シリコンスタジオ、村本建設にBIM・点群データ活用ソリューションを開発・提供

2022 年 3 月 24 日
【報道関係各位】
シリコンスタジオ株式会社



シリコンスタジオ、村本建設に BIM・点群データ活用ソリューションを開発・提供
Unity Reflect で BIM モデルと点群データの重畳表示や多人数・多拠点の設計レビューなど実現


エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネス
を展開するシリコンスタジオ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梶谷 眞一郎、東証マザーズ:証券コード
3907、以下「当社」)は、村本建設株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:村本 𠮷弘、以下「村本建設」)に対し、
生産性および品質向上を実現する DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、BIM・点群データ活用ソリュ
ーションを開発、提供したことをお知らせします。




DX(デジタルトランスメーション)により働きやすい労働環境の実現を推進している村本建設では、全国の現場に何度も
足を運び、写真を撮影したり、寸法を計測したりしなければならない施工検査の効率化は、特に往来が制限されるコロナ
禍の対応として取り組まなければならない課題の1つでした。また、測定デバイスの進化などにより、以前よりも取得し
やすくなった点群データ※1 をどのように利活用するかも課題とされていました。

このたび、当社が村本建設に対して開発、提供した BIM・点群データ活用ソリューションは、ユニティ・テクノロジーズ
社が提供するゲームエンジン「Unity(ユニティ)」と、3 次元の建物デジタルモデルと管理情報を統合した BIM※2 データ
を連携し、リアルタイム 3D モデリングをシームレスに実現する「Unity Reflect(ユニティ リフレクト)」を活用したも
のです。データ容量が大きくなりがちな点群データも現場で扱いやすいように軽量化し、BIM データと点群データの重畳
表示による進捗管理ワークフロー、および多人数・多拠点での設計・点群データレビュー環境を構築しました。
これにより、わざわざ現場に足を運ばずに、あたかも実際に現場にいるかのように設計データと施工状況の差異を遠隔の
複数拠点から多人数で視覚的に比較、確認できるようになります。情報共有と進捗確認の精度を向上させ、時間短縮など
の効率化を図ることが可能です。




BIM 表示 BIM・点群 重畳表示


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BIM データと点群データの重畳表示による進捗管理ワークフロー

Unity Reflect および Unity Reflect 標準のビューワーは点群データをサポートしていないため(2022 年 3 月現在)、BIM
データと点群データとの重畳表示ができるようカスタマイズすることにより、遠隔地での施工進捗確認を可能にしました。


多人数・多拠点での設計・点群データレビュー環境

点群重畳表示機能を追加した Unity Reflect のカスタムビューワーにより、BIM データおよび点群データの多人数・多拠点
レビューを可能にしました。PC やタブレットのほか、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着することにより、VR
レビューも実現します。(BIM データは AR グラスによる MR レビューも可能です)


今後、当社および村本建設では、さらなる現場に即したワークフローの構築、追加機能の実装を目指す予定です。
なお、このたびの BIM・点群データ活用ソリューションの開発・提供にあたり、村本建設の太田様より下記のコメントを
いただいております。



建設現場は、古くから変わらない現地 1 点物(オーダーメイド)での製作という大きな課題があり、「現地に行かな
くては仕事ができないもの」という固定観念に縛られていましたが、昨今のコロナ禍でその固定観念を打破する必要
があると感じていました。一方で、現場では紙ベースの図面(2D)からデジタルデータ(3D)への移行がようやく進
み始めた状態で、デジタルデータの活用は一部に限られ、まだまだデータの魅力を持て余している感じがしていまし
た。そのような中、村本建設では『固定観念の打破』と『デジタルデータ』を効果的につなぎ合せるため、デジタル
データ、特に点群データの活用に着目し、建設業界とは縁遠いと思われていたゲーム・映像事業を得意とするシリコ
ンスタジオ様とタッグを組むことで、効率的にかつスピード感を持って開発を進めることができています。
今後は開発している技術が業界を超えて多くの方に利用してもらえるものになるよう、一緒に考えていきたいと思っ
ています。
村本建設株式会社 技術開発部 チームリーダー 太田 稔




※1 点群データ(ポイントクラウド):物体や地形を 3D レーザースキャナーなどで計測した無数の3次元座標を持つ「点」によって構成される
データの集合。X、Y、Z の基本的な位置情報や色などの情報を持つ。

※2 BIM:Building Information Modeling の略。コンピューター上に作成した 3 次元の立体モデル(BIM モデル)に、形状や部材、地理情報な
どの属性データを追加し、設計から施工、維持管理に至るまでの建築ライフサイクルにおいて蓄積されたデータを構築・管理することで、生産性
と品質を向上させるワークフロー。




■ シリコンスタジオ株式会社について

当社は、ゲームや映像制作スタジオ向けに加え、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けに 3DCG 技術等を提供す
る開発推進・支援事業と、クリエイター職の派遣・紹介に特化した人材事業の 2 つの事業を展開しております。企画、技
術、人材、運営など、ゲーム企業が抱えるすべての課題をワンストップで解決できること、および、ゲーム業界で培った
3DCG 技術等を他業種にも展開できることが強みです。ポストエフェクトミドルウェア『YEBIS』、リアルタイムレンダリ
ングエンジン『Mizuchi』、リアルタイムグローバルイルミネーション『Enlighten』といった、高度な技術をゲーム制作現
場に提供するシリコンスタジオのミドルウェアは、これまでワールドワイドで数多くの AAA タイトルに採用されてきまし
た。また、Unreal Engine や Unity などのゲームエンジンを活用した非エンターテインメント領域における案件に対し、コ
ンサルティングから企画、設計、開発、運用まで、ワンストップで対応できるスキルと体制を有しています。
https://www.siliconstudio.co.jp/




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コンピューターグラフィックス(CG)は、無限の可能性を秘めています。
映像・エンターテインメント分野では表現の幅を拡げ、土木建築・自動車といった産業分野では、可視化や HMI(ヒュー
マンマシンインターフェイス)などに活用されています。AI・ディープラーニングの分野においても、学習データとしての
活用が進み、その成果が評価され始めています。また、5G のような高速大容量で低遅延を実現するネットワーク環境やク
ラウドの活用は、ユーザーエクスペリエンス(UX)にさらなる変革をもたらすでしょう。
私たちシリコンスタジオは、自社開発による数々のミドルウェアを有し、CG の黎明期から今日に至るまで CG 関連事業に
取り組み、技術力、表現力、発想力の研鑽を積み重ねてきました。それら 3 つの力を高い次元で融合させ、CG が持つ可能
性を最大限に発揮させられること、それが私たちの強みです。
Ideas × Art × Technology
私たちは CG 業界をリードするソリューションプロバイダーとして、お客さまの課題解決はもちろん、付加価値のあるア
ウトプットの提供をお約束いたします。


■ 本リリースに関するお問い合わせ先:
シリコンスタジオ株式会社 広報担当
Tel:03-5488-7070
E-Mail:pr@siliconstudio.co.jp


※ 記載されている名称は各社の商標または登録商標です。




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