シリコンスタジオのレンダリングエンジン『Mizuchi』、住友林業の3DCG住宅プレゼンテーションシステムに採用

2018 年 12 月 14 日
各位
シリコンスタジオ株式会社



シリコンスタジオのレンダリングエンジン『Mizuchi』、
住友林業の 3DCG 住宅プレゼンテーションシステムに採用
フォトリアルな質感と深みのある陰影表現を実現


エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネス
を展開するシリコンスタジオ株式会社(本社:東京都 渋谷区、代表取締役社長:梶谷 眞一郎、東証マザーズ:証券コード
3907、以下「当社」)は、住友林業株式会社(本社:東京都 千代田区、代表取締役 社長:市川 晃、以下「住友林業」)
が自社開発する施主向け3次元住宅プレゼンテーションシステム「Photoreal3D」において、当社が開発・販売するリアル
タイムレンダリングエンジン『Mizuchi(ミズチ)』が採用されたことをお知らせします。




『Mizuchi』でレンダリングされた「Photoreal3D」による室内イメージ




旧レンダリングエンジンでレンダリングされた室内イメージ

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当社が開発・提供する 3DCG の描画に特化したレンダリングエンジン『Mizuchi』は、金属、樹脂、ガラス、布、材木な
ど、多種多様な質感を実写に迫る品質で表現することが可能です。建築物に用いられるさまざまな素材を忠実に再現でき
る『Mizuchi』は、これまでも多くの不動産や建築分野の CG コンテンツ制作で採用されてきました。
住友林業の「Photoreal3D」は、住宅の CAD データから 3DCG の施工イメージを生成し、3次元でのバーチャル内見を
可能にする施主向けプレゼンテーションシステムです。内観や外観をさまざまな角度から確認することができます。


住友林業では、よりリアルな立体画像による提案を実現させるため、「Photoreal3D(旧名称:Real Time 3D)」のレン
ダリングエンジンを従来のものから『Mizuchi』に変更することを決定し、このたび移行作業が完了しました。
住友林業の住宅展示場、ショールームなどで全国的に利用開始されます。


今回の『Mizuchi』導入により、「Photoreal3D」では、素材の材質の PBR(注 1)化によってフォトリアルな質感の表現
が大幅に向上しています。
また、全天球画像を光源とする IBL(注 2)とライトプローブ(注 3)による GI(注 4)により間接光の表現が可能となっ
たため、深みのある陰影や映り込みの描画が実現できるようになりました。ライトプローブは、あらかじめ設定されてい
るテンプレート情報に従って最適な場所へ自動的に配置されるため、専門的な知識は不要です。
さらに SSAO(注 5)、RLR(注 6)、グレア(注 7)などのポストエフェクト(注 8)の機能により、リアルな住宅の空
気感を表現する手法の幅が広がりました。


なお、当社は『Mizuchi』のライセンス提供のみならず、旧レンダリングエンジンからの移行作業も支援いたしました。
また、旧システムの材質ライブラリから簡易的に PBR 化した材質に変換できる専用コンバーターも開発し、提供いたしま
した。これにより、旧システムでの資産も有効に活用することが可能です。




『Mizuchi』でレンダリングされた「Photoreal3D」による施工イメージ




SSAO On SSAO Off




RLR On RLR Off




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グレア On グレア Off




■ 『Mizuchi』について
『Mizuchi(ミズチ)』は、物理ベースレンダリングの考え方をサポートするレンダリングエンジンです。特に、光の反射
を正確に扱うことで可能となる圧倒的な質感表現に強みがあります。リアルタイムグラフィックスでありながら、金属、
木材、ガラスなど多様な材質を実物さながらの質感で表現することができます。柔軟な設計になっており、ゲーム業界を
はじめ、映像、製造、自動車、不動産分野などのコンテンツ制作にも利用可能。高度な光学的表現を可能にするポストエフ
ェクトミドルウェア『YEBIS 3(エビス 3)
』も組み込まれています。
http://www.siliconstudio.co.jp/mizuchi/




■ シリコンスタジオ株式会社について
当社は世界最高レベルの技術力をもって創る人と愉しむ人に感動を与えることを目指す企業です。ゲームや映像制作スタ
ジオ、自動車業界などの産業向けに 3DCG 技術を提供する開発推進・支援事業、クリエイター職の派遣・紹介に特化した
人材事業を展開しています。企画、技術、人材、運営など、ゲーム企業が抱えるすべての課題をワンストップで解決できる
ことが強みです。
ポストエフェクトミドルウェア『YEBIS』、リアルタイムレンダリングエンジン『Mizuchi』、リアルタイムグローバルイ
ルミネーション『Enlighten』といった、高度な技術をゲーム制作現場に提供するシリコンスタジオのミドルウェアは、こ
れまでワールドワイドで数多くの AAA タイトルに採用されてきました。


■ 本リリースに関するお問い合わせ先:
シリコンスタジオ株式会社
広報担当
Tel:03-5488-7070
E-Mail:pr@siliconstudio.co.jp




注1) PRR(Physically-based rendering)
:物理ベースレンダリング。光の反射や拡散を物理的な計算をもとにレンダリ
ングし、より現実に近い表現が可能になる手法。
注2) IBL(Image-based lighting)
:イメージベースライティング。背景そのものを光源とみなすライティング手法。全
方向から入ってくる光を反映させることで現実に近い自然な光源を再現する。
注3) ライトプローブ:シーン中に複数設置し、周りのオブジェクトから間接光の影響をあらかじめ計算して照明効果を
表現する技術。
注4) GI(Global Illumination)
:グローバルイルミネーション、大域照明。シーン内のマテリアル、各オブジェクト間に
よって反射または吸収される光を計算し、直接光だけでなく間接光も考慮した空間表現をシミュレーションする技
法。


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注5) SSAO(Screen Space Ambient Occlusion)
:物体が近接して狭くなったところや部屋の隅などに、周囲の光(環
境光)が遮られることによって影が現れる現象を擬似的に追加する技法。
注6) RLR(Realtime Local Reflection)
:水たまり、テーブルなど、局所的に周囲の風景が写り込んでいる様子を材質の
反射特性に応じて表現する技法。
注7) グレア:撮影レンズや人間の眼球で眩しい箇所を捉えたような光の溢れ出しを表現する効果
注8) ポストエフェクト:グラフィックスをより豊かに見せるためのビジュアルエフェクトの数々を、レンダリング済み
のフレームに対して後処理(ポストプロセス)として付加するもの。




※ Mizuchi は、シリコンスタジオ株式会社の登録商標です。
※ その他、記載されている名称は各社の商標または登録商標です。




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