ベトナム法人 VSUN 社グリーンローンによる資金調達に関するお知らせ

2023 年3月 31 日
各 位
A b a l a n c e 株 式 会 社
代 表 取 締 役 社 長 光 行 康 明
( コ ー ド 番 号 : 3 8 5 6 東証 ス タ ン ダ ー ド )
問合せ先:執行役員 IR 広報室長兼経営企画室長 堀 内 信 之
電話:03-6810-3028(代表)



ベトナム法人 VSUN 社グリーンローンによる資金調達に関するお知らせ
当社グループのベトナム法人 VSUN 社(Vietnam Sunergy Joint Stock Company)は、株式
会社千葉銀行の香港支店を通じまして、当社初のグリーンローンによる資金調達を行いまし
たので、お知らせいたします。


グリーンローンとは、企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金
を調達する際に用いられる融資であります。VSUN 社では、本融資による調達資金を太陽光
パネル製造工場の新規取得資金に充当する予定であり、工場で生産される太陽光パネルの
販売・稼働を通じて、社会全体のCO2排出量削減に貢献することを想定しております。


今般、当社はグリーンローン原則に準拠したフレームワークを作成し(下記参照)、株式会社
格付投資情報センター(R&I)より「グリーンローン原則」および「環境省グリーンローン及びサ
ステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」に適合している旨のセカンドオピニオンを取得いた
しました。
当社では、VSUN 社にて生産された太陽光発電パネルの総発電容量による CO2 排出削減量
を年次で報告してまいります。


なお、本プロジェクトおよび当社グループの事業活動を通じた社会・環境課題の解決に資す
る取組みを高く評価いただき、千葉銀行香港支店に対するスタンドバイ L/C の発行に際して
は、千葉銀行(木更津支店)様に加え、同行を含む地銀広域連携「TSUBASA アライアンス」
から第四北越銀行(東京支店)様にも参加いただいております。


今後も再生可能エネルギーの普及を図るべく、グリーンエネルギー事業の推進により、地
球規模での持続可能な社会の実現に貢献してまいります。


【本グリーンローン契約にかかる融資概要】
契 約 主 体 株式会社千葉銀行(香港支店)
Vietnam Sunergy Joint Stock Company
融 資 金 額 10,000,000 米ドル
契 約 締 結 日 2023 年3月 31 日
融 資 期 間 5年
保 証 親会社 WWB 株式会社の依頼に基づく、株式会社千葉銀行(木更津
支店)および株式会社第四北越銀行(東京支店)のスタンドバイ L/C
の発行
【グリーンローンフレームワークの概要】
資 金 使 途 太陽光パネル製造第 4 工場(2022 年 10 月竣工)の設備資金
調 達 資 金 の 管 理 自己資金負担分のリファイナンスとして全額一括充当
レ ポ ー テ ィ ン グ VSUN 社にて生産された太陽光発電パネルの総発電容量にて推定
される CO2 排出削減量を年次で公表
第 三 者 評 価 機 関 株式会社格付投資情報センター
https://www.r-i.co.jp/index.html
「別添「グリーンローンフレームワーク」参照」





別添




グリーンローンフレームワーク




2023 年 3 月 31 日 Abalance 株式会社
東京都品川区東品川 2-2-4 天王洲ファーストタワー16 階





目次
目次 ......................................................................................................................................... 4
1.はじめに .............................................................................................................................. 5
1-1.借入人概要 .................................................................................................................. 5
1-2.環境への取り組み ........................................................................................................ 6
1-2-1.グループビジョン ................................................................................................... 8
1-2-2.環境への取り組み体制.......................................................................................... 8
1-3.グリーンローンの位置付け ............................................................................................ 9
2.調達資金の使途 ................................................................................................................ 10
2-2.環境改善効果.............................................................................................................. 11
2-3.ネガティブインパクト .....................................................................................................11
2-4.資金充当の予定 ......................................................................................................... 12
3.プロジェクトの評価および選定のプロセス ........................................................................... 13
3-1.環境面での目標 ......................................................................................................... 13
3-2.プロジェクトの評価・選定のプロセス ............................................................................ 13
4.調達資金の管理方法 ......................................................................................................... 14
4-1.調達資金の管理方法.................................................................................................. 14
4-2.未充当資金の運用方法 .............................................................................................. 14
4-3.文書管理の方法 ......................................................................................................... 14
4-4.本プロジェクトの売却時の対応.................................................................................... 14
5.レポーティング方針 ............................................................................................................ 15
5-1.レポート方法 ............................................................................................................... 15
5-2.開示内容 .................................................................................................................... 15
5-3.レポーティング体制 ..................................................................................................... 15
6.外部レビュー方針 .............................................................................................................. 16
6-1.発行前レビュー ........................................................................................................... 16





1.はじめに
Abalance 株式会社(以下、「当社」という。)は、サスティナビリティの推進に資する脱炭素経営
の実践により、「安心・安全」でクリーンなエネルギーの供給を通じて、地球環境温暖化防止への
貢献を目標としております。社会価値と企業価値の両立の観点から、今般、グリーンローンフレー
ムワークを設定し、外部機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より、本フレームワーク
に基づく第三者意見を取得し、グリーンローンによる資金調達を行うものであります。


1-1.借入人概要
当社(東証スタンダード、2000 年4月設立)は、再生可能エネルギーの総合カンパニーを形成す
る企業グループであり、主たる事業セグメントは、以下の通りです。


(1) 太陽光パネル製造事業
ベトナム法人の Vietnam Sunergy Joint Stock Company(以下、「VSUN」という、当社連結子会
社)は、バクザン省、バクニン省に太陽光パネル製造の自社工場を有し、日本の生産・品質体制
を取り入れながら、主に、欧米市場向けの産業用・家庭用太陽光パネルの製造販売事業を行っ
ております。世界的な再生可能エネルギー需要の高まりを背景に、太陽光パネルの年間生産能
力は従前の 2.6GW に、テスト稼働中の第4工場の 2.4 GW を加え、計 5.0 GW(おおよそ国内年間
設置容量に相当するもの)の生産規模へと拡大しております。


グローバルに再生可能エネルギー事業を展開する上で、サプライチェーン内にパネル製造機
能(自社工場)を持つことはグループの大きな強みであり、競合他社との差別化要因となっており
ます。世界の太陽光パネル市場では、中国企業が上位を占める中で、VSUN は日系資本の世界
的な太陽光パネルメーカーへ大きな成長を遂げ、Bloomberg の「Tier1 リスト」に基づき、生産能力
は日系パネルメーカーでおそらく首位にあるものと認識しております。


【グローバル・サプライチェーンの構築】




太陽光パネル製造工場

(2)グリーンエネルギー事業
当社グループの WWB 株式会社、株式会社バローズ(いずれも、当社連結子会社)を主体に、
太陽光発電所の販売、太陽光パネル、PCS、産業用及び住宅用の蓄電池等の太陽光発電設備
に係る物品販売をフロー型のビジネスとして行いつつ、近年では、太陽光発電所の完工後も継続
して保有するストック型のビジネスモデルを推進しております。これを更に前進させるべく、ノンフィ
ット案件への取り組みのほか、太陽光発電所を保有する企業や物件仕入・施工管理の強化等を
目的とした M&A を積極的に推進しております。また、脱炭素化を推進している企業、団体、自治
体等を対象に、自家消費案件、ソーラーシェアリングの導入等を推進しております。


海外事業では、ベトナム、カンボジア、インドネシア、スリランカ、台湾等の東南アジアにおける
旺盛な電力需要に対して、現地企業・総合商社との合弁等による事業参画のほか、環境省実施
の 2019 年度「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備
補助事業」の公募案件の採択を受けて、カンボジア国内において日本政府の協力のもと、WWB
株式会社は当該公募案件を推進しております。


【グリーンエネルギー事業詳細】

 太陽光発電システムに関する製品の企画・製造・輸出入及び販売、施工
 太陽光パネルの自社製造、及びソーラーモジュールの OEM 製造
 自社太陽光発電所の設置・管理
 住宅向け・低圧システム販売卸、EPC 工事請負、SPC 事業
 総合的な省エネルギー、創エネルギーシステムインテグレーション事業
 次世代グリーンエネルギー商品の企画・製造・輸出入及び販売、施工 等


(3)その他の事業
当社グループでは、太陽光パネル製造事業、グリーンエネルギー事業を主軸としつつ、ヘルス
ケア関連事業(光触媒)、建機販売事業、及び IT 事業を営んでおります。


1-2.環境への取り組み
再生可能エネルギー市場では、パリ協定等を契機として、産業革命前からの気温上昇を2度よ
り十分低く保つと共に、1.5 度以内の努力目標が強く意識されるようになり、COP27 においても地
球温暖化に対する各国の気候変動対策のあり方が改めて課題認識される等、カーボンニュートラ
ルは世界的かつ長期的なトレンドとなっております。


当社グループでは、2030 年グループビジョンとして、再生可能エネルギーの中核的グローバル
企業を目指して、持続可能な脱炭素化社会の実現に貢献すべく、社会価値と企業価値との両立


の 観 点 か ら 、 “ 成 長 戦 略 の 柱 ” と し て 、 ① 国 内 と 海 外 を 合 わ せ て 、 保 有 発 電 容 量 : 1 GW
(=1,000MW)、②(年間)太陽光パネル製造目標:8GW を掲げております。


【2030 年 Abalance グループビジョン】




持続可能な開発目標(SDGs)との関連では、当社グループは、「安全・安心」でクリーンなエネ
ルギーを提供し続けることを通じて、SDGs7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)、SDGs11
(住み続けられるまちづくりを)、SDGs13(気候変動に具体的な対策を)を中心にコミットしておりま
す。また、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)
への賛同を表明すると共に、同提言に賛同する企業や金融機関等から構成される TCFD コンソー
シアムに参画しております。


【環境対策に関する取組事例】
 再生可能エネルギーに係る事業実績として、VSUN の太陽光パネル製造事業、WWB 株式
会社、株式会社バローズを主体とするグリーンエネルギー事業の推進。太陽光パネルの
廃棄問題に対する貢献、資源の有効活用のため、リサイクル・リユース事業に着手。
 台風による各地の被災・停電等の発生を受けて、折り畳み式軽量のポータブルバッテリー
「楽でんくん」の自社開発(被災地域への寄贈)。
 次世代エネルギーを担うと期待される水素を活用したエネルギー貯蔵システムの開発。
 光触媒の塗布により殺菌・防虫効果のある、発電するビニールハウス「Maxar® EneZone」
等の開発による営農と食の安心・安全確保への貢献。
 福島第一原発事故の発生時に寄贈協力を行った三一重工製、大型コンクリートポンプ車
(大キリン)に係る交換部品の無償提供、技術協力を実施。近年では、東南アジアへの日
本 ODA 事業等、EV 港湾荷役機械供給によるインフラ整備事業への貢献として、建設機
械投入及びメンテナンス事業等。
 サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)への達成度に応じて金利スプレッドが
調整される「ちばぎん SDGs リーダーズローン」契約締結。金融機関と共同で営む活動とし
て、発行額の一部が地域の学校、医療機関、環境保護団体等へ寄付される仕組みの


SDGs 私募債、CSR 私募債を発行。
 社外役員として、SDGs の専門家を登用(研究論文、教育研修等多数)。
 (外務省) JAPAN SDGs Action Platform、(内閣府)地方創生 SDGs 官民連携プラットフォ
ーム、(JCLP)日本気候リーダーズ・パートナーシップ賛助会員。
 啓蒙活動として、長野県及び神奈川県内の中・高校生、都内私立中学校の生徒への
SDGs 研修の実施。社会・環境活動イベントへの支援・技術協賛(Peace On Earth、Earth
Day 等)。


1-2-1.グループビジョン
当社は、持続可能な脱炭素化社会の実現が求められる現代社会において、Best Values(最高
の価値、愛すべき未来)を企業理念とし、以下のような Vision(ビジョン)をもっております。


【Vision(ビジョン)-Excellent Creative Company】
 平和・安全・最適なグリーンエネルギーと人々の目の前も心も照らす光を創り、真の明るい
社会の為に貢献し続けます。
 より安全で便利・進化した生産性を高める情報技術・サービスを提供します。
 より安全で合理的・経済的で生産性を高める建設機械を提供します。
 常に社会変化を先取りし、広く社会貢献するグローバル企業グループを目指し、最適な経
営戦略を追求します。


また、自らが果たすべき役割と責任を認識し、環境ヘ与える負荷を減らしていくための継続的
改善を実行します。再生可能エネルギーを普及させる企業としてエネルギーの無駄をなくし、事業
活動と環境配慮を両立させ、社会に貢献する企業を目指すために、以下の項目を重点的に推進
します。


【グループビジョンに基づく重点施策】
 太陽光発電所に必要な部材の調達から設置方法の考案、販売までを提供する企業とし
て、お客様ヘ環境に配慮した製品・サービス・情報をお届けします。
 省資源・省エネルギー、パネル廃棄問題、廃棄物削減等に積極的に取り組み、リサイク
ル・リユースを円滑化すると共に、製品の開発・研究・ 企画の設計段階において、環境負
荷が少ない製品設計に努めます。
 ガバナンス体制の強化、コンプライアンス順守のため、事業活動に適用される環境に関す
る法令、及び当社が同意するその他の要求事項を継続的にモニタリングします。
 グループビジョンや順守事項は文書化し、すべての社員に周知の上、理解を得ることによ
って、環境に対する意識の向上と教育及び啓発を図り、文書やインターネットのホームペ
ージを用いて一般の人々に公開します。


1-2-2.環境への取り組み体制
当社は、太陽光パネル製造事業、グリーンエネルギー事業を通じて、世界各地に広く再生可能
エネルギーを供給することにより、持続可能な脱炭素化社会の実現に貢献することを目的とした
企業グループであるため、当該事業そのものが環境関連事業であるものと認識しております。




太陽光パネル製造事業は、ベトナムの VSUN が営む事業であり、当社はホールディングカンパ
ニーとしての立場から、グローバルな視点より経営管理・統括を担っており、環境対策を含む事業
運営に関しては、VSUN の品質技術部、及び WWB 株式会社のグローバルチーム所管のもと、日
本の生産・品質体制を取り入れております。


先進的な自動生産ラインを完備する VSUN 社の事業実績が評価され、英国グローバルメディア
の APAC Insider が授与する APAC ビジネスアワードにおいて、「Best International PV Solar
Manufacturer-Asia Pacific」賞を受賞しております。太陽光モジュールの信頼性・性能試験機関の
PV Evolution Labs(PVEL)からは、モジュールの信頼性に関する調査結果を纏めた報告書「PV モ
ジュール信頼性スコアカード」(2022 年度版)において、昨年に引き続き、「トップパフォーマー(Top
Performer)」の一社に認定されました。「PV モジュール信頼性スコアカード」は、PQP(製品認定プ
ログラム)に基づき、独立した第三者としての立場から信頼性評価を行うもので、「トップパフォー
マー(Top Performer)」に認定されたことは、モジュールメーカーとしての製造実績と研究開発・技
術革新に基づく品質管理が専門的な外部機関から評価されたものと認識しております。


グリーンエネルギー事業は、WWB 株式会社、株式会社バローズが主に営む事業であり、当社
は同じくホールディングの立場から、経営管理・統括を担っております。環境対策を含む事業運営
に関しては、WWB 株式会社のグリーンエネルギー事業部が環境対策の中心的な役割を担い、太
陽光発電所の開発・売電については WWB 株式会社の PJ 開発本部及び SI 事業部がこれを所管
しております。なお、ガバナンスやコンプライアンスに関しては、当社の法務部門がこれを所管して
おります。


1-3.グリーンローンの位置付け
当社は、前記の通り、再生可能エネルギーの中核的グローバル企業を目指して、持続可能な
脱炭素化社会の実現に貢献することを目標としております。第三者評価を踏まえた本件ファイナ
ンスは、環境効果の客観性・透明性を担保でき、当社が掲げる経営理念に資するものと考えてお
ります。なお、当社グループでは、サスティナブルファイナンスとして、過去にちばぎん SDGs リー
ダーズローン(*)やサステナビリティ・リンク・ローン等の実行があります。

(*)
地球環境温暖化の原因物質とされる温室効果ガスの削減に繋がる、「再生可能エネルギー
発電設備の発電容量」を KPI(評価指標)とし、当該 KPI における具体的な SPTs(サステナビリ
ティ・パフォーマンス・ターゲット:数値目標)の達成状況に応じて、金利スプレッドが調整される
サステナビリティ・リンク型のローン。





2.調達資金の使途
2-1.資金充当予定のグリーンプロジェクト
本ローンによる調達資金は、ベトナム国にて太陽光パネルの製造販売業を営む、当社グループ
の VSUN における、パネル製造第 4 工場(2022 年 10 月竣工済)の設備資金に全額充当する予
定です。
(1)設備概要 工場新設に係る建物、附属設備、及び機械装置
(2)所在地 Lo CN -53, Khu cong nghiep Thuan Thanh II, Xa An Binh, Huyen
Thuan Thanh, Tinh Bac Ninh
(3)敷地面積 約 50,000 平方メートル
(4)生産能力 年間生産能力: 2.4GW
(5)製造品目 太陽光パネル(モジュール生産)
(6)取得価額 凡そ USD 30 百万 その他レンタル: USD 2 百万/年


【新工場外観】




【工場内部の様子】





2-2.環境改善効果
本プロジェクトによる環境改善効果は、以下の通りと想定しております。
環境改善効果
VSUN が製造する太陽光パネルが使用されることにより、化石燃料由来の電力ではなく自然の
太陽光による発電が可能となり、CO2 排出量の削減に貢献する。


なお、レポーティングにおいては、CO2 排出削減量を開示することとします。環境改善効果の算
定方法、算定式は、以下の通りです。
太陽光パネル製造事業による CO2 排出量削減効果
算定方法 太陽光パネル製造事業に係る各プロジェクトにより実現し得る CO2 排出削減量
は、太陽光パネルの発電量に則り、以下の算定式にて求めるものとする。
算定式 対象年度の推定 CO₂削減効果は、(A)×(B)にて算出する。

(A)…対象年度に VSUN にて生産された太陽光発電パネルの総発電容量(kW)
(B)…CO₂削減に関する基準:387.5g-CO₂/kWh(*)
(*)
太陽光発電協会 表示ガイドライン(2022 年度) 結晶系シリコン太陽電池国内使用の場合


2-3.ネガティブインパクト
本プロジェクトがもたらすと想定される環境リスク、及び主な環境保全措置は、以下の通りです。
環境保全措置は関連するすべての法規制を順守するために実施されます。また、各プロジェクト
は、環境法令等や自治体が定める条例に則り、環境影響評価を実施しています。
想定される環境リスク 主な環境保全措置
大規模な土地造成に伴う生態 森林伐採や土地造成において、林地の保全や水源の涵養
系の破壊や悪影響 (調整池)、環境保全に十分に配慮した事業活動及び、当該
地域・周辺地域での土砂の流出、崩壊、その他災害への十分
な配慮といった、関連法規に従った適正措置
開発行為における公害 地域の生活環境を保全することを目的に、開発行為に係る事
業活動に関連して発生する排出ガス、排出水、粉塵、騒音、
振動及び悪臭について、関連法規に従った適正措置及び管

光害、景観への悪影響 地域の特性や周辺景観との調和への配慮など、関連法規に
従った適正措置
関連設備からの騒音・振動 関連法規に従った適正措置





2-4.資金充当の予定
本プロジェクトのプロジェクト総額、本ローンによる調達資金からの充当金額および予定時期は、
以下の通りです。


資金運用 資金調達
土地・建物 15百万ドル 本ローン(※) 10百万ドル
機械設備・内装 15百万ドル 自己資金 20百万ドル
合計 30百万ドル 合計 30百万ドル


(※)なお、本ローンについては 2022 年 10 月に竣工済の第 4 工場建設資金のリファイ
ナンス(自己資金負担分)として全額を一括充当し、未充当資金は発生しません(2023
年 3 月の充当を予定しています)。





3.プロジェクトの評価および選定のプロセス

3-1.環境面での目標
本ローンでの調達資金を充当するプロジェクトにより達成される「環境面での目標」(グリーンロー
ンを通じて実現しようとする環境上のメリット)と関連する環境改善効果は、以下の通りとなります。


環境面での目標 環境改善効果
再生可能エネルギーの普及・気候変動の抑制 CO2 排出量の削減


3-2.プロジェクトの評価・選定のプロセス
当社では、新規プロジェクトに採用する技術・設備を選定する際は、各プロジェクトの事業実施主
体であるグリーンエネルギー事業、グループ戦略室が連携し、環境面・経済面・財務面からプロジ
ェクトが完工する蓋然性の高さを比較し、その都度投資するプロジェクトの技術・設備の選定基準
を検討・決定しています。本ローンの調達資金を充当するプロジェクトに採用されている技術・設
備についても、これらプロセスを経て決定された選定基準に沿って選定しており、とりわけ環境面・
経済面での評価には重点を置いております。WWB 株式会社グリーンエネルギー事業部が主体と
なり、以下のような選定基準に基づいてプロジェクトの一次評価・選定を行いました。


資金使途となる技術・設備 技術・設備の選定基準
・当社の定める採算性(プロジェクト IRR が一定値以上)が担
保されていること
太陽光発電設備 ・当該プロジェクトに関連する法令や自治体が定める条例等
を順守できること
・事業関係者に反社会的勢力が介入していないこと


また、二次評価・選定として、本ローンの調達資金を充当するグリーンプロジェクトの選定にあたっ
ては、WWB 株式会社グリーンエネルギー事業部によって一次選定された本プロジェクトに対し、
「1-2-1.環境方針」に記載された環境方針への適合性、「1-3.グリーンローンの意義」に記載さ
れた当社経営理念への貢献性、「3-1.環境面の目標」に記載された環境改善効果がもたらされ
る蓋然性を考慮し、総合的評価を行いました。その結果、最終選定されたプロジェクトは、経営会
議により最終決定されました。





4.調達資金の管理方法

4-1.調達資金の管理方法
本ローンによる調達資金の追跡管理は当社財務部が行います。本ローンによる調達資金総額、
本プロジェクトへの充当済み資金、未充当資金を借入金管理システムにより管理します。全ての
調達資金が充当されるまでの間は、未充当額と充当額の合計が調達資金全額と整合するように
管理します。全ての調達資金が充当された後は、本プロジェクトへの累計充当額が調達資金総額
と整合する、もしくは上回るように管理することとします。これらの確認は年次で実施します。


4-2.未充当資金の運用方法
未充当金額については、現金または現金同等物、短期金融資産等で運用します。


4-3.文書管理の方法
調達資金に関連する証憑となる文書等については、当社規程に基づき適切に管理します。


4-4.本プロジェクトの売却時の対応
自然災害等による本プロジェクトの破損や滅失する事態となった場合には、保険金や自己の資金
等により事故前と同等以上の環境改善効果のあるプロジェクトとして修復・復旧します。また、や
むを得ない事情(自然災害等による破損や滅失を含む)により本プロジェクトを売却する場合には、
すみやかに①同等以上の環境改善効果をもたらすプロジェクト、かつ、②金額が入れ替え前の金
額を上回るプロジェクトを本グリーンローンの対象プロジェクトとして加える(以下、「代替プロジェ
クト」)ものとします。ただし、本プロジェクトに関する事業・市場・規制などの環境から、代替プロジ
ェクトの確保が困難な場合は、貸し手との事前の協議によって、本プロジェクトに充当されている
相当額を繰上償還します。





5.レポーティング方針

5-1.レポート方法
当社は、本ローンによる調達資金のプロジェクトに対する充当状況や環境改善効果等についての
最新の情報を、以下のスケジュールで当社ウェブサイトにてプロジェクトごとに一般に開示すると
ともに、本ローンの貸付人に対しても開示します。
また、本ローンによる全ての調達資金がプロジェクトに充当された後においても、大きな状況の変
化が生じた場合は、適宜当社ウェブサイトにて開示するとともに貸付人に対しても開示します。


①ローン実行時レポート:
本ローンが実行された直後に実施します。
②年度レポート:
本ローンの返済までの間、1 年に 1 度実施します。


5-2.開示内容
レポートには以下の内容を含む予定です。環境改善効果の算定に当たっては、本フレームワーク
で定義した算定方法に則り、適切に実施します。


開示内容
・調達資金を充当したプロジェクトのリスト
・本プロジェクトの概要(進捗状況を含む)
・本プロジェクトに充当した資金の額
・未充当資金の額、資金充当の予定、未充当資金の運用方法
・本プロジェクトによる環境改善効果(発電量、CO2 排出削減量)


5-3.レポーティング体制
ローン実行時レポートおよび年度レポートは、当社財務部が主管として作成します。調達資金に
関する情報収集・記載事項の確認は、当社財務部が実施します。環境改善効果に関する情報収
集は、WWB 株式会社グリーンエネルギー事業部が担当し、WWB 株式会社管理本部が記載事項
の確認を実施します。





6.外部レビュー方針

6-1.発行前レビュー
当社は、本ローンを実行する前に、本グリーンローンフレームワークが「グリーンローン原則 2021
年 2 月版」および環境省「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローン・ガイドライン 2022
年版」に定められた要件と適合性を有しているかという観点から、第三者評価機関である株式会
社格付投資情報センターより、セカンド・パーティーオピニオンを取得する予定です。


以 上





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