント別業績
(百万円)
2017.9 2018.9
売上高 利益 売上高 利益
New-IT トランス
フォーメーション事業 1980  ー 2447 790


投資事業   ー  ー 157 76


 全社費用(一般管理費)  ー 352


合計 1980 331 2604 513
(注)利益はセグメント利益。-は区分なし。投資事業は2018.9期3Qより区分。




同 3Q よりセグメントが 2 つになった。New-IT トランスフォーメーション事業と投資事業
である。すでに展開している IPO アクセラレーション・プログラムを正式の投資事業と位置
付けた。これは、当社の成長戦略に関連する企業に投資を行い、事業上のシナジーを出すと
ともに、投資によるリターンも獲得していく。
3Q のバランスシートでは、
流動資産の中の営業投資有価証券に 229 百万円が計上された。
固定資産の投資有価証券であったものが移った。
AI を活用した不動産テックに強みをもつ GA technologies が 7 月に東証マザーズに上
場した。これによって、当社の投資額に対して一定の含み益が発生した。これを 2019 年 9
月期の 2Q で売却した。投資事業セグメントに売上高(売却額)、営業利益(売却益-投資事
業部門コスト)が計上された。
評価益は P/L には反映されない。B/S 上で評価益は主に純資産の中で「その他有価証券差
額金」として表示される。事業投資は本業であるから、セグメント利益は営業利益に入って
くる。これがもし、本業でない有価証券投資であれば、実現損益は営業外収支で計上される。
ここが違う。
GA technologies の含み益は 2018 年 9 月末の B/S に反映された。また、投資先である
Phone Appli の株式は 2018 年 9 月期の 4Q に NTT コミュニケーションズに売却した。これに
よって、4Q は事業投資による売上、営業利益が発生し、2018 年 9 月期の営業利益の 1 割弱
を稼いだ。
投資事業は、アクセラレーション・プログラムとして、今後も続けていくが、IFRS(国際
会計基準)を採用した時には、常に時価評価されるようになるので、評価損益が変動するよ

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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うになる。売却のタイミングに依存せずに評価損益が P/L に反映されるようになる。


営業投資有価証券と投資有価証券の違い
三井物産と当社で、合弁会社ボイスタート(Voistart!)を設立した。シニア世代に対し
て、音声 AI スピーカーを利用したサービスを提供する。鎌倉市と実証実験の協定を 9 月末
に結んだ。2019 年に本番サービスの開始を目指している。ボイスタートは、三井物産の社
内起業制度の第 1 号案件である。
AI スピーカーを使って、シニアの生活の利便性を高めることに狙いがある。高齢者をい
かに外に引き出して、活動してもらうか。元気の源はアクティブに活動することなので、イ
ベント情報などを幅広く提供する。この事業は AI スピーカーの活用で、先頭を走っている
というレピュテーションの広がりに注目できよう。中長期投資なので、出資分は営業投資有
価証券でなく、投資有価証券に計上している。
GA テクノロジーが 7 月 25 日に上場した。これによって、営業投資有価証券の含み益が上
がった。IPO アクセラレーションとして投資した会社については、上場や M&A によって上場
価値が顕在化した場合は、その大半を売却する方針である。但し、本業での業務提携は続く
ので、一割割合は保有を継続する方針でもある。


四半期別業績の推移
(百万円)
1Q 2Q 3Q 4Q
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益


2017.9(単体) 465 36 467 120 628 166 420 9


2018.9(単体) 392 25 767 176 702 165 743 147


2019.9(連結) 2035 439 1630 132 1664 270




2019 年 9 月期 3Q 累計の進捗は今一歩
2019 年 9 月期の 3Q 累計は、売上高 5329 百万円(前年同期 1861 百万円)
、営業利益 841
百万円(同 366 百万円)
、経常利益 724 百万円(同 367 百万円)
、純利益 272 百万円(同 247
百万円)となった。
前年同期は TB(トラストバンク)の連結前なので、単純な比較はできないが、 つの点に注

目したい。1 つは、前年同期と比べて業績は大きく伸びているが、純利益はさほど伸びてい
ない。
2 つ目は、NEW-IT トランスフォーメーションのセグメントだけみると、減益となってい

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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る。これは、従来このセグメントにあったパブリテック関係を TB に人材とも移してしまっ
たことで、短期的には公共関連のビジネスが減っている。
3 つ目は、パブリテックの主力であるふるさとチョイス(ふるさと納税)が 6 月の規制強
化を前にしてフェアプレーに徹したが故に、一時的にビジネス機会を失った。
これによって、通期計画に対して、3Q が終わったところでの進捗率が営業利益で 58%、純
利益で 52%にとどまっている。営業利益で計画に対して 2~3 億円ショートしているとみら
れる。通期の営業利益計画 1448 百万円に対しても 2~3 億円未達になる公算が高い。


3Qのセグメント別業績
(百万円)
2018.9 3Q(単体) 2019.9 3Q(連結)
NEW-ITトランスフォーメーション
売上高 1861 1994
利益 606 583
投資事業
売上高 ー ー 359
利益 ー -1 230
パブリテック
売上高 ー ー 2980
利益 ー ー 637
  調整額 -238 -610
合計
売上高 1861 5329
利益 366 841



トラストバンクのふるさと納税ビジネスは、1Q(10~12 月)に年間売上の 40~45%が入
ってくる。2Q~4Q は 15~20%を各々占めることになるが、今回は総務省によるふるさと納
税の過剰返礼の見直しとそれに伴うビジネス対応で、当社の 2Q
(1~3 月)は低調であった。
ふるさと納税の健全化に対して、当社は駆け込み的な需要を追うことなく、新しい仕組み
(30%返礼)に対応したビジネスをいち早く展開した。顧客も様子見となったので、一部の
ビジネスで機会損失を招いたが、そのことをネガティブにみる必要はない。あるべき方向に
適切に対応した結果と評価できよう。
IPO アクセラレーターでは主要なところで 7 社に投資したが、2Q に GA Technologies の
株をすべて売却してキャピタルゲインを得た。
営業外費用には M&A に伴う資金調達費用が 125 百万円入っている。当期純利益は 401 百
万円であったが、ここから TB の非支配株主に帰属する純利益 129 百万円(TB の利益の 40%
分)が引かれたので、親会社の株主に帰属する純利益は 272 百万円となった。


本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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ライブラリは着実に充実
NEW-IT トランスフォーメーションのライブラリの充実が進んでいる。1)データ流通基盤
構築支援サービス、2)データアナリテックスによるエンゲージメントサービス、3)バイタ
ルデータとスマホを利用した健康経営サービスの提供などが相次いでいる。


ふるさと納税は健在
トラストバンクは、マクロミル社に委託して、2 月にふるさと納税に関するアンケートを
実施した。今後もふるさと納税を利用したいか、という設問に対して、利用経験者のほぼす
べてが利用したいと答えており、今回の制度見直しによるふるさと納税の利用率低下は想
定しなくてよい。
TB が運営するふるさと納税プラットフォーム「ふるさとチョイス」は、この 6 月から返
礼品の規制が開始された。その前の駆け込みを誘導するような、ルールを逸脱した返礼品に
需要は急増したが、当社はそうした返礼品の掲載を禁止して節度を守った。これが一時的に
はビジネス機会の喪失となった。それはやむを得ない。ここに捉われる必要はない。
一方で、ふるさとチョイスの高付加価値は着実に進展しているので、今後、業界の秩序が
戻ってくるにつれて、効果を発揮してこよう。2018 年度のふるさと納税寄付額は 5127 億円
(前年度比+40%)と大幅に増加した。当社の決算期でいえば、2020 年 9 月期にはふるさと
チョイスの利益貢献が高まってくるとみてよい。


セグメント別業績予想
(百万円)
2017.9 2018.9 2019.9(予) 2020.9(予)
売上高 利益 売上高 利益 売上高 利益 売上高 利益
New-IT トランス
フォーメーション事業 1980  ー 2447 790 3000 900 4300 1200


投資事業   ー  ー 157 76 400 300 400 200


パブリテック事業   ー   ー   ー   ー 3600 800 5500 1300


 全社費用(一般管理費)  ー -352 -800 -800


合計 1980 331 2604 513 7000 1200 10200 1900
(注)利益はセグメント利益。-は区分なし。投資事業は2018.9期3Qより区分。パブリテックは2019.9期(連結)より。




2019 年 9 月期の業績には TB が 10 か月分寄与
2019 年 9 月期の会社計画(連結)は、売上高 7488 百万円、営業利益 1448 百万円、経常利
益 1323 百万円、純利益 515 百万円である。ここには、TB の売上、営業利益が 10 カ月分入

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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Independent Research Analyst Report ベル企業レポート


る。また、のれんの償却が 322 百万円入る。
営業外費用は、M&A の手数料も入ってくるので、140 百万円となる。よって、経常利益は
1323 百万円となる。純利益 766 百万円中、親会社帰属分が 515 百万円、非支配株主分が 251
百万円となる。
中期経営計画の財務目標
(百万円)
売上高 営業利益
2015.9 (単体) 1400 134
2016.9 (単体) 1550 186
2017.9 (単体) 1980 331
2018.9 (単体) 2604 513
2019.9(計画) (連結) 7488 1448
2020.9(計画) (連結) 11000 2349
2021.9(計画) (連結) 15500 4700



3 カ年の中期計画で業績は大きく拡大~ただ計画達成は 1 年遅れになる公算大
2019 年 9 月期は TB の買収、そのためのファイナンスがあったが、新中期計画の 1 年目の
業績は計画に対して届かないものとなろう。
しかし、当社の成長路線が崩れたわけではない。デジタルトランスフォーメーション(DX)
への仕込みは順調に進んでおり、TB のビジネスも今後は収益性を高めてこよう。よって、
成長トレンドに変更はない。来期以降の成長路線がみえてくる年明けに向けて、株式市場で
の評価は再び高まってこよう。
今後 3 カ年の中期計画では、2018 年 9 月期の売上 26 億円に対して、2019 年 9 月期 74 億
円、2020 年 9 月 110 億円、2021 年 9 月期 155 億円を見込んでいる。営業利益は日本基準(の
れん償却を引いたベース)で、2018 年 9 月期の営業利益 5 億円に対して、同 14 億円、同 23
億円、同 47 億円と急成長を計画している。
この成長を支えるものは、もともとのチェンジ単体の伸びに加えて、規模的には TB が大
きく寄与する。TB は中期的に、①第 1 フェーズ/ふるさと納税業務のデジタル化、②第 2 フ
ェーズ/自治体内業務のデジタル化、③第 3 フェーズ/地域全体のデジタル化、を軸として事
業を拡大していく方針である。伸びるのは間違いない。しかも、スピードは早い。
一方、チェンジ本体の New-IT 事業は、フラグシップモデルが順次収穫期に入っている。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を広範に展開できるようになっている。
パブリック事業は、既存の自治体向け IT を DX することで。マーケットを取りに行く。大
手 SI を凌駕して、シェアをとっていくことになろう。


パブリテック事業が大きく牽引
TB の連結に当たっては、パブリテックビジネスは TB に集結させた。TB の純利益は 2020

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
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年 9 月期より 70%が当社の利益に反映される(2019 年 9 月期は 60%)。
TB の四半期の売上は、1Q(10~12 月)が大きく、2~4Q は相対的に少ない。とりわけ 2Q
は低めとなる。利益面では広告宣伝費をどのように使うかに依存する。年間を通してみると、
運転資金面での借入金はさほど必要としないので、財務面での負担はない。
TB は取扱高が 2000 億円、売上高が 50 億円、営業利益が 10 億円という規模であるが。ふ
るさと納税に伴う当社のフィーを 2%から上げれば、売上高は大幅に伸びよう。大半が固定
費なので、手数料の変化によるインパクトは大きい。TB は業界トップであるが、競合他社
の手数料は 9%から 12%と高い。ここのコントロール余地は大きいので、TB の収益性は大い
に注目できる。
パブリテックを活かして、新しいビジネスを付加していけば、将来売上高 200 億円、営業
利益 70 億円の会社に育てることもみえてくる。この TB を新規上場させれば、新しいユニ
コーンの 1 社となりえよう。1 つの構想としてあり得る。


業績予想
(百万円、%)
2015.9 2016.9 2017.9 2018.9 2019.9(予) 2020.9(予)
売上高 1400 1550 1980 2604 7000 10200


原価 880 944 1183 1591 2600 3900
売上高原価率 62.9 60.9 59.8 61.1 37.1 38.2


粗利益 519 605 796 1013 4500 6700
売上高粗利益率 37.1 39.0 40.2 38.9 64.3 65.7


販管費 384 418 465 499 3300 4800
売上高販管費率 27.5 27.0 23.5 19.2 47.1 47.1


営業利益 134 186 331 513 1200 1900
売上高営業利益率 9.6 12.0 16.7 19.7 17.1 18.6


経常利益 137 175 325 513 1030 1800
純利益 82 118 229 343 420 850
(注)2018.9期までは単体、2019.9期より連結(日本基準)




IFRS(国際会計基準) がこれからスタート
現在、IFRS の導入を準備している。IFRS を適用すると、1)のれんの一部は償却しないの
で、営業利益は非償却分が増えてくる。2)投資事業は時価評価(未上場分も含めて)されて、
評価損益が営業利益に入ってこよう。




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今後の収益性
売上高営業利益率については、今後 30%に向けて上昇していこう。収益性では、ビジネ
スモデル(BM)の進化と共に、原価率は現状の 60%台が 40%以下へ下がっていこう。販管費
は現状の 20%台が 40%台へ上がった後 30%に下がっていこう。これによって営業利益率は
30%に上がっていくことが期待される。これが New-IT トランスフォーメーションを BM と
する当社の収益力向上の 1 つの KPI である。




7.企業評価 M&A のシナジーは十分見込める


ストック効果の追求
上場を機に、顧客を始めとするステークホルダーとの接点が大きく増えており、ビジネス
にはプラスに働いている。東証 1 部上場によってさらに信用力がついている。それによって
顧客との長期のビジネス関係を構築していくことができる。
大手の SI はすでに既存のビジネスを有している。新しい分野に出ていくにしても、先端
のソリューションを機動的にビジネスにしていく人材が十分でない。また、日本企業にみら
れる意思決定の遅さもネックである。そこで、当社のような会社と組んで、お互いパートナ
ーとして、1)供給力を高め、2)迅速な意思決定で、3)具体的なソリューションの提供を実行
していくことができる。ここに当社の存在意義があるといえよう。
福留社長は、これまでフラッグシップパートナー作りの顧客戦略に最も時間を使ってき
たが、これからは、M&A を通して SI 業界に再編をリードし、新しいビジネスモデルを創っ
ていくことに時間を投じていこうとしている。TB(トラストバンク)とのシナジー効果が大
いに期待できよう。


パブリテックとのシナジーは大きい
2018 年 9 月 3 日に東証 1 部に指定替えとなった。当社は B to B の法人ビジネスを展開し
ているので、顧客法人からの信用が最も大事である。受託ビジネス、ライセンス販売におい
て、大手企業との新規の取引が一段とスムースにいくようになっている。東証マザーズ上場
では、大企業からまだベンチャーとみられていたが、1 部上場企業となったことで信用力に
はずみがついている。また、採用においても東証 1 部はよい効果が見込める。
2018 年 7 月 1 日に 1:2 の株式分割を行い、8 月末には全体の 5%の立会外分売を行った。
創業メンバーが株式の約 73%を保有していたが、このうちの 5%を売り出した。これによっ
て、株主数を増やし流動性を高めた。また、2019 年 1 月 1 日に 1:2 の株式分割を実施した。
今回 5 月のファイナンスでは、売り出しを 3%ほど行い、外人持株比率も 12%程度となった。
ガバナンスについては、現在、社外取締役が藤原洋氏(ブロードバンドタワーCEO)1 名

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であるが、今後増員されることになろう。
配当に関しては、無配である。大型 M&A を実行しているので、成長を優先して内部資金は
使われて行こう。一方、株主優待制度がスタートした。 株保有の株主に 1500 ポイント、

2 年目以降の保有継続株主には 1.1 倍の 1650 ポイントがつく。さらに、1000 株までは保有
数によって、ポイントが高まっていく。ポイントは 2 年目まで貯めることができ、ポイント
によってさまざまな商品と交換できる。ポイントなので単純に金額換算はできないが、200
株で 1500 ポイントなので、1 株 7.5 円相当とみることもできる。
業績は、従来に比べて断層的に伸びてこよう。新分野は横展開が本格化すると、売上げの
拡大ピッチは上がり、しかも利益率はさらに上がってくる。投資事業も成果が大きく出る可
能性がある。ROE も足元では低下しているが、20%台へ改善することは十分見込めよう。
攻めの IT 分野で、確固たるビジネスモデルを構築しており、今後の新規市場開拓の余地
も大きい。収益基盤は安定しており、収益性の向上も十分見込める。よって、企業評価はA
とする。(企業評価の基準については 2 頁目を参照)
現在の株価(8/27)で見ると、PBR 4.18 倍、ROE 6.2%(来期ベースで 12.6%)、PER 62.1
倍(同 33.1 倍)である。エクイティファイナンスが嫌気され、ふるさと納税への規制が影響
した面はあるが、今後 TB(トラストバンク)とのシナジーがはっきりし、さらなる成長が
みえてくれば期待はより高まってこよう。
チェンジの新しいビジネスモデルは、まだ十分理解されていない。営業利益 50 億円、純
利益 20~25 億円という業績がみえてくれば、ROE も 20%台の乗せ、PER 40~50 倍として時
価総額 1000 億円越えが視野に入ろう。今後の成長ポテンシャルに大いに注目したい。




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